アニメーターの業務内容とは?必要なスキルや勉強方法を紹介

アニメーターとは

目次

アニメーターとは 
 アニメーターの仕事・業務
 アニメーターが使用するソフトウェア
 アニメーターの職場
 アニメーターの具体的な業務内容
 アニメーターの働き方
 アニメーターの収入(年収・月収)は?
 アニメーターの将来性は?

アニメーターになるには?
 アニメーターになる方法
 未経験からアニメーターになるには
 アニメーターに必要なスキル
 アニメーターに必要な機材
 アニメーターになるための勉強法
 アニメーターに向いている人
 アニメーターになる難易度
 アニメーターになるためにかかる費用

アニメーターとは

「アニメーター」とは、アニメーションの制作において絵コンテをもとにアニメーションのベースとなるキャラクターや背景を1つ1つの絵に描き、動きをつけることを目的とするお仕事です。


いわゆる日本のアニメとして想像するセル画のアニメのアニメータ―を指す場合には、絵コンテを描くコンテマン、キャラクターや背景を描いていく原画マン、アニメーションに動きを持たせるよう原画と原画の間に中割りを描く動画マン、作画工程の全体を取り締まる作画監督、演出といった役割全体を指してアニメを作る人をアニメーターと言ったりします。


ここではそういった日本のアニメに代表される2次元のアニメを制作するアニメーターではなく、「3DCGアニメーター」について解説します。呼び方は、「CGモーションデザイナー」と呼ばれることもあり、特にゲームのキャラクターにアニメーションをつける人は「モーションデザイナー」とも呼ばれます。また、爆発、煙、髪の毛のゆれなどの細かいものを複数動かす場合は物理シミュレーションの技術が使われることがあります。物理シミュレーションをメインに作業する人は「エフェクトアーティスト」と呼ばれる場合もあります。

アニメーターの仕事・業務

代表的な作業方法としてはキーフレームアニメーション、モーションキャプチャがあります。
キーフレームアニメーションは手付けとも言われ一連の動きの中で元となるポーズをそれぞれキーフレーム設定し、タイムラインにあわせて配置し、その間のフレームはCGソフトウェアにより補間していきます。モーションキャプチャは実際の人間や動物の動きをセンサーや多重カメラで位置情報をデータ化し、CGキャラクターにあわせていく技術です。データの処理、細かい修正は手作業になっていきます。
他に物理の原則をよくとらえて規則的なアニメーションを作ることもあります。過去ジェットコースターのアニメーション作品がありましたが、制作者は大学で数学を専攻しており、すべて物理演算だけによるアニメーション作品をつくりあげました。

デジタルハリウッドの卒業生であり、ピクサー・アニメーション・スタジオのアニメーターさんである『原島 朋幸 氏』が同校の講演の際にお話しいただけたことですが、“キャラクターたちにどのような動きをつけていくかをアニメーターがアイディアを出し、監督に提案することもある”そうです。
簡単そうに見えるシーンでも、キャラクターたちが話しながら移動していくシーンなどは難しく、10秒ほどのシーンでも制作に1カ月以上時間を費やすこともあるとのことでした。また、キャラクターたちが意思を持って動いているようにアニメーションをつけることを目指して制作されているというお話もありました。キャラクターアニメーターのお仕事としての本質は意思をもって動いているということが大切なようです。

アニメーターが使用するソフトウェア

主に3DCGソフトウェアである、「Maya(マヤ)」や「3ds Max(スリーディーエス・マックス)」などを使い、アニメーションを制作します。その他にもさまざまな3DCGソフトウェアを使用し、企業や業界によっても異なります。
また、「Adobe After Effects(アドビ アフターエフェクツ)」などの動画編集ソフトウェアなども使用します。

アニメーターの職場

アニメーターの職場は、CG制作を専門として行うCGプロダクションや、制作会社などが多いです。テレビやCMなどの映像や遊戯、ゲームなどを手がけています。
また、フリーランスが多いのも特徴で、専門スタジオではCGクリエイターのフリーランスの集団で活動しているということもあります。

アニメーターの具体的な業務内容

CGアニメーションにおいては、モデラーが制作したモデル(3Dの物体)に、動き(アニメーション)をつけていきます。
基本的にはアナログの手法と同じでキャラクターを活き活きさせることや、運動の3法則にしたがって違和感なく動きをつけていくという作業になります。仕事の多くはキャラクターアニメーションですが、車を走らせることや、枯れ葉が舞うなどの動きをつけることもあります。
また、会社によりますが、カメラを動かすこと(カメラワーク:見たい画面をレイアウトする)もアニメーターの担当となることもあり、工程におけるすべての「動き」ということの業務になります。
場合によっては、モデラーの担当領域の「モデリング」という物体のモデルを制作する業務を行うこともあります。

アニメーターの働き方

企業に勤務するアニメーターの場合、出社時間と退勤時間が決まっている企業もあれば、フレックスタイム制を導入しており仕事やスケジュールに合わせて自由に出勤ができる企業もあります。また、フリーランスとして案件ごとに働く人も多くいます。
納期を守らなければならないために、場合によっては休日や夜も働かなければならないこともあり激務になることもあります。しかし、近年CG業界の労働環境や待遇が問題視されていることもあり、改善していく可能性があり、一部企業では福利厚生もしっかりとしている企業もあります。

アニメーターの収入(年収・月収)は?

平均的なCG業界のクリエイターの収入を参考にするとおよそ300万円〜500万円と言われています。しかし、技術系職種である3DCGアニメーターはスキルや経験により年収の差が大きく変動します。また、下請けの場合は年収が下がる傾向があるため、高年収を狙うのであれば大手企業を目指すことが必要です。

アニメーターの将来性は?

現在、CGはなくてはならない技術となっているため今後も安定していると考えられます。また、CGを使用する場面は今後も拡大していくと思われ、新しいジャンルにもチャレンジしていけると考えると将来性は十分あると言えます。アニメーターには技術に加え芸術的な部分もあるため、実力と実勢次第では収入も上がる可能性も秘めています。

どんなキャリアが歩めるか

アニメーターとして「スペシャリスト」になるか、他の制作工程も行えるようになり「ジェネラリスト」になる道もあります。さらにプロデューサーやディレクターポジションといった上流工程を担うポジションにステップアップすることも考えられます。フリーランスとして独立する人も多いです。名前が売れてきたら独立するという道もあります。

アニメーターになるには?

アニメーターになる方法

基本的には専門のスクールや専門学校や大学、短大などで学んだのちに就職をするということが多いです。異業種からCGアニメーターを目指すケースの場合は、元美容師や機械エンジニアと言った職業など、全体をイメージしながら細かい作業も必要とするお仕事をしていた人がアニメーターを目指すことが多い傾向もあります。

未経験からアニメーターになるには

未経験からなるには、先述のように専門のスクールなどでCGに関する技術や知識を学び、企業の採用試験を受けるのがおすすめです。応募の際は、自分がどの程度のレベルかを提示するためにも、ポートフォリオサイトなどを作り、作品をアピールすることが大切です。未経験歓迎の企業で下積みとしてアルバイトをしながらスクールに通うなどして、同時にスキルを身に付けていきステップアップすることもできます。

アニメーターに必要なスキル

人が見ている動きは自然界の原理原則になりますので、物理の知識、観察力、洞察力は必要です。また、創造物の動きをつけることもありますので、独創力、表現力なども求められる場合があります。映像では数秒でも作業にすると何カ月という時間を要することもありますので根気も必要です。
また、先述にもある様に近年オフショア開発が増えています。そのため、デジタルの時代だからこそ手描きの作画ができることも重要なスキルと考えられます。

アニメーターに必要な機材

デジタルアニメーションにおいては、コンピューターは必須となります。専用のソフトウェアなどが不自由なく操作できるレベルの処理能力が高く、CGや映像などの大きなサイズのデータも保存しておくことのできるコンピューターが望ましいです。
画面サイズの大きなデスクトップタイプの利用やノートパソコンの場合はメインとなる外部出力モニターを使用し、さらにサブモニターを組み合わせて使うことで作業効率も上がります。業務内容や必要に応じてペンタブレットや液晶タブレット、クリエイター用マウスを使用する人もいます。

アニメーターになるための勉強法

現役CGアニメーターさんやデジタルハリウッド講師の方々のお話では、「ピクサー作品をよく見て研究する」「ウォルト・ディズニー・スタジオの伝説的アニメーター、ナインオールドメンを参考にする」「具体的な参考アニメーション動画や資料がない場合は自分で動く」「時には虫の動きを研究するためにガラスに這わせて裏から観察する」など、技術だけではなく徹底的な探求心と創造力、歴史を知ること、世界共通のアニメーションを理解することも重要です。
就職の際のポートフォリオ制作では、最低限キャラクターのボディアニメーションだけでも良い場合もありますが、会社によっては追加で課題を出される場合もあります。フェイシャルアニメーション、ナレーションにあわせたリップシンクを追加することや、手足や指の動きなど細かい部分の動きに特化したデモリールにアップデートをするのが望ましいです。

アニメーターに向いている人

「動いていないものを動かす」が仕事なので「動くこと」に興味をもっている人です。どのような仕組みで動くのであろうか?どのような構造で動くのだろうか?自力ではなく他の力がかかって動いているのか?と、あらゆる動きに興味をもって探求心をくすぐられる人は向いていると思います。また、醍醐味としてよく聞かれるのが「命を吹き込める仕事」ということです。もちろん本当の命ではありませんが、動くことにより生きているということが表現されますので、時には世の中にないものや創造を超えることを想定して動きをつけることもあります。子供時代にパラパラマンガが大好きだった人やダンスを好きでやられていた方などは特にいいかも知れません。

アニメーターになる難易度

なること自体の難易度はあまり高くはありません。しかし、キャラクターなどをアニメーションさせるには骨や筋肉などの構造も把握し、違和感なく動かす必要があり、3DCGソフトウェアを問題なく使えることも必要となります。そのため未経験からスタートした場合は、同時に勉強を積み一人前のアニメーターになるには努力が必要ですし、海外を目標にしている場合や、希望する企業によっては倍率も高くなることもありますので、それ相当のスキルは必要です。

アニメーターになるためにかかる費用

CGを学べる専門スクールに通う場合、およそ90万円~140万円前後です。内容や期間によっても価格は大きく変わってくるため、自分の目的やライフスタイルに合うスクールを選ぶことが大切です。書籍を参考にする場合、1冊2,000~3,000円が相場です。
そのほかにもPhotoshopなどのAdobe関連のソフトウェア使用料(全て使えるコンプリートプランで5,680円/月(税別)※学割あり)や3DCGソフトウェアの使用料が必要になります。
またインターネット費用(3,000~4,000円/月)や、ポートフォリオサイトを持つ場合はレンタルサーバー代(300円前後~/月)などが挙げられます。
すでに使えるパソコンがあれば必要ありませんが、パソコン購入費やタブレットなども必要になります。ある程度のスペックが必要なため、この辺りも検討が必要となります。

まとめ

3DCGのアニメーターについて説明しました。アニメーターはキャラクターに命を吹き込む仕事です。最低限身につけなくてはいけないスキルをはありますが、アニメーションが好き、動かしてみたい、そう思えることがアニメーターの一歩といえるでしょう。

最近はCGモデルの配布があったり、CGのソフトもサブスクリプションなどで比較的手に入れやすい価格になっていたりで始めやすくなってきました。興味を持った方はまず動かしてみてはいかがでしょうか。