第3回「Pixar Animation Studios アニメーター 原島朋幸氏による 『トイ・ストーリー4』メイキングセミナー」
こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフの坂上です。
この夏、東京本校では
『 本科デジタルアーティスト専攻 2020年4月出願開始 』
にあたり、
”国内外を問わず、見る人に大きな感動と体験を届けるアーティストを目指す”
をテーマに、『Meet your future!世界を目指すあなたへCGアーティストとして活躍するために大切なこと』を全3回にわたり、東京で開催いたしました。
第3回目は、デジタルハリウッド東京本校(専門スクール)の卒業生で、
Pixar Animation Studios
で現役のCGアニメーターとして勤務されている 原島 朋幸氏 をお招きし、7月12日(金)に公開された最新作『
トイ・ストーリー4』のメイキングセミナーを開催いたしました。
▼ゲスト紹介
原島 朋幸(はらしま ともゆき)氏
Pixar Animation Studios:アニメーター
神奈川県出身。電気通信大学を卒業後エンジニアとして勤務している時にデジタルハリウッドを知る。デジタルハリウッド在籍中に作成したショートフィルムが 1999 年にロサンゼルスで開催されたシーグラフのエレクトロニックシアターで上映される。
2001 年に渡米し、サンフランシスコの美大、アカデミー・オブ・アートでピクサーのアニメーターが教える通称ピクサークラスを履修する。アカデミー・オブ・アート在籍時にロスアンゼルスの老舗 VFX Studioのリズム・アンド・ヒューズでアニメーション・インターンとして『ガーフィールド 2』の制作に携わる。
その後 DreamWorks Animation と PDI/DreamWorks にてアニメーターとして『ヒックとドラゴン 1、2』や『マダガスカル 2、3』などの制作に携わる。ピクサーでは『ファインディング・ドリー』、『カーズ/クロスロード』、『インクレディブル・ファミリー』、7月12日(金)に公開された最新作『トイ・ストーリー4』の制作に携わる。
今回のレポート記事は、本科デジタルアーティスト専攻の池内 朗馬さんが書いてくださいました!
在校生の生の声をぜひご覧ください!
こんにちは。池内です。ここからは、私がセミナー当日の様子をご紹介します!
原島氏は、デジタルハリウッド東京本校の卒業です。在学中に制作したショートフィルムが SIGGRAPH※1 のエレクトロニックシアターで上映され、賞を取っています。その後アメリカへ渡り、サンフランシスコにあるAcademy of Art Universityでピクサークラスを履修。現在は、Pixar Animation Studiosのアニメーターとしてご活躍されています。私も、大きな目標としてPixar Animation Studiosで働くことを目指しているので、とてもワクワクしながら会場に向かいました。
※1:SIGGRAPH…年に一度開催される『 世界最大のCGカンファレンス(学会)』です
SIGGRAPH についてのブログは
こちら
本セミナーでは、大きく分けて
「Pixar Animation Studiosとはどのような会社か?」
「アニメーターとは具体的にどんな仕事をしているのか?」
というお話をしてくださいました。
▼Pixar Animation Studiosとはどのような会社か?
Pixar Animation Studiosのモットーは
「よく遊び、よく働く」
とのこと。
お話しの中で特に私の中で印象深かったのは
「働きやすい環境を作る」
という内容です。Pixar Animation Studiosは
「制作に携わっているアーティスト達の家族をとても大切にする」
というお話しがありました。
例えば、作品完成後には社員と家族を集め、パーティーをするそうです。『トイ・ストーリー4』※「現在公開中の」の監督であるピート・ドクター氏は
「素晴らしい作品、は制作に携わっているアーティストとその家族の支えがあってこそ、生まれる」
と仰っているとのこと。このお話しを聞いて、Pixar Animation Studiosの作品の主題になっている
「家族愛」
は、制作の段階から滲み出ていているのだと感じ、胸が震えました。
また、社内の様子をご紹介いただいた際の写真では、ビルの屋上に留まっている『ファインディング・ニモ』に登場する「カモメ」があまりにも可愛くて、一日も早く自分のこの目で見たいと思いました。
▼アニメーターとは具体的にどんな仕事をしているのか?
原島氏がご担当されているアニメーターというお仕事は、具体的にどのようなことをしているのか、というお話しも実際の現場でのお話も混ぜていただきながらお話しいただきました。
今回は、原島氏が制作に携わったトイ・ストーリー4を例に、CG制作の流れやその中でアニメーターがどのように制作を進めているのか、また制作の中で意識している点についてお話いただきました。この中では特に、キャラクターの動きについてのお話が興味深く印象的でした。
例えば、
・ウッディは、どの角度からも首に巻いているバンダナが見えるようにする
・ウッディが動かない時は、腕や脚が様々な方向に向いているようにする
・ボー・ピープは陶器製のためリボンも硬いので、ほぼアニメーションしない
などの取り決めがあるそうです。
このように登場するキャラクターひとりひとりの動きに決まりがある中で、監督の頭の中に描かれているイメージを形にし、それをまたアニメーター同士で共有しながら制作が進行していくとのこと。
監督からの色々な注文があったりなどの如何なる制約に対しても、キャラクターたちが何を考え、次にどんな動きをしようとしているのかをアニメーターが考え、キャラクターたちが意思を持って動いているようにアニメーションをつけることを目指して制作に取り組まれているそうです。
アニメーターは
『 彼らが動かされているのではなく、自分たちで意思を持って動いていると見せることが大切で、それを第一に考えることが重要である 』
とを原島氏は強調されました。
また、お話の中でトイ・ストーリー4のカットの制作過程の一部も見せていただきました。
バイクが絨毯に乗り上げる動きや、トイ・ストーリー2からインスピレーションを受けて制作した歩き方等々、とても細かいところまで意識されていて、改めて 「これが世界だ」 と感じました。
▼みんなの疑問に回答! 質疑応答コーナー
セミナー後半では、みなさんからの質問にお答えいただきました。
私は将来ストーリーアーティストになりたいと思い、現在は本科デジタルアーティスト専攻で3DCGや作品のストーリー作り等を学んでいます。
質疑応答の時間に伺いたいことがあり、挙手したところ質問させていただくことができました!
私からは「制作の中で、ストーリーアーティストとアニメーターはどう関わっていますか?」という質問をさせていただきました。
原島氏からは
『 普段の制作過程ではほぼ関わりはないが、トイ・ストーリー4の制作では、キャラクターの設定など細部にわたる内容をストーリーアーティストとアニメーター双方交えて綿密に行った。』
とい
う回答をいただきました。
質問に答えていただけて、とても嬉しかったです!ありがとうございました!
その他、プロダクション・マネージャーやプロデューサーについて質問がでました。主に制作陣の工数管理や仕事の振り分け、スケジュール管理等々を行っている方々とのことです。私は前職が舞台のステージマネージャーで、同じような仕事を行っていたため、とても親しみが持てたのと同時に、これからは制作側として仕事をしていきたいので、信頼関係をしっかり築いていかなければならないポジションの方々だなと、再認識しました。
とても貴重なお話しを伺い
『 Pixar Animation Studiosのストーリーアーティストになりたい、なるんだ! 』
という想いは更に募りました。私事ですが、これからもストーリーを書き続け、高みに行けるよう精進してまいります。
素敵なお話、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
『Meet your future!世界を目指すあなたへCGアーティストとして活躍するために大切なこと』は、原島氏の回も含め、全3回でお送りいたしました!
第1回目、2回目の様子もブログとして掲載しておりますので、そちらもぜひご覧ください!
・第1回 『CGアーティスト多田学氏が伝える、クリエイティブな仕事で世界と繋がること。』
・
第2回 『若杉遼のこれだけは知っておこう!これから海外を目指すCGクリエイターが知っておくべきこと』
┗『ハンズオン 若杉遼のフェイシャルアニメーションを極める講座』
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