第1回
『CGアーティスト多田学氏が伝える、
クリエイティブな仕事で世界と繋がること。』
こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフの坂上です。
この夏、東京本校では
『 本科デジタルアーティスト専攻 2020年4月出願開始 』
にあたり、
”国内外を問わず、見る人に大きな感動と体験を届けるアーティストを目指す”
をテーマに、『Meet your future!世界を目指すあなたへCGアーティストとして活躍するために大切なこと』を全3回にわたり、東京で開催いたしました。
記念すべき第1回目は、デジタルハリウッド東京本校
本科CG/VFX専攻
を卒業後、ライティングをメインにキング・コング、アバター、猿の惑星(3部作)、ホビット、移動都市/モータル・エンジン、キャプテン・マーベルなどの作品に携わり、現在はフリーとしてご活躍されている
多田 学氏
(テクニカルディレクター / デジタルハリウッド卒業生:2期生)
をお招きし,海外でのご経験を元に、CGアーティストとしてより充実した海外生活を送るために必要なことや働き方、国内外問わずに活躍するためのノウハウ等についてお話しいただきました。
今回は、そのセミナーの様子をみなさまにお届けいたします!
▼ゲスト紹介
多田 学 (ただ がく) 氏
テクニカルディレクター/デジタルハリウッド卒業生(2期生)
広島出身、大学卒業後1997年よりLAのデジタルドメインに就職、FXやライティングアーティストとしてアイロボットやスタートレックなどの大作に従事し、2004年よりニュージーランドのWETAへ転職、ライティングをメインにキング・コング、アバター、猿の惑星3部作、ホビット、移動都市/モータル・エンジンなどの作品に参加。2018年よりカナダILMにてキャプテン・マーベルなどを制作。現在フリーとして制作活動、学生の作品制作のサポートをしている。
多田氏個人サイト:www.gakutada.com
多田氏Twitter:https://twitter.com/gakutadar
セミナーでは、大きく VFXの仕事 と 今後の展望 の2つのテーマでお話しくださいました。早速、それぞれの詳細をご紹介します。
▼VFXの仕事って?
3DCGをこれから学びたいという方も、既に学んでいるという方にもと多田氏のご経験を元に実例を用いながらのセミナーがスタート!
3DCGと一言で言っても、その職種は多岐に渡ります。
先ず、どの様に仕事が進んでいくのかを大きくまとめると、3つのプロダクションに分岐されます。
・PRE-PRODUCTION
┗映画制作企画
・PRODUCTION
┗実際の撮影(ここから3DCGの仕事が始まります!)
・POST-PRODUCTION
┗商品化制作
下記、各プロダクションでどのように仕事を行っていくかが重要なポイントとのこと。
様々なポジションのアーティストの方々が集結し、仕事を進めていくんですね。
▶VFXの職種
そして、各プロダクションに所属しているアーティストの方々にもそれぞれ職種があります。
多田氏が以前所属していたWETA Digitalでは、
・Lighting
・Department Prot
・Animation
・Texture
・Matte Paint
など、 28 の部署で 約 1,300人程 のアーティストの方々が制作に携わっているとのこと。
28もの部署に分かれて制作を進められることは、とてもすごいことですね。
モーションキャプチャーの部署
の方のインタビューやコンセプトアート、モデリングなど各の部署で
どんな仕事
を
どのように
しているのかについて、実際の作品を具体例として挙げていただきながらお話しいただきました。
普段は見ることができないメイキング映像をたくさん見ながらの解説でしたので、会場にお越しいただいたみなさんはとても貴重なお話を聞くことができたことと思います。
▶実際のショットの仕事
『キング・コング』(King Kong)
多田氏がWETA Digitalに2004年に入社して初めて携わったプロジェクトとのこと。
入社してすぐのプロジェクトであったため、自分の名前は社内でもまだあまり知られておらず、名前を覚えてもらうために、毎日自分が担当しているショットをアップデートして、見てもらうを繰り返していたそうです。
このショットでは、キング・コングの目の表現にすごくこだわって制作を行っており、こだわりのショットを監督にすごく気に入ってもらえたことが思い出と話す多田氏。
「制作の中で、自分はこんなアプローチができるんだ」 ということをチームの方々に知ってもらうための努力を惜しまないという姿勢、とても大事ですよね。
このキング・コングのショットは、多田氏のデモリール「
Gaku Tada VFX ShowReel 2018
」00:41~ご覧いいただけます。
セミナーでご紹介いただいた作品もたくさん出てまいりますので、ぜひご覧ください!
※画像をクリックするとポートフォリオサイトに移行します。
▼世界の都市とCG
▶CGアーティストはどの都市や国に多いのか?
ArtStationに登録をしているアーティストの方々を集計したものをご紹介いただきました。
1位:アメリカ
2位:ロシア
3位:ブラジル
この後は、韓国、ロンドン、パリ、モントリオールと続いて行きます。
日本は、1,000人ほどの登録とのこと。
ArtStationは、自分の作品を掲載できるポートフォリオサイトです。日本国内のみならず、世界各国の人々に自分の作品を見てもらえるチャンスです!まだArtStationに登録をしていないという方は、この機会にぜひ登録しましょう!
▶世界にあるVFXスタジオの数について
VFX World Mapより、世界にあるVFXスタジオの数についてお話しいただきました。
1位:ロンドン(140社)
2位:ニューヨーク
3位:パリ
この後は、バンクーバー、トロント、モントリオールと続いて行きます。
VFXは、お金のかかる仕事なので、国によっては税金で誘致する場合があり、特にロンドンやカナダは、税金が安いので、その地域にスタジオを作る会社が多いとのこと。
「バンクーバーは良いところだったし、モントリオールも良いと思うんですけど、かなり寒かったです。」と多田氏。
地域によっては日本と気候が全く異なる地域も多いので、自分の行く先がどの様な気候の地域なのかというのもしっかり調べておく必要がありますね。
※VFX World Mapは、現在閲覧ができません。
この他にも、世界のゲーム企業の数などにも触れていただき、日本と世界の違いなどについてもお話しいただきました!
▼今後の展望
VFXの技術は、日々進化しています。
今までは、手作業で行っていた複雑な作業も、技術の進歩で簡単かつスピーディーに作業ができるようになってきたとのこと。例えば、フォトリアルな作品もモーションキャプチャーの技術の進化により、リアルタイムで表現することができるようになりつつあります。機械操作の作業はどんどん進化していく中で、アーティストは何を求められるのでしょうか。
この問いに対し、多田氏は
「技術だけではなくて、個人のアートスキル【自己表現】がより求められると思います。」
「そして、人の目に留まる熱量の高い作品作りを目指してほしいと思っています。」
とお話しし、セミナーを締めくくりました。
機械作業では表現できない 【自己表現】 を大切に、見る人に大きな感動と体験を届ける 【 熱量の高い作品作り】 を目指ましょう!
~受講生の感想~
参加者からは、こんな声をいただきました!
・今日は多くの専門知識を勉強して自分の将来の目標を決めました。
・テクニックだけでなく熱意のある自己表現度の高い作品作りが大切という言葉が印象に残った。
・未来の技術を見据えて活動していくのが大切だなと感じた。
・実際につくられて映像で説明していただいたのでとても分かりやすく楽しかったです。
・VFXの制作の流れ、関わる人数など、知らなかったことが色々知れてよかったです。
などなど、嬉しいメッセージをたくさんいただきました。
いかがでしたでしょうか?
『Meet your future!世界を目指すあなたへCGアーティストとして活躍するために大切なこと。』は第2回、3回へ続いて行きます。
第2回は、海外でCGアニメーターとしてキャリアを積み、現在は
SonyPicturesImageworks
で『スパイダーマン:スパイダーバース』など、多くのメジャータイトルのアニメーションを手掛ける
若杉 遼
氏に、『若杉遼のこれだけは知っておこう!これから海外を目指すCGクリエイターが知っておくべきこと』を行っていただきました。
ブログ公開まで今しばらくお待ちください!
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▼世界で活躍するCGアーティスト・デジタルアーティストを目指したい!
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