Unityとは?使い方や特徴、ダウンロード方法について詳しく解説!

公開日:2024-02-15

WindowsやMacなどのコンピュータを使用して、ゲームを作るにはどうしたら良いのだろう?と思ってネット上を調べてみると、「Unityで作りました」や「Made with Unity」のように「Unity(ユニティ)」というワードを良く見かけると思います。

Unityはゲーム開発において、非常に人気の高いゲームエンジン(および、開発環境)で、この記事では、ゲーム開発初心者向けにUnityの特徴や出来ることについて詳しく解説します。

【目次】

Unityとは?

Unity(ユニティ)は、ユニティ・テクノロジーズ社が開発・提供するゲームエンジンです。ゲームエンジンと定義されていますが、ゲームらしいふるまいをする実行環境だけでなく、エディタや拡張機能などの開発環境や、様々なプラットフォーム(家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、モバイル、Webなど)で実行が可能なデータを1つのソースから作成(ビルド)する機能も有しているなど、多機能で拡張性のある統合開発プラットフォームとも言えるでしょう。

ゲームエンジンとは

ゲームエンジンとは、ゲームコンテンツで頻繁に利用される主要な振る舞いや処理(3D描画処理、物理演算、衝突判定、サウンド入出力など)をあらかじめ組み込んだソフトウェアのことです。ゲームコンテンツ共通の振る舞いや処理を、自分自身で作成せずにゲームエンジンに任せることで開発工程が効率化され、コンテンツ自体の質の向上により多くの時間を割くことができます。

なぜゲームエンジンが必要か?

ゲームコンテンツが「ゲームらしい」振る舞いをするためには、ベースとなるシステムを作り上げる必要があります。そのシステムには膨大な処理が必要で、しかもそれぞれの処理の実装には、非常に高レベルな実装スキルが求められます。

しかしベースとなるシステムの多くは、ゲームごとに細かい違いはあるものの、概ね同じようなものであり再利用が可能なことから、システムをあらかじめ組み込んだソフトウェアであるゲームエンジンが作られるようになりました。ビジネスの場において、コンテンツ開発の効率化とクオリティの向上のため、ゲームエンジン導入の必要性が高まっています。

Unityの特徴・メリット

商用のゲームでも利用されている

Unityは、ゲーム制作に適していることで知られています。商用のゲームでも利用されており全世界のモバイルゲームの50%以上がUnityで制作されている点は特徴の一つです。例えば、「Pokémon GO」、「どうぶつの森 ポケットキャンプ」といったゲームタイトルを聞いて多くの方が認知している優れたゲームもUnityが活用され制作されています。

初心者や子供でも扱える

Unityは、他のゲーム制作ツールと違い、初心者や子供でも扱える点も特徴の一つです。Unityは、個人であれば無料で使用可能なためリスクがない状態で安心して初心者でも子供でもゲーム制作などに取り組むことができます。また他のゲーム制作ツールよりも、Unityは直観的に操作できるUIになっているため初心者や子供でも比較的扱いやすいツールであるといえるでしょう。

マルチプラットフォームに対応

Unityは、1つのプロジェクトデータ(ソース)から、複数のプラットフォーム(実行環境)向けに実行可能なデータを書き出すこと(ビルド)が可能です。

Unityがビルド可能なプラットフォームとは、Windows、Mac、Android、iOSなどの各種OS搭載のコンピュータやモバイル機器、家庭用ゲーム機やモバイルゲーム機、OculusやHololensなどのAR/VR/MR対応デバイス、Webブラウザ、OS搭載のTVなどで、その対応範囲は多種多様で常に広がり続けています。Unityのマルチプラットフォーム対応機能により、開発者や初心者はプラットフォームごとの差異を極力意識することなく開発を進めることが可能です。

プログラミングなしでゲームが開発可能

Unityは、Asset Store(アセットストア。後述)に公開されているアセット(素材)を使用することで、C#(シーシャープ)などのプログラム言語でプログラムコードを記述することなく、ゲームを開発することが可能です。Asset Storeは無料のアセットも数多く販売されていますので、初心者はまず無料のアセットを探して、色々と試してみると良いでしょう。

ただし、自分で色々と制御したくなることや、より複雑な処理をしたい場合は、自身でコードを記述する必要があります。プログラム初心者は、最初はどういったコードを書いて良いか分からないことが多いので、Asset Storeで手に入れたアセットで、他の人が書いたコードを参考にするのも良い勉強になるでしょう。

Asset Store(アセットストア)には、開発に役立つ素材が豊富

Asset Store(アセットストア)は、Unityで扱えるアセット(素材)を販売するWeb上のストアサイトです。Webブラウザを開かなくても、Unity Editor上で閲覧可能です。Unity Technology社が公式に運営しており、世界中のアセット作成ユーザーから集めた多種多様で豊富なアセットを購入することができます。

扱っているアセットは、3Dモデルなどのコンテンツのパーツとなるアセットから、Unityによる開発を便利にする拡張機能など多種多様です。中には無料で提供されているアセットもあるので、初心者はまずは無料のアセットを探して、いろいろと試してみると良いでしょう。

無料でも利用可能

Unityの利用はライセンス制となっており、個人向けの利用では一定の条件を満たすことで、基本的に無料で使用することが可能です。条件とは「過去12ヵ月の収益や調達した資金が10万米ドル(約1,000~1,100万円。2020年現在)以下」と規定されており、過去1年でそれ以上の収益を上げたりや資金を調達した場合は、ライセンスを企業向けの各種プランへアップグレードする必要があります。 個人向け無料版は、便利なサービスが一部使用できませんが、普通に開発するぶんには問題なく利用することができますので、初心者は迷うことなく個人向けライセンスを選択しましょう。ライセンスは後からアップグレードやダウングレードすることが可能です。

Unityでゲーム制作を通して創造力・思考力が養われる

Unityでゲーム制作を行う中で、想像力や思考力を養うことができます。

どんなゲームを作りたいかというアイディアを基にゲーム制作を進めます。どんなキャラクターを出演させたいか、どんな世界観のゲームにしたいか、どんなアイテムや攻撃を行わせたいかなど想像力を養うきっかけになります。

また、同時にアイディアを形にするにはどうしたら良いのかを考えながら進めなければなりません。実際にアイディアとして出したものをどうしたら形にできるのかを考えることで論理的思考力を身につけやすくなります。

プログラミング言語「C#(シーシャープ)」のスキルアップにも

Unityでは、細かな設定を行いたい場合は、プログラミング言語を用います。例えば、ゲーム制作においては、「C#(シーシャープ)」を用います。その他にも「JavaScript」、「Boo」といったプログラミング言語を用いる場合もあります。プログラミング言語を習得すると、他のプログラミング言語も理解しやすくなります。楽しく学びながら実践的なプログラミングスキルを身につけ、スキルアップにもつながりやすいためプログラミング初心者にもおすすめです。

Unityで出来ること

Unityでゲーム開発

ゲーム開発は、Unityのゲームエンジンとしての強みを十分に生かせる分野です。ゲーム開発に必要となる「ふるまい」や「機能・処理」のほとんどはあらかじめUnityに組み込まれており、ゲーム開発の汎用的な機能や処理の開発に割く時間が短縮され、アートワークのブラシュアップ、インタラクションやユーザー体験の改善など、クリエイティブな活動により時間を割くことが可能です。


UnityでVR(Virtual Reality:仮想現実)コンテンツ開発

VR(Virtual Reality:仮想現実)コンテンツの開発には、VR特有のレンダリング方法や、VRデバイス(OculusやHTC VIVEなど)ごとに特有の出入力システムや振る舞いに対応する必要があります。

UnityはVRコンテンツ開発に必要な処理や機能を拡張機能として組み込むことが可能で、さらにはVRデバイスメーカー側からも、いち早くUnity上で開発するためのSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)が提供されるため、VRデバイスごとの特性を生かしたコンテンツを作成することが可能です。

Unityの医療分野における利用

Unityは、前述のようなVRのほか、AR(Augmented Reality:拡張現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)を含めたXR(Cross Reality。VR、AR、VRなど拡張現実系技術の総称)コンテンツの開発が比較的容易に作成できることから、ゲーム分野だけでなく、医療分野や後述の建築分野などのビジネスの場における利用も広がっています。

医療分野におけるXRコンテンツの活用例としては、AR/MRデバイスによる手術シミュレーションや、実際の手術の際の状態情報の確認。リハビリテーションの現場では、患者の機能回復を促すためXRコンテンツを導入するなどの事例が挙げられます。

Unityの建築設計分野における利用

建築設計分野でも業務効率化のために、建築設計プロセスを仮想空間内で可視化し、施工の解析や最適化をシミュレーションするVDC(Virtual Design and Construction)という考え方が浸透してきており、このような手法で建築設計とエンジニアリング、そして建築・

施工まで進めることをAEC(Architecture, Engineering & Constrution)と言います。

また、AECで欠かせないデータ形式はBIM(Building Information Modeling)といい、これまでバラバラに管理されていた図面や仕様、コスト、スケジュールなどのデータを1つにまとめることができます。

UnityはこのBIMデータをアセットとして取り込むことが可能で、最近ではBIMデータから簡単にXRコンテンツを作成することができる「Unity Reflect」をいうソフトウェアがリリースされ、ますますAECとの親和性が高まっています。

Unityの使い方を解説

Unityの使い方について紹介します。

公式のマニュアルをまずは見よう

Unityの使い方を公式サイトでマニュアルを確認することが可能です。

Unity公式:Unity ユーザーマニュアル
Unity ユーザーマニュアルでは、Unity エディターや関連するサービスの使い方を学ぶことができます。

マニュアルを最初から最後まで読んだり、リファレンスとして使ったりすることも可能です。

公式のチュートリアルを見てみよう

Unityのチュートリアルを公式サイトで閲覧することが可能です。

このように初心者向けにチュートリアルが用意されていたり、ゲーム開発初心者向けのチュートリアルがあったりと無料で学習することができます。

Unityは無料?料金プランについて

Unityは初心者でも無料で使用できると本記事でもお伝えした通りなのですが、個人での使用でない場合、いくつか料金プランが設けられています。料金プランや無料で利用するための条件について紹介します。

Unityの料金プラン

Unityの料金プランは複数に分かれています。最新版は、Unity公式サイトを確認しましょう。


ここで紹介しているプランは2024年2月時点のものです。最新の価格については公式サイトを確認しましょう。また、為替レートを確認したうえで価格調整を行う可能性があるそうです。


【Personal】

料金:無料

Unity の無料版で制作を開始


【Unity Pro】

料金:1 年契約一括払いの税込金額は 267,960 円

プロ向けの制作と運用のための完全なソリューション


【ENTERPRISE】

料金:カスタム価格


また、2024年1月より「Unity Runtime Fee」という新たな料金制度が始まりました。

一定以上の収益とダウンロード数を達成したゲームを対象とする従量制となっており、インストール数に応じて利用料が発生する仕組みです。

詳細は公式ページを確認しましょう。

無料で利用するための条件

料金プランでもお伝えした通り、無料で使用できるのは【Personal】の場合です。

条件は以下のようになっているようです。

利用資格:過去12か月の収益や調達した資金が10万ドル未満の個人開発者および小規模企業のお客様は、Unity Personal をご利用いただけます。

【Personal】プランについて公式サイト:https://unity.com/ja/products/unity-personal

Unityの始め方を解説

Unityを活用してみたい!とお思いの方も多いのではないでしょうか。今回は、Unityの始め方を簡単に紹介します。

必要なものを用意する

まずは、Unityを使うにあたって必要なものを揃えましょう。Unityをダウンロードすることから始まりますので以下は必須で用意が必要です。


・パソコン

・インターネット環境


Unityを使うのに必要なPCスペックは公式サイトに掲載されています。

ダウンロード方法

次にUnityのダウンロード方法についてご紹介します。

まずは、UnityIDを作成します。

公式サイト(https://unity.com/ja/download)よりUnity IDを作成しましょう。

右上の人型アイコンをクリックし、登録を進めます。登録時は、メールアドレス・パスワード・アカウント名などを入力します。メールアドレスが必要になるので用意しておきましょう。

インストール方法

次に、Unity Hubのダウンロード・インストールにうつります。

UnityIDが登録できたら、Unity Hubのダウンロードをします。ダウンロードはこのページから行います。(https://unity.com/ja/download

自分のOSに合うものを選択しダウンロードを行い、UnityHubSetup.exeというファイルがダウンロードされるので、ファイルを解凍し、ライセンス条件に同意を行い、インストール先のフォルダを選択し、インストールを実行のボタンを選択するとインストールが開始されます。


Unityのダウンロード・インストールについてはこちらの記事で詳しく紹介していますのでご参考ください。

Unityを動かすために必要なものは?

Unityは基本的にWindowsやMac、またはLinux(※プレビューサポート)のOS(Operation System:オペレーションシステム)が入ったコンピュータさえあれば、利用することができます。ただ、コンピュータに搭載されているOSやGPU(Graphics Processing Unit)に、ある程度の性能が求められます。公式ページによると、下記のように記載されています(※抜粋)。


・Windows

OSは64ビット版のWindows7以上、GPUはDirectX10以上相当


・Mac

OSはSierra 10.12.6以上、GPUはMetalが動作するIntel製またはAMD製のGPU


・Linux(※プレビューサポート。正式サポートではないとのことです)

OSはUbuntu16.04以上かCentOS7、GPUはOpenGL3.2以上やMetalが動作するNvidia製またはAMD製のGPU

Unityの学習方法

Unity(ユニティ)は非常に多機能なため、初心者は何から学んで良いか迷ってしまうと思います。また、自分はゲームを開発したいわけではないけど、Unityには興味があるという方もいると思います。

前述のように、Unityはゲーム以外の分野(建築、自動車、教育、アートなど)の作品開発でも良く使用されていますが、ゲーム開発が目的ではないとしても、基本的な使い方の部分は一緒ですので、最初は基本的な操作方法や、初心者向けのゲーム開発のチュートリアルで学んで、ある程度Unityに慣れてきたら、目的別に重点をおいた機能について学んでいけば良いでしょう。

初心者にお薦めの学習リソースを、いくつか紹介します。

デジタルハリウッド株式会社が運営する、社会人向けクリエイター養成スクール。その中でもCGのゲームエフェクトに特化した講座です。ゲーム業界で活躍するエフェクトデザイナーとしてのスキルを極め、一点突破でゲーム業界での活躍を目指します。Unityをメインに、Mayaやphotoshopなど総合的に学習が可能。プロからの目線でフィードバックを受けられる実践的な講座で、現場で活躍できるプロになるためのカリキュラム。サイバーエージェントグループの採用担当者が参加する講評会も実施します。

Unity Technologies社運営の公式オンラインUnity学習サイト。初心者向けの講座から最新の機能を使った講座まで、数多くの講座が用意されています。英語で有償契約が必要なPremium講座が多いですが、初心者向けの無償の日本語対応講座も提供されています。 有償契約(月極15ドル。またはUnity Plusライセンス以上であれば無償で契約可能)にアップグレードすると「Unity Learn Premium」となり、Premium講座やオンラインLive講座の受講資格を得ることができます。Unityの最新機能をいち早く学習できるため、初心者のみならず中・上級者にもお薦めなサービスです。

Unity Technologies社運営の日本語の公式オンラインUnity学習サイト。Unity Learnはステップバイステップのチュートリアル形式の講座になっていますが、Unity Learn Materialsの講座は、基本的に特定のトピックに絞ったプレゼンテーション動画とそれに付随するスライド資料が提供されています。全ての講座は日本語で提供されていますが、中級者以上向けのトピックが多いので、初心者はある程度Unityの学習を進めてから利用すると良いでしょう。

Udemy(ユーデミー)は、サンフランシスコに本社を持つUdemy社が運営するオンライン学習プラットフォームサービスです。日本ではベネッセ社から提供されています。講座は基本的に動画で、学習素材も無償で提供されています。サービスは月極契約ではなく、講座ごとに購入する形式で、講座の内容が古くなると内容をアップデートしてくれる講座もあります。無償の講座も一部あり、日本語対応の初心者向けUnity講座も増えてきています。

まとめ

いかがだったでしょうか?この記事では、ゲーム開発初心者向けにUnityの特徴や出来ることについて詳しく解説しました。Unityは簡単に始めることが出来ることや、ゲーム分野以外の幅広い分野でもUnityが利用されていることを知っていただけたかと思います。

Unityの学習方法についても様々な方法がありますので、ご自身にあった学習方法を見つけてみてください。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部