Webデザイナーの国家資格「ウェブデザイン技能検定」とは

WEBデザイナーとしての知識やスキルを証明するには、制作実績と実務経験があることが重要になってきますが、資格があることで、一定レベルのWEBの知識とスキルを持つことを客観的に示すことができます。
未経験OKの求人の場合も、経験はなくともWEBの知識は必須になるため、資格を得ることで証明になります。また採用担当者の判断材料としてポートフォリオに追加できるうえ、向上心とやる気をアピールするためにも有効です。

今回は、WEBデザイン関連の資格のひとつ、「ウェブデザイン技能検定」をご紹介します。

※本記事の内容は2020年2月24日時点で掲載されている内容をもとに作成しております。最新情報については、特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会「ウェブデザイン技能検定 」https://www.webdesign.gr.jp/をご覧ください。

ウェブデザイン技能検定とは?

ウェブデザイン技能検定は、幅広い知識を必要とするWEBデザインの分野において、その技能を公証する国内唯一の国家資格です。

1級から3級まであり、それぞれ学科と実技試験があります。どちらか片方のみの受検もできますが、両方の合格をもって「ウェブデザイン技能士」と認定されます。合格すると、技能士として名刺などに技能士ロゴマークも使用することができます。1級合格者には厚生労働大臣より、2級と3級の合格者には特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」より、ウェブデザイン技能士の合格証書が発行されますが、いずれも国家資格として認められます。これまでに、累計19,007人(※HPより。令和2年12月25日現在)が取得しています。

1級から3級の全等級に共通の試験要項は以下の通りです。

【試験日・受検申請期間・実施予定地域・合格発表予定日】
2級、3級は年4回実施。1級は年一回学科試験があり、合格すれば実技試験を受験できます。令和3年度の受験申請・試験日程、合格発表予定日、実施予定地域は決定次第、ウェブデザイン技能検定HPで発表されます。(令和3年2月14日現在)

【申し込み方法】
インターネット、または郵送

【出題形式】
・学科 筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式
・実技 課題選択方式

【合格基準】
・学科 70点以上(100点満点)
・実技 70点以上(100点満点:ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)

次に、等級別の試験要項を掲載しています。

ウェブデザイン技能検定 3級試験要項

ウェブデザインの職種における初級の技能者が通常有すべき技能および、これに関する知識の程度を基準とする。

【学科試験科目及びその範囲】

  1. 1.インターネット概論
    1. 1-1.インターネット
    2. 1-2.ネットワーク技術
    3. 1-3.インターネットにおける標準規格・関連規格と動向
    4. 1-4.ウェブブラウジング
    5. 1-5.ワールドワイドウェブ(WWW)セキュリティ技術
    6. 1-6.インターネット最新動向と事例
  2. 2.ワールドワイドウェブ(WWW)法務
    1. 2-1.知的財産権とインターネット
  3. 3.ウェブデザイン技術
    1. 3-1.ハイパテキストマーク付け言語および拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(HTML・XHTML)とそのコーディング技術
    2. 3-2.スタイルシート(CSS)とそのコーディング技術
    3. 3-3.スクリプト
  4. 4.ウェブ標準
  5. 5.ウェブビジュアルデザイン
    1. 5-1.ページデザインおよびレイアウト
    2. 5-2.マルチメディアと動的表現
  6. 6.ウェブインフォメーションデザイン
    1. 6-1.インフォメーションデザイン
    2. 6-2.インタフェースデザイン
    3. 6-3.ユーザビリティ
  7. 7.アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
  8. 8.ウェブサイト設計・構築技術
  9. 9.ウェブサイト運用・管理技術
  10. 10.安全衛生・作業環境構築

【実技試験科目及びその範囲】

[1]ウェブサイト構築

  • ●ウェブサイトデザイン
    1. 1)ハイパテキストマーク付け言語(HTML)、拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(XHTML)、スタイルシート(CSS)によるコーディング
    2. 2)画像の利用
    3. 3)マルチメディアデータの利用
    4. 4)ページデザイン・レイアウト
    5. 5)アクセシビリティ
  • ●ウェブサイト運用管理
    1. 1)更新・管理

【受検手数料 (非課税)】

学科:5,000円/実技:5,000円(35歳以上)または3,000円(35歳未満)

【受検資格】

ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者

参照元:技能検定「ウェブデザイン」の試験科目 及びその範囲ならびにその細目
https://www.webdesign.gr.jp/img/2020/03/20191007.pdf(最終確認日:2020年2月24日)

ウェブデザイン技能検定 2級試験要項

ウェブデザインの職種における中級の技能者が通常有すべき技能および、これに関する知識の程度を基準とする。

【学科試験科目及びその範囲】

  1. 1.インターネット概論
    1. 1-1.インターネット
    2. 1-2.ネットワーク技術
    3. 1-3.インターネットにおける標準規格・関連規格と動向
    4. 1-4.ウェブブラウジング
    5. 1-5.ワールドワイドウェブ(WWW)セキュリティ技術
    6. 1-6.インターネット最新動向と事例
  2. 2.ワールドワイドウェブ(WWW)法務
    1. 2-1.知的財産権とインターネット
    2. 2-2.インターネットに関わる法令等
  3. 3.ウェブデザイン技術
    1. 3-1.ハイパテキストマーク付け言語および拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(HTML・XHTML)とそのコーディング技術
    2. 3-2.スタイルシート(CSS)とそのコーディング技術
    3. 3-3.スクリプト
    4. 3-4.サーバサイドアプリケーション
  4. 4.ウェブ標準
  5. 5.ウェブビジュアルデザイン
    1. 5-1.ページデザインおよびレイアウト
    2. 5-2.マルチメディアと動的表現
  6. 6.ウェブインフォメーションデザイン
    1. 6-1.インフォメーションデザイン
    2. 6-2.インタフェースデザイン
    3. 6-3.ユーザビリティ
    4. 6-4.各種データベースとの連携によるダイナミックなサイトデザイン
  7. 7.アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
  8. 8.ウェブサイト設計・構築技術
  9. 9.ウェブサイト運用・管理技術
  10. 10.安全衛生・作業環境構築

【実技試験科目及びその範囲】

[1]ウェブサイト構築

  • ●ウェブサイトデザイン
    1. 1)ハイパテキストマーク付け言語(HTML)、拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(XHTML)、スタイルシート(CSS)によるコーディング
    2. 2)画像の作成・加工と利用
    3. 3)マルチメディアデータの作成・加工と利用
    4. 4)スクリプトの利用
    5. 5)ページデザイン・レイアウト
    6. 6)アクセシビリティ
  • ●ウェブサイト運用管理
    1. 1)データアップロード
    2. 2)更新・管理

【受検手数料 (非課税)】

学科:6,000円/実技:12,500円(35歳以上)または7,000円(35歳未満)

【受検資格】

  • ・2年以上の実務経験(※2)を有する者
  • ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)した者
  • ・大学(※3)を卒業した者
  • ・高度職業訓練(※3)を修了した者
  • ・3級の技能検定に合格した者

※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。

参照元:技能検定「ウェブデザイン」の試験科目 及びその範囲ならびにその細目
https://www.webdesign.gr.jp/img/2020/03/20191007.pdf(最終確認日:2020年2月24日)

ウェブデザイン技能検定 1級学科・実技試験要項

ウェブデザインの職種における中級の技能者が通常有すべき技能および、これに関する知識の程度を基準とする。

【学科試験科目及びその範囲】

  1. 1.インターネット概論
    1. 1-1.インターネット
    2. 1-2.ネットワーク技術
    3. 1-3.インターネットにおける標準規格・関連規格と動向
    4. 1-4.ウェブブラウジング
    5. 1-5.ワールドワイドウェブ(WWW)セキュリティ技術
    6. 1-6.インターネット最新動向と事例
  2. 2.ワールドワイドウェブ(WWW)法務
    1. 2-1.知的財産権とインターネット
    2. 2-2.インターネットに関わる法令等
  3. 3.ウェブデザイン技術
    1. 3-1.ハイパテキストマーク付け言語および拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(HTML・XHTML)とそのコーディング技術
    2. 3-2.スタイルシート(CSS)とそのコーデ ィング技術
    3. 3-3.スクリプト
    4. 3-4.サーバサイドアプリケーション
  4. 4.ウェブ標準
  5. 5.ウェブビジュアルデザイン
    1. 5-1.ページデザインおよびレイアウト
    2. 5-2.マルチメディアと動的表現
  6. 6.ウェブインフォメーションデザイン
    1. 6-1.インフォメーションデザイン
    2. 6-2.インタフェースデザイン
    3. 6-3.ユーザビリティ
    4. 6-4.各種データベースとの連携によるダイナミックなサイトデザイン
  7. 7.アクセシビリティ・ユニバーサルデザイン
  8. 8.ウェブサイト設計・構築技術
  9. 9.ウェブサイト運用・管理技術
  10. 10.安全衛生・作業環境構築

【実技試験科目及びその範囲】

[1]ウェブサイト構築

  • ●ウェブサイト設計・計画
    1. 1)設計
    2. 2)計画
    3. 3)情報デザイン
  • ●ウェブサイトデザイン
    1. 1)ハイパテキストマーク付け言語(HTML)、拡張可能なハイパテキストマーク付け言語(XHTML)、スタイルシート(CSS)によるコーディング
    2. 2)画像の作成・加工と利用
    3. 3)マルチメディアデータの作成・加工と利用、配信
    4. 4)スクリプト・ サーバサイドアプリケーションの作成・加工と利用
    5. 5)ページデザイン・レイアウト
    6. 6)アクセシビリティ
  • ●ウェブサイト運用管理
    1. 1)データアップロード
    2. 2)更新・変更
    3. 3)チューニング

【受検手数料 (非課税)】
学科:7,000円/実技:25,000円(実技はペーパー実技含む)

【受検資格】

  • ●実技試験
    1. ・1級の技能検定において、学科試験に合格した者(学科試験の合格日より2年以内)
  • ●学科試験
    1. ・7年以上の実務経験(※2)を有する者
    2. ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了(※3)後、5年以上の実務経験(※2)を有する者
    3. ・大学(※3)卒業後、3年以上の実務経験(※2)を有する者
    4. ・高度職業訓練修了(※3)後、1年以上の実務経験(※2)を有する者
    5. ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験(※2)を有する者

※2:実務経験とは、ウェブの作成や運営に関する業務に携わった経験のことである。
※3:学校卒業、訓練修了については、卒業あるいは修了した該当科に協会が定めたウェブの作成や運営に関する科目等が含まれると協会が認めたものに限る。

参照元:技能検定「ウェブデザイン」の試験科目 及びその範囲ならびにその細目
https://www.webdesign.gr.jp/img/2020/03/20191007.pdf(最終確認日:2020年2月24日)

ウェブデザイン技能検定を受検するメリット

Webデザイナーには、さまざまなアクセス環境や使用状況で、誰もが情報やサービスを利用可能である、アクセシビリティに優れたウェブサイトを構築することが求められています。

ウェブデザイン技能検定の試験内容は、アクセシビリティの標準となるW3C、JISをはじめ、ウェブ技術の標準化団体の規格などに基づいた知識とスキル、実務能力等が問われるため、資格を取得することでWEBアクセシビリティに関する知識とスキルを証明できます。

どの業界も言えることですが、WEB業界においても未経験からWEBデザイナーになるのは採用する側にもリスクがあり簡単ではありません。他の求職者とのスキルや動機、意欲などに差をつけるためにも資格は有効です。

また、Webデザイナーの仕事は、コーディングやデザインのスキルはもちろん、ネットワークやシステムの特性を理解して制作する必要があるため、これらの知識も最低限ないといけません。ウェブデザイン技能検定の出題範囲には、WEBデザインを取り巻くネットワーク、システム、セキュリティに関しても含まれているので学習にも役立ちます。

ウェブデザイン技能検定に合格するために必要な勉強は?

おすすめな勉強方法①

ウェブデザイン技能検定のHPには、過去3年分の過去問題と練習問題が掲載されており、練習問題には各問題のポイントや解答例もあります。過去7年分の問題と解説が載っている問題集も発売されていますので活用しましょう。知っていても頻繁に使わないことは忘れていることもあります。繰り返し勉強して知識を定着させることが大切です。

2級と3級の実技試験では指定されたPC、アプリケーション、ブラウザ以外は使えません。1級は希望すれば、予め指定通り設定した自分のノートPCを持ち込めます。課題はファイル名、データ形式、拡張子に気をつけて、指定されたフォルダに過不足なくファイルを保存して提出しないと減点になります。当日慌てず時間内に作業できるよう慣れておきましょう。

おすすめな勉強方法②

未経験から学習するときは、慣れない用語やアプリケーションの扱いなど、わからないことが出てきます。学費はかかりますがスクールで講師にいつでも質問できることで効率よく、モチベーションを保ちながら実践的な学びができます。卒業する頃には、課題で制作したサイトやバナーなどの制作実績と資格の両方を準備でき、就活にすぐに役立てることができます。

ウェブデザイン技能検定の難易度・合格率は?

合格率は、年によって変動がありますが大体下記の通りです。
3級 60-70%、2級 30-40%、1級 10-20%

3級は誰でも受検ができ、基本的な知識があれば合格できるレベルとなっていますが、2級は2年の実務経験、1級においてはさらに多くの実務経験がないと受検できず、試験内容も高度です。

おわりに

WEBデザインの学習範囲は幅広く、定着にも時間がある程度必要になります。試験勉強で繰り返し手を動かしながら学習することは、短期間でしっかりと身につけることに役立つはずです。さらに資格の取得には、忍耐のいる学習をするだけの動機、意欲も必要になります。資格があることは一定レベルの知識とスキルを保有している証明となることはもちろん、採用者の評価にも大きく影響するやる気や学習意欲の高さを示すうえでもメリットがあります。

※本記事の内容は2020年2月24日時点で掲載されている内容をもとに作成しております。最新情報については、特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会「ウェブデザイン技能検定」https://www.webdesign.gr.jp/をご覧ください。