クリエイティブディレクター

公開日:2023-07-01

クリエイティブディレクターとは

クリエイティブディレクターは、広告、出版、映画、テレビ、デジタルメディアなどのプロジェクトにおいて、視覚的なデザインやクリエイティブの方向性を決定し、統括する役割を担います。

UXデザイナー(designer)

どんな仕事・業務?

クリエイティブディレクターは、クライアントのニーズや目標を理解し、ビジュアルコンセプトやデザインガイドラインを策定します。アートディレクターやデザイナー、コピーライターと協力して、広告キャンペーン、映画のセットデザイン、ウェブサイトのレイアウトなどを企画し、制作を引っ張ります。

どんなソフトウェアを使うのか

クリエイティブディレクターは、グラフィック系ソフト、Adobe社のPhotoshop、Illustrator、InDesignなどはメインに使用ソフトとなっています。加えて、3D表現をする際にはモデリングソフトウェアのMayaやCinema 4Dなども使用したり、映像系のアウトプットをする際にはAfter EffectsやPremereなどのソフトを使用します。ただ、クリエイティブディレクターはあくまでもディレクションという点では、グラフィックソフトはデザイナーが使用し、クリエイティブディレクターはプロトタイピングツールのSketchやFigmaで方向性を示し、デザイナーがさらに制作を進めるといった流れもあるでしょう。

また、クライアントやデザイナーとのやりとりのためにプロジェクト管理ツールのAsanaやTrello、コミュニケーションツールのSlack、Chatwork、打ち合わせのためのZoomなども利用します。

UXデザイナー(designer)

どのような職場がある?

クリエイティブディレクターは、広告代理店、クリエイティブエージェンシー、映画制作会社、出版社、デザイン制作会社などで働きます。また、フリーランスとして独立することもありますが、その場合、一緒に動けるデザイナーやフォトグラファー、フロントエンドエンジニア、映像編集者などの人脈がある状態が望ましいです。

業務例

クリエイティブディレクターの業務例には、広告キャンペーンのビジュアルコンセプトの立案、映画やテレビ番組のセットデザインの監修、ウェブサイトやモバイルアプリのデザイン方針の策定、プレゼンテーション資料の制作などがあります。


働き方は?

クリエイティブディレクターの働き方は、クリエイティブなプロジェクトに従事するため、クライアントやデザイナーとのコミュニケーション、デッドラインの管理などが重要です。プロジェクトによっては、制作現場やクライアントのオフィスに出向くこともあります。


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収入(年収・月収)は?

2020年に公開されたdodaの平均年収ランキングによると、クリエイティブディレクターの平均年収は489万円とのことです。勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があるようです。
デザイナーなどのクリエイティブチームをまとめ、プロジェクトの進行や品質管理を担当するため、リーダーシップやマネジメントスキルが求められます。そのスキルに基づいて報酬が設定されることがあるため、デザイナーより収入が高くなることが多いです。

将来性は?

将来性は、デジタルメディアの拡大や広告業界の成長に伴い、需要が高まっています。クリエイティブな視点とリーダーシップスキルが求められるため、経験を積み重ね、幅広い業界やメディアに対応できる能力を持つことが重要です。


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どんなキャリアが歩めるか


2018年に経済産業省・特許庁が『「デザイン経営」宣言』を出しています。
「デザイン経営」の効果=ブランド⼒向上+ イノベーション⼒向上=企業競争⼒の向上とし、欧米ではデザインへの投資を⾏う企業が、⾼いパフォーマンスを発揮していることも記されている。

デザイン経営の必要条件に1.経営チームにデザイン責任者がいること 2.事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること の2点を挙げていることから、クリエイティブディレクターのキャリアの先にはデザインの責任者となり、経営に関わっていくというキャリアが見込めると言えるでしょう。

求人動向

クリエイティブディレクターを求人している業界は: 広告代理店やデザインスタジオなどのクリエイティブエージェンシー、ゲームプロジェクトのビジュアルデザインを担当するゲーム開発会社、テレビのビジュアルコンセプトやセットデザイン、プロップスの制作などを統括する映画・テレビ制作会社、Webデザインやメディア制作を統括するWeb制作会社などがあります。最近増えているのはコンサルティング企業です。各企業のビジュアルマーケティングやブランドデザインをコンサルするうえで、自社クリエイティブディレクターを設置するようです。

キャリアの項目でもお伝えしたように、デザインがわかる人が経営に関わる重要なポジションにつくことの重要性が高まっていることから、求人動向としても今後も増加していくでしょう。

なるには

一般的にどのようななり方があるのか

グラフィックデザイナーやWebデザイナー、UIデザイナーの経験を経てアートディレクターにステップアップし、さらに大きなプロジェクトを統括するクリエイティブディレクターへと進むことが多いです。

とくに、クリエイティブディレクターになる場合には、グラフィックデザイン、ビジュアルコミュニケーション、広告デザイン、映画・アニメーションなど幅広い知識があるとよいでしょう。

また知識だけではなく、実務経験があることで、何を実現できるかの感覚や、スケジュール感も磨くことができるため、デザイナーとして多くの実務経験を積むことが推奨されます。

加えて、プロジェクト管理、コミュニケーションスキル、リーダーシップなど、幅広いスキルセットを身につけることが求められます。

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未経験からなるには

未経験からクリエイティブディレクターになるためには、まずはデザイナーとしての経験を積むとよいため、下記の記事などを参考にしてみてください。

必要なスキル

クリエイティブディレクターにはさまざまなスキルが求められますが、以下には一般的に重要な8つのスキルを示します。


デザインスキル

クリエイティブディレクターはデザインに関する知識やスキルを持っている必要があります。デザインの基本原則やトレンドに通じており、デザインチームとのコミュニケーションを円滑に行うことができます。


クリエイティブディレクション

クリエイティブディレクターはプロジェクト全体のクリエイティブな方向性を指示し、デザインやビジュアルコンセプトを決定する能力が求められます。



プロジェクトマネジメント

プロジェクト全体を管理し、制約や締切を考慮しながらスケジュールを立て、チームを組織して進行を監督する必要があります。


コミュニケーション能力

クライアントやデザイナーとのコミュニケーションを円滑に行う必要があります。アイデアやビジョンを明確に伝え、フィードバックを受け入れ、適切に伝える能力が求められます。


ブランド戦略力

ブランドのビジョンや目標を理解し、それに基づいてビジュアルアイデンティティやデザインの戦略を策定する必要があります。


プレゼンテーションスキル

クリエイティブディレクターは自身やチームのアイデアやコンセプトを効果的にプレゼンテーションするスキルが求められます。クライアントやステークホルダーに対して説得力のあるプレゼンテーションを行うことが重要です。


テクノロジーの理解

クリエイティブディレクターはデジタルプラットフォームやツールについての理解を持っている必要があります。デジタルメディアのトレンドや最新のテクノロジーを把握し、デザインプロセスに活かすことが重要です。


チームマネジメント力

クリエイティブディレクターはデザインチームをリードし、クリエイティブなプロジェクトを成功に導く能力が求められます。チームメンバーの指導やモチベーション管理、タスクの割り当てなど、効果的なチームマネジメントスキルが必要です。


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著者:デジタルハリウッド スクール 編集部