モデラーとは?3DCGモデラーの仕事内容・年収・未経験からのなり方

モデラーとは

公開日:2026-09-03

3DCGソフトを触り始めて、いくつか作品も作ってみた。けれど「この先どんな仕事につながるのか」「いまの作品で通用するのか」がはっきりしない。そんな段階でモデラーという職種を調べている方に向けて、この記事では3DCGのモデラーについて整理しました。先に結論を書くと、モデラーの仕事は形を作ることだけではなく、後の工程で扱えるデータに整えるところまでを含みます。ここでは仕事内容と制作の流れ、キャラクターと背景で異なる求められ方、厚生労働省の公的統計から見える年収と求人動向、未経験から進めるための学習ステップとポートフォリオの作り方、そして学習費用と使える支援制度までを順に取り上げます。

モデラーとは|3DCG制作で「形」をつくる職種

モデラーとは、3DCG制作において「モデリング」と呼ばれる形状の制作を中心に担当する職種のことです。

3DCGの制作は、工程ごとに担当を分けて進めるのが一般的です。そのなかでモデラーは、キャラクターや建物、小物といった対象を立体データとして最初に立ち上げる工程を受け持ちます。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、職業「CG制作」(別名: CGデザイナー、CG制作者)の工程として、次のものが挙げられています。

  • 仮想空間で3次元モデルを作る(モデリング)
  • モデルに質感を与える(マテリアル設定)
  • モデルを動かせるように設定する(リギング)
  • モデルに動きを付ける(アニメーション)
  • シーン構築
  • レンダリング
  • 合成・エフェクト

モデラーが担うのは、この先頭にあるモデリングの部分です。

モデラーの作ったデータは、その後の質感付け・リギング・アニメーション・レンダリングすべての土台になります。だからこそ、見た目の完成度だけでなく、次の担当者が扱いやすい状態になっているかが問われます。

なお、CG制作全般を指す呼び方としては 3DCGデザイナーの仕事CGデザイナーとの違い といった職種名も使われ、モデラーはそのうちモデリング工程を専門に担当する職種と位置づけられます。

「モデラー」には3つの意味がある

検索していて混乱しやすいのが、「モデラー」という言葉が分野によって別の職業を指す点です。大きく次の3つの意味で使われます。

  • 模型のモデラー: プラモデルやフィギュアなど、実物の模型を製作する人
  • IT・システム開発のモデラー: 業務やデータの構造を図として設計(モデル化)する人
  • 3DCGのモデラー: 3DCGソフトで立体データを作る人

この記事で扱うのは3つめです。3DCGの文脈では「3Dモデラー」「CGモデラー」もほぼ同じ意味で使われ、求人票でも表記が分かれます。

3DCG制作の流れの中でのモデラーの役割

実際の制作は、おおむね次の順で進みます。

  1. 原画・設定資料の確認と、仕様のすり合わせ
  2. カメラや配置を決めるレイアウト
  3. モデリング(形状の制作)
  4. テクスチャ制作・マッピング(質感を貼り付ける工程)
  5. モデルに骨を入れて動かせるようにするリガー動きを付けるCGアニメーターへの引き継ぎ

着手前には対象の大きさや作り込みの度合いを確認し、引き渡す前にはポリゴン数・命名規則・スケールといった仕様が守られているかを見直します。ここが崩れると後工程でやり直しが発生するため、形を作る力と同じくらい、決められた形式を守る意識が求められます。

モデラーの種類|「作り方」と「担当対象」の2つの分類軸

モデラーの分類は、「どうやって作るか(手法)」と「何を作るか(担当対象)」という別々の2軸で整理すると混乱しません。

この2つは対立するものではなく、実際の現場では「キャラクターを担当するポリゴンモデラー」のように組み合わせで語られます。求人票を読むときも、この2軸に分けて見ると求められている役割がつかみやすくなります。

作り方による分類(ポリゴン/サーフェイス/ソリッド)

  • ポリゴンモデラー: 三角形や四角形の面(ポリゴン)の集まりで形状を作る手法を扱います。ゲームや映像の3DCGで主流の方法です
  • サーフェイスモデラー: 曲面で形状を表現する手法を扱います。なめらかな曲線が求められる工業製品やプロダクトデザインの分野で使われます
  • ソリッドモデラー: 中身の詰まった立体としてデータを扱う手法で、CADによる設計や製造の分野で使われます

3DCG業界の求人で単に「モデラー」と書かれている場合、多くはポリゴンモデラーを指します。一方、自動車メーカーなど製造業のモデラーではサーフェイスやソリッドの知識が中心になります。

担当対象による分類(キャラクター/背景/プロップ)

  • キャラクターモデラー: 人物や生物など、動きを伴う対象を担当します
  • 背景モデラー: 建物・地形・街並みなど、舞台となる空間を担当します。英語の求人票では Environment Artist と表記されることがあります
  • プロップ/メカ(ハードサーフェス)モデラー: 小物・武器・乗り物といった人工物を担当します

大規模なプロジェクトほど担当が細かく分かれ、規模が小さい現場では1人が複数を兼ねるケースもあります。まずはどの対象を作っているときに一番集中できるかを見つけておくと、学習の的が絞りやすくなります。

モデラーの仕事内容と制作の流れ

モデラーの仕事は「形を作る」だけで完結せず、後工程がそのまま使えるデータに整えるところまでが範囲です。

実際の作業は、おおよそ次のように進みます。

  1. 資料の確認と仕様のすり合わせ: 原画や設定資料をもとに、作り込みの度合いやポリゴン数の上限を確認します
  2. 大まかな形を作る: 細部より先に全体のバランスとシルエットを決めます
  3. 作り込み: ディテールを足しながら形状を仕上げます
  4. UV展開: 立体の表面を平面に開き、テクスチャを貼れる状態にする作業です
  5. テクスチャ制作・マテリアル設定: 色や質感を与えます
  6. チェックバックと修正: 監督やリードからの指摘を受けて直します
  7. 納品・引き継ぎ: 命名規則やデータ構造を整えて次の工程へ渡します

見落とされやすいのが、ポリゴン数と処理負荷のトレードオフです。細かく作り込むほど見た目は良くなりますが、そのぶんデータは重くなり、動作や描画の負荷が上がります。必要最小限のポリゴン数で目標のイメージに近い形状を作れることが、現場では評価されやすいポイントになります。

ポリゴンモデリングとスカルプトモデリングの使い分け

モデリングの手法は大きく2つあります。

ポリゴンモデリングは、頂点・辺・面を直接操作して形を作る方法です。面の流れを自分で管理できるため、人工物や、後工程で扱いやすい構造が求められる対象に向いています。

スカルプトモデリングは、粘土をこねるように立体を彫刻していく感覚で作る方法です。生物や布のしわなど、有機的で複雑な形状に向いています。Maxonの公式ページでは、ZBrushについて「まるで本物の粘土で彫刻するように3Dの形状をモデリングできる」(原文: model 3D shapes just like sculpting with real clay)と説明されています。

どちらかを選ぶというより、スカルプトで作り込んだ後にポリゴンで扱いやすい形へ整えるなど、組み合わせて使うのが一般的です。

ローポリ・ハイポリとリトポロジー(採用側が見る観点)

作品を見せるときに差がつきやすいのが、この観点です。

ハイポリはポリゴン数が多く細部まで作り込んだモデル、ローポリはポリゴン数を抑えたモデルを指します。ゲームのようにリアルタイムで描画する用途では、ローポリのモデルにハイポリの見た目の情報を焼き付けて(ベイクして)使う進め方があります。

リトポロジーは、形状はそのままに、後工程で扱いやすいポリゴンの流れ(トポロジー)へ作り直す作業です。トポロジーの整い方は、アニメーションで変形させたときに面が破綻するかどうかに直結します。そのため選考では、完成画像だけでなくワイヤーフレームの状態まで見られることがあります。後述するポートフォリオの見せ方にも、そのままつながる観点です。

キャラクターモデラーと背景モデラーの違い

同じモデラーでも、キャラクターと背景では求められる前提知識と評価される力が異なります。早い段階でどちらに寄せるかを意識しておくと、学習の順番を決めやすくなります。

比較軸 キャラクターモデラー 背景モデラー
担当する対象 人物・生物・衣服など動く対象 建物・地形・街並みなど舞台となる空間
求められる前提知識 人体の構造、筋肉や骨格の付き方、衣服の成り立ち 建築物の構造、自然物の成り立ち、経年劣化や汚れの出方
ツールの使われ方 スカルプト系での作り込みが中心になりやすい 数を作るため、繰り返し作業を効率化する発想が求められやすい
評価されやすい力 造形力・デッサン力と、変形に耐えるトポロジー 空間の見え方の設計と、大量のデータを管理する力
向いている人の傾向 生き物や人の造形を作り込むのが好き 世界観や風景を組み立てるのが好き

どちらか一方に決め切る必要はありません。ただしポートフォリオでは軸を示したほうが伝わりやすいため、主に見せたい分野を決めたうえで、もう一方を1点添えるという見せ方が現実的です。

モデラーが使うソフトとAI 3D生成ツール

使用するソフトは現場によって異なりますが、統合型のソフト1本を軸に、スカルプトやテクスチャの専用ツールを必要に応じて組み合わせる構成が一般的です。

Blender は、公式リポジトリのREADMEで「無償かつオープンソースの3D制作スイート」(原文: Blender is the free and open source 3D creation suite.)と説明されています。同READMEでは、対応する工程としてモデリング、リギング、アニメーション、シミュレーション、レンダリング、コンポジット、モーショントラッキング、動画編集が挙げられています。

Maya / 3ds Max は、Autodeskの公式ヘルプで2026バージョンのドキュメントが公開されており、いずれもトップレベルの項目として「Modeling」のセクションが設けられていると記載されています。

ZBrush は、Maxonが提供するデジタル彫刻(スカルプト)・モデリング・ペイントのツールで、有機的な造形の作り込みで使われます。

Houdini は、SideFXの公式ページによれば、すべての操作がノードに保存され、そのノードをつないだネットワークが調整可能な「レシピ」として機能する手続き型(プロシージャル)のシステムです。同ページでは用途としてVFXやゲームの大規模な世界の構築が挙げられています。

テクスチャやマテリアルの制作には、Adobe Substance 3D Painter などのツールが使われます。

どのソフトから始めても、形の取り方・トポロジー・UVといった考え方は共通です。最初の1本は、教材の多さや志望先の求人票を見て決めるとよいでしょう。

AIによる3Dモデル生成はどこまで来ているか

テキストや画像から3Dモデルを生成するツールは、すでに実際に提供されています。

Meshyの公式ドキュメントでは、同サービスがテキストの説明・2D画像・対話的なプロンプトから3Dアセットを生成するプラットフォームであり、生成から後処理、エクスポートまでを一連のワークフローとして提供すると記載されています。出力形式としては GLB / FBX / OBJ / STL / USDZ / 3MF が挙げられています。

Tripoの公式ドキュメントでも、テキストから生成する Text to Model と、画像から生成する Image to Model が提供され、後処理としてスケルトンのリギングやアニメーションのリターゲティングが用意されていると記載されています。

一方で、生成したモデルをプロジェクトの仕様に合わせる判断、たとえばポリゴン数の上限に収める、変形に耐えるトポロジーに整える、命名規則をそろえるといった作業は、2026年8月時点では人が担う領域と考えられます。

モデラーの年収・働き方・求人動向【公的統計】

「モデラー」という職業名の公的統計はありません。そのため、モデラーを含む職業区分の統計から実態を読むことになります。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば、職業「CG制作」(別名: CGデザイナー、CG制作者)の賃金は539.6万円です(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)。同じ職業の就業者数は201,100人とされています(令和2年国勢調査の結果を加工して作成)。

ゲーム分野の参考値としては、同サイトの職業「ゲームクリエーター」の賃金が583.3万円(令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成)となっています。

いずれも「CG制作」「ゲームクリエーター」という職業区分の数値であり、モデラー単独の賃金ではありません。担当工程・経験年数・企業規模によって実際の金額は変わるため、目安として見てください。収入をもう少し詳しく知りたい方は、CGクリエイターの年収を公的統計から整理した記事もあわせてご覧ください。

モデラーの働き方と職場

モデラーが働く場としては、ゲーム制作会社、映像・VFXの制作会社、XR/VRコンテンツを扱う会社などが挙げられます。自動車メーカーをはじめとする製造業やプロダクトデザインの分野にもモデラーの仕事があります。

雇用形態は正社員のほか、契約社員・派遣・業務委託(フリーランス)とさまざまです。制作の締め切り前は業務が集中しやすい一方、フレックスタイム制やリモートワークを取り入れる企業もあり、働き方は現場によって幅があります。

求人動向は?有効求人倍率から読む

求人の状況は、有効求人倍率という指標から読み取れます。

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば、「CG制作」の有効求人倍率は0.42(令和6年度・ハローワーク求人統計データ)、「ゲームクリエーター」は0.39(同)。有効求人倍率は求職者1人あたりの求人数を示す値で、1倍を下回るということは、ハローワークに寄せられた求人に対して求職者のほうが多い状態を意味します。ハローワーク以外の求人媒体は含まれない、職業区分ごとの参考値です。

つまり、3DCGの用途が広がっているとしても、応募する側には競争があるということです。「需要があるから入りやすい」とは言えず、作品の完成度と後工程を意識したデータ作りをどこまで示せるかが、結果を左右すると考えられます。

モデラーの将来性と、AI時代に求められる役割

将来性については、明るい材料と厳しい材料の両方を見ておく必要があります。

用途の広がりという点では、3DCGを使う領域は増えています。総務省「令和7年版 情報通信白書」によれば、日本のメタバース市場は2024年度に2,750億円(前年度比47.6%増)で、2028年度には1兆8,700億円まで拡大すると予想されています。ゲームや映像に加えて、こうした分野でも立体データを作る仕事は生まれています。

ただし、市場規模の拡大がそのまま求人の増加を意味するわけではありません。前述のとおり「CG制作」の有効求人倍率は0.42(令和6年度)で、1倍を下回っています。

AIによる3D生成についても、同じく冷静に見ておきたいところです。生成から後処理までをツールが担う範囲は広がっていますが、企画の意図を読み取ること、仕様に合っているかを判断すること、後工程の担当者と調整することは、引き続き人の役割として残ると考えられます。ツールが増えても、作りたい形を自分で判断して仕上げられる力の価値は変わりません。

将来性を心配するより、準備の質を上げるほうが現実的です。個人差はありますが、工程を最後まで通した作品を積み重ねた人ほど、選考で見てもらえる材料が増えます。

未経験からモデラーになるには|必要なスキルと学習ステップ

未経験から目指す場合の分かれ目は、ソフトの操作を覚えることではなく、後工程が扱えるモデルを最後まで完成させられることを示せるかどうかです。

学習は、次の順で進めると迷いにくくなります。

1

統合型ソフトを1本決め、基本操作を覚える

あれこれ触るより、まず1本を通して使えるようにします

2

身近な物を反復してモデリングする

家具や小物など、手元にあるものを繰り返し作ります。実物を観察する習慣がそのまま造形力になります

3

UV展開とテクスチャまで一通り通す

形を作って終わりにせず、質感を付けて絵として成立させます

4

キャラクターか背景か、軸を決める

求められる前提知識が違うため、どちらかに寄せて学習の的を絞ります

5

リトポロジーや最適化を意識した作品を作る

ポリゴン数を意識し、変形に耐える形に整えます

6

ポートフォリオにまとめる

判断の過程が伝わる形で見せます

独学でつまずきやすいのは3以降です。形を作るところまでは教材が豊富にありますが、UV展開やトポロジーの良し悪しは、自分の作品を人に見てもらわないと判断がつきにくい領域だからです。制作の流れに沿って順に学びたい場合は、3DCGデザイナー専攻のように、モデリングからアニメーションまでを一続きで扱う講座を利用する方法もあります(3DCGデザイナー専攻のカリキュラム)。

モデラーに必要なスキル

  • 3DCGソフトの操作スキル: モデリングからUV展開まで一通り扱えること
  • 造形力・デッサン力・観察力: 対象の形を正確にとらえ、立体として再現する力
  • データを整える力: 命名規則・階層構造・スケールをそろえ、後工程が扱える状態にする意識
  • コミュニケーション: 指摘の意図をくみ取り、修正に反映する力

前提知識は分野によって異なり、キャラクターなら人体構造の理解、背景なら建築物や自然物の成り立ちの理解が土台になります。また、ソフトのドキュメントやチュートリアルが英語のことも多く、英語を読む機会は少なくありません。

モデラーに向いている人の特徴

  • 細部の違いに気づける観察力がある
  • 作り込みを粘り強く続けられる
  • 指摘を受けて直す作業を前向きに扱える
  • 立体を頭の中で回して考えるのが好き

ただし、これらは最初から備わっているものというより、作り続けるなかで身についていく面もあります。当てはまらない項目があるからといって、目指せないということではありません。

必要な機材(パソコン・タブレット)

3DCG制作は、CPU・GPU・メモリへの負荷が大きい作業です。扱うデータ量に見合った性能のパソコンを用意しておくと、待ち時間に作業を中断されずに済みます。

このほか、作業画面と資料を同時に表示できるデュアルモニター、スカルプトやテクスチャ制作で使うペンタブレットや液晶タブレットがあると進めやすくなります。必要な性能は作る対象によって変わるため、購入前に志望分野の制作環境を確認しておくとよいでしょう。

独学で詰まりやすい工程を、人に見てもらいながら進めるという選択肢

モデリングは操作を覚えたあと、UV展開やリトポロジー、後工程を意識したデータ作りでつまずきやすい工程が続きます。デジタルハリウッドの3DCGデザイナー専攻では、Mayaを使ったモデリングからアニメーションまでを、制作の流れに沿って学べます。カリキュラムや通い方は無料の資料でご確認いただけます。

説明会・資料請求ともに無料/3DCG系の専攻は東京本校・大阪本校で開講/オンライン参加可

モデラーのポートフォリオの作り方

ポートフォリオは、作品数の多さより「何を判断してその形にしたか」が伝わる構成にすることが大切です。

題材選びは、志望する分野と方向性をそろえます。キャラクター志望なら人物や生物、背景志望なら建物や風景というように、見せたい力と題材を一致させます。

見せ方では、完成したレンダリング画像だけでなく、次の要素を添えると判断材料が増えます。

  • ワイヤーフレーム(ポリゴンの流れが分かる表示)
  • UVレイアウト
  • 正面・側面・背面など多方向からのスクリーンショット
  • 制作の過程(ラフから完成までの流れ)

あわせて、使用ソフト、ポリゴン数、制作期間といった制作情報を書き添えておくと、後工程を意識して作れる人かどうかが伝わりやすくなります。

作品数は、多さより1点ごとの完成度を優先しましょう。志望分野の作品で軸を示したうえで、幅を見せる作品を1〜2点添える構成が現実的です。実際にどのような作品が仕事につながっているかは、卒業生がどのような作品で仕事につなげているかも参考になります。

学習にかかる費用と使える公的支援制度

学習費用は、独学かスクールかで大きく変わります。比較するときは総額だけでなく、公的な支援制度を適用した後の負担で見ることをおすすめします。

独学の場合、Blenderのように無償で使えるソフトがあるため、ソフト費用は抑えられます。一方で、制作に耐えるパソコンやタブレットなどの機材費は必要になります。

スクールを利用する場合、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金の対象となっている講座があります。同省の案内によれば、教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が訓練受講中6か月ごとに支給されます。さらに、修了後1年以内に資格取得等をして被保険者として就職した場合は70%(年間上限56万円)に、加えて訓練修了後の賃金が受講開始前と比べて5%以上上昇した場合は80%(年間上限64万円)に再計算されます。なお80%の適用については「令和6年10月以降に開講する講座の場合」という条件が示されています。

関連する制度として、経済産業省の第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)があります。ただし、Reスキル講座に認定されていることと専門実践教育訓練給付金の対象であることは別の要件であるため、講座ごとに対象かどうかを確認する必要があります。

デジタルハリウッドスクールでは、専科 3DCGデザイナー専攻と本科 CG/VFX専攻が、この第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)の対象講座に含まれています。3DCGデザイナー専攻はMayaを使ったモデリングやアニメーションを学ぶ内容で、平日19:00以降や土日の開講により、仕事や学業と両立しながら通えるようになっています。3DCG系の専攻は東京本校・大阪本校で開講しています。

給付を受けられるかどうかは、被保険者期間などの要件によって個別に異なります。受講を検討する際は、ハローワークやスクールの窓口で、対象講座かどうかと自分が要件を満たすかを確認してください。受講料は専攻や受講形態によって変わるため、最新の金額は公式の案内や説明会でご確認ください。

モデラーについてよくある質問

QモデラーとCGデザイナー・3DCGデザイナーは何が違いますか?

CGデザイナーや3DCGデザイナーは、CG制作全般を担当する職種を指す広い呼び方です。モデラーはそのなかでモデリング工程を専門に担当する職種にあたります。会社によっては1人が複数工程を担当するため、求人票では職種名だけでなく担当範囲の記載も確認するとよいでしょう。

Q未経験からでもモデラーになれますか?

未経験可の求人も存在します。ただし厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば、職業「CG制作」の有効求人倍率は0.42(令和6年度)で1倍を下回っており、応募する側には競争があります。実務経験がない段階では、作品で実力を示せるかどうかが分かれ目になると考えられます。

QBlenderとMayaはどちらから学ぶべきですか?

どちらで学んでも、形の取り方やトポロジー、UVといった考え方は共通です。迷う場合は、志望する会社の求人票に書かれている使用ソフトを確認して選ぶ方法があります。学習環境や教材の入手しやすさで決めても問題ありません。

QAIで3Dモデルが作れるようになったら、モデラーの仕事はどうなりますか?

テキストや画像から3Dモデルを生成し、リギングなどの後処理まで行えるツールが提供されています。一方で、生成されたデータをプロジェクトの仕様に合わせて整える判断は人が担う領域と考えられます。ツールの進化にかかわらず、自分で形を判断して仕上げられる力は必要になります。

Qキャラクターと背景、どちらを選ぶべきですか?

求められる前提知識が異なるため、作っていて時間を忘れる対象から選ぶ方法があります。決めきれない場合は両方を1点ずつ作り、進めていて手が止まりにくいほうを見極めるという進め方もあります。

まとめ|モデラーを目指すなら、後工程まで意識した1本を仕上げることから

この記事の要点を振り返ります。

  • モデラーとは、3DCG制作でモデリング(形状の制作)を担当する職種。作った形は後工程すべての土台になる
  • 分類は「作り方(ポリゴン/サーフェイス/ソリッド)」と「担当対象(キャラクター/背景/プロップ)」の2軸で整理できる
  • 職業「CG制作」の賃金は539.6万円、有効求人倍率は0.42(いずれも厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)/令和7年賃金構造基本統計調査・令和6年度)
  • 3DCGの用途は広がっている一方で、応募する側には競争がある
  • 必要なのはソフト操作だけでなく、UV展開やトポロジーを含めて後工程が扱えるデータに整える力
  • 学習費用は、専門実践教育訓練給付金や第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)の対象講座を含めて比較する

次の一歩としておすすめしたいのは、小さな題材でよいので、モデリングからUV展開、テクスチャまで工程を最後まで通した作品を1本仕上げることです。そこで見えてきた課題が、次に学ぶべきことを教えてくれます。

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デジタルハリウッド スクール 編集部

1994年の開校以来、Web・映像・3DCG・AIなどデジタルクリエイティブの教育に取り組んできたデジタルハリウッドの編集部です。本記事の統計値は厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)および総務省「令和7年版 情報通信白書」、ソフトウェアの仕様は各社の公式ドキュメント(2026年8月時点)にもとづいて整理しています。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部