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新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』
CG監督・竹内良貴氏による3DCGメイキングセミナー開催しました!

2023-04-04

現在、日本だけでなく韓国、中国と大ヒット上映中の新海誠監督 最新作映画『すずめの戸締まり』を制作した、株式会社コミックス・ウェーブ・フィルムにてCG監督を務める竹内良貴氏をお迎えし、3DCGの学習を検討している方に向けて『すずめの戸締まり』3DCGメイキングセミナーを開催いたしました。

今回はその一部の様子をお伝えします。


映画『すずめの戸締まり』予告

登壇者紹介

竹内良貴さん


1985年、長野県生まれ。東京工科大学メディア学部卒業。

『秒速5センチメートル』(2007) よりすべての新海誠監督作品に参加し、『星を追う子ども』(2011)、『言の葉の庭』(2013)、『君の名は。』(2016)、『天気の子』(2019)では3DCGチーフを担当。アニメーション作品やCMなどに演出、監督としても携わり、2018年には日中合作アニメーション『詩季織々』の一篇『小さなファッションショー』でオリジナル作品の監督デビューを果たす。『すずめの戸締まり』ではCG監督を務める。

今回のイベントには150名を超える方にご参加いただきました。

イベントの中でお話いただいた内容を少しご紹介いたします!

CG監督に聞く!『すずめの戸締まり』のCGシーンについて

今回、 椅子(草太)やミミズ、車などの乗り物、背景等色々なところでCGが使用されています。それぞれの工程に添って、実際の映像を交えながらお話いただきました。


CG制作の工程

CGアセット制作

アセットとは、様々な素材のこと。
絵で用意された素材を、それぞれ3DCGで再現していきます。

冒頭に出てくる廃墟のモデル、中盤で出てくる観覧車、その他車屋船などのデータを見せていただきました。


余談ですが、、、

『すずめの戸締り』の後半の舞台は、御茶ノ水です!

なんと!東京本校のすぐそばが舞台になっていたんですよ、、!

すずめが飛び降りた橋も、巨大な後ろ戸も東京本校から見えます!


御茶ノ水の町全体もCGでモデルデータを作成し、それをもとに絵コンテを書いたり、実際のカットを作成しているそうです。


3Dレイアウト

こちらは、アニメーターの方が作業するための土台、構図のガイドデータを作成します。

監督のコンテから意図を読み取って3Dレイアウトを作成していきます。


CGカット制作

実際の最終的な画面の絵として出るCG素材の工程

繰り返し出てくるもの、たくさん出てくるもの、手描きで描くのが大変なものをCGで作成します。

3Dで作成した素材をAfterEffectsでコンポジットして、色味など調整してセルルックにしているそうです!


CGエフェクト(VFX)

鍵を閉めるカット等で使われました。

手描きやCGを合わせて臨場感のある表現をしているそうです。

ページ上部にある、予告動画の1:53あたりの表現となっていますのでぜひご覧ください。


CGの役割とは

皆さんが目にする部分だけではなく、CGはいろいろな場面で使われていることを知ることができるセミナーでした。

今回お伺いした中だけでもCGには多くの役割がありました。

  • サポートのためのCG
  • 省力化のためのCG
  • 表現としてのCG

「映像」という分野において、CGの需要は高まっています。

CGを仕事にするために、

・技術も大事だけど、基礎も大事

・最新の情報を追い続ける

・何か一つ得意を見つける

ことが大事だと竹内さんは仰っていました。

CGを勉強されている皆さん、これからCGを学習される方、

是非基礎からしっかり学び自分の得意分野を探してみてくださいね。

質疑応答

セミナー参加者のみなさんからの質問に答えていただきました。

Q:寄りの表現は手書きのことも多いとのことでしたが、やはりCGだと手書きにかなわない表現も多いのでしょうか?

A:手書きの方が圧倒的に早い場合が多いので手書きで表現することも多いです。2,3カットしか出てこないキャラクター等はCGで作り込むより手書きの方が早いですし、細かく調整できるので、作業量と難易度によって使い分けています。


Q:Mayaではなく3dsMAXを使う理由は何ですか?

A:ペンシルプラスというプラグインがセルルックの線を出すのに手書きのニュアンスに近いからです。

最近はMaya等でもプラグインが出ているのでどちらでもいいとは思いますが、もともとメインで使っていたのが3dsMAXだったという部分が大きいです。


Q:どういったカットのレンダリングが一番時間がかかりましたか?

A:あまり重いCGではなく、比較的軽いCGだったので、単純にカットの尺が長い部分はフレーム数が多いのでその分時間がかかりました。1枚レンダリングするのに2~3分位なので何日もレンダリングに要するということはなかったです。


Q:将来的にCGを仕事にするのには、どのような価値がありますか?

A:CGは色々な分野で使われているので、CGのスキルを持っていると幅広く使う場面があると思います。

例えば、アニメCGでよく使われる3dsMAXというソフトは、建築業界でもよく使われているソフトだったりします。

CGは今後なくなることはないと思うので、映像やビジュアライゼーションに関わりたいのであれば学んでおいて損はないと思います。


Q:CG業界の働き方改革は進んでいますか?

A:進んでますね。色々と法律が変わったので、守っていないと行政から注意を受けることも増えたと思います。CG業界は正社員での登用が多いはずなのでなるべく残業はしないようにしよう等色々行動している所は多いですね。会社にはよるとは思うんですけど、昔よりはよくなっていると思います。

今までは泊まり込みでやってたことも多かったんですが、今回の「すずめの戸締り」は土日はしっかり休むということを意識して制作していました。

Q:世界観の構築に関わるためには、今何をしておくべきですか?

A:制作側のスタッフから入るという道もあると思いますが、制作進行の仕事から始めるのも良いと思います。制作進行は制作を管理する職種や、アニメだと作品で必要な資料を集めて提案する設定制作という職種から世界観の構築に関わるのも一つの手だと思います。

質問にも多く答えていただき、大変満足度の高いセミナーとなりました。
最後に、参加した方の感想をいくつか紹介します!

アニメの中でどのように3Dが使われるようになったか、

どのような形でクオリティアップにつながっているかなど、非常に勉強になりました。

実際の作業素材を例にお話を聞くことができてとても興味深かったです。

お互いのいいところを組み合わせる手書きとCGのタッグはこれからのアニメ業界に必須なものになっていくと思うので、いちアニメファンとしても今後が楽しみです。

貴重なセミナーを実施していただきありがとうございました!

現場レベルのことがきちんと知れてよかったです!!!!
CG監督という立場でありながら、2Dのほうが優れてる点にも触れていただけたりと、とても興味深かったです。
質疑応答に関しても私は質問はしなかったんですが、1の質問に対して10ぐらいの情報量で回答いただけて大変充実した時間を過ごせました。

1時間半あっという間でした。
制作の裏側でこのようなことが行われているのかと、色々知ることができ感激です。
初心者にもわかりやすく説明してくださりありがとうございました。

ここでしか聞くことのできない貴重なお話をたくさん伺うことができてとてもうれしかったです。
たくさんの工程でCGが様々な使われ方をしていることにとても驚きました。
カメラマップのお話がとても興味深く、勉強させていただきました。
ありがとうございました。

いかがでしたでしょうか?

CGの学習を考えられている方は、是非一度説明会へお越しください!

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