3DCG制作に使うパソコンの選び方

公開日:2025-06-07

3DCG制作に使うパソコンの選び方

これからCGやアニメーションを学ぶみなさんにとって、「どんなパソコンを選べばいいのか?」はとても重要な問題ですよね。
この記事では、そんな悩みを持つ皆さんに向けて、CG制作に適したパソコンの選び方をご紹介します。

パソコンのパーツはどう選べばいいの?

年々CG制作ソフトがアップデートされるにつれて求められるパソコンの性能もあがります。
パソコンの選び方で大事なのはそれぞれのパーツの役割を理解し、自分が求める作業に適した要件のパーツを見分けられるようになることです。


パソコンは、いろんなパーツが連携して働くことで性能を発揮します。
これを 「人体」 に例えると、各パーツの役割がとても分かりやすくなります。


PCパーツ 人体 役割
電源 心臓 全身にエネルギー(電気)を供給します。
CPU
(処理能力)
論理的思考や判断、すべての基本的な処理を行います。
思考スピードそのものです。
GPU
(グラフィックボード)
視覚処理や空間認識を司る部分。映像・画像・3D処理を担います。
RAM
(メモリ)
作業中に心の余裕がないとき、何か一つでも作業が増えると『もう無理!』ってなりますよね。それと同じで、メモリが足りないとPCも一杯一杯になります。
ストレージ 記憶力 情報を保存する場所。SSDはデータの移動が早いです。

人間の身体と同じで、どれか一つの性能だけが高くても、他の部分が弱ければ本来の力は発揮できません。
たとえば、GPU(目)が高性能でも、それを処理するCPU(脳)が追いつかなければ意味がありません。
すべてのパーツがバランスよく整ってはじめて、快適なCG制作が可能になります。

MacとWindows、どっちを選ぶべき?

結論から言うと…
将来、CG業界で働くことを目指すなら「Windows」がおすすめ!


もちろん、Macにも魅力はあります。デザインや動画編集では人気も高く、「使い慣れているからMacがいい」という人も多いでしょう。

ですが、CGを学ぶ学生にとっては、将来を見据えてOSを選ぶことがとても重要です。
CG・アニメ・VFXなど本格的な制作を学びたいなら、Windowsを選んだ方が安心です。

理由1:業界標準はWindows

アニメやCG制作の現場では、「Maya」「3ds Max」「Cinema4D」など多くのソフトがWindows環境を前提に開発されています。
プロのアニメーターやモデラーの多くも、Windowsを使っています。
現場では「データが開けない」「アドオンが使えない」など、Macでは不都合が起きるケースも…。

また、Mayaと非常に相性のいいNVIDIA製の内臓GPUはMacでは非対応のため、作業の効率化といった面でもWindowsがおすすめです。

理由2:コスパが圧倒的に高い

Macはデザイン性が高く、動画編集や音楽制作では人気です。ただし、同じ価格帯ならWindowsの方が高性能なスペックを手に入れることができます。
とくにCG制作は「GPU(グラフィック性能)」が重要なので、WindowsのゲーミングPCなどがコスパ面でも非常におすすめです。

理由3:現場でよく使われているのはWindows

実際の会社やクライアントとのやり取りもWindowsが主流です。
「Macで作ったデータが開けない」「プラグインが動かない」などのトラブルを避けるためにも、今からWindowsに慣れておくのが得策です。

デスクトップ?それともノート?

デスクトップパソコンかノートパソコンか、これも多くの人が頭を悩ませる選択ですよね。
持ち運び等の利便性も大事ですが、3DCG制作のように高い処理能力を必要とする作業においては、この選択が作業効率に大きく影響するため、どちらを選ぶべきか慎重に検討する必要があります。

結論から言うと…
本格的に3DCGをやるならデスクトップPCをおすすめします!

デスクトップPCがおすすめな理由

3DCG制作において、デスクトップPCは優れた冷却性能により安定したパフォーマンスを出すことができます。また、パソコンのパーツは小さくなればなるほど値段もあがるので、 デスクトップPCはノートPCよりコストパフォーマンスが高い です。複雑なモデリングや高速レンダリングなど、重い作業を長時間続ける際にノートパソコンより安定したパフォーマンスを出せることはデスクトップPCの長所と言えます。さらに、メモリやストレージの増設、グラフィックボードの交換など、ユーザー自身でパーツをカスタマイズして性能を向上できる点も大きな魅力です。

また、会社で3DCG制作に携わる場合、高性能なPCを外出先に持ち出す機会は少なく、ほとんどの作業は会社または自宅のデスクトップPCで行われることが多いため、携帯性よりも性能と安定性を重視するデスクトップPCは、3DCG制作のメインマシンとして最適な選択だと言えます。

ノートPCはこんな人向け

もちろん、ノートPCが全く使えないわけではありません。もしどこでも作業したい、学校やカフェ、友達の家など場所を選ばずに作業したいと考えるなら、ノートPCは非常に魅力的ですよね。電源を入れてすぐに使える手軽さがノートPCのメリットと言えます。

結局どのパソコンを買えばいいの?

ここまで3DCG制作PCの重要性について理解を深めていただいたものの、「結局、自分にはどのPCが最適なんだろう?」「普通に買えばいいの?」「誰に聞けばいいの?」と感じている方もいるかもしれませんね。そんな方におすすめの選び方をご紹介します。

おすすめの選び方1:学校推奨PCを買う

デジタルハリウッド(専門スクール)には受講生の方限定のオンラインストアがあります。
オンラインストアにある講座推奨PCを買うのもいいでしょう。

時期によってはノートPCのみのラインナップとなりますので、デスクトップPCを買いたい場合は講座推奨PCのスペックを参考におすすめの選び方2で購入することをおすすめします!


★受講生限定オンラインストア(デジハリストア)★
https://dhw.base.shop/

おすすめの選び方2:BTOパソコンを自分で選ぶ

ブラウザで「BTOパソコン※1」と検索し、自分の予算に合ったゲーミングデスクトップPCを探す方法です。ゲーミングPCはコストパフォーマンスが良く、最新のゲームにも対応しているものであれば3DCG制作にも十分使えるのでおすすめです。

もしPCの性能がよくわからない場合は、お店の販売員の方に学校推奨PCのスペックを見せて、近い性能の物があるか聞いてみましょう。


※1 BTOパソコンとは…
「Build To Order(受注生産)」の略で、CPUやメモリ、グラフィックボードなどのパーツを自由に組み合わせて注文できるパソコンのことです。これにより、必要な性能に絞ってパーツを選んでコストを抑えたり、足りないと感じる部分をワンランク上のパーツにしたりと、自分で細かく調整しながらパフォーマンスの良いPCを組むことができます!