インタラクティブデザイナー

公開日:2023-07-01

インタラクティブデザイナーとは

「インタラクティブデザイナー」は、ユーザーとのコミュニケーションをデザインする職業です。論理的で考え抜かれた動作を備えた魅力的なインターフェイスを作ります。
インタラクティブとは、「対話」「双方向」といった意味で、一方的な情報の提供ではなく、相互に情報のやり取りを行える状態のことをいい、これらをビジュアル的にデザインし、情報を届けることがインタラクティブデザイナーの仕事となります。
従来の情報を届ける手段といえば雑誌、ポスター、テレビといった一方的に発信されている情報をユーザーが受け取るのみの一方通行のみでしたが、現在はネット環境やPCの発展により、ユーザー側からも必要な情報を引き出せるようになりました。そのため、利便性や好まれる操作性、魅力的な表現でユーザーに選んでもらえるデザインのあり方が必要になったためです。


インタラクティブインタラクションデザイナー

どんな仕事・業務?

比較的新しい職種であり、仕事内容は多岐に渡ります。身近なものでいえばインタラクティブなWebサイトデザインもありますし、タッチパネルで操作するものは大抵インタラクティブデザインの分野になります。家電で採用されることも増えており、タッチパネル式を採用した洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ等、頻繁に見かけるようになってきました。
それ以外にも、エンターテイメント、イベントで使われるインタラクティブデザインがあります。例としては、タッチして映像が変化するプロジェクションマッピングなどのコンテンツがそうです。最近ではインタラクティブコンテンツをメインとした、体の動きに合わせて映像が動いたり変化する体感型のアミューズメントパークも登場しています。 また、音声に反応するデバイスやコンテンツなどもあり、活躍のシーンは多様です。

どんなソフトウェアを使うのか

基本的にデザインを行うには、「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」を使用することが多いです。映像制作には「Adobe Aftereffect(アドビ アフターエフェクツ)」や、CG制作ソフトの「Maya(マヤ)」などを使用します。プログラミングも行う場合はHTMLやCSS、JavaScriptはもちろん、「Unity(ユニティ)」などを使用することもあります。VRやAR、ドローンなどの技術も取り入れることもあり、制作範囲によって使用するソフトウェアなども変わってきます。


インタラクティブインタラクションデザイナー

どのような職場がある?

まず、インタラクティブなWebサイト制作などを得意とする制作会社やクリエイティブエージェンシーなどがあげられます。ウェブだけに留まらず、スマートデバイス、グラフィックや映像、デジタルサイネージなど様々なコンテンツやインタラクティブ広告などを世に作り出しています。最新の技術などを用い、見る人を惹きつけるコンテンツでクライアントのブランド力を高めています。
またこのような事業に加え、水族館などの施設や音楽系企業などと共同し、ユーザー参加型の体験コンテンツを制作・イベントで展示をしてデジタル業界を盛り上げている企業もあります。アイデアをビジュアライズしたり、映像や空間、グラフィック、CG、プロジェクションマッピングなど様々な分野のデザインを手がけます。また、インタラクティブデザイナーという呼び方をしていない企業もあります。


業務例

プロデューサーやディレクターが企画を練り、実際にメンバーが決定してからが基本的に出番になりますが、はじめから打ち合わせに参加することもあります。プロジェクトに合わせ、個人の裁量も判断して最適なメンバーがアサインされます。基本的に言われたことをやるのではなく、関わるメンバー全員で作り上げていくため、全体像を掴み意見を発言したり改善案を出したりと、主体的に取り組みます。イベントの際は実際に現地に行ってバグがないかなども確認しながら立ち会います。


働き方は?

企業に勤めて正社員として働くことが多いです。また、基本的には8時間勤務の土日休みがほとんどとなっておりますが、イベントやリリースなどの制作スケジュールによっても変動するため、フレックスタイム制を導入している企業が多く、裁量労働制になっていることが多いです。クリエイティブな制作物を手がけることが多いためこの様な働き方が多いですが、休むときは休みメリハリをつけています。

収入(年収・月収)は?

インタラクティブデザイナーという職種はまだ歴史が浅いため、給与に関するデータが多くはありませんが、企業が出している求人などを参考にすると大体350万円~800万円が相場となり、企業により様々です。
インタラクティブデザイナーは多様なジャンルに携わることもあり、プログラミング、映像など広い知識が求められることもあります。そのためかWebデザイナーやコーダーなどと比較すると若干収入が高い傾向があります。

将来性は?

技術の進化が著しく今後も発展が予想されるIT業界では、今後ますますインタラクティブなコンテンツが増えていくことが予想されます。企業と一緒に大きな展示型コンテンツを行うことも多く、これらは一般の人の関心も非常に高く、性別や年齢、地域も問わず人気があります。この様なコンテンツは今後も注目を浴びて需要も高まる可能性が非常に高いです。


インタラクティブインタラクションデザイナー

求人動向

インタラクティブデザイナーの求人は、WebデザイナーやUIデザイナー、フロントエンジニア、CGクリエイターなどに比べるとそこまで数は多くはありません。しかし、事業拡大などにより常時求人の出ている職種です。そのため、進みたい会社などがあれば常にチェックしておき、求められるスキルを把握して身につけていくことも大切です。

なるには

一般的にどのようななり方があるのか

インタラクティブデザイナーになるためのキャリアは様々です。
企業の研修を経てなる人もいれば、Web制作会社でデザイナーやエンジニアとして勤務したのちになる人や、映像制作会社を経てなる人もいますし、スクールでデザインやプログラミングを学んで未経験からなる人もいます。インタラクティブコンテンツは多様な広がりを見せていますので、進む分野によっても異なります。また、インタラクティブデザインと普通のデザインの線引きははっきりしていません。そのため、WebデザイナーやUIデザイナーでもインタラクティブなWebデザインを制作していることも多いです。

インタラクティブインタラクションデザイナー


未経験からなるには

様々な知識が必要になるため、完全な業界未経験からなることは難しいです。ですが、比較的新しい職種であることもあり、インタラクティブなデジタルコンテンツ創りについて学べるスクールもあります。
デジタルハリウッドの本科UI/UXD専攻でも、デザイン思考から最先端のプログラミングスキルまで習得が可能です。卒業時のクリエイターズオーディションでは企業の前でプレゼンを行う事もでき、その場でスカウトされることもあります。

必要なスキル

インタラクティブに動く、サイネージやアート作品を手掛けるにあたり各フェーズにおいて役割があり『映像』、『デザイン』、『プログラミング』双方のスキルや経験が必要となります。『映像』Maya,3ds Maxなどを使用したCG制作においての技術、『デザイン』においては「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」を使用したグラフィックデザインスキル。また『プログラミング』も行う場合はJavaScriptはもちろんのこと、センサーデバイスや「Unity(ユニティ)」などを使うこともあり、また「Unreal Engine」(アンリアルエンジン)」など映像を制御するスキルも必要となることがあります。
企業にエントリーをする際には上記を踏まえメディアアート作品やCG作品、またゲーム開発した作品などの成果物を提出し選考に移ることができます。

必要な機材

インタラクティブデザイナーに必要な機材は、まずはパソコンです。デザイン制作やプログラミング、CG制作や動画制作などをすることも考え、可能な限りスペックは上げておいた方が望ましいです。 オフィスで制作することが多い場合は大きなモニターのパソコンにし、オフィス以外での作業も発生する可能性もある場合は、スペックを満たしたノートパソコンに外部モニターを組み合わせて使うのがおすすめです。


インタラクティブインタラクションデザイナー


勉強法

どの様なインタラクティブデザイナーを目指すかによって勉強方法も変わります。
デザインスキルについては、Web、アプリ、アイコン操作であれば適切なサイズ間や操作性に配慮したUIデザインができることや、ビジュアル性に優れたグラフィックなどを表現できること。
エンターテイメントであれば魅力ある演出、惹きつけられるような映像表現を実現できることが理想的で、どの分野で活かすのかで、求められるデザインスキルも変わります。
プログラミングスキルも同様に、Web、アプリであればコーディングがメインですが、JavaScriptをメインとし、WebGL、canvas、C#、Unityなどを使い、より複雑なアニメーションやモーションデザインを表現します。
そのため、ゴール地点を見極めて勉強をしたり実務経験を積んでいく必要があります。

なるための適性は?

インタラクティブデザイナーに向いている方は、タッチ操作についての利便性をデザインや映像で向上させたい、もしくは最新の映像表現に興味があり、人を喜ばせたい、驚かせることが好きという方には向いています。タッチ操作や映像表現については、新しい技術がどんどん出てきています。その新しい技術について興味を持ち、取り入れる感性が必要です。または、プログラミングについての知識とスキルがあると表現豊かな映像やインタラクティブコンテンツ制作ができるため、プログラミングのバックボーンがある方にも向いています。

なるための難易度は?

ユーザーとコミュニケーションをするクリエイティブなコンテンツを作り上げていくため、必要となる知識が増えることと、そこまで求人が多くないなどの理由もあり難易度は少し高くなります。しかし今後も成長を続ける見込みの高い業界のため、必要とされる知識を広く身につけつつ、自分の強みを明確にして伸ばして行くことで近づいていけます。

なるにはどれくらいお金がかかる?

専門のスクールに通いWeb業界に関する知識やデザインスキルをつける場合、30万円~120万円前後が多いです。内容や期間によっても価格は変わってくるため、自分の目的やライフスタイルに合うスクールを選択ことが大切です。書籍を参考にする場合は1冊2,000~3,000円が相場です。
また、PhotoshopなどのAdobe関連のソフトフェア使用料(全て使えるAdobeのコンプリートプランで5,680円/月(税別)※学割あり)、インターネット費用(3,000~4,000円/月)、また自分でポートフォリオ用にサイトを公開する場合はレンタルサーバー代(300円前後~/月)などがあります。
すでに使えるパソコンがあれば必要ありませんが、パソコン購入費も必要になります。


インタラクティブインタラクションデザイナー

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部