公開日:2024-07-14
あなたの好きなあのアニメーション作品はどのように生み出されているのでしょうか?
ディズニー、ピクサー作品などが代表される3DCGアニメーションですが、一体どのようにつくられているのでしょうか。そもそも3DCGアニメーションとは何なのか?
制作手順から制作ソフトの選び方まで未経験の方でもわかりやすいように解説いたします。
【目次】
・Maya
3DCGアニメーションとは?2Dアニメとの違いは?
3DCG(3 Dimensional Computer Graphics)アニメーション は、縦、横、高さの三次元で表現されるアニメーションです。その特徴はリアルな表現、立体的なカメラの動き、そして奥行きのある表現です。代表作としては、「トイ・ストーリー」などが挙げられます。
一方、 2Dアニメーション は縦と横、つまり二次元で表現されるアニメーションで、平面的な動きや表現が特徴的です。3DCGアニメーションではキャラクターを作ったあとに動きをつけるのに対し、2Dアニメーションでは1コマに動きとキャラクターを同時に描きます。
初心者が3DCGアニメーションを作る場合に意識すべきこと
初心者の方は、どのように3DCGアニメーションができていくのか、ソフトの使い方、 良い作品に必要な要素 をしっかりと理解し意識することが重要です。
制作工程を理解する
3DCGアニメーション制作を進めるにあたって、それぞれの工程を理解しておくことで後の作業の効率がぐんと上がります。具体的には、モデリング、テクスチャリング、ライティング、リグ、アニメーション、レンダリングなどの工程があります。これらの工程を理解し、それぞれがどのように連携して作品が完成するのかを把握することが重要です。
ソフトの使い方を覚える
それぞれに適したソフトを使い、様々な機能の使い方を理解することで作品のクオリティの向上につながります。操作方法だけでなく、 どのソフトが どのような作業が得意なのか などを理解すると作業のイメージが掴みやすくなるでしょう。例えば、モデリングにはBlenderやMaya、テクスチャリングにはSubstance Painter、アニメーションにはMayaや3ds Maxなどがあります。これらのソフトウェアの使い方を学び、自分の作品に最適なツールを選択することが重要です。
他の作品をチェックする
あなたの好きな作品やプロの作品をチェックし、 制作者の視点 で見てみたり、いつもは気づかない細かいところに目を向けてみることで新たな発見やテクニックを見つけることができます。また、作品の背後にあるストーリーテリングやキャラクターデザイン、色彩設計なども注意深く観察し、自分の作品に取り入れることで、より良い作品を作ることができます。
3DCGアニメーションの具体的な制作方法
手順1『作品の構想と準備』
アニメーションを作るにあたってストーリーは非常に重要です。 起承転結 がしっかりとしたアニメーションをつくることは作品を理解してもらう上で非常に重要です。そして3DCGアニメーションの制作には、適切なソフトウェアと教材の準備が必要です。初心者の方は、無料で利用できるBlenderなどのソフトウェアから始めてみると良いでしょう。
手順2『モデリング』
モデリングは、 3DCG化したい物の形を作る工程 です。例えばキャラクターを作る場合、頭や胴体、手足などの形を作ります。この工程では、精密さと創造性が求められます。モデリングは、 3DCGアニメーションの基礎 となる部分で、ここで作られたモデルは今後の制作過程でも使われます。
手順3『テクスチャリング』
テクスチャリングでは、モデリングで制作した物体に色を塗り、質感を出します。これにより、物体はよりリアルな見た目を持つようになります。どのような素材でできているのか、ライティングの際のイメージを想像しながら行うと良いでしょう。
手順4『リギング』
リギングは、アニメーションをつけやすくするために、 動かす物体に骨格(ボーン)を作る工程 です。これにより、物体は自然な動きをすることが可能になります。リギングは、物体に動きをつけるための準備工程となります。この段階をこだわることで、アニメーションを付ける際に スムーズで複雑な動き をつけることができます。
手順5『スキニング』
スキニングでは、物体と骨格(ボーン)を関連付けます。これにより、骨格の動きが物体に反映され、アニメーションが可能になります。スキニングは、 物体と骨格を一体化させる工程 となります。スキニングをしっかり行わないと、モデルにアニメーションを付けた際に、変な動きをしたり、モデルの見た目がおかしくなってしまいます。
手順6『アニメーション』
アニメーションでは、ボーンを動かして各フレームにポーズを登録し、動きをつけます。これにより、物体は生き生きと動くようになります。アニメーションは、 物体に命を吹き込む工程 とも言えます。細かくアニメーションを付けることでより自然でスムーズな動きをつくることができます。
手順7『ライティングとカメラワーク』
ライティングとカメラワークでは、シーンに光を配置し、カメラの位置と動きを設定します。これにより立体感がでて、視覚的な効果が強調され、視聴者にとって魅力的な映像が作られます。ライティングとカメラワークは、 作品の見せ方を決定する重要な工程 となります。
手順8『レンダリング』
最後に、完成した3DCGデータを書き出します。これはレンダリングと呼ばれ、全ての工程が終わった後に行われます。レンダリングには時間がかかることが多いですが、 これにより最終的な映像が出力されます。 完成した作品を楽しみましょう!
3DCGアニメーションを作成する際のコツ・ポイント
3DCGアニメーションを作成する際は、対象の観察、性能のいいPCを使うこと、モデリングとライティング/テクスチャリングへのこだわり、そして 忍耐強く取り組む ことを考えると良いでしょう。
コツ・ポイント1『人の表情や動きを観察する力を身につける』
3DCGアニメーションは、キャラクターの感情をよりわかりやすくするために 動きや表情にこだわる ことが大事です。3DCGアニメーションにおいて、人間の表情や動きを観察し、表現する能力は非常に重要です。日常生活で人々の動きや表情を注意深く観察し、それをアニメーションに反映させることで、よりリアルで伝わりやすいストーリーを作り出すことができます。
コツ・ポイント2『性能の良いPCを使う』
3DCGアニメーション制作は、高い計算能力を必要とするため、 性能の良いPCを使用することが推奨されます 。性能の良いPCを使うことでレンダリング時間の短縮や作業効率の向上につながります。
コツ・ポイント3『モデリングにこだわる』
モデリングは 3DCGアニメーションの基盤 となる部分で、精密にモデリングをすることで、リアルなテクスチャリングとアニメーションを可能にし、最終的なクオリティの向上につながります。
コツ・ポイント4『ライティング、テクスチャリングにこだわる』
ライティングとテクスチャリングは、 生き物や物体の質感や感情 を表す のに重要な要素です。光の反射や影、質感のある表面などは、よりリアルに見せることができたり、そのシーンの雰囲気を作り出すことができます。視聴者に深い印象を与えます。
コツ・ポイント5『忍耐強く頑張る』
3DCGアニメーション制作は時間と労力を必要とする作業です。複雑な問題に直面したときでも、解決策を見つけるために 忍耐強く取り組むことが重要です 。また、常に新しい技術や手法を学び続けることで、スキルを磨き、より良い作品を作り出すことができます。頑張りましょう!
3DCGアニメーションソフトの選び方は?
3DCGアニメーションを作る際、どのソフトを使ったらいいのか悩んだことのある方は多いのではないでしょうか?どのように選べばよいか、それぞれの特徴を意識して選んでみましょう。
選び方1『統合型 or 特化型』
統合型はモデリングからアニメーション、レンダリングなど多くの機能を備えており、 最初から最後の作業をこのソフト一つで行うことができます。 操作画面は複雑ですが、一つのソフトで全てを管理したい場合には最適です。また、プラグインを使用して機能を拡張することも可能です。
特化型はモデリングなど特定の機能だけが備わっており、限られた作業しかできません。特定の機能だけを使いたい場合には使いやすいです。
選び方2『有料 or 無料』
3DCGを始めたい方の多くに、金銭面で躊躇した方も多いのではないでしょうか?3DCG制作ソフトは高機能で複雑な故、開発コストがかかり、結果的に製品の価格が高く設定されているものが多いです。しかし、 中には有料ソフトに引けを取ることなく無料で使えるソフトもあります。 初めての方は、無料ソフトから始めてみてもよいでしょう。
3DCGアニメーションを作成する際におすすめのソフト
多くの3DCGソフトの中からいくつかご紹介いたします。用途によってソフトを使い分けることで効率やクオリティの向上につながります。それぞれのソフトの特徴を理解しつつ作業を進めていきましょう。
Blender
価格 : Blenderは 無料 のオープンソースソフトウェアです。
タイプ : Blenderは統合型の3D作成ソフトで、モデリング、アニメーション、レンダリング、シミュレーションなど、制作全体を行うことができます。
特徴 : Blenderは、非常に多くの機能を持っています。リアルタイムで作業のプレビューを見ることができ、CPUやGPUを使って高品質な画像をレンダリングすることができます。さらに、PBRシェーダーとHDRライティングという機能をサポートしているため、非常にリアルな光と影を使った画像を作成することが可能です。
Maya
価格 : Mayaは有料ソフトウェアで、1年間のサブスクリプションは¥286,000です。
タイプ : Mayaは統合型の3Dソフトウェアで、有名アニメーション映画によく使われるソフトです。 CG業界の求人の募集要項にも書かれているような ベーシックなソフトです。
特徴 : Mayaは、直感的なモデリングツール、強力なアニメーションツール、リアルなエフェクトを作成する機能が備わっています。
3ds Max
価格 : 3ds Maxも 有料ソフトウェアで、1年間のサブスクリプションは¥286,000です。
タイプ : 3ds Maxは統合型のモデリング、レンダリング、アニメーションソフトウェアです。
特徴 : 3ds Maxは、強力なモデリングツール、直感的な操作で詳細なデザインを作成できるテクスチャリングツールとシェーディングツール、そして創造的なコントロール機能と反復機能でプロレベルのレンダリングを実現する能力を持っています。
Smoothie-3D
価格 : Smoothie-3DはWeb上で動かすことのできる 無料 のオンラインモデリングツールです。
タイプ : Smoothie-3Dは特化型のモデリングツールで、 写真を元に3Dモデリングを自動で行ってくれます。
特徴 : Smoothie-3Dはシンプルかつ直感的な操作で利用でき、初心者でも簡単に3Dモデリングを行うことができます。作成したモデルは、STL・OBJ・WRLなどで保存できます。
ZBrush
価格 : ZBrushは有料ソフトウェアです。
タイプ : ZBrushは統合型のデジタル彫刻ソフトウェアで、 粘土を形状するような直感的なモデリング 、テクスチャリングをすることができます。
特徴 : ZBrushは、カスタマイズ可能なブラシを使用して、直感的にモデリングを行うことができます。ZBrushは映画スタジオ、ゲーム開発者、玩具/コレクタブルメーカー、ジュエリーデザイナー、自動車/航空デザイナー、イラストレーター、広告主、科学者など、世界中のアーティストによって使用されています。
本格的な3DCGアニメーションを作るなら"デジタルハリウッド専門スクール"
デジタルハリウッド社会人スクールでは基礎から3DCGを学ぶことができます。
そして上記で紹介いたしましたアニメーションやエフェクトなどの専門ソフトも基礎から学べるコースもご用意しております。
もちろん「エフェクトだけ学びたい」などの「特定のソフトだけを習得したい」という方向けのコースもご用意しておりますので是非一度説明会に参加してみてはいかがでしょうか。
「やりたいことは決まっているけれど自分に合ったコースがわからない」 「自分のやりたい分野がわからない」「どんな勉強をするのか興味がある」 といった方が多いと思います。デジタルハリウッドでは担当者とマンツーマンでコース内容、学習内容を説明することはもちろん “貴方にあったコース”を一緒に探していきます。 説明会は無料 ですので下記のリンクからぜひ予約して説明会に参加してみてください。
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・専門ソフトを勉強したいという方にオススメのコースはこちら
まとめ
今回は3DCGアニメーションの作り方についてざっくりご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。 3DCGアニメーションというとお金がかかりそう、難しそうという理由で躊躇される方も多いと思います。 この記事を見て、初めての方でも「3DCGアニメーションを作ってみよう!」と思う方が増えていただければうれしく思います。 デジタルハリウッドでは、初心者の方でもしっかり基礎から3DCGを学ぶことのできるコースをご用意してありますので、 ぜひ説明会への参加をご検討ください。