公開日:2024-08-29
ChatGPTなどの生成AIの活用が進むにつれ、注目を集めているのが、プロンプトエンジニアリングという職業です。今後、プロンプトエンジニアリングを目指したいと思う方も増えるかもしれません。今回は、プロンプトエンジニアリングの実際の仕事内容や必要な知識を解説します。
【目次】
プロンプトエンジニアリングとは何か
プロンプトエンジニアリングとは、生成AIに対して、生成AIから望ましい出力を得るために、指示や命令を設計・最適化するプロセスのことです。
特に、人工知能の中でもLM(言語モデル)・LLM(大規模言語モデル)を効率的・効果的に使うためにプロンプト学習をさせ言語モデルを訓練していきます。
生成AIから得られる回答は、プロンプトの出し方(命令や指示の仕方)によって質が大きく変わります。意図した通りの回答・文章を引き出すためには、詳細な命令や指示を出すことのできるプロンプトエンジニアリングのスキルが求められています。
プロンプトエンジニアリングの重要性とメリット
プロンプトエンジニアリングの重要性は高まっています。
生成AIのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、プロンプトエンジニアリングのスキルが不可欠です。
今後、生成AIの台頭で、私たちの生活や働き方は大きく変わると予想されます。今まで手動で作業していた仕事や業務が生成AIに代替される可能性もあります。
今後、生成AIのメリットを最大限に受けるためにもプロンプトエンジニアリングのスキルを身につけることは重要であると考えられます。生成AIは日常生活にのみならず、仕事においてもかなり幅広い業界で使われることが想定されます。
ただし、今の段階では、プロンプト次第で、生成AIが回答する内容の精度が低く、安定していない場合もあります。そのため、生成AIからの回答のクオリティをあげ、望ましいアウトプットを引き出すためには、適切なプロンプトを設計するプロンプトエンジニアリングのスキルを今後のために身につけておくことは重要と言えます。
プロンプトエンジニアリングのメリットを3つ紹介します。
メリット1 クオリティの高い回答を得ることができる
現段階では、生成AIの出力する答えがいつも一定の質を保った回答でない場合があります。どのようなプロンプトで命令・指示を出すかによって回答の質が変わってきます。生成AIから最大限メリットを受けるためには、プロンプトエンジニアリングのスキル・生成AIを使いこなすことのできるスキルを持っていることが大切です。
メリット2 生成AIの用途が広がる
プロンプトエンジニアリングのスキルを持っていることで、クオリティの高い回答を得られる可能性が高くなり、AIを使いこなすことができるようになります。結果として、生成AIの使用用途を広げることにつながります。今までは、生成AIに任せられないと思っていた業務も任せることができるようになるかもしれません。
メリット3 UX(ユーザーエクスペリエンス)向上につながる
生成AIを取り入れることで、自社サービスのUX向上につながる可能性があります。例えば、今まで人間が対応していたコールセンターやチャット対応を、チャットボットを組み込むことで24時間いつでも問い合わせに対応できるようになるなどUXの向上が考えられます。
プロンプトの4つの要素
プロンプトの要素は主に4つに分類されます。タスクによって柔軟に4つの要素のいずれかを取り入れて適切なプロンプトを作成することで生成AIより適切な回答を得ることができやすくなります。
4つの要素を表で紹介します。
命令 | 生成AIモデルに実行してほしい特定のタスクもしくは命令・指示 |
---|---|
文脈 | 回答の質を高めるために、生成AIモデルに伝える背景の情報やや外部情報 |
入力 | 生成AIモデルに回答して欲しい入力・質問 |
出力 | 出力してほしい形式(フォーマット) |
プロンプトエンジニアリングに携わるプロンプトエンジニアとは?
プロンプトエンジニアとは、生成AIが最適な回答を返せるよう、プロンプトを開発・改良するエンジニアのことです。プロンプトによって生成AIからかえってきた回答を評価し、何度もAIとプロンプトでやりとりをおこないます。
プロンプトエンジニアの主な仕事内容
プロンプトエンジニアの主な仕事は、プロンプトを設計することです。プロンプトを設計する際には、ユーザーニーズを組んだ上で進める必要があります。様々なシーンに合わせて最適な回答を自動生成できるようAIを訓練します。
その際に、あらゆるプロンプトを用いて言語モデルのテストを行っていきます。大量のデータやユーザーからのフィードバックを基にAIモデルを分析します。
最適な回答が得られるようになることで、ユーザーの満足度の向上につながったり、カスタマーサポート業務を軽減したりすることにもつながります。
プロンプトエンジニアに求められる知識
知識1 生成AIについて
プロンプトエンジニアの主な仕事でもお伝えした通り、生成AIとは密接にかかわる仕事です。生成AIについての知識がなければ、どのように学習をさせ、どういった答えを出力させるか最適な手順で進めることが難しいでしょう。学習モデルや強化学習といったアルゴリズムを理解しているだけではなく、言語処理の仕組みなど幅広く理解していることが求められます。
知識2 自然言語について
プロンプトエンジニアは、自然言語処理に関しての知識も必要です。自然言語処理とは、普段わたしたちが使っている自然言語をコンピューターに処理をさせる技術のことです。生成AIが回答を生成するときにも用いられます。スムーズな自然言語処理を行うためには構造を理解していることが大切です。
知識3 プログラミングについて
プロンプトエンジニアは、エンジニアと名前の付いている通り、プログラミングの知識も必要です。自然言語処理の知識も必要とお伝えしましたが、自然言語処理技術を実装する際にはプログラミング言語を用いる必要があります。例えば、Python、Java、C++といったプログラミング言語が読めたり書けたりする知識やスキルを持っていることが求められます。
知識4 ドメインについて
プロンプトエンジニアは、専門性を持って課題を解決する力が求められます。専門性の中にドメインの知識も含まれます。ドメイン知識とは、特定の事業においての知見や情報のことを指しています。こういった専門性を持っていることで、生成AIを用いて企業の課題を解決することができます。
プロンプトエンジニアリングを学ぶなら「デジタルハリウッド」
プロンプトエンジニアリング講座
デジタルハリウッド専門スクールでは、プロンプトエンジニアリングがクリエイターにとって標準的なスキルになると考えています。2023年9月より「クリエイターのためのプロンプトエンジニアリング講座」の提供を開始しました。こちらのコースでは、生成AIに馴染みのない方でも、優れたプロンプトを操る能力を身に付けることが可能です。生成AIを活用して今までに身についているスキルのスピードアップ/クオリティ向上を達成するだけでなく、今までに経験のないプロジェクトや作品制作を可能にする新規スキルの習得を実現するために、5ステップの学習体系で生成AIのポテンシャルを最大限に学べる内容になっています。
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まとめ
今回は、プロンプトエンジニアリングとは何か、仕事内容や必要な知識を紹介しました。生成AIの台頭からまだ間もないですが、急速に普及率を伸ばし様々な業界で用いられています。ますますプロンプトエンジニアという職業は必要とされることが想定されます。今後、プロンプトエンジニアを目指したいと思っている方は今回の記事を参考にしてみてください。