ChatGPTのプロンプト(prompt)とは?上手く使うコツや文例を紹介

ChatGPTのプロンプト(prompt)とは?上手く使うコツや文例を紹介

公開日:2025-07-18

ここ最近、「ChatGPT」の「プロンプト」といった言葉を聞く機会も増えたという方も多いのではないでしょうか。今後、ChatGPTをうまく活用することで仕事やタスクの効率や生産性が上がる可能性も非常に高いと言われています。しかし、ChatGPTをうまく活用するには、プロンプトの書き方を覚える必要があります。今回は、ChatGPTのプロンプトを上手に活用するコツや活用例を解説します。

【目次】

ChatGPTについて

ChatGPTとは、文章生成AI(AIチャットボット)のことを指します。自然言語で質問や指示を行うだけで、人間と話しているかのように回答を返してくれます。利用するには、例えば「○○をしてください」など日本語で指示・命令を出せば良く、プログラミングの知識は不要で行えるため非常に手軽に利用ができます。

2022年11月にアメリカの「OpenAI社」が提供を開始したことから始まったChatGPTは、月間アクその後ティブユーザー数をぐんぐん伸ばし、今では利用者は1億人に到達するほど驚愕のスピードで利用者数を伸ばしています。

ChatGPTのプロンプトとは

実際に、ChatGPTを利用してみた際に、思った返答を得られなかったという経験をしたことがある方も多いかもしれません。ChatGPTの返答の質を高めるために欠かせないのが「プロンプト(Prompt)」のクオリティです。

元々プロンプトは、IT分野では古くからある用語です。もともとは、コンピューターがユーザー(利用者)に対して処理や入力を促す文字列を指します。

ChatGPTのようなAI領域でのプロンプトにおいては、ユーザー(利用者)がAIに対して処理や入力の命令を出すテキストのことを指すようになりました。

プロンプトは何を意味する?種類は主に3つ

プロンプト(Prompt)とは、AIとの対話やCLI(コマンドラインインタフェース)といった対話形式のシステムにて、ユーザーが入力する指示のことを意味します。ユーザーの質問や要求に対してAIが適切な回答や結果を生成するためには、具体的でクオリティの高いプロンプトが必要です。明確でないプロンプトの場合は、AIの回答・結果も不適切で誤ったものになることがあります。


ChatGPTのプロンプトは主に3つの種類に分けることができます。


命令

してほしいことを具体的に命令するプロンプト

例:○○とは何か教えて。○○について翻訳してほしい、○○について解説してほしい、○○について要約してほしい。


補完

途中まで入力したテキストの内容を踏まえて、その続きを補完するプロンプト

例:文章の冒頭で6月でありじめじめしていると記載→その後は雨や梅雨に関連した文章が続く可能性が高いです。


実演

ユーザーの例を提示した上で、希望する回答や推測の形を実演して真似をするプロンプト

例:商品の強みをいくつか挙げ、実演→そのあとに新たな項目を示すことで強みなのか弱みなのかを推測

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ1:具体的かつ明確に

ChatGPTのプロンプトは、具体的かつ明確にすることが重要です。良い感じに書いてくださいといった曖昧な指示では、求めている回答を得ることは難しいでしょう。

例えば、ある商品のPR文をChatGPTに指示する場合は、「40代の料理が好きな女性をターゲットにした○○という商品のPR文を3つ考えてください」といったように具体的に伝えることがポイントです。

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ2:条件を指定

希望の条件をプロンプトに含ませることで適切な回答を得られる可能性が高まります。

プロンプト例

文字数は500文字以内で

ポイントを3つにまとめて紹介


また、ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ1の例でも記載したように、「40代の料理が好きな女性をターゲットにした」といったペルソナを条件としてプロンプトに含ませるのも良いでしょう。

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ3:表現方法・出力を指定

ChatGPTの回答で使われる表現方法・出力を指定することも出来ます。

文体はですます調で作成

箇条書きで作成

表形式で作成

1対1のインタビュー形式で作成


このように表現方法や出力方法を指定することで質の高い返答を得られやすくなります。

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ4:追加質問

ChatGPTというのは莫大なテキストデータで構成されているAIです。プロンプトとは、ChatGPTが持つ莫大な情報の中から「○○を引き出して回答して」と伝える役割を持っています。

ChatGPTは、それまでの会話内容を把握しているため、最初の会話でずれた答えがかえってきた際は、追加で質問を行うのがおすすめです。追加質問や指示を行うことでより精度の高い期待する答えが返ってきやすくなります。

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ5:参考情報を与える

間違った情報提供にならないようにChatGPTに参考情報を与えることで防ぐことができやすくなります。OpenAI社が提供するガイド「GPT best practices」にも記載されています。

ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ6:ゴール(目的)を明確にする

ChatGPTは指示された内容に応じて、様々な形で回答を出すことができます。「何のために使うのか」「どんな場面で使いたいのか」をプロンプトに加えることで、より目的に合った回答を得やすくなります。

例えば、「SNS投稿用に」「上司への報告資料に」「初心者向けに解説したい」といった用途を明示するだけで、回答のトーンや内容が変わります。ゴールを伝えることで、ChatGPTはその目的に沿った最適な表現や情報を提供してくれます。


ChatGPTのプロンプトを上手く活用するコツ7:プロンプトを変えながら調整する

最初の1回で期待通りの回答が得られないことは珍しくありません。そんな時は「プロンプトを少し変えてみる」「表現を変えて再度試す」のが有効な場合があります。ChatGPTは、プロンプトのわずかな違いで出力結果が大きく変わることがあります。出力された内容を確認しながら、「もっとこうしてほしい」と修正指示を加えたプロンプトでもう一度やり直したり、表現を調整したりすることで、精度の高い結果に近づけていくことができます。


よく使われるChatGPTのプロンプトの例

例1:文章の要約

ChatGPTが得意な作業の一つが、文章の要約です。ある論文を○○文字に要約してもらう、コラムを要約してもらうなどです。新たに文章を作成する訳ではなく、既にあるテキスト内容から要約を行うため、事実ベースの回答(要約)が返ってくることが多いです。


〈プロンプト例〉

あなたは、プロの編集者です。以下の条件に基づいて、「○○について」のコラムを要約してください。


〈条件〉

・200文字以内で要約してください

・結論から先に記載してください

・重要なポイントは箇条書きでまとめてください


〈要約する記事〉

「○○について」のコラム全文

例2:記事の作成

ChatGPTで新規記事の作成も可能です。新たに文章を作成してもらうため、現段階ではまだまだ品質や信頼性に問題のある場合があるので注意が必要です。生成された文章を人の目で確認し、一部修正を行うなど現段階では、人の手を加えた方が良いことが多いですが、文章のたたき台を作るなど効率化して記事を作成することができやすく非常に便利です。


<プロンプト例>

あなたは、〇年以上、大学院で○○について講師を勤めています。

以下の条件に基づいて、「○○」をテーマにした短編コラムを書いてください。


〈条件〉

・文字数は500文字以内

・見出しは3つ

・ビジネス向けの文章

例3:文章の添削

ChatGPTを用いて文章の添削をすることもできます。文字数の多い文章に対して、人の目で確認し修正をしていくのは時間も労力もかかります。ChatGPTで文章の添削を行うことで、初期のチェックの効率化をはかることが可能です。


<プロンプト>

あなたは〇年以上のキャリアを持つプロの校正者です。

以下の文章の誤りを指摘してください。


〈校正する文章〉

~~~~~~~~~~~~~~~~


例4:プログラミングのバグの発見

ChatGPTは、プログラミングコードのバグ発見にも役立ちます。


<プロンプト例>

あなたは〇年以上のキャリアを持つプロのプログラマーです。

以下の条件を参考に、プログラムに含まれているバグを指摘してください。


〈条件〉

・修正は理由を明記してください

・言語は○○を使用してください

・正しいプログラムも最後に出力してください


〈プログラム〉

~~~~~~~~~~~~~~~

例5:キャッチコピー・アイデア出し

ChatGPTは、広告や企画で使えるキャッチコピーやアイデア出しにも活用できます。アイデアを数多く出してもらい、その中から選んだりアレンジしたりすることで、発想の幅を広げることができます。

<プロンプト例>

あなたは、広告コピーライターです。
以下の条件に基づき、商品のキャッチコピーを5つ提案してください。

〈条件〉
・ターゲットは20代女性
・ポジティブで印象に残るフレーズ
・商品名「○○」を必ず入れてください

〈商品情報〉
~~~~~~~~~~~~~~~~


例6:FAQ(よくある質問)の作成

企業サイトやサービス案内で必要なFAQも、ChatGPTを使って効率的に作成できます。特に、基本的な質問の洗い出しや、ユーザー視点の回答例を作る際に便利です。

<プロンプト例>

あなたは、カスタマーサポート担当者です。
以下の条件に基づいて、サービス「○○」に関するFAQを5つ作成してください。

〈条件〉
・質問とその答えをセットで作成
・初心者向けにわかりやすく回答
・サービスの特徴が伝わる内容

〈サービス概要〉
~~~~~~~~~~~~~~~~

よくある質問

ChatGPTのプロンプト活用について、よくある質問をまとめました。
初めて使う方でも安心して使えるように、知っておきたいポイントをQ&A形式でご紹介します。

Q1. ChatGPTに依頼した内容は記録・利用されますか?

有料版ではAIの学習に利用されません。無料版は初期設定では学習に使われますが、設定で履歴をオフにすれば記録・学習はされなくなります。

Q2. ChatGPTに頼んだ回答はそのまま使っても大丈夫ですか?

生成された回答は参考情報と捉えた方が良いでしょう。事実確認や校正を行ったうえでの活用が必要になるなど注意が必要です。

Q3. ChatGPTは専門的な内容にも対応できますか?

得意・不得意があるため、専門的な内容は正しい情報源を与えたり、参考資料を提示したうえで依頼するとより正確な回答が得られます。

ChatGPTを学ぶなら「デジタルハリウッド」

プロンプトエンジニアリングマスター講座

デジタルハリウッド専門スクールでは、プロンプトエンジニアリングがクリエイターにとって標準的なスキルになると考え、2023年9月から本講座と前身となる「クリエイターのためのプロンプトエンジニアリング講座」の提供を開始しました。本講座の目標は、生成AIに馴染みのない方でも、優れたプロンプトを操る能力を身に付けることです。
生成AIを活用して今までに身についているスキルのスピードアップ/クオリティ向上を達成するだけでなく、今までに経験のないプロジェクトや作品制作を可能にする新規スキルの習得を実現するために、5ステップの学習体系で生成AIのポテンシャルを最大限に学べる内容となっています。

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まとめ

今回は、最近よく聞くChatGPTのプロンプトとは一体何なのか、上手に活用するコツや活用例を解説してきました。ChatGPTの回答の質は、プロンプトのクオリティに左右されます。今後、ChatGPTの利用が高まるにつれ、プロンプトを使いこなすスキルが求められる可能性も高くなるでしょう。少しでも興味をお持ちの方は、ぜひ一度記事を参考に取り組んでみてください。