公開日:2026-01-13
UXデザイナーとは
「UXデザイナー(ユーエックス・デザイナー)」は、ユーザーが『使っていて心地いい』や『楽しい』と思える「ユーザー体験」を設計する仕事です。
UXとは「User Experience(ユーザー エクスペリエンス)」の略で、製品やサービスを使用した際に得られる体験を意味し、例えばソフトやアプリケーションを操作した時に感じる、使いやすさ/使いにくさ、心地よさ/不快感など、感情に関わる設計を行っていくことがUXデザイナーの仕事になります。
UXデザイナーとUIデザイナーの違い
UXデザイナーは、ユーザーがサービスやプロダクトを利用する一連の体験全体を設計する役割です。調査・分析・課題整理を通じて「どう感じ、どう行動するか」を設計します。一方、UIデザイナーは、その体験を実現するための画面構成や色、ボタン配置など視覚的・操作的な部分を設計します。
UXデザイナーとWebデザイナーの違い
UXデザイナーは、ユーザーの行動や心理をもとに課題を発見し、サービス全体の体験設計を行います。対してWebデザイナーは、Webサイトの見た目やレイアウト、ビジュアル表現を中心に制作する役割です。
UXデザイナーの仕事内容
マーケティング調査、情報解析、リサーチなどがメインの業務となります。
SEO、マーケティング、サイト解析など、具体的な数字を基に予測を立て、組み立てたものを実際にユーザーインタビュー、A/Bテストなどで効果測定を行い、そのフィードバックからさらにデータ解析を行い、テストを繰り返すというサイクルで仕事をしていきます。
デザイナーという名前はついていますがグラフィックなどを制作するわけではなく、UXデザイナーはこの様な業務を通してユーザー体験をデザインします。
どんなソフトウェアを使うのか
ユーザーの分析やリサーチを行うためのツール、カスターマージャーニーマップを作るツール、ワイヤーフレーム・ユーザーフローを作り検証するプロトタイピングツール、タスク管理ツールなどを使用します。
UXデザイナーはユーザーの代弁者です。分析内容やカスタマージャーニー、ユーザーフローやアイディアなどを他のメンバーに伝える時に何のツールを使うかということよりも、正しく伝えられることが重要です。デザインツールは必ず使うわけではありませんが、「Sketch(スケッチ)」や「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」などを使うこともあります。
どのような職場がある?
ソーシャルゲームを開発する企業、Eコマースサイトを運営する企業、自社でアプリやサービスを展開する企業、またUI/UXを専門にするデザイン制作会社などがあります。
主に自社で事業を展開する企業が多く、そこでUXデザイナーとして勤務して1つのサービスについて仕事をすることが多いですが、企業がUI/UXデザイン会社に依頼するケースもあります。そのため、UI/UXを得意とするデザイン制作会社に勤務し、色々な企業のサービスを担当することもあります。
業務例
主に以下のような流れで業務を行います。
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調査
解析ツールなどを使い、顧客の行動や求めていることを調査します。時にはユーザーに直接インタビューを行います。
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ユーザーテスト
ユーザーに協力してもらい、サービスや製品を実際に使ってもらいます。ユーザービリティテストをします。ユーザー操作をモニタリングしながら、使いづらい点などを洗い出します。
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ワイヤーフレーム、プロトタイプの作成
調査やテストをもとにアプリやサイトの企画を行います。また、想定ユーザーの具体的な人物像であるペルソナを設定し、カスターマージャーニーマップなどを作成します。社内のマーケティング担当なども巻き込んで一緒に進め、プロトタイプなどで検証を繰り返します。
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インターフェイスデザイン
基本的にはUIデザイナーの出番ですが、UXデザイナーがデザインのルールをまとめ、スタイルガイドの作成やアイコン作成などを行うこともあります。ユーザービリティを第一に考え、デザイン知識も活かして作成をします。
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プレゼンテーション
これまでの調査からデザインにおけるプロセスを社内でプレゼンテーションします。プレゼンテーションを通じで話し合いを重ねて行き、サービスなどを完成させていきます。このようにコミュニケーション能力も必要になります。
働き方は?
リモートワークやコアタイムの無いフルフレックス、裁量労働職を認めている企業もあります。近年は働き方の多様化により、この様な働き方も増えています。そのため自分のライフスタイルとのバランスも取りやすく、プライベートの充実や、セミナーなどの参加も積極的に行うことも可能になってきます。ただし、タスク管理などをしっかりと行い、業務を遂行することが大切です。海外に拠点のある企業の場合、日本時間に必ずしもとらわれる必要はなくなります。独立してフリーランスとなり、プロジェクト単位で参画する人や、企業に常駐する人、フリーランスのUXデザインチームなどもあります。
UXデザイナーにおすすめの資格
UXデザイナーに直接必須の国家資格は少ないですが、ユーザー中心設計や実践スキルを体系的に学べる認定資格が存在します。資格学習を通じて設計プロセスや実践ノウハウを深め、ポートフォリオとあわせて専門性を示す助けになります。
おすすめの資格:Google UX Design Professional Certificate
Googleが提供するUXデザインのプロフェッショナル認定プログラム。Coursera上で受講可能で、初心者でも基礎から学べ、ユーザーリサーチ、ワイヤーフレーム、プロトタイピングなど実務に直結するスキルを習得できます。受講中にFigmaやAdobe XD等のツールも扱い、ポートフォリオ制作も実施。修了後に認定証を取得でき、履歴書やLinkedInでのアピールに活用可能です。
おすすめの資格:人間中心設計(HCD)専門家/スペシャリスト
国内の人間中心設計推進機構が認定する資格で、UXデザインの根幹である“人間中心設計(HCD)”の理論と実践能力を証明します。スペシャリストは実務経験に基づく知識・技術を示し、専門家資格はより高度な実践能力とプロジェクトリード力をアピールできます。実務経験が評価対象となるため、キャリアアップやチーム内での信頼性向上に寄与します。
おすすめの資格:UX検定
UXインテリジェンス協会が実施するUX検定™は、UXデザインの基礎知識を評価・証明する資格です。オンラインで受験でき、UXの思考プロセスや専門用語、設計手法など一般的な理解を持つことを示すのに適しています。資格取得は実務経験よりも基礎力の確認・学習の到達指標としておすすめで、学習の抜け漏れチェックとしても活用できます。
おすすめの資格:CPUX(Certified Professional for Usability and User Experience)
国際的に認知されるUX/ユーザビリティの専門資格で、基礎〜上級まで段階的に取得可能です。学習と試験を通じて、UX全般の理論や実践知識を体系的に身につけられ、プロとしてのスキル証明に有効です。初心者向けからプロ向けまで幅広く、国際的な指標として評価されるため、海外案件やグローバル基準でのポジション獲得にも役立ちます。
UXデザイナーの収入(年収・月収)は?
日本でのUXデザイナーの平均年収は、求人から見ると590万円前後が相場となっています。企業やサービスの規模や成長度合いにもよってきますが、成果次第では800万円程にアップすることもあります。また、経験者向けには年収1,200万円の求人が出ていることもあります。海外では最高年収2,000万円というケースもあるようです。豊富な知識を有するUXデザイナーはWeb業界のクリエイターの中でも給与水準が高くなっています。
将来性は?
年々進化を続けるインターネット業界では、UXデザイナーへの注目が高まっています。増え続けているサービスの中でユーザーに選んでもらうためには、使いやすさや満足度に配慮して他のサービスと差別化することが必要なためです。そのため、UXデザイナーのマーケティング知識や心理学などが必要となります。まだまだUXデザイナーは少ないため、今後も需要が増える見込みです。経験を通じて様々な知識や能力を活かし、キャリアアップを目指していけます。
どんなキャリアが歩めるか
UXデザイナーという職種の歴史は浅く、なかなかキャリアについて描きにくくはあります。しかし、UXデザイナーという経験を生かし、プロダクトを自分で作ったり、独立して会社を立ち上げ事業を始めるなどの道も考えられます。また最近は、デザイナーの育成に力を入れている企業も多く、デザイナーが役員を務めることや、デザイナーのマネージメントを行うマネージャー職になるということもあります。この様に、組織の中で上流に進むという道もあります。
求人動向
UXを必要とする企業が増えている傾向に伴い、UXデザイナーの求人は増えています。
なぜUXが必要とされるようになったのか、それはWebサイトやデジタル広告が登場したことにより、ポスターなどの紙媒体と比べてデザインのサイクルが非常に早くなっていることに関係しています。新たなデザインが次々と出てくるため、付加価値をつけなければあっという間に埋もれてしまいます。また、Web、デジタル広告であれば双方向で情報のやり取りができ、ユーザーに情報を分かりやすく伝え、操作した時に心地よさを感じてもらうなどで印象を強く残すことができるようになりました。このように設計次第で広告効果を高めることやリピーターにつなげることができるようになるため、UXデザイナーに注目が集まっています。
UXデザイナーになるには
一般的にどのようななり方があるのか
ディレクターやWebデザイナー、UIデザイナーの経験を経てUXデザイナーにステップアップすることが多く、特にUIデザイナーからUXデザイナーを志す人は多いです。そのため、プラスアルファのスキルも身につけていくと尚良いです。
カスタマージャーニーを描いたり、ユーザーインタビューを行うなどのUXデザイナーとしてのスキルはもちろんですが、SQLなどプログラミング言語を使ってマーケティングに関するデータを扱うことができるなど、他の人とは違う領域も意識して身につけていくと幅が広がります。全て必須という訳ではありませんが、可能な限り幅広くスキルを伸ばすようにするといいです。
未経験からなるには
求められるスキルが複数なので業界未経験からUXデザイナーを目指すことは難しいでしょう。まずはWebデザイナー・UIデザイナーから実務経験を身に着け、数値感覚も磨かれていればそのままUXデザイナーを目指せますし、「デザイナー」→「ディレクター」→「UXデザイナー」と順を追ってキャリアアップを目指すパターンもあります。
必要なスキル
UXデザイナーに必要なスキルは、基本的なデザインスキルと数値感覚が必要になります。プロジェクトチームの一員としてグラフィックデザイナー、UIデザイナーと関わるので、スムーズに意思疎通を行うためにも基本的なデザインのスキルと知識は必要です。数値については通常ディレクターの範疇なので、ディレクターと共に仕事をすることで数値感覚を磨いていきます。
正確な設計が出来るようにクライアントやユーザーから聞き込みするコミュニケーションスキルが必要となります。その後に設計したものをクライアントに提示する為プレゼン能力なども重要なスキルとなります。
必要な機材
必要な機材はまずパソコンです。打ち合わせなども多いUXデザイナーは、ノートパソコンと大きな画面の外部モニターを組み合わせることがおすすめです。またプロトタイプ検証用のスマートフォンなどのデバイスやiPadなどのタブレット端末、数値計算用の電卓などが挙げられます。
勉強法
UXデザイナーに必要な資格はありませんが、関連するものでは以下の様な資格があります。
- アドビ認定エキスパート
- Webデザイナー検定
これらはデザインする時に使うツールを正しく使用できているか、要望にあったコンセプトメイキングができるかなどのスキルを証明することができます。
- 人間中心設計(HCD)スペシャリスト
- 人間中心設計(HCD)専門家
これらは主にサービスデザインに関わったことがある人が受験対象になりますが、合格すると「HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト / 専門家」という肩書きを手に入れることができます。心理的な部分にも関わるUXデザイナーでは、今後受験者が増えることが予想されます。
なるための適性は?
UXデザイナーに向いている方は、マーケティングに関する知識、情報解析やリサーチ力など数字に強い方で、マーケター、ディレクターなど、普段から数字を扱う仕事に慣れ親しんでいる方にはとても向いています。
また、どの様に利便性を向上できるのか、顧客目線で考えられることも必要になります。データ解析だけにとどまらず、このデータを目に見える形でユーザーに役立てたい、これらの情報をチームで共有し、よりよい制作に活かしていきたいと考えている方には、おすすめの職業です。
なるための難易度は?
デザイナー経験やディレクター経験がなくUXデザイナーとして就職することは非常に難しいですが、専門のスクールや独学でも知識をつけておくことで開ける門ではあります。また自分でアプリなどのプロダクトを作り、企業で勤務する以外で実戦の経験を繰り返し積むことで一線で活躍するUXデザイナーと並ぶことが可能なこともあります。
なるにはどれくらいお金がかかる?
専門スクールに通いWeb業界に関する知識やデザインスキルをつける場合、30万円~120万円前後が多いです。内容や期間によっても価格は変わってくるため、自分の目的やライフスタイルに合うスクールを選択ことが大切です。
書籍を参考にする場合は1冊2,000~3,000円が相場です。
また資格試験を受ける場合は受験料、セミナーやイベントへの参加の場合は参加費がかかることがあります。
また、PhotoshopなどのAdobe関連のソフトフェア使用料(全て使えるAdobeのコンプリートプランで5,680円/月(税別)※学割あり)、インターネット費用(3,000~4,000円/月)、また自分でサイトを公開する場合はレンタルサーバー代(300円前後~/月)などがあります。
すでに使えるパソコンがあれば必要ありませんが、パソコン購入費も必要になります。
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まとめ
UXデザイナーは、ユーザー体験を起点にサービスの価値を高める重要な役割を担います。仕事内容はリサーチから設計、改善提案まで幅広く、専門性と論理性の両方が求められます。資格やスクールで体系的に学ぶことで、未経験からでも着実にスキルを習得できます。自分に合った学習方法を選び、実践とアウトプットを重ねながら、UXデザイナーとしてのキャリアを築いていきましょう。