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WEB制作スキルを活かして海外へ! エジプトでデザイナーとして活躍する卒業生のご紹介

2019-06-16

こんにちは。デジタルハリウッドSTUDIO講師の久保田です。

私は今、卒業生に会いにエジプトのカイロまで来ています。

デジタルハリウッドの受講を検討されている方の中には、WEB制作のスキルを活かして海外でお仕事をしていきたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、未経験からSTUDIOでWEB制作のスキルを身に着け、日本の制作会社に2年勤務後JICA海外協力隊に応募し、エジプトにあるNGO広報部のインハウスデザイナーとして活躍している卒業生の林 星絵さんをご紹介したいと思います。

【目次】

・エジプトではどんな活動をしている?

・具体的な制作業務は?

・「JICA海外協力隊」という形でWEB制作スキルを活かそうと思った理由は?

・エジプトでの1日の生活は?

・デジタルハリウッドで学んだことは今の活動に活かされている?

・エジプトならではのデザインの特徴は?

・アラビア語のフォントの種類は?

・林さんおすすめの現地のデザイン情報!

・現地で制作をする上で大変なことは?

・エジプトのネット回線のスピードは速い?遅い??

・エジプトの人たちのネット利用方法は??

・PCはMacとWindows、どちらが多い??

・SNSは何が流行っている??

・エジプトでWEB制作という職種は果たして成立するの??

・海外で働きたい人へのメッセージ

・林さんの今後の展望を教えて!

・デジタルハリウッドSTUDIOのご案内

・Webデザイナー専攻について

1.林 星絵さんプロフィール

林 星絵(はやし ほしえ)さん

受講コース:Webデザイナー専攻 + WordPress講座 2015年12月卒業


1987年生まれ 北海道東川町出身 清泉女子大学 文学部 地球市民学科卒業

大学3年の時にアメリカに1年留学し、卒業後は語学を活かして物流業界へ就職。


輸出入のアレンジの仕事を3年、メーカーに1年半勤務後「組織に所属せず、手に職をつけて個人として生きていく力を身につけたい」と考え、デジタルハリウッドSTUDIO渋谷に入学。

デジハリ卒業後は、制作会社(株)Kipplyにてディレクター兼デザイナーとして2年勤務。現在JICA海外協力隊(職種:デザイン)としてエジプトのカイロにてNGOの広報部でインハウスデザインを担当。趣味はポールダンスとヨガ。



2.エジプトでの林さんの活動内容について教えて!

Q 現在、エジプトでどんな活動をされていますか?

A.エジプト国内の貧困層をサポートするNGOの広報部でインハウスデザイナーとして活動しています。

JICA海外協力隊は、派遣国からの要請に基づき隊員を派遣するので、私はJICA海外協力隊のサイトにある要請情報検索ページを見て、職種が「デザイン」の要請に応募をした形です。

JICA海外協力隊:https://www.jica.go.jp/volunteer/


Q 具体的な制作業務はどんなものですか?

A. WEBサイト制作のディレクターとして、既存サイトのリニューアルの提案を行っています。しかし、エジプトは WEBよりも紙で広報を行う文化がまだまだ根強いので、フライヤーや、パンフレット、毎月発行されるニュースレターといった紙のデザインが活動の多くを占めています。

最近は、広報用の写真も自分で撮影していますし、Facebookを利用したSNS投稿も担当しています。また、今後はNGOのスタッフにむけて、写真の撮り方講座のワークショップを開く予定です。




Q「JICA海外協力隊」という形でWEB制作スキルを活かそうと思った理由を教えてください。

A.もともと国際協力に興味があり、学生時代から途上国開発について学んだり、海外にボランティアに出たりしていました。その頃から協力隊になるのは一つの夢でした。

大学を卒業する時にも一度応募しましたが、その時は自分が何を軸として国際協力をしたいのかがわからず、合格に至りませんでした。


しかし、デジタルハリウッドでWEB制作スキルを身につけてから制作会社に転職して1年ほどたった後「このスキルを活かして、もう一度海外でチャレンジしたい」という気持ちが強くなり、協力隊のサイトを見るといいタイミングで「デザイン」という職種の中に、WEB制作経験者を必要とする要請があったので「まさにこれが今、私のやるべきことだ」と思って応募をしたのが経緯です。

Q エジプトでの林さんの1日の生活はどんな感じですか?

A.エジプトは日本と違い、金曜日と土曜日がお休みで、週の始まりは日曜日です。
公庁や学校教員の仕事は、朝7~8時くらいからスタートし、午後14時~15時には終わるそうです。

どの仕事も全体的に、日本に比べお給料が安いので、夕方から別の仕事を掛け持ちするエジプト人も多くいます。

私の職場の勤務時間は9時~17時までですが、だいたい、10時くらいまでに出勤して、16時~17時の間に帰ります。


日本のようにランチタイムといった休憩時間はありません。 そして、残業もありません。

急ぎの案件があったとしても、職場の人たちが帰ってしまうので、困る時があります(笑)

エジプトの人たちは、仕事よりも家族や自分の時間を大切にする人が多いように感じます。

私は、帰宅後は、夕食を作ったり、ヨガのレッスンに通ったり、ブログを書いたりして過ごしています。また、職場のネットが通じなく、仕事が進まなかった日は自主的に家で作業することもあります。

休日は隊員同士で家に行き来し、食事会をしたり、エジプト人の友人にアラビア語を教えてもらったりしています。


Q デジタルハリウッドで学んだことは今の活動に活かされていますか?

A. もちろんです!制作の現場では、ソフトウェアを使いこなすことが絶対条件です。

デジタルハリウッドを選んだ理由は初心者からスタートできるWEB制作のカリキュラムがあり、また、自分の空いている時間に自由に学校に行って学べるスタイルがあったからでした。

デジタルハリウッドではソフトの使い方のベースを学ぶことができ、自分の新しいキャリアの道を広げてくれました。また、卒業制作の時に企画から制作までの工程を一通り行った経験が、現在のディレクションにも活かされていると感じます。



3.エジプトのデザイン事情ってどんな感じ?

Q エジプトならではのデザインの特徴を教えてください。

A.タイポグラフィーとしてアラビア語を使うというのが大きな特徴ではないでしょうか。

アラビア語は文字の縦幅の差が激しく、基本的に1単語は文字同士をくっつけて表現するので、カーニングに限度があり、バランスをとるのが難しいです

また、日本であれば、漢字、ひらがな、カタカナ、英語のアルファベットの大文字、小文字などを使え、見た目にバリエーションを出せますが、私の案件は基本的に英語とミックスさせない形で依頼されるので、アラビア語のテキストだけで文字表現を行うのが大変です。

配色については鮮やかな色彩を使うことが多いと感じます。日本は柔らかい色を好むように思いますが、エジプトでは、はっきりとした赤や青などを掛け合わせた配色をよく見かけます。

Q  アラビア語のフォントの種類はどんなものがありますか。

A. 個人的には「Dubai Font」というフォントが、クセがなく太さのバリエーションがあるという理由からとても使いやすいと感じています。また「Cairo」というフォントは逆にクセがあるので、目立たせたい時などに使っています。


Dubai Font  https://dubaifont.com/

Cairo Arabic Font  https://tlwen.com/forums/showthread.php?t=793


今気になっているのは、アラビックカリグラフィーと言われる、アラビア語の習字です。

中東圏では企業のロゴマークに使われることが多く、有名なものとしてはエミレーツ航空のロゴなどにも使われています。

エミレーツ航空のロゴ

https://www.emirates.com/

Q 林さんおすすめの現地のデザイン情報をおしえてください

A.まだ制作会社のコネクションはないのですが、クリエイション全般でみると気になる企業が2つあります。

1.Cairopolitan

https://www.cairopolitan.com/

エジプトに住んでいるとわかるような、心くすぐるユニークな作品がたくさんあります。

例えば、エジプトで毎日の様に食べられているパンを筆箱にデザインしたものや、バスのチケットをノートの表紙のデザインにしたものなどです。

2.UNTY Design


https://www.unty.co/

https://www.unty.co/untyshop/


ヨガの先生が着ていたクレオパトラと書いてあるトレーナーが可愛くて紹介してもらいました。一般的なお土産屋さんで売っている、ピラミッドやアラビア語のTシャツは微妙なデザインが多いのですが、ここのデザインは渋谷のストリートで着られている様な若者向けデザインで、おしゃれだと思います。


Q 現地で制作をする上で大変だったことはありますか?

A. 正直に話すと、現地のデザインのレベルはあまり高くありません。

日本で洗練されているデザインと思われているものが、こちらでは好まれなかったりします。例えば、近年のトレンドである、ミニマルデザインは好まれず、掲載内容の説明が強めのデザインを求められます。エジプトの文化を尊重しながら制作するのは、自分のやりたいことと相反することが多いため、もどかしい気持ちになることがあります。

エジプトにいて、デザインが素敵だなと自分が感じるものは、海外で学ばれた人たちの作品が多いです。やはり、外の世界を見たり、経験したりすることで表現の幅は広がるのかなと思いました。



4.エジプトのネット環境は?

Q エジプトのネット回線のスピードはどうですか?

A. 基本は遅いです。公共のWifiは3Gや2Gの地域もあります。

私の家は、回線にお金をかけていて、動画もストレスなく見れるくらいのスピードのものを利用しています。物価は日本に比べて5分の1くらいですので、ネット代は月額約1000円くらいです

エジプトの人たちは、家の中にネット環境がない人もいますし、職場でさえもよくネットが止まるので、データのやり取りはUSBが主流です。そのため、USBを介したウィルス感染が問題になっています。

本当ならクラウドやチャットを使った仕事の進め方を提案したいのですが、インターネット環境が整っていないので、なかなか難しそうです。


Q エジプトの人たちはネットをどんな風に利用しているのでしょう?

A. あくまでも自分が現地で生活をしていて感じることですが、WEBサイトを利用して検索しているのはネット環境が整っている富裕層の人たちが多く、そうでない人は他の人に直接聞いたり電話をしたりする人が多いと感じます。

ただ、若い人たちはFacebookやInstagramといったSNSでコミュニケーションをとっています

マーケティングツールとしてのWEBサイトは、エジプト人の富裕層向け、または海外向けに制作されているものが多い気がしています。そういったサイトは必ず英語で表現されています。

現地メディアは、看板広告やテレビやチラシがまだまだ強いのではないでしょうか。


Q PCはMacとWindows、どちらが多いですか?

A.ほとんどがWindowsですね。制作会社のPC事情はわかりませんが、カフェでパソコンを開いている人をみても、Macを持っている人はあまり見かけません。

MacやiPhoneは高級品で、それらを持っている人たちは限られています。


Q 町を歩いていると、若い人たちがスマホを使ってよく自撮りをしていますが、SNSの種類は何が流行っているのでしょうか。

A.Facebookが主流です。2011年に起こったアラブの春という革命はFacebookから情報が伝播して拡がったともいわれています。若い人たちはInstagramやSnapChatも利用しています。

日本人の顔立ちが珍しいのか、子どもたちから一緒に写真を撮りたいとお願いされることもしばしばあります。

日本でいうLINEのような位置付けの、メッセージをやり取りするアプリは、WhatsAppが主流です。


Q ネット環境が整っていないエジプトで、WEB制作という職業は果たして仕事になるのでしょうか。

A. 現状は、国内ではなく「海外と仕事を行う形であれば成立する」と思います。

今のエジプトでは、制作を行う技術に加えて、制作指示をする組織のディレクターのリテラシーを底上げすることが必要であると思っています。リテラシーが低いが故にデザイナーに明確な指示が出せず、クオリティーの低いものができてしまう光景を何度か目にしました。

5.WEB制作スキルを持って海外で働きたい人に一言!

Q WEB制作スキルを持って海外で働きたいと思っている人たちに林さんからメッセージをお願いします。

A. もし私のように発展途上国や海外に目を向けている日本のクリエイターさんがいるのであれば、ぜひ怖がらずに一歩を踏み出していただきたいです。

現地ではきっと、ただ制作だけができる人よりも、コミュニケーションを円滑にとれる人や、周りを見ながら自分の役割を見極めたり、提案したりすることができるディレクション能力のある人が重宝されると思います。

JICA海外協力隊の技術職も、デザイン、コンピューター技術、PCインストラクターなどがありますので、興味がある方はサイトの募集要項を見て応募をしてみてください。


Q ありがとうございます!最後に、林さんご自身の今後の展望について教えてください!

A. エジプトに来る前は、現地のWEBサイトをより良くリニューアルをする、という「技術の移転」をがんばろうと思っていましたが、実際に働いてみるとデザイナーに対しての技術指導よりも、それを指示するディレクターのリテラシーやディレクション能力をあげる指導が必要であると感じました。


今は「技術の移転」から「知識の移転」にシフトして、私が任期を終えて日本に帰っても残るものを伝えていきたいと考えています。


任期を終えた後のことは、まだぼんやりとしているのですが、制作の仕事をベースにしつつ仕事も生活も勉強も同じ場所で出来るような、いろんな人たちが交差するコミュニティースペースを日本や海外につくっていきたいと考えています。

6.林さんが通学したコースって?

Webデザイナー専攻 

デザイン・Webに関して未経験の方が受講をされることの多いコースです。最後の2ヶ月間で取り組む卒業制作では、未経験とは思えない作品が作れるようになります。 在学中に講師のフィードバックを受けながら作品を完成させることができるのがポイント!常時在中しているトレーナーの先生からの個別指導と、2ヶ月間の担任講師からのフィードバックで完成度の高い作品がポートフォリオに掲載され、就職・転職活動をされています。


WordPress講座 

WordPressとはWebの知識がなくても画像や文章があれば簡単にブログサイト制作ができるソフトのことです。様々な機能を追加することもでき、用意されているデザインだけでもオリジナリティのあるサイトを作成できます。

こちらの講座は人気No.1エクステンション講座となっており2か月間でWordPressのインストールから基本操作、オリジナルのテーマ作成に必要な基本スキルの習得と様々な応用例を紹介しながら、実際に自分の力でオリジナルテーマを構築できることを目標とします。




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デジタルハリウッドSTUDIOでは異業種への転職を目指す方だけでなく、フリーランスを目指す方など、様々な方が学習をされています。未経験から学習をスタートし、希望の働き方を叶える方が多いのも特徴です。また、近年働き方改革や、パラレルワークが話題となっており、今すぐにフリーランスを目指さない方も今後の働き方を考え、スキル習得を目指される方も多くいらっしゃいます。

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