本科UI/UXデザイン専攻

伊賀 聡一郎先生

講師のプロフィール

PROFILE





   伊賀 聡一郎 先生

   本科UI/UXデザイン専攻


エクスパーク合同会社代表(CEO)

伊賀先生

日本学術振興会特別研究員(PD)、(株)リコー、リコー経済社会研究所、米国パロアルト研究所(PARC)日本代表/シニアリサーチャーを経て、エクスパーク合同会社設立。

情報通信システムの研究開発を通じたテクノロジー中心のイノベーションと、エスノグラフィを基軸とした人間中心のイノベーションの両面で幅広い経験を持つ。認知科学/人間中心設計の第一人者D.A.ノーマン氏による著書の翻訳なども多数手がけている。

ヒューマンインタフェース学会評議員、北陸先端科学技術大学院大学客員教授、産業技術大学院大学非常勤講師、東京女子大学非常勤講師など。博士(政策・メディア)

伊賀講師のお仕事の内容を教えてください

企業と並走しながらイノベーションをサポートする仕事をしています。

新しい事業や技術を生み出したいと考える企業が、社会にどのような影響を与えるのかをイメージできないことが多いため、私たちがリサーチを通じて潜在的なニーズや社会の動向を探り、その情報をもとに企業と共に新しいアイデアを生み出していきます。

UXリサーチやUXデザインの違いを教えてください

まず「リサーチ」と「デザイン」の違いですが、それぞれの態度について違いがあると思います。 誤解を恐れずに言えば、リサーチは 「〜を知りたい」 という態度、デザインは 「〜にしてあげたい」 ということになると思います。 そこに製品やサービスのユーザの経験 「UX」 という接頭語がつきます。 つまり、「UXリサーチ」は対象としてのユーザの経験を知りたいということ、 「UXデザイン」は対象としてのユーザの経験をよくしてあげたいということになると思います。 UXリサーチャー:潜在的な顧客にインタビューなどリサーチをして、データを収集し現状を把握する。 UXデザイナー:収集したデータを分析し、どう改善すべきか考え、開発者やプランナーに情報を提供し、実行に移す。 ただし、現場ではこれらの役割が明確に区分されていないこともありますが、求められるスキルは異なるため、それぞれのスキルをしっかり身につけることが重要です。

サービスデザインとは何ですか?

生成AIなどの登場により、確かに人間が物作りに直接関わる機会は減るかもしれません。しかし、 「人が人に何かを提供したい」 という本質的な欲求は変わらないと感じます。これこそが人間らしさであり、これからも残り続ける部分です。 サービスデザインとは、相手に何かを提供したいというその想いを、どう形にするかを考えるプロセスです。人のニーズを理解し、どのように価値を提供するかをデザインすることが、今後ますます重要になるでしょう。

サービスデザインコースで学ぶ内容を教えてください

サービスデザインコースでは、サービスデザインの実践に必要な知識とスキルを 本質から学べるプログラムを提供しています。 ビジネスモデル を最初に学びます。 永続的に価値を提供する仕組みを作らなければ、慈善事業になってしまいます。それ自体は悪いことではありませんが、持続的な運営ができなければ、提供者も受け手も困ってしまいます。5年後、10年後も価値を提供し続けるためには、どうすべきかを考えます。 次に Webマーケティング です。 たとえ価値のあるものでも、積極的に発信しなければ、多くの人がその存在に気づきません。価値あるものをどうやって効果的に周知するかを学んでいきます。 その次に 情報アーキテクチャ です。 サービスには多くの要素があり、それらをただ並べて顧客に見せても混乱します。情報を適切に分類し、階層や区別をつけることで、見やすくなります。情報の見せ方や流れを工夫すれば、ユーザーが理解しやすくなります。 システム開発では、デザイナーが情報を整理し、価値提供の方法を考えることで、開発者とのコミュニケーションが円滑になります。情報アーキテクチャを理解することで、適切な情報配置ができ、実際に開発する人間とコミュニケーションを取れる人材が育っていきます。 このコースでは、アイデアを形にし、卒業制作を通じて実践的に学びます。デザインの現場でのステップを踏むため、就職後も応用できる力がつくでしょう。

今後仕事の中で求められるスキルは何だと思いますか?

スキルだけで語れる時代は終わりつつあります。 流行や手法は目まぐるしく変化し、サービスデザインにおいても、具体的な技術よりも大切なのは、ユーザーの視点で何が見えているかを知りたいという思いです。 例えば、ペルソナの作り方を知ることが重要なのではなく、相手を理解し、良くしたいという人間らしい感情が核心にあるべきです。 もちろん、スキルを習得することも必要です。ただし、それ以上に大切なのは、 ユーザーの視点で物事を理解し、相手を良くしたいという思いです。具体的な技術だけでなく、こうした人間としての基本的な姿勢を、コースを通じて伝えていきます。

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