デジタルハリウッド(専門スクール)

東京本校

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1994年の開学以来、本校として全コース開講。2014年完成の
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【東京本校/イベントレポート】グラスホッパー・マニュファクチュア ゲームディレクター 新 英幸 氏が語る「ゲーム開発に求められるCGデザイナーの視点とは?」

2016.02.10

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こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校の松本です。

2016年1月20日(水)に、「ゲーム開発に求められるCGデザイナーの視点とは?」という題材で、グラスホッパー・マニュファクチュアのゲームディレクターである新英幸氏をお招きし、ゲーム業界で求められるCGデザイナーの視点をお話いただきました。

新さんはデジタルハリウッドを卒業後、CGアーティストを経て、ディレクターに栄進されているご経験から、3DCGを武器にどのようにキャリアパスをされたのかをお話しいただきました。

【グラスホッパー・マニュファクチュア】
「LET IT DIE」、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズ、「LOLLIPOP CHAINSAW」、「KILLER IS DEAD」など、美麗なビジュアルとカッティングエッジな内容のゲームで業界を牽引するゲーム会社。

◆CGに惹かれたきっかけ

元々絵を描くこと、デザイン等に興味があり、大学では教育美術を専攻していました。

当時、映画では「ターミネーター2」「タイタニック」などCGが頻繁に使われるようになり、ゲームでは「鉄拳」「バーチャファイター」「FF7(シリーズでは初めての3DCG作品)」などが出てきた時代だったので、自分もそれがやりたい!と感じていました。

しかし、その技術をどのように学べばいいか分からずまだ普及していたとは言い難いインターネットで3DCGが学べる学校を探しました。
そしてデジタルハリウッドに入学したのが2000年のことです。

周りは映画のような本物と見分けの付かないリアルな映像を制作したいという同級生が多かったのですが、私はゲーム業界にしか興味が無かったので、当時ゲーム業界では標準的に使用されていたソフト「SoftImage」のコースを受講しました。

その後、もう1年マスタークラスで学びました。

その時のデジハリ講師がスタジオパンチラインというゲーム会社の方で、卒業と同時に声を掛けていただきました。

◆CGアニメーターへの道

スタジオパンチラインでPS2タイトル「チュウリップ」の制作に関わったのですが、そのころ大手ゲーム会社からは「メタルギアソリッド2」「鬼武者」など(私が好きなタイトルです)、自分が関わったものとはけた違いなクオリティのタイトルが続々と生み出されていました。

ハードは同じはずなのに「何でこんなハイスペックなゲームができるのか」とその差がどこから来るのかが気になったのです。

大手ゲーム会社が生み出すタイトルに興味が沸きまくっているところで、ちょうどアニメーターを募集していた、コナミの門をたたきました。面談では「アニメーション専門です(本当はモデリングが得意だったのに)」とデモリールでアピールしたところ、即採用されました。

それまでアニメーションに特化してやってきたわけではないのですが、周りからは「アニメーションのスペシャリストが来た!」と期待されていた訳ですから、技術・知識を埋めるために猛勉強しました。

その甲斐もあってか、当時関わっていたタイトルのすべての敵キャラのアニメーションを担当させていただくことになりました。

◆企画職への道

ゲームに関係するアニメーションのすべてができるようになりたいと情熱があったので、社内にあったモーションキャプチャーシステムの使い方、光学マーカーの付け方、フェイシャルモーション等、アニメに関して、可能な限り知識を得る努力をしていました。

アニメーションに関してはだれにも負けない気概で仕事をしていましたが、ゲーム自体を企画することも好きだったので、企画書を出したりしているうちにアニメーター兼プランナーとして、某サッカーゲームの企画の仕事も任せてもらえるようになりました。

その後、いろいろ経緯がありつつゲームアニメーションのスペシャリストとしてグラスホッパーに移ったのですが、私自身が会社に慣れる前には3DCGより企画書作成を求められ、四苦八苦しているうちにディレクターに任命されていました。

グラスホッパー・マニュファクチュアの企業方針は“レッツパンク”です(笑)。バイオレンスな表現の作品が多いです。日本国内より、海外から評価を貰うことが多いですね。

◆スマホゲームのブームをプラスにとらえる

スマートフォンが登場し、ゲーム業界の流れを変えたと感じています。

ちょっとした”すきま時間”を活用できることが、スマホゲームに人々が手を伸ばすきっかけになっていると思います。

私自身この遊び方は嬉しい傾向だと捉えています。家庭用ゲームとスマートフォンゲーム、どちらを遊ぶかの時間比率は変わったと思いますが、ゲーム人口は増えているような気がします。面白いゲームを提供しようとする会社/人にはチャンスなのではないでしょうか。

◆ゲームエンジンと開発環境

今では“ゲームエンジン”という言葉が当たり前のように使われていますが、この言葉が私の周りで使われ始めたのは、PS3が発表された頃だったと思います。

PS2時代までは和製ゲームの黄金期だったような気がしますが、PS3の時代になってから海外製のゲームに、クオリティも販売本数も押され始めたと覚えています。

PS2時代までは、ゲームグラフィックスに関して“ほぼ”アート担当、グラフィック担当者の腕、知識がグラフィッククオリティーを上げていました。

それがPS3の時代になり、海外では一足先に進められていた「プログラマとグラフィッカーが質を上げる」制作手法が日本に入ってきました。

PCゲーム開発でこういった技術が着々と蓄積されていたらしいです。
日本でのゲーム開発がそのような技術を実際にゲームに落とし込むまでに5年近くかかっていたような気がします。

海外ではゲーム制作の効率化を図るために、フォーマット(型)にはめて制作することが研究され、それを研ぎ澄ましたものが“ゲームエンジン”だと思います。

当たり前の部分、だれが作っても差が出ない部分は型にはめて効率化を図り、そこで浮いた残りの時間こそ、ゲームの本質を作ること、面白さ/オリジナリティ/クオリティに割くべき、という考えなのだと思います。

ゲーム映像はプレイヤーの操作に合わせて、リアルタイムに映像が描き出されます。

一昔前はリアルタイム映像のクオリティとプリレンダー映像のクオリティは雲泥の差があったのですが、ハードの性能やゲームエンジンの驚異的な進化によって、今ではリアルタイムでレンダリングされた映像でも、かなりリアルな表現までもができるようになっています。

リアルタイム映像の特徴としてライティングやカメラを変更して、反映結果をすぐに確認できることが利点なのですが、
これを上手く活用し、ゲームではない場面で使用されることもあります。

例えば、映像制作の現場で最終クオリティに近い質感で映像をリアルタイムに確認するなどです。

◆欠かせない”コミュニケーション”

コンシューマゲームタイトルの開発は、規模の大小はあれどチームでゲームを作ることが多いです。
そして、どのパートをとっても“コミュニケーション“が大事なことには変わりません。

グラフィックで例えるなら、どんなに絵が上手くスキルがあっても“そのゲームに必要なビジュアル”を描けなければチームにとっては「役立たず」になってしまいます。


だからこそ、同じ方向性を向くために意思疎通が必要です。
これが信頼にも繋がってきます。

ゲーム制作の技術やセンス/スピードはもちろん必要ですが、”なんだかんだ言って私は”人柄”を重視してしまいます。

ゲーム開発では、アート/サウンド/プログラムなど様々なチームが携わっているので、それぞれが何を求めているのか、自分が何を求められているのかを理解し、応えるためのコミュニケーションを取れる人が重宝されます。

◆何のために、ゲームを制作するのか

ゲーム制作の現場では会社員でいるというイメージで働いていると、仕事に対して行き詰ってしまうことがあるような気がします。

仕事の成果がすぐに形(利益・数値など)として見え難いというのが理由です。

例えば、
 キャラクターデザイナー「すごいキャラクターを作りました!」
 アートディレクター  「かっこいいね!」

評価者と被評価者の間でこんなやりとりがあったとしても、最終的には”売れたゲームの本数” によって利益が生まれ、給与にかえってきますので、自分で思う“頑張り”と“それに対する見返り”にギャップが生まれることがあります。

良いゲームなのに、「売れない」ということは大いにあることですが、自分を信じてチャレンジしてこそ、絶対見返りがあると思っています。

自分なりの目標、例えば「最高のキャラクターを作りたいのでスペシャリストを目指す!」といった目標を持っていると、心が折れ難くなると思います。

私の場合「いつかは自分のゲームを作りたい」という気持ちがあったので、3DCGアーティストとして働きながらも企画書を出していました。

それが現職に繋がっているのですが、CGの仕事ができなくなった今もゲームの仕事を楽しめております。

◆ゲームの未来

技術革新によって新しいハードが生まれたり、手が届かなかったハードの金額が下がり一気に普及することは当然考えられます。

それが、新しいゲームプレイヤーを生み出す可能性もあり、まだまだチャンスがあると考えています。

今と全く違う、新しいハード、体験装置が生まれてきたとしても、面白いゲームというものは求められるはずで、それを作りたいという目標があれば、これからもゲーム制作に関わっていけると信じています。

【Q&A】

Q.企画書にはどのようにアイデアをまとめているのでしょうか?

結構昔の話ではありますが、自分なりにオンラインの良さを活かしたゲームというものを考えてその時の上司にプレゼンをし「ゲームじゃないじゃん」と一蹴された思い出があります(笑)

企画自体には自信があったのですが、この一蹴で学んだことは、誰に向けてプレゼンをするのかを明確にすることが大切、ということでした。
今では企画内容をどんな作風で見せるか、文章のまとめ方を変えたり、絵作りを変えたりします。


誰に向けて、何を訴えれば、目指すゲームが作れるのだろう?を考えます。
ゲーム制作を進める権限を持っている人に「面白そうだな、あなたに作らせるよ」と信じてもらえることさえできれば、何でもいいと思います。

その企画/プレゼンで何を勝ち取るかを明確にすることが大事です。



Q2. ゲーム業界の人は、ゲームはよく遊ばれるのでしょうか?

当然、と言いたいところですが、全く遊ばないという人も知っています。しかし、ゲームを遊んでおくと「こうしたらもっと面白い」というポイントが見えたり、開発を進める中で出てくるゲームの共通言語を知ることができるので、勉強という意味でも遊んでいたほうが良いと思います。

Q3.ゲームのCGを目指すうえで、これだけは勉強しておいたほうが良いということは何ですか?

絵心を磨くことは当然として、ゲームグラフィックに興味があるならば、スクリプトを学んでおくと役に立つことが多いです。
MayaでいうところのMELなどです。ゲームCGの内部が理解できることと、プログラマが話す内容が少しだけ分かるようになります。

また、ゲーム制作に特化したツールなども多いので、勉強するとよいと思います。

最近だとスカルプトツールなどは必須レベルのような気がします。

新英幸先生、ありがとうございました!

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