WindowsやMacなどのコンピュータを使用して、ゲームを作るにはどうしたら良いのだろう?と思ってネット上を調べてみると、「Unityで作りました」や「Made with Unity」のように「Unity(ユニティ)」というワードを良く見かけると思います。
Unityはゲーム開発において、非常に人気の高いゲームエンジン(および、開発環境)で、この記事では、ゲーム開発初心者向けにUnityのダウンロード方法とインストール方法、そして開発を手助けしてくれる素材や拡張機能が満載なAsset Store(アセットストア)について詳しく解説します。
Unityとは?
Unity(ユニティ)は、ユニティ・テクノロジーズ社が開発・提供するゲームエンジンです。ゲームエンジンと定義されていますが、ゲームらしいふるまいをする実行環境だけでなく、エディタや拡張機能などの開発環境や、様々なプラットフォーム(家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、モバイル、Webなど)で実行が可能なデータを1つのソースから作成(ビルド)する機能も有しているなど、多機能で拡張性のある統合開発プラットフォームとも言えるでしょう。
Unityのダウンロード、インストール方法
- Unity Hubをダウンロード
Unity Hub(ユニティハブ)は、複数のバージョン(ベータ版・アルファ版含む)のUnityをインストール・管理できるアプリケーションです。前述の機能だけなく、これまで作成したプロジェクトの一覧や、学習リソースの管理、Unityアカウント・ライセンスの管理なども可能で、文字通りUnityのHub(拠点)となるアプリケーションです。
Unity公式サイトの下記URLで「Unity Hubをダウンロード」ボタンをクリック
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックして、起動したインストール画面の手順に従って、Unity Hubをインストールしてください。
- Unity Editorをインストール
Unity Editor(ユニティエディター)はUnityの開発環境や開発画面のことを指しますが、Unityをインストールすることは同時にUnity Editorもインストールすることになるため、厳密に区別せずに表記される場合があります。ここではUnity Editorを便宜上、Unityと表記します。
Unity Hubを起動します。
Unity Hubの左側メニューの「インストール」をクリックすると、これまで自分のPCにインストールしたUnityの一覧が表示されますが、初めてUnityをインストールする場合は何も表示されません。画面右上の青色ボタン「インストール」をクリックしてください。
ポップアップ画面が表示され「推奨リリース」、「正式版」、「プレリリース」から、インストール可能なUnityのバージョンがいくつか表示されます。
正式リリースは比較的動作が安定しているバージョンのUnityのことで、特に名前の末尾に「(LTS)」と表記されているバージョンは「Long Time Support(長期サポート)」と呼ばれ、バグフィックスなどの動作安定のためのサポートがリリースから2年間保証されたバージョンで、安定した動作を求めたい場合はこのバージョンを選択します。
初心者はまずはこのバージョンを使用することをおすすめします。バージョンを選択し、画面右下の「次へ」をクリックして、次の画面に進みます。
「モジュールをインストールする」画面が表示され、開発する目的によって必要なモジュール(目的のためのデータやプログラムの集まりのようなもの)を同時にインストールすることができます。このモジュールの追加・インストールは、Unityのインストール後も可能なので、ここでは何も変更せずに右下の「次へ」をクリックして、インストールを実行します。
しばらくするとインストールが完了し、「インストール」の画面に、先ほど選択したUnityのバージョンがインストールされたことが確認できます。
- Unityライセンスをリクエスト
Unityのライセンスは、自分のUnity IDアカウントでライセンスをリクエストして、認証されることで取得することができます。ライセンス認証・取得を行わなくても、Unityを利用することは可能ですが、その場合は個人向けPersonalプラン(無料)相当のライセンスとなり、各ライセンスが持つ特典を利用することができません。
Personalプランよりも上位のプランをサブスクライブ(契約)している、または上位プランをサブスクライブしているチームや組織からライセンスの割り当てを受ける場合は、早めにライセンスをリクエストして、認証・取得しましょう。
Unityライセンスのリクエストには、Unity HubまたはUnity IDアカウント用のWebサイトで、自分のUnity IDアカウントでサインインします。ここでは、Unity Hub上での流れを解説します。
Unity Hubウィンドウ右上にある人型のアイコンをクリックし、プルダウンメニューからSign In(サインイン)をクリックして選択すると、Sign In画面が表示されます。
Unity IDアカウントをまだ作成していない場合は、「IDを作成」をクリックするとUnity IDアカウント作成ウィンドウが表示されるので、メールアドレス、パスワード、ユーザ名、フルネームを設定して送信すると、設定したメールアドレス宛に確認メールが届くので、記載されている手順に従ってリンクをクリックすると、Unity IDアカウントの作成は完了です。
再びUnity Hubに戻り、無事にサインインできていれば、Unity Hubウィンドウ右上の人型のアイコンがサインイン状態のアイコン(ユーザーフルネームの略称など)に変化しています。アイコンをクリックするとプルダウンメニューもサインイン状態のメニューに変化しているので、その中から「ライセンスの管理」をクリックして選択すると、ライセンス管理画面が表示されます。
ライセンス管理画面では、現在サインインしているUnity IDアカウントが取得しているライセンスを確認できます。前項で初めてサインインに成功した場合は、その時点で個人向けPersonalライセンスが認証・取得済になっています。
現在取得しているライセンスとは別のライセンスを取得できる場合は、画面右上の「新規ライセンスの認証」を、逆に一時的にライセンス割り当てを受けていて、ライセンスを返却する必要がある場合は、画面右下の「ライセンスの返却」を選択して、手続きを進めてください。
このようにUnity IDアカウントに紐づく(関連づける)ライセンスは、管理画面で柔軟に変更が可能であることを覚えておきましょう。
- プロジェクトを作成
Unityプロジェクトを作成していきましょう。Unity Hubを起動して、Unity Hubウィンドウ左側にあるメニューから「プロジェクト(Project)」をクリックすると、これまで作成したUnityプロジェクトの一覧が表示されますが、初めてプロジェクトを作成する場合は何も表示されません。
Unity Hubウィンドウ右上にある「新規作成()」ボタンをクリックすると、インストールした最新のUnityのバージョンを使用したプロジェクトを新規作成します。Unity Hub上で複数のバージョンをインストールしている場合、ボタンの右側にあるプルダウンメニューから、使用するUnityのバージョンを選択してプロジェクトを作成することができます。
Unityプロジェクト作成画面が表示されます。この画面左側では、どんなタイプのコンテンツを作成するかを選択します。選択したタイプによって、プロジェクトにそのタイプに適した設定や、開発に役立つアセットなどをあらかじめインポート(取り込み)してくれます。ここでは初期選択された「3D」のままにしておきましょう。
Unityプロジェクト作成画面右側では、プロジェクトの名前とプロジェクトの保存場所を設定します。不具合の原因になるので、プロジェクト名やプロジェクト保存場所のパスに、日本語などの全角文字が含まれないように注意しましょう。
Unityプロジェクト作成ウィンドウの右下の「作成」ボタンをクリックして選択し、しばらく待っていると、Unity(エディター)が表示され、新規Unityプロジェクト作成は完了です。
Asset Store(アセットストア)を利用する
- Asset Store(アセットストア)とは
Asset Store(アセットストア)は、Unityで扱えるアセット(素材)を販売するWeb上のストアサイトです。Webブラウザを開かなくても、Unity Editor上で閲覧可能がです。Unity Technology社が公式に運営しており、世界中のアセット作成ユーザーから集めた多種多様で非常に豊富なアセットを購入することができます。
購入といっても、Unity Technology社が公式に提供しているアセットや一部のアセットは無料で提供されているので、初心者はまずこのような無料アセットを探してみましょう。
- Asset Store(アセットストア)の使い方は?
Asset Store(アセットストア)は、前述のようにWebブラウザからも閲覧可能ですが、ここではUnityエディタ上でAsset Storeを閲覧し、その後アセットを購入して、アセットをプロジェクトにインポートする(データを取り込む)までの流れを解説します。
Unityエディタ上部のメニューの[Window]から、[Asset Store]を選んで、エディタ上にAsset Storeウィンドウを表示させます。
Asset Storeウィンドウのタブ上で右クリックして、コンテキストメニュー(右クリックして表示するメニュー)から「Maximize」を選択すると、Asset Storeウィンドウが拡大表示されます。
Asset Store(アセットストア)でアセットの購入や管理するため、Unity IDアカウントでAsset Storeにサインインする必要があります。Unity Hub上で既にサインイン済みの場合は、そのアカウントでAsset Storeにもサインインされています。Asset Storeウィンドウ右上のアイコンを確認してみてください。
アセットの購入や管理を、一元管理したいなどの理由で、別のUnity IDアカウントでおこなうことも可能なので、その場合は一度Asset Storeからサインアウトしてから、管理用の別アカウントでサインインしてください。
Asset Storeでは多種多様なアセットを扱っているため、なかなか目的のアセットが探し出せない場合があります。Asset Storeウィンドウ上部にある検索窓や右側にある各種設定は、表示するアセットを絞り込むフィルタリングメニューで、フィルタリング設定を使用してアセットを絞り込んで探してみましょう。ここではUnity Technologies社公式の無償アセットである「Standard Assets」を、名前で検索してみます。
アセットの名前で検索すると、マッチしたアセットが抽出され表示されます。先頭に表示された「Standard Assets」をクリックして選択すると、アセットの詳細画面が表示されます。アセット詳細画面の右上にある青色のボタン「Download」をクリックして、アセットをダウンロードしましょう。
初めてAsset Storeを利用する場合は、モーダル画面(前の画面の上にかぶさって表示される新しい画面)が開いて、Asset Store利用規約の同意が求められますので、右下にある「Accept」をクリックして先に進みましょう。
アセットのダウンロードが完了すると、先ほどの「Download」ボタンが「Import」ボタンに変更されるので、このボタンをクリックして、プロジェクトにインポート(取り込み)してみましょう。しばらく待っていると、「Import Unity Package」ウィンドウが表示され、アセット全てをインポートするか、選択したアセットのみインポートするかを選択することができます。ここではアセット全てをインポートするので、何も変更せずにウィンドウ右下の「Import」ボタンをクリックして選択しましょう。インポート進捗ゲージが表示され、インポート完了までの状況が確認できます。
しばらく待っていると、インポート進捗ゲージが消え、インポート完了です。冒頭でAsset Storeウィンドウを最大化表示したように、今度はウィンドウを元のサイズに戻すため、Asset Storeウィンドウのタブ上でコンテキストメニューを表示し、再び「Maximize」をクリックして選択します。
Unityエディタに戻り、エディタ左下のProjectウィンドウを見ると、Standard Assetsフォルダが追加され、Standard Assetsが持つ様々なアセットがプロジェクトにインポートされたことが確認できます。
このようにAsset Store上のアセットを簡単に自分のプロジェクトにインポートすることが可能です。初心者はまず無料のアセットを探して自分のプロジェクトに取り込んで、いろいろと試してみましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?この記事では、ゲーム開発初心者向けにUnityのダウンロード方法とインストール方法、そして開発を手助けしてくれる素材や拡張機能が満載なAsset Store(アセットストア)について詳しく解説しました。利用に際し、最初は認証などの手続きが少し必要になりますが、毎回同じような設定をおこなう必要ありません。有償プランを契約しない限り、基本的には無料で利用することができますので、まず気軽に始めてみてはいかがでしょうか。