Webデザイナーの仕事内容の変遷
公開日:2023-07-01
「リモートワーク」や「テレワーク」という言葉が溢れた昨今、自由な働き方を求め今後のキャリアの一つとしてWeb業界への就職・転職を考えるという方も多いのではないでしょうか。中でも、Webデザイナーは、人気が高く、憧れの職業として候補に挙がることが多くなっております。
デジタルハリウッド専門スクールでは、受講生の皆さまがWebデザイナーとして活躍していただけるよう目指す職種や業界によってデザインのコースを複数ご用意しております。Webデザイナーを目指す方から学校説明会などで必ず質問を受けるのが、【今後のWeb業界について】です
「AI技術の発展やWeb制作ツールの進化によってWebデザイナーは必要なくなるのではないか?」
「Webデザイナーが多くなりすぎて市場は飽和状態なのではないか?」
など、Webデザイナーの将来性に関して不安に思っている方が多く見受けられます。そこで今回はWebデザイナーの将来性や今後の仕事内容について解説いたします。
目次
- Webデザイナーの将来性は?
- Webデザイナーに求められる仕事内容の変遷
- Webデザイナーの需要価値は市場でどれくらい高い?
- 将来安泰なWebデザイナーになるためにできること
- Webデザイナーに将来性を感じているデジハリスクール卒業生
- まとめ
Webデザイナーの将来性は?
Web業界の現状
情報技術の急速な発展により、インターネットは爆発的に普及され、インターネットを利用しないという方はほとんど見受けられなくなっております。
メディアを取ってみてもインターネット広告はテレビ広告の次に広告費がかけられており、さらに情報化が進むであろう社会において、Web業界市場はさらに拡大していくと予想されます。
昨今では、Webページを持たない企業はなく、Webページによって企業の特色や商品の良さをアピールし、採用や販売につなげるということも当たり前になっています。また、スマートフォンの普及によりアプリ開発も注目され、Webデザインだけでなく、アプリデザインもできる「UIデザイナー」の需要は今後もさらに増加することが考えられます。
その一方で昨今Webサイトを簡単に制作できるツールも注目されています。
WordPressを代表とするCMS(コンテンツマネジメントシステム、豊富なテンプレートが用意されており、CMSやHTMLなどのコーディング知識がなくとも簡単にWebページの更新ができる)やWixを代表とするAIを活用した自動ホームページ作成ツールなどが挙げられます。
上記のことを踏まえると、簡単なサイトであるならばデザインやコーディングの知識がなくともWeb制作をすることが当たり前になる時代がくると予想されます。
AIの登場などを聞くと、Webデザイナーは必要とされなくなり、無くなってしまう職業なのでは?と考えがちですが、無くなるのではなく、今後、求められるスキル・業務領域が変化すると考えられています。
Web業界は、変化の流れが速く、今までも求められるスキルや人物像が度々変化してきました。次の章では今まで求められてきたWebデザイナー像と今後求められるであろうWebデザイナー像を解説いたします。
Webデザイナーに求められる仕事内容の変遷
Webサイトのはじまり
世界初のWebサイトが公開されたのは1991年、日本では1992年9月30日に初のWebサイトが公開されました。
当初は、現在では当たり前となっているデザインレイアウトは存在しておらず、コンテンツはほぼ文字の羅列と文字リンクがあるだけの状態でした。この頃は通信速度が現在のような高速ではなく、ダイヤルアップ接続と呼ばれる、現在のFAXに近い仕組みでした。その頃はパソコンを使うことができる、Webのルールを分かっていることでWebサイトを作ることができましたが、まだまだ一般家庭へのPCの普及率や、Webサイトの存在自体がメジャーではありませんでした。
当時のWebサイトは情報を伝えるのみの機能でしたが、Webサイトの意図を考えると「情報を伝える」という根本を思い出させてくれますね。
コンテンツの整理
その後のWebサイトは、テキストが中心でありつつ、少しずつデザイン性が出てきます。tableタグといった方法で表形式のレイアウトを使って整理するようになります。修正がしづらいなどの理由から、現在は積極的に使われていない方式です。とはいえ、区切りをつけたり、並べたり、見やすく伝えたいというWebデザインの一歩といえるでしょう。
Flashの登場と衰退
そして、さらに今までのHTMLでは不可能だったデザインが可能となったのは1996年に開発されたFlashの登場です。Flash はムービーやサウンドを手軽に扱うことができるため、インタラクティブな表現を得意としていました。しかし、FlashはSEO(検索エンジン最適化)の観点からよくないとされています。そのため、一時期は盛り上がった手法でしたが、2015年にはFlashの名称は「Adobe Animate CC」と改名され、Flashで制作されたサイトを見るためのAdobe Flash Playerのサポートも2020年末に終了すると発表されています。
現在はJavaScriptなどで、同じような効果が得られる代替手法を用いるようになりました。見た目のデザインだけではなく、情報にたどり着きやすくすることを考えるという点も、他の分野のデザインとWebデザインの大きな違いと言えます。
新しい手法と利用シーンの拡大
皆さんはWebサイトを見るときに何で見ていますか?仕事でPCを使用するときは別として、普段の生活の中ではスマートフォンからWebサイトを見るという方が多いのではないでしょうか。このスマートフォン、特に2007年に登場したiPhoneのおかげで、Web業界も大きく変わりました。
今までPCで見ていたサイトをスマートフォンで見るようになったことでスマホファーストなデザインや、PCでもスマートフォンでも対応したレスポンシブデザインといったデザイン手法が生まれました。
また、人々がWebサイトを利用するシーンに制約がなくなりました。家の中だけでなく、移動する電車の中など場所を選ばず、椅子に座りながらはもちろん、寝転がりながらなど姿勢も選ばずに利用できるようになったことで、使われる環境を考えて設計されるようになりました。ユーザーエクスペリエンス(UX)といわれる、ユーザーがどんな場面で、どんな情報を、どうやって取得したいかといったことを考えたうえでデザインをするようになっていきました。
Webデザイナーの需要価値は市場でどれくらい高い?
変遷を見てもわかる通り、その時代その時代に合わせて、Webデザイナーが求められることが変化しています。そしてそこに合わせて技術も進化していますが、根本は、人と人を繋ぎ、情報を伝えることだと言えるでしょう。
また、デザイン思考やデザイン経営などの言葉が広まり、ビジネスのうえでもデザインが重要だということが認識されるようになりました。これは、市場価値の高まりでもあり、多くの企業に必要とされているということでしょう。
将来安泰なWebデザイナーになるためにできること
デザイナーに求められる範囲は過去に比べて広くなっています。そんな中でも、ユーザーの課題解決や、何かをよりよくしたいという根本の考えを忘れず、日々進化している技術を楽しみながら習得していく人はWebデザイナーに向いています。AIの台頭などで仕事が減る部分はあるとしても、踏み込んだヒアリングや、UXを考えることは人間にしかできないことです。デザインの知識を土台に、ディレクション能力やUI/UXへの理解を深めることが将来安泰なWebデザイナーになるための一歩といえるのではないでしょうか。
Webデザイナーに将来性を感じているデジハリスクール卒業生
前章でも、記載したようにWebデザイナーとして必要な技術やスキルは、日々進化しています。しかし、デザインの基本やUI/UXの考え方などの根本を抑えることで長く仕事にすることが可能です。また、日本に限らない技術のため、海外で活躍したい、場所を選ばずに働きたいという方が、Webスキルを身に着けています。
デジタルハリウッドでWebデザイナーとしてのスキルを身に着け、様々な分野で活躍している卒業生を紹介いたします。
case1:林 星絵さん
Webデザイナー専攻卒業
大学卒業後、物流業界へ就職。手に職をつけて組織に所属せず個人として生きていく力を身につけたいと考えデジタルハリウッドSTUDIO渋谷に入学。
デジタルハリウッド卒業後は、Web制作会社にてディレクター兼デザイナーとして2年勤務。現在JICA海外協力隊としてエジプトのカイロにてNGOの広報部でインハウスデザインを担当。
case2:高垣 空斗さん
Webデザイナー専攻卒業
入学前はミュージシャンとして活動。世界を旅しながらライティングする知人の生活に憧れWebに興味を持つ。デジタルハリウッドに通っている友人から「Webを学んでフリーランスとして活動する生活があっている」と勧めらデジタルハリウッドに入学し、本格的にWebを学び始める。
マッチングイベントにて、数多くの採用担当者にWebディレクターとしての素質を高く評価され、現在はWebディレクターとして活躍。
まとめ
Webデザインの変遷を振り返りながら、Webデザイナーの将来性をお伝えしました。仕事内容の表層は変化があるものの、コンピューターを通して、情報を伝えるという一貫した仕事内容だということ、そして、その伝える相手は人だということで、今後も人がやるべき重要な部分もあるということがわかりました。皆さんも、必要とされるWebデザイナーとして、知識やスキルを広げてみませんか?
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