公開日:2023-07-01
グラフィックデザイナーとは、雑誌の表紙や書籍の装丁、商品のパッケージ、ポスター、看板など、広告や宣伝に関するデザインをする人を指します。
今回は、グラフィックデザイナーとはどんな職業なのか、グラフィックデザイナーのなり方や仕事内容、必要なスキルや勉強方法を解説していきます。グラフィックデザイン未経験からグラフィックデザイナーを目指される方もいらっしゃるかと思います。どんな方がグラフィックデザイナーに向いているのか、グラフィックデザインはどこで学ぶことができるのかなど紹介しておりますのでぜひご参考ください。
デザイナーの仕事の種類
「デザイナー」と一言でいっても様々な仕事の種類があります。
代表的なデザイナーのお仕事の種類をご紹介します。
・グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーとは、雑誌の表紙や書籍の装丁、商品のパッケージ、ポスター、カタログ、看板など、さまざまなデザインを手掛けます。広告制作会社やデザイン事務所、企業の広告宣伝部や商品開発部などで活躍しています。グラフィックデザイナーとして実績を積んだのちは、広告全体を指揮するアートディレクターへとステップアップする人もいれば、独立してフリーで働く人もいます。
もともとクリエイティブ関連の仕事の中でも人気の高い職業ですが、近年、ビジネスの現場においてデザインやクリエイティブの重要性が注目される中、グラフィックデザイナーを含むクリエイターの需要が高まりつつあります。
・Webデザイナー
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを行う人のことを指します。
クライアントの要望に基づき、デザインや構成を考え、提案を行いコーディング作業まで行います。Webディレクター・エンジニアなどと協力しながら、クライアントや自社のWebサイトを作りあげていくことも多いです。
・DTPデザイナー
DTPデザイナーとは、DTPソフトウェアを使ってデザインを行う仕事です。イラストや写真、原稿などのレイアウトを行い、デザインを制作する人を指します。
グラフィックデザイナーの年収
グラフィックデザイナーの年収は、一般的に平均年収は430万円と言われています。
ただし、この数字は企業の規模や業種によっても異なります。また、フリーランスのグラフィックデザイナーの年収も経験や実績によってさまざまなようです。
また、フリーランスで働くのか、正社員で働くのか、アルバイトで働くのかによっても年収は変わってきます。
グラフィックデザイナーは作品を仕上げ、世の中から評価されたときに大きな達成感を味わえる仕事です。そして、自身のスキルやまわりの評価が収入に直結するという、クリエイティブ職ならではの醍醐味もあります。実力次第で収入が変わりますので日々スキルを磨くことは重要になってきます。
関連記事:グラフィックデザイナーの年収・給料は?
グラフィックデザイナーの仕事内容
グラフィックデザイナーの仕事内容とは、雑誌の表紙や書籍の装丁、商品のパッケージ、ポスター、看板など、広告や宣伝に関するデザインをします。
グラフィックデザイナーは「絵が描ける」「センスがいい」というだけでできる仕事ではありません。また、自分の作りたいものを作る仕事でもありません。さまざまな立場の人とチームを組んで、クライアントが本当に必要としているものを的確につかみ、ときには期待以上の提案をデザインで表現することがグラフィックデザイナーの本質となります。
実績のあるグラフィックデザイナーは、雑誌や書籍などの仕事だけではなく、CMなどの大きな仕事にも関わることもあります。その場合は、アートディレクターやフォトグラファーなど様々な方とコミュニケーションを取りながらデザインの制作を行っていきます。
未経験からのなり方や必要なスキル・適性をご紹介
数あるクリエイティブ職の中でもとくに人気の高い仕事といえば、「グラフィックデザイナー」です。
世間のイメージ的に、高度なセンスや才能が求められる職業だと思っている方も多いかもしれませんが、実は美大などを卒業していない人でも、未経験から目指すことができる職業です。
ここでは、未経験からグラフィックデザイナーになるために必要なスキルや適性などを詳しく解説します。
グラフィックデザイナーになるのに必要なスキルは?
未経験からグラフィックデザイナーを目指す場合、どんなスキルを身につけておけばいいのでしょうか?
これからのグラフィックデザイナーに欠かせないのは、ずばり以下4つのスキルです。
デザインスキル
グラフィックデザイナーに求められるのは、第一にデザインスキルです。
たとえば、新商品の広告ポスターをデザインするとします。見る人に商品の特徴や良さが伝わり、「買ってみようかな」と思わせるためには、訴求力の高いデザインスキルが必要です。デザインスキルには、写真やイラストなどの構成を決める「レイアウト」、最適な配色技法がわかる「色彩」、文字の大きさ・行間を考慮しながら読みやすいフォントを選択・配置する「タイポグラフィー」などがあります。
デザイン力はその人のセンスと思われがちですが、実際は上記のようなデザインの基礎や理論をしっかりと学ぶことでグラフィックデザイナーとしての能力を伸ばすことができます。
ソフトウェアスキル
Illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)という名前を聞いたことはありませんか?
世界中のデザイナーや企業が使用している、グラフィックデザイナー必須のデザインソフトです。こうしたソフトをスムーズに使いこなせることが、グラフィックデザイナーの第一歩となります。
Illustratorはその名の通りイラストを描いたり、文字のレイアウトやデザインができるソフトです。Photoshopは写真加工や合成、レタッチに便利なソフトです。グラフィックデザイナーはほぼ100%こうしたソフトを使用してポスター、商品パッケージ、ロゴマーク等のデザインをしますので、未経験の方は必ずマスターしておきましょう。
この2つに加えて、InDesign(インデザイン)というソフトを使うこともあります。こちらはページ数の多いパンフレット制作や書籍のレイアウトなどに適しています。
コミュニケーションスキル
グラフィックデザイナーといえば、パソコンに向かって一人でもくもくと作業をするイメージがあるかもしれません。ですが、実際はディレクターやコピーライターなどほかのスタッフとチーム戦で1つの作品を作り上げる仕事です。そのため、まわりとうまくコミュニケーションをとることができなければ、クライアントの意図を勘違いしたり、独りよがりの作品を作ってしまうことにもなりかねません。
さまざまな立場の人とうまくコミュニケーションをとることがグラフィックデザイナーとして重要なスキルとなります。
Webマーケティングスキル
Webマーケティングとは、Web上に多くのユーザーを集客し、自社のサービスや商品への購入につなげる施策を行うことをいいます。集客の代表的な方法としては、検索エンジン対策であるSEOが有名です。多くの人が日常的にインターネットを利用する今、Web上でより多くのユーザーにアピールできるWebマーケティングの重要性はますます高まっています。未経験からグラフィックデザイナーを目指す場合、Webマーケティングスキルも身につけておけば、Web系の制作会社などに入れる可能性も高まります。また、大きなキャンペーンや広告展開の場合、商品パッケージやポスター等の印刷物のデザインと、Webのデザインや企画を連動させることも多いため、Webマーケティングスキルをもったグラフィックデザイナーは活躍できる場が広がるでしょう。
未経験からグラフィクデザイナーになるには
未経験からグラフィックデザイナーになるためには、デザインの基礎やグラフィックソフトの使い方を知っておく必要があります。ここでは、その具体的な方法を3つご紹介します。
スクール・専門学校に通う
グラフィックデザイナーとして働く場合は、美大や芸大、専門学校などで学び、広告制作会社やデザイン事務所に就職するのが一般的です。大人になってから「未経験だけどグラフィックデザイナーを目指したい」という場合は、専門のスクールに通う方法が近道です。デザインの基礎やソフトの使い方をプロから学べますし、わからないことはその場で聞いて解決できます。また、デザイナーを採用したい企業とのコネクションがあり、就職・転職について相談できる点も心強いポイントです。
専門スクールには複数のカリキュラムが用意されていることが多く、「働きながら自分のペースで学びたい」「短期集中で学びたい」など、自分に合ったコースを選ぶことができます。パソコンやデザインソフトは高額のため、自分で買いそろえるのは大変ですが、専門スクールなら最新のパソコンやソフトがそろっていますので、すぐに勉強を始められるのもメリットです。
独学で勉強する
グラフィックデザインに関する本は数多く市販されていますし、最近では動画サイトも充実していますので、それらを利用して独学で学ぶという方法もあります。学ぶ範囲が広くて迷うようであれば、まずはIllustratorとPhotoShopの使い方を学ぶといいでしょう。専門学校などが提供するオンライン講座などを利用して自宅で勉強するのもおすすめです。
独学で勉強をする際は、一緒に勉強できる仲間を見つけたり、SNSなどに自分の勉強の成果や作品をアップしたりすれば、モチベーションを保ちつつ学ぶことができます。「こんなグラフィックデザイナーになりたい」「オリジナルのTシャツをデザインしたい」など目標が具体的であればあるほど、独学でも着実に成長することができます。
未経験から就職・転職する
未経験可の求人に応募するのもひとつの手です。仕事をしながら現場で生きたスキルを身につけることができ、短期間で実績を積みたいという方におすすめです。最初は先輩グラフィックデザイナーのアシスタントや見習いからのスタートとなりますが、経験を積みながら次第に大きな仕事へとステップアップを目指します。
ただし、まったくの未経験者からの募集は少なく、あっても小さなデザイン事務所である場合がほとんどです。
クラウドソーシングサービスを利用するのもおすすめです。実務経験がなくても採用可能な案件もあるので、グラフィックデザイナーとして初めての仕事をする際の選択肢になります。また、身近な人にデザインしてほしいものはないか聞いてみるのもいいでしょう。近所のお祭りのポスター、行きつけのお店のメニュー表、お世話になった方に贈るメッセージカードなど、デザインが必要なものは意外と身のまわりにあふれています。最初はうまくできなくてもかまいません。小さな実践を積み重ねていきましょう。
グラフィックデザイナーの就職先は?
グラフィックデザイナーの就職先は、大きくわけて2つのパターンがあります。
ひとつは、広告代理店やデザイン事務所、各種制作プロダクションです。さまざまな企業から依頼を受けデザインを行うため、多種多様なジャンルのデザインに携わることができるというメリットがあります。普通ならなかなか参加できない有名企業の大きなプロジェクトにも、最初は先輩のアシスタントデザイナーとして参加することで大きく成長できる可能性もあります。
もうひとつは、インハウスデザイナーです。一般企業の広告宣伝部や商品開発部などに所属して、自社製品やサービスなどのデザインを行います。インハウスデザイナーを募集している企業は比較的大企業が多く、待遇面も良い傾向があります。
グラフィックデザイナーの就活のポイント
専門的なスキルが求められるグラフィックデザイナーのような求人はどのように探し、就職活動はどのように進めたら良いのでしょうか。いくつか探し方やポイントをご紹介します。
①専門スクールなどに通い専門スキルを身につけポートフォリオを充実させる
特に資格は求められない職業ではありますが、代わりに実績やポートフォリオが大事になってきます。もちろん資格があることで専門性のあるスキルを持っていることの証明にはなりますので持っていることで損になることはありません。しかし、それよりも重要視されるのがポートフォリオでの経験や実績です。ポートフォリオでは、自分の技術やセンスや意気込みなどを作品を通して就職活動時には提示することが必要です。
未経験からグラフィックデザイナーを目指すこともできますが、例えば、デジタルハリウッドのような専門スクールに通うことでプロの指導を直接受けながらスキルを効率的に身につけ、作品を作っていくことでポートフォリオへの掲載作品ができるので卒業後の就職活動でも役立ちます。
②クリエイティブに特化した就職活動の求人サイトを活用する
デザイナーといった職業は、営業職や事務職などの総合的な求人サイトから見つけることが難しい場合もあります。クリエイティブに特化した求人サイトもありますのでそういったポータルサイトをうまく活用しましょう。
いくつか求人サイトをご紹介します。
(1)イマジカデジタルスケープ:https://www.dsp.co.jp/
└イマジカデジタルスケープは、ゲーム・映像・Web・IT業界専門の 転職・派遣エージェントです。
(2)デジタルハリウッド(専門スクール)では、就職転職サポートの一つにデジタルハリウッド卒業生のみが使えるクリイティブ求人が多く掲載されている「デジハリ生専用の仕事情報サイト:xWORKS Job Style Search (JSS)」というサポートがあります。フリーランス・業務委託・正社員・派遣社員・アルバイトなど、様々なワークスタイルの求人を掲載されています。ポートフォリオを充実させることで企業から逆にオファーが届く場合もあります。
グラフィックデザイナーに向いている人
グラフィックデザイナーにはずば抜けたセンスが必要だと思っていませんか? デザインスキルももちろん大切ではありますが、デザインとは一見無関係なように思えることが、実はグラフィックデザイナーの適性だったりします。
どんな人がグラフィックデザイナーに向いているのか、早速見ていきましょう。
粘り強い人
企画段階からプレゼン、デザインの作成、入稿まで、たくさんの工程があるグラフィックデザインの現場。その間、グラフィックデザイナーはクライアントから、はたまた社内のアートディレクターや先輩デザイナーからありとあらゆるダメ出しを受けます。何度も修正を繰り返すことは日常茶飯事で、ひどい時には一からやり直しになってしまうことも。そんな状況でもひたむきにデザインに取り組める打たれ強さや粘り強さが、グラフィックデザイナーには求められます。
好奇心旺盛な人
常に新しい表現や提案が求められるグラフィックデザイナー。その裏では日々のインプットが欠かせません。デザインだけでなく、アート、ファッション、音楽、最新テクノロジーなどあらゆる方向にアンテナを張り、情報をキャッチする努力が必要です。それが自然にできる好奇心旺盛な人は、グラフィックデザイナーに向いています。何気なく見ているものが仕事の上でヒントになることもありますので、観察力や洞察力も重要なポイントとなります。
流行に敏感な人
たとえば、中・高校生向けの商品の広告デザインを手掛ける場合、いまの中・高校生の間ではどんなものが流行っていて、何が評価されるポイントなのかを押さえておく必要があります。このように、常に世間に目を向け、トレンドや世の中の流れを敏感に察知する感性がグラフィックデザイナーには必要です。新しいもの好きな人には向いている職業といえるでしょう。
美的センスがある人
見る人を惹きつける独創的な作品を作るためには、キラリと光るセンスがものをいいます。ユーザー視点に立ちながらもちょっと違った角度から世の中を見ることができたり、クライアントの課題に対していつも新鮮なデザインを提案することができれば、一流のグラフィックデザイナーとして長く活躍することができるでしょう。センスを磨くためには、自分だけの個性を持っていることも大きな強みとなります。
コミュニケーション能力がある人
クライアントから企画の目的やコンセプトを引き出したり、社内のチームメンバー間で情報を共有したりするなど、グラフィックデザイナーは想像以上にコミュニケーション能力が求められる仕事です。また、作ったデザインをプレゼンする際には、なぜそのデザインを作ったのか、クライアントの要望をどうデザインに落とし込んだかを、自分の言葉でわかりやすく、堂々と説明するスキルも必要となります。
未経験からグラフィックデザイナーになるのに必要な資格
グラフィックデザイナーになるために必要な資格や免許はとくにありません。 とはいえ、グラフィックソフトの扱い方など、基本的なスキルを身につけていなければ、グラフィックデザイナーとして就職・転職することはむずかしいでしょう。デザインに関する民間資格はいくつかありますので、取得しておけば未経験からグラフィックデザイナーを目指す人にとってはデザインスキルの証明手段にもなります。
具体的には、IllustratorやPhotoshopなどを開発・販売するAdobe(アドビ)社が認定する「アドビ認定エキスパート」や、よりよい印刷物を制作することを目的とした「DTPエキスパート」、色彩活用能力を証明できる「色彩検定」などがおすすめです。
関連リンク:グラフィックデザイナーとは
グラフィックデザイナーになるには、デジタルハリウッドスクールがおすすめ
本気でグラフィックデザイナーを目指すなら、グラフィックデザインの専門スクールに通うことも検討してみましょう。初心者・未経験の方におすすめなのは、デジタルハリウッドの「グラフィックデザイン講座」です。
「グラフィックデザイン講座」は、ポスターや新聞の広告、書籍や雑誌の表紙、街中の看板など、日々の生活の中で目にする機会の多いグラフィックデザイン。その企画や制作を行うデザイナーを目指すためのコースです。デザイン基礎を学び、グラフィックデザインを制作するスキルを身につけます。
グラフィックソフトの操作はもちろん、デザインの基礎から実践まで、現役デザイナー講師がていねいに指導してくれます。必要となるグラフィックソフトも学生価格で購入可能。
関連リンク:グラフィックデザインデザイン講座
まとめ
クリエイティブ業界は、経験と実績が重視される世界です。未経験の方は、ポートフォリオを充実させるといいでしょう。ポートフォリオとは、自分の作った作品を集めて「こんなデザインが得意です」とアピールするための作品集のことです。クリエイティブ系の職種の場合、企業はこのポートフォリオを見て採用の可否を判断します。
未経験から目指す場合は、専門スクール等で学んだり、就職後もアシスタントとして経験を積むなど、グラフィックデザイナーとして一人前になるまでには少し時間がかかります。年齢にもよりますが、できるだけ早いうちにスタートを切ることがのぞましいでしょう。
グラフィックデザインを学べる校舎はこちら
- 東京本校
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