CGアニメーションの作り方|企画からレンダリングまでの全8工程と必要なソフト

公開日:2026-08-30

CGアニメーションの作り方を調べても、何から手を付ければ最後まで完成させられるのかが分からない——3DCGを始めたばかりの人が最初にぶつかるのは、操作の難しさよりも「全体像が見えない」ことです。CGアニメーションの作り方は、企画・絵コンテ → モデリング → マテリアル設定 → リギング → スキニング → アニメーション付け → シーン構築とライティング → レンダリングとコンポジット、という8つの工程に整理できます。この記事では、厚生労働省の職業情報提供サイトや各ソフトの公式情報をもとに、8工程それぞれで何をするのかを解説します。あわせて、必要なパソコンの目安、ライセンス形態から見たソフトの選び方、つまずきやすい工程の対処法もまとめました。

この記事の要約

作り方の全体像 企画・絵コンテから始まり、レンダリングとコンポジットで終わる8工程。工程名は公的な職業情報が示す工程列挙とほぼ対応します。
必要なパソコン 抽象的な性能論ではなく、使うソフトの公式システム要件を目安にします。Maya 2026 はメモリ8GB(16GB以上を推奨)と公開されています。
ソフトの選び方 金額ではなくライセンス形態で選びます。統合型かつオープンソースのBlenderは、最初の1本を通しで作るのに向いています。
つまずきどころ リギングとスキニング。最初の1本は短いカットに絞ると、最後まで通せる可能性が高くなります。

CGアニメーションとは?2Dアニメーションとの違い

CGアニメーションとは、コンピュータで作った図形・絵・映像を連続して再生し、動きを表現する映像のことです。

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)でも、CG制作の仕事は「コンピュータで図形、絵、映像、アニメーションなどのコンピュータグラフィック(CG)を制作する」ものと説明されています(厚生労働省 job tag「CG制作」/2026年8月6日時点)。CGアニメーションには平面で表現する2Dのものと、三次元空間で表現する3Dのものがありますが、この記事では作り方の工程が体系化されている3DCGアニメーションを主軸に扱います

3DCGアニメーションの特徴

3DCGアニメーションは、縦・横・高さの三次元空間にモデル(立体データ)を配置し、そこにカメラとライトを置いて撮影するように映像を作ります。実際のカメラと同じように寄り引きや回り込みができるため、立体的なカメラワークと奥行きのある表現がしやすいのが特徴です

用途は映像作品だけにとどまりません。job tagでは3DCGの活用先として、外科手術の医療シミュレーターや、航空機・電車の操縦などの訓練用シミュレーターが挙げられています。つまり、3DCGアニメーションの制作で身につく工程の知識は、エンターテインメント以外の分野にも接続していきます。

2Dアニメーションとの作り方の違い

2Dアニメーションは、1コマごとに絵と動きを同時に描いていきます。これに対して3DCGアニメーションは、先にモデルを作ってから、そのモデルを動かすという順序で進みます。ここが作り方としての最大の違いです。

この違いは作業量の性質にも表れます。3DCGでは一度モデルを作れば、別のカットや別のアングルでも同じモデルを使い回せます。カット数が増えるほど、すでに作ったものを再利用しやすくなるわけです。一方で、動かせる状態にするまでの準備工程(後述するリギング・スキニング)が必要になります。どちらが優れているというものではなく、準備に重心があるのが3DCG、1枚ごとの描画に重心があるのが2D、という性質の違いとして捉えると分かりやすいでしょう。

CGアニメーションの作り方|制作の全8工程

CGアニメーションの作り方は、次の8工程に整理できます。この表がこの記事全体の地図になります

工程 この工程ですること できあがるもの
1. 企画・絵コンテ ストーリー・尺・カット数を決め、画面設計を描く 絵コンテ
2. モデリング 三次元空間に形を作る モデル(立体データ)
3. マテリアル設定・テクスチャリング 表面に色・模様・質感を与える 質感の付いたモデル
4. リギング 骨と操作用の仕組みを組み込む 動かせるモデル
5. スキニング 骨の動きに表面がどう追従するかを設定する 自然に変形するモデル
6. アニメーション付け 時間軸上に動きを記録する 動くカット
7. シーン構築・ライティング・カメラワーク 場面を組み立て、光とカメラを決める 完成前のシーン
8. レンダリング・コンポジット 計算して画像に書き出し、合成・調整する 完成映像

この工程名の骨格は、job tagがCG制作の3D制作工程として挙げている「モデリング、マテリアル設定、リギング、アニメーション付け、シーン構築、エフェクト、レンダリング、コンポジット」に、出発点となる企画・絵コンテを加え、学習の順番に並べ替えたものです(厚生労働省 job tag「CG制作」)。つまり、公的な職業情報で示されている工程名とほぼそのまま対応しています。用語の意味を確認したいときはクリエイティブ用語辞典も役立ちます。

なお、工程は前から順に進むのが基本ですが、実際には行き来しながら進めるのが一般的です。アニメーションを付けてみて初めてモデルの形状に無理があると分かる、といったことは多くの場合に起こります。

作り始める前に用意するもの

CGアニメーション制作を始めるにあたって用意するものは、パソコン・ソフト・参考にする作品と資料の3つです。順に見ていきます。

パソコンのスペックはどれくらい必要か

「性能の良いパソコンが必要」とだけ言われても、自分の手元の機材で足りるのかは判断できません。目安として実用的なのは、使う予定のソフトが公式に公開しているシステム要件を確認するという方法です。

たとえばAutodeskが公開しているMaya 2026のシステム要件では、メモリは8GB(16GB以上を推奨)、インストールに7GBの空き容量と記載されています。CPUはSSE4.2命令セットに対応した64ビットのIntelまたはAMD、対応OSはWindows 10(version 1809以降)・Windows 11・macOS 15.x/14.x/13.xなどと記載されています(Autodesk 公式ヘルプ「System Requirements for Autodesk Maya 2026」/2026年8月6日時点)。これはあくまでMaya 2026の要件であり、必要なスペックはソフトごとに異なります。

グラフィックスカードについては、Autodeskは別途「Maya Certified Hardware」のページで案内する形をとっているため、この記事では特定の機種名は挙げません。ただし、後述するレンダリングはマシン性能の影響を受けやすい工程で、ここが制作の体感速度を大きく左右します

ソフトは「ライセンス形態」で選ぶ

ソフト選びでよくある基準は「有料か無料か」です。ただ、価格やプランは改定されるため、金額だけを基準にすると情報がすぐ古くなります。そこで有効なのが、どのライセンス形態で提供されているかで選ぶという見方です

ソフト 性質 ライセンス形態 向いている使い方
Blender 統合型の3D制作スイート オープンソース(GNU General Public License Version 3) 最初の1本を通しで作る
Maya 公式ヘルプがモデリングからレンダリングまでの章立てを持つ 提供形態は公式サイトで確認 実務の標準的な進め方に慣れる
Cinema 4D 3Dアニメーション/モデリングソフト サブスクリプション形式 モーションデザイン寄りの映像
ZBrush デジタルスカルプティング/モデリング/ペイント 提供形態は公式サイトで確認 造形を作り込む
Houdini Apprentice 学習用ライセンス 非商用プロジェクト向け 非商用でHoudiniを学ぶ

Blenderは公式リポジトリのREADMEで「free and open source 3D creation suite」と説明されています。モデリング・リギング・アニメーション・シミュレーション・レンダリング・コンポジット・モーショントラッキング・動画編集という3Dパイプライン全体をカバーし、ライセンスは全体としてGNU General Public License Version 3のもとで提供されると記載されています(Blender 公式リポジトリ README)。

Mayaは公式ヘルプがModeling/Animation/Character Animation/Simulation and Effects/Lighting and Shading/Renderingという章立てを持っています(Autodesk 公式ヘルプ Maya 2026)。モデリングからレンダリングまでの各工程が、公式ドキュメントとして整備されているということです。なお、提供形態や契約条件は改定されることがあるため、導入前に公式サイトで確認してください。Cinema 4Dはモーションデザイナーや3Dジェネラリスト向けの3Dアニメーション/モデリングソフトとして紹介され、サブスクリプションにRedshiftレンダラーなどが含まれると記載されています(Maxon 公式 Cinema 4D 製品ページ)。

ZBrushは公式に「digital sculpting, modeling, and painting software」と定義されており、造形に強い特化型と位置づけるのが正確です(Maxon 公式 ZBrush 製品ページ)。Houdini Apprenticeは非商用プロジェクト向けで、レンダリング解像度が1280x720に制限されると記載されています(SideFX 公式 Houdini Apprentice)。

こうして並べると、ソフトは1本で最初から最後まで扱える統合型と、特定の工程に強い特化型に分けられます。最初の1本を作るなら、統合型かつオープンソースのBlenderから始めると工程の全体像をつかみやすいでしょう。なお、ここで挙げた内容は2026年8月時点で各公式サイトに公開されている情報にもとづきます。価格や提供プランは改定されるため、費用面は各公式サイトで最新の内容を確認してください。

参考にする作品と資料をそろえる

3つ目に用意したいのが、手本になる作品です。好きな作品を「観客として楽しむ」のではなく、制作者の視点で見直す習慣をつけると、自分の作品に取り入れられる要素が見つかります。

具体的に見るポイントは、1カットの長さ、カメラの動き方(寄る・引く・回り込む)、ライトがどの方向から当たっているか、キャラクターの動きに入る溜めと詰めの4つです。とくに人の表情や動きをよく観察しておくと、後半のアニメーション付けの工程で「なぜこの動きが不自然に見えるのか」を自分で言語化できるようになります。参考にした作品のカットを絵コンテのように書き出しておくと、そのまま次の工程の材料になります

【工程1〜3】企画からモデルを完成させるまで

ここからは工程ごとの中身を見ていきます。最初の3工程で、動かす前の素材が完成します

工程1:企画・絵コンテ

最初にやるのは、何を作るかを決めることです。ストーリー、尺(何秒の映像にするか)、カット数の3つを先に決めます。起承転結がはっきりしていると、見る人に伝わる作品になりやすくなります。

絵コンテとは、カットごとに「画面に何が映るか」「カメラがどう動くか」「何秒か」を決めた設計図のことです。ここで決めた尺とカット数が、そのまま後工程の作業量を決めます。10秒の映像と3分の映像では、モデリング以降のすべての工程で必要な手間が変わってきます。

絵コンテは上手な絵である必要はありません。棒人間と矢印で構いません。重要なのは、完成形を先に決めておくことです。ここが曖昧なまま制作に入ると、途中で作るものが増え続けて終わらなくなります。

工程2:モデリング

モデリングとは、3DCG化したいものの形を三次元空間上に作る工程です。キャラクターであれば頭・胴体・手足の形を、背景であれば建物や小物の形を作ります。

この工程で作ったモデルは、以降のすべての工程で使われる基礎になります。質感を乗せるのも、骨を入れるのも、動かすのも、このモデルが土台です。

作り方は大きく2通りあります。1つはポリゴン(面)を組み立てていく方法、もう1つは粘土をこねるように形を削り出していくスカルプトという方法です。スカルプトに強い特化型ソフトとしては、公式にデジタルスカルプティングのソフトと定義されているZBrushがあります(Maxon 公式 ZBrush 製品ページ)。

動かす予定のあるモデルでは、あとで曲げる場所を意識して形状を作っておくことが重要です。肘や膝など関節になる部分に十分な分割がないと、次のリギング以降で思ったように曲がりません。

工程3:マテリアル設定・テクスチャリング

マテリアル設定・テクスチャリングとは、モデルの表面に色・模様・質感を与える工程です。job tagがCG制作の工程を列挙する際にも、マテリアル設定は独立した工程として挙げられています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。

金属、肌、布では、光の反射の仕方がまったく違います。同じ形のモデルでも、表面の設定を変えるだけで受ける印象は大きく変わります。逆に言えば、質感の設定は仕上がりの説得力を左右する工程です。

ただし、最初の1本ではここで作り込みすぎないことをおすすめします。全カットを最後まで通すことを優先し、質感の精度は2周目以降で上げていく進め方のほうが、完成にたどり着きやすくなります。

【工程4〜6】作ったモデルを動かす

ここからがアニメーションの本体です。同時に、初心者が最も手を止めやすい区間でもあります

工程4:リギング

リギングとは、モデルの内部に骨(ボーン)と操作用の仕組みを組み込み、動かせる状態にする工程です。job tagのCG制作の工程列挙にもリギングが挙げられています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。

イメージとしては、人形の中に関節を入れて、外から操作するためのハンドルを取り付ける作業に近いものです。腕を上げる、指を曲げる、表情を変えるといった操作を、あとから直感的に行えるようにするための準備にあたります。

リグの設計が甘いと、次のアニメーション付けの工程で思ったポーズが作れなくなります。動かしてから戻って作り直すことになりやすいため、絵コンテで決めた動きに必要な操作が揃っているかを、この段階で確認しておくとよいでしょう。

工程5:スキニング

スキニングとは、骨の動きにモデルの表面(メッシュ)がどれだけ追従するかを設定する工程です。リギングと混同されがちですが、骨を入れるのがリギング、その骨に表面をなじませるのがスキニングで、別の作業です。

設定が適切でないと、症状ははっきり出ます。関節を曲げたときにメッシュが不自然に潰れる、内側が突き抜ける、肩を上げると胴体まで一緒に持ち上がる、といった見た目の破綻です。

確認する順番としては、負荷の大きい部位から見ていくのが効率的です。肘、肩、股関節あたりを大きく曲げてみて、破綻がないかを先にチェックします。ここが通れば、細部の調整はあとから追い込めます。

工程6:アニメーション付け

アニメーション付けとは、時間軸上の要所にポーズを記録し(キーフレーム)、その間の動きをソフトに補間させて動きを作る工程です。job tagの工程列挙でもアニメーション付けが挙げられています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。Cinema 4Dの公式サイトでも、アニメーション機能としてキーフレーム、キャラクターリギング、モーションキャプチャ対応が挙げられています(Maxon 公式 Cinema 4D 製品ページ)。

動きの説得力を決めるのは、溜め(動き出す前の予備動作)と、重さの表現です。ジャンプの前にいったん沈み込む、重い物を持ち上げるときに動きが遅くなる、といった要素があるかどうかで印象が変わります。ここで効いてくるのが、準備段階で行った作品の観察です。

進め方としては、まず全カットを粗い動きで通してしまい、そのうえで各カットの精度を上げていくのが安全です。1カット目を完璧にしてから次に進むと、後半のカットに時間が残らなくなります。

【工程7〜8】映像として仕上げる

最後の2工程で、三次元のデータが視聴できる映像ファイルになります

工程7:シーン構築・ライティング・カメラワーク

シーン構築とは、モデル・背景・小物を三次元空間に配置して、1つの場面として組み上げる工程です。job tagの工程列挙でも、シーン構築とエフェクトが挙げられています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。

ライティングは、実写の照明と同じ考え方です。光の向き・強さ・色を変えるだけで、同じシーンでも朝の場面にも夜の場面にもなります。光の設計は、質感と並んで映像の印象を決める要素です

カメラワークは、工程1の絵コンテで決めた画角を、実際のカメラで再現していく作業にあたります。絵コンテがあることで、この段階で迷う時間が大きく減ります。

煙・炎・液体といったエフェクトを足す場合も、この段階です。Cinema 4Dの公式サイトでは、シミュレーション機能としてヘア、クロス、剛体、パーティクル、煙、炎、液体が挙げられています(Maxon 公式 Cinema 4D 製品ページ)。

工程8:レンダリング・コンポジット

レンダリングとは、三次元のデータから光の当たり方を計算し、2次元の画像・映像として書き出す工程です。コンポジットとは、書き出した素材を合成し、色味やエフェクトを整えて最終的な映像に仕上げる工程を指します。job tagの工程列挙でも、レンダリングとコンポジットが挙げられています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。

Blenderは3Dパイプライン全体(モデリングからレンダリング、コンポジット、動画編集まで)をカバーすると公式に記載されているため、この最終工程まで1本のソフトで完結させることもできます(Blender 公式リポジトリ README)。

注意したいのは所要時間です。レンダリングは1フレームずつ計算するため、時間がかかりやすい工程です。映像は静止画の連続なので、数十秒のカットでも計算するコマ数はかなりの数になります。この対処は次の章で扱います。

リアルタイムレンダリングという選択肢

計算の完了を待ってから結果を確認するのではなく、リアルタイムに映像を見ながら作っていく進め方もあります。

Epic Gamesの公式ドキュメントでは、Unreal EngineのSequencerが、シネマティックシーンをリアルタイムに作成・プレビューするためのマルチトラックエディタと説明されています。できることとして、レベルのフライスルー作成、ライトのアニメーション、シーン内オブジェクトの移動、キャラクターアニメーション、シーケンスのファイル出力が挙げられています。最終的な出力にはMovie Render Queueが用意されており、シネマティックシーンを画像シーケンスとして出力できると記載されています(Epic Games 公式ドキュメント「Cinematics and Movie Making in Unreal Engine」)。

カメラワークとライティングを何度も試しながら詰めたい人には、こうしたリアルタイム系の進め方が向いています

初心者がつまずきやすい工程と対処法

工程を知っていても完成までたどり着けない。その原因は、多くの場合いくつかの特定の工程に集中しています

リギング・スキニングで手が止まったとき

自作したモデルにゼロからリグを組むのは、初学者にとって負荷の高い作業です。ここで止まってしまう人は少なくありません。

対処として現実的なのは、いったん迂回することです。ソフトに用意されている自動リグの機能を使う、あるいは配布されている動かせるモデルを使って、先の工程を先に体験してしまうという進め方があります。アニメーション付けやレンダリングまで一度たどり着いてから戻ってくると、リグに何が必要だったのかが実感として分かります。

スキニングで起きる不自然な変形は、多くの場合、骨がメッシュに与える影響範囲(ウェイト)の設定を見直すことで改善します。個人差はありますが、まずは「動かすところまで一度到達する」ことを優先したほうが、学習は前に進みやすくなります。

レンダリングが終わらないとき

レンダリング時間を決めるのは、解像度・フレーム数・サンプル数(品質設定)の3つです。この3つが増えれば、計算量はそのまま増えます。

有効なのは使い分けです。動きの確認用は低い設定で書き出し、高い設定にするのは最終出力だけにします。確認のたびに最終品質で計算していると、作業の回転数が上がりません。

メモリ不足でレンダリングが失敗する場合もあります。その場合はまず、使っているソフトの公式システム要件を確認してください。Maya 2026では8GB(16GB以上を推奨)と公開されています(Autodesk 公式ヘルプ「System Requirements for Autodesk Maya 2026」)。また、前章で触れたリアルタイム系のワークフローに切り替えるのも選択肢の1つです。

最初の1本は短いカットに絞る

完成率を大きく左右するのは、実は工程1で決める尺とカット数です。

具体的なスコープとしては、キャラクター1体・背景1つ・数カット程度から始めるのが現実的です。この規模なら、モデリングでつまずいても、アニメーション付けに時間がかかっても、最後まで通せる可能性が高くなります。

そして1本通して完成させると、どの工程が自分にとって重い工程なのかがはっきりします。モデリングが苦にならない人もいれば、アニメーション付けが楽しい人もいます。次に何を伸ばすかを決める材料は、完成させて初めて手に入ります

独学で進める場合の学習順序と到達度の目安

独学でも、工程の全体像をつかむところまでは十分に進められます。難しいのは、自分がいまどのくらいのレベルにいるのかを測りにくいことです。

学習を進める順番

よくある失敗は、ソフトの操作をひととおり覚えてから作り始めようとすることです。機能の数が多いため、この進め方だと制作に入る前に息切れしやすくなります。

おすすめは逆の順番です。短い作品を1本通すと決めて、その制作に必要な操作だけをその都度覚えていきます。順番の目安としては、まずモデリング → マテリアル設定 → アニメーション付け → レンダリングという最小ループを一度回します。リギング・スキニングに本格的に踏み込むのは、そのあとで構いません。

工程ごとに「何ができれば次へ進んでよいか」の目安を持っておくと迷いにくくなります。たとえばモデリングであれば、形の破綻がなく、想定しているアングルから見て違和感がない状態になれば次へ、といった具合です。使うソフトは統合型を1本に決めておくと、Blenderのように3Dパイプライン全体をカバーするソフトであれば、ソフトを移動せずに一周できます(Blender 公式リポジトリ README)。

CGクリエイター検定を到達度の目安にする

学習の到達度を客観的に測る目安としては、公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が実施するCGクリエイター検定があります。ベーシックとエキスパートのグレードが設けられています(CG-ARTS「CGクリエイター検定」/2026年8月6日時点)。

ベーシックは「2次元CGと3次元CG、デザインに関する基礎的な理解と、CGの静止画制作に知識を利用する能力を測ります」、エキスパートは「3次元CGと映像制作に関する専門的な理解と、3次元CG映像の制作に知識を応用する能力を測ります」と定義されています(CG-ARTS「CGクリエイター検定」)。

この定義は、学習の順序を考えるうえでも参考になります。まず2D・3DCGとデザインの基礎を押さえ、そのうえで映像制作としての3DCGに進む、という流れが示されているためです。あくまで到達度を測る目安の1つとして活用するとよいでしょう。

CGアニメーションの制作スキルが活きる仕事

工程を身につけたあと、その先にどんな仕事があるのかも見ておきます。

全国の就業者数 201,100人 令和2年国勢調査
平均年収 539.6万円 令和7年賃金構造基本統計調査
平均年齢 39.1歳 令和7年賃金構造基本統計調査

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、CG制作の全国の就業者数は201,100人と示されています(令和2年国勢調査)。平均年収は539.6万円、平均年齢は39.1歳(令和7年賃金構造基本統計調査)、有効求人倍率は0.42(令和6年度ハローワーク統計)と記載されています。なお、就業者数の出典である令和2年国勢調査は2020年に実施された調査で、公表から時間が経っている点にご留意ください。年収は職種や経験、勤務先によって個人差がありますので、保証された数値ではない点にもご留意ください。

就業に必要な資格については、job tagは特定の資格は不要としたうえで、「大学や専門学校などでデザインを勉強していたり、CGの知識や経験がある人が多くなっている」と記載しています(厚生労働省 job tag「CG制作」)。つまり、資格そのものよりも、工程を理解して作品を形にできることが評価につながると考えられます

活躍の場も映像作品に限りません。前述のとおり、3DCGは外科手術の医療シミュレーターや、航空機・電車の操縦などの訓練用シミュレーターにも使われています。職種ごとの仕事内容はクリエイターのお仕事図鑑で、正社員・フリーランスといった働き方の違いはクリエイターの働き方図鑑で確認できます。

3DCGアニメーションを体系的に学ぶなら|デジタルハリウッドスクール

ここまで見てきたとおり、CGアニメーションは工程の数が多く、独学では全体像はつかめてもリギング以降で手が止まりやすいという特徴があります。誰かに聞ける環境があるかどうかで、進み方が変わりやすい領域です。

デジタルハリウッドスクールの3DCG系の専攻では、モデリングからアニメーション、レンダリングまでを順を追って学べます。3DCGデザイナー専攻(専科)は3DCGの実務スキルを基礎から身につけたい方向け、CG/VFX専攻(本科)はCG/VFXクリエイターを本格的に目指す方向けの構成です。特定のソフトや工程だけを短期で学びたい場合はCG GYMという選択肢もあります。

学んだ先のイメージは卒業生インタビューで、修了後の進路支援については就職・転職サポートで確認できます。なお、3DCG系の専攻は東京本校・大阪本校で開講しています。

CGアニメーションは工程の数が多く、どこでつまずいているのかを自分で切り分けるのが難しい分野です。個別の状況により最適なコースは異なるため、まずは無料のスクール説明会で相談してみてください。

説明会・資料請求ともに無料/3DCG系の専攻は東京本校・大阪本校で開講/オンライン参加可

CGアニメーションの作り方についてよくある質問

QCGアニメーションは無料で作り始められますか?

オープンソースのソフトから始める方法があります。Blenderは3Dパイプライン全体をカバーする3D制作スイートで、全体としてGNU General Public License Version 3のもとで提供されています。また、Houdini Apprenticeのように非商用プロジェクト向けで、レンダリング解像度が1280x720に制限される学習用のライセンスもあります。いずれも利用条件は改定されることがあるため、導入前に各公式サイトで確認してください。

QCGアニメーションの制作にはどれくらいのパソコンが必要ですか?

使う予定のソフトが公開しているシステム要件を目安にしてください。たとえばMaya 2026では、メモリ8GB(16GB以上を推奨)、インストールに7GBの空き容量と記載されています。必要なスペックはソフトごとに異なるため、導入前に各公式サイトで確認することをおすすめします。

QCGアニメーションを作るのに資格は必要ですか?

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、CG制作に就業するには特定の資格は不要としたうえで、大学や専門学校などでデザインを勉強していたり、CGの知識や経験がある人が多いと記載されています。学習の到達度を測る目安としては、CG-ARTSのCGクリエイター検定(ベーシック/エキスパート)があります。

Q初心者はどの工程から手を付ければよいですか?

工程1の企画から始めて、尺とカット数を小さく決めることをおすすめします。そのうえで、モデリング → マテリアル設定 → アニメーション付け → レンダリングという最小ループを一度通してみてください。負荷の高いリギング・スキニングは、2周目以降に踏み込む形でも問題ありません。

まとめ

  • CGアニメーションの作り方は、企画・絵コンテ→モデリング→マテリアル設定→リギング→スキニング→アニメーション付け→シーン構築とライティング→レンダリングとコンポジットの8工程で進む
  • この工程の骨格は、厚生労働省 job tag が示すCG制作の工程列挙ともほぼ対応している
  • ソフトは金額ではなくライセンス形態で選ぶと、価格改定に左右されずに判断できる
  • パソコンは、使う予定のソフトが公開している公式のシステム要件を目安にする
  • 最初の1本は短いカットに絞り、リギング・スキニングは迂回してでも最後まで通す

工程の名前と順番が分かると、チュートリアルの内容も、自分がいまどこで止まっているのかも見えるようになります。完成させた経験が、次に伸ばすべき工程を教えてくれます。

本記事の出典(2026年8月6日時点)

厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「CG制作」:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/329
Blender Foundation「Blender 公式リポジトリ README」:Blender 公式リポジトリ
Autodesk「System Requirements for Autodesk Maya 2026」:Autodesk 公式ヘルプ
Autodesk「Maya 2026 公式ヘルプ」:Autodesk 公式ヘルプ
Maxon「Cinema 4D 製品ページ」:https://www.maxon.net/en/cinema-4d
Maxon「ZBrush 製品ページ」:https://www.maxon.net/en/zbrush
SideFX「Houdini Apprentice」:https://www.sidefx.com/products/houdini-apprentice/
Epic Games「Cinematics and Movie Making in Unreal Engine」:Unreal Engine 公式ドキュメント
CG-ARTS(公益財団法人 画像情報教育振興協会)「CGクリエイター検定」:https://www.cgarts.or.jp/kentei/cc/

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部