UI(ユーザーインターフェース)とは?UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?UIとUXの違いや意味を解説!

公開日:2023-07-01

UI/UXとは?

UI(ユーザーインターフェース)とは?

UIはユーザーインターフェースの略で、ユーザーとは利用者のこと、インターフェースとは接点などの意味があります。つまり UIとは商品やサービスと利用者を繋ぐ接点 のことです。例えば、WebサイトをPCやスマホで見た際に画面上で見る、触れることができるデザインレイアウト・文字フォント・配色などすべての情報をUI(ユーザーインターフェース)ということができます。

例)Webサイト上でのレイアウト・文字フォント・配色、スマホ本体のボタン配置などのデザイン


UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?



UXはユーザーエクスペリエンスの略でエクスペリエンスとは経験や体験という意味があります。 利用者が商品やサービスを利用した際に得られる体験や経験を指します。 商品やサービスを利用した際に生じる、使いやすい、使いにくい、心地よい、不快感などの感覚もすべてUXに該当します。製品やサービスなどの「モノ」でなく、それを取り巻く環境すべてを指した「コト」のデザインと言われています。


つまりUIとUXの関係性は?違いは?

UI/UXの関係について①



上記で紹介しているようにUIUXとひとくくりの単語で聞くことも多いですが、意味はそれぞれ異なります。とはいえ、良いUIが良いUXにもつながるという意味では、表裏一体と言えるでしょう。例えば、とてもボタンが押しにくい・文字のサイズが小さく見ずらいサイトはサイト離脱につながりやすくユーザーにとってはあまり良い印象は持ってもらえませんよね。UI(ユーザーインターフェース)は、商品やサービスと利用者を繋ぐ接点ですのでユーザーにとって使いやすいデザインを心がけることで良いUX(ユーザーエクスペリエンス)につながると言えます。



UI/UXの関係について②



サービスの使い手にとってより良いUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供するにあたってはより良いUI(ユーザーインターフェース)の提供は欠かせません。ただし、UI(ユーザーインターフェース)だけが良いからと言って必ずしも良いUXにつながる訳ではありません。UX(ユーザーエクスペリエンス)を高めるにはユーザーにどのような気持ちを持ってもらいたいかを考える・分析することが重要です。デジタルハリウッドではそういったサービス企画や発想を学ぶために、「カスタマージャーニー」や「リーンスタートアップ」といった手法を授業内で学んでいます。






UIデザイナーの仕事は?

ユーザーがわかりやすく操作しやすいUI(ユーザーインターフェース)を考えることが仕事内容になります。ターゲットの年齢層に合わせてデザインを行い、文字が読みやすいか、クリックしやすいかなど、使いやすい画面をデザインします。ECサイトであれば「商品を購入しやすい」「会員登録がしやすい」など、ユーザーが操作しやすく目的をスムーズに果たせるためには『どの様なデザインのどのようなボタンを配置するのが良いか』などを考え、画面のデザイン・修正を繰り返し行います。主にUIデザイナーは画面上に表示されるフォント、イメージ画像、ボタンなど目に触れる部分を担当し、デザインの制作がメインとなります。



UXデザイナーの仕事は?

ユーザーが『使っていて心地いい』や『楽しい』と思える「ユーザー体験」を設計することが仕事内容となります。ユーザー体験を設計するために、マーケティング調査、サイト解析、リサーチなどがメインの業務となります。

マーケティング、サイト解析などによって得られた、具体的な数字を基に予測を立て、組み立てたものをもとにユーザーインタビュー、A/Bテストなどで効果測定を行い、そのフィードバックからさらにデータ解析を行い、テストを繰り返すというサイクルでより良い体験を設計していきます。デザイナーという名前はついていますがグラフィックなどを制作するわけではなく、UXデザイナーは上記のような業務を通してユーザー体験をデザインします。


UI/UXをビジネスで活用するときのポイントや考え方

活用ポイント



今まで紹介をしてきたように、まずはユーザーにどのような感情を喚起させたいかを考える必要があります。モノや情報があふれている今の時代だからこそ、 ユーザーの心をとらえる「体験を売る」時代 になり、効果を上げるための手法を考えるうえで「UX」(ユーザーエクスペリエンス)が注目されています。 そこで、デジタルハリウッドでは、Webサイトやアプリをデザインする授業であっても、「UI」(ユーザーインターフェース)ありきの見た目優先ではなく、最適な表現としての「UI」を採用できるデザイナーになってもらいたい、そんな思いからデジタルハリウッドでは「UX」(ユーザーエクスペリエンス)の授業を取り入れています。



まとめ

UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させるためには、ユーザーとの直接的な接点である、UI(ユーザーインターフェース)が欠かせないものになっており、使いやすいUIデザインを設計するためには利用者の情報分析などのUXの考え方が欠かせないものになっております。UXは顧客への対応の質など、UI以外の要素にも左右されます。UX設計を考える際は、UIだけにこだわるのではなく、ユーザーに良質な体験を届けるために包括的に考える必要があります。

なぜUI /UXデザインが注目されているのか?

①スマートフォンの普及

スマートフォンの急速な普及により、誰でも24時間365日インターネットにつなぐことができるようになりました。その結果、ユーザーが様々な商品やサービスとつながれる機会が増え、商品・サービスの選択肢が増えました。例えばスマホアプリは、同じ機能を持ったアプリが大量に存在し、ユーザーは使いにくいと感じたら類似アプリをすぐに調べることができ、簡単にアプリを乗り換えることができるようになっています。利用者がより使いやすい、心地よいというサービスの設計を行わないととすぐに別のサービス乗り換えらえてしまう状況になっているのです。


②マウス操作やスマホのタッチ操作など直感的な操作が可能になったため

現在では当たり前になった、マウスカーソルでの操作やスマホのタッチでの操作。PCが登場した当初はPCに指示を出す際には黒い画面にコードを打ち操作することが主流となっていました。(CUI)そのためPCを扱うことができるのは専門性の高い知識をもった人たちのみでした。しかし、アメリカのApple社がコマンド入力でなくマウスやキーボードを使って視覚的・直感的に操作できるシステム(GUI)を搭載した「Macintosh(マッキントッシュ)」(後のMac)を、MicroSoft社が「Windows 1.0」をリリースし、誰でも簡単に使えるPCが登場したのです。

さらにandroidやiPhoneなどのスマートフォン端末が登場し、インターネットがより身近になり、タッチやフリック操作などより直感的に操作ができるようになりました。その結果さらにインターネット利用のハードルが下がり利用者が増えたので、視覚的に分かりやすく操作しやすいUIデザインを考えることが注目されるようになりました。


※CUI(キャラクターユーザーインターフェース)

キャラクターユーザーインターフェースの略でキーボードを使ってコマンド入力によってコンピューターを操作するもの。


※GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)

マウス等を使って画面上のアイコンやウィンドウを使いながらコンピューターを操作するもの。



③品質での差別化が難しくなった

昨今、技術や市場の発達によって、サービスや商品の品質に大きな差がなくなりました。どこの商品を買っても機能、価格、品質などが整っているので、それらが購入の際の決め手となることが少なく、ユーザーはどこの商品・サービスを利用するかをより自由に選択することができます。そのため、いかに機能以外の価値を作ることができるか、利用者に選んでもらえる体験を作り出すことができるかが注目されるようになったのです。



④様々なもののIT化

近年IOT化が進められており、多くのものがWebとつながるようになりました。従来であれば売って終わりだった販売フローが、モノとWebのつながりによって商品購入後も利用動向を把握することができるようになりました。そのため継続的に利用してもらえるかどうか、リピーターになってもらえるかどうかが注目されています。個人個人の顧客データを入手することができるようになったので、個人にあった、体験やサービスをカスタマイズすることによってより良い体験を生み出すことができるのです。

身近にある優れたUI/UXデザイン

UX事例

UX事例① スターバックスコーヒー

スターバックスコーヒーではユーザーにとって「3rd Place(家、職場に次ぐ第三の場所)」というコンセプトを掲げ、日常で手に入れることができない体験を提供することを掲げています。


スターバックス会長兼CEOのハワード・シュルツ氏が「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ。」と語るように、店内はユーザーがオフィスや家の中では体験できない”リッチな時間”を過ごせるよう、意図的に設計されています。従来の喫茶店やカフェのように、淹れたてのおいしいコーヒーを提供するだけでなく”スターバックスでコーヒーを飲む”という付加価値を提供するため、コーヒーの品質だけでなく、コーヒーカップや店内の内装、Wifi環境、接客対応まで気を配られています。


UX事例② LINE 

従来のメールアプリのようにメッセージが1件ずつ受信箱に格納されているの確認する必要がなく、吹き出しにメッセージが表示され手軽にメッセージのやり取りを行うことができます。LINE特有のスタンプ機能についても送信前の確認を省かれており、リアルな会話に近い体験がデザインされています。

また、LINEには住所入力など複雑な会員登録やログインページが省かれており、その結果

友達を誘いやすいという体験につながり、ユーザー数が大きく増加しました。


UI

UI事例①Google

検索エンジンで最大手のGoogle。ページには検索ウィンドウとGoogleのロゴ以外には余分なものは一切ないとてもシンプルなサイトです。

シンプルであるがゆえに、ユーザーはサイトを開いた瞬間にどのように操作すればよいかどうすれば自分の目的が達成できるかを瞬時に理解し利用することができます。

https://www.google.com/?hl=ja


UI事例②任天堂

コロナ禍でゲームに触れることが多くなった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

デジタルハリウッドにお越しいただく方の中でも任天堂のゲームを体験したことのある方は非常に多いです。

ゲームをしていてわくわくするなども良いUI・UXの例の一つです。

https://www.nintendo.co.jp/


UI事例③りそな銀行アプリ

teamLab Inc.が開発した、2018年2月にリリースされ、「2018年度グッドデザイン賞」を受賞した『りそなグループアプリ』。大手銀行のアプリがアワードを受賞するというのは国内において過去に例がないそうです。

https://www.resonabank.co.jp/net/smartaccount/landing02.html

参照サイト:https://www.team-lab.com/resonasmartapp/

デジタルハリウッドでUI/UXを学ぶメリット

ポイント①実践を通して、UIUXを学習

UI・UXデザインは、一度制作して終わりでなく、何度も試行錯誤を繰り返して改善していくことが重要になります。デジタルハリウッドでは作品制作をした際には必ず講評会を実施。講師、クラスメイトからのフィードバックをもとに作品をブラッシュアップ。そしてブラッシュアップしたものを再度評価し、ブラッシュアップを何度も繰り返し重ねることによって、実践の中でUIUXを習得することができます。当然UX(ユーザーエクスペリエンス)の講義などもありますが、講義だけでなく必ず実践が伴います。実際の制作過程を通して、手を動かしながら実践の中で試していくことができるカリキュラムになっています。


ポイント②講師は全員現役クリエイター

講師は全員が現場で活躍する現役クリエイター。現場の最前線で使われているスキルや知識をそれぞれの業界のプロが直接伝授。

UX講師はUXリサーチャーであり、人間中心設計のスペシャリスト。

※人間中心設計(Human-centered design)

UXやUIという概念が生まれる前から工業製品やコンピューターシステムなどを設計する際に用いられた、ユーザーの満足度や使いやすさを追求するための方法論。国際規格としても定められている。



ポイント③Web・紙媒体デザインだけでなく、インタラクティブコンテンツやメディアアートのUIUXまで学習可能

本科UI/UXD専攻インタラクションUIコース、クリエイティブコーディングコースではWeb・紙媒体デザインだけでなく、プログラミング基礎演習や映像デザイン演習も組み込まれています。インタラクティブコンテンツ、メディアアート、プログラミングのUXデザインを実践的に学ぶことが可能。UXは今やWeb・IT業界だけでなく様々な業界で注目されている概念。自身の幅を広げてより業界で必要とされる人材に成長することができます!

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部