公開日:2023-12-08
「PSD」形式のファイルデータを受け取ったけれど、何のツールで開いたら良いのかわからないといった経験をしたことのある方もいるのではないでしょうか。今回の記事では、そもそもPSDとは何かといった概要から、PhotoshopなしでPSDファイルを開くにはどのような方法があるかなどPSDについて紹介します。
【目次】
- そもそもPSDとは?
- PSDの歴史や由来
- PSDファイルの特徴とメリット
- PSDファイルのデメリット
- PSDを使用するツール
- PDFを使用するシーン
- 拡張子と保存形式
- PSDの開き方は?
- PhotoshopなしでPSDファイルを開くには
- PSDファイルを開くためのツール
- PSDファイルの変換方法は?
- PSDに関するよくある質問
- PSDについて学ぶなら“デジタルハリウッド専門スクール”
- まとめ
そもそもPSDとは?
「PSD(ピーエスディー)」とは、アメリカのアドビ システムズという会社によって提供されている「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」というグラフィックデザインの作成や編集で使われるアプリケーションで主に利用されるファイル形式であり、「Photoshop Data(又はDocument)」を略したものです。世界中で広く普及しており、多くのシーンで使用されています。拡張子は「.psd」です。
PSDの歴史や由来
PSDは、Adobe Photoshopと共に登場しており、今ではデジタル画像の加工や編集において、業界標準ソフトになっています。
アドビは、当時Adobe Systems Incorporatedとして知られており、1988年にPhotoshopを開発し、1990年にリリースしています。PSDファイル形式は、リリース後、何度もアップデートされ今では、高品質なファイル形式として認識されています。
PSDファイルの特徴とメリット
Photoshop形式であるPSDデータの特徴やメリットをいくつか紹介します。
画質の劣化を防ぐ
PSDでは、高さと幅に最大30,000ピクセルを保持できます。色や画像品質などの大量の情報が保存され、画像情報だけではなく、 解像度やスマートオブジェクト、テキスト等々の複数の編集情報が同時に保存されます。
編集状態を保持できる
「JPG(.jpg)」や「PNG(.png)」などの画像ファイルとは異なり、レイヤーやパス、解像度、スマートオブジェクトなど、Photoshop独自の機能を保持しています。レイヤーやパスごとに編集や修正が可能で、Photoshopで作業中の状態をそのまま保存することが出来る点が、特徴であり、メリットの一つです。
Adobeソフトと連携しやすい
PSDは、Adobe Photoshopのネイティブファイル形式です。そのため、Adobeが開発するIllustratorやPremiere Proなどの他のアドビ製品に簡単に読み込むことができ、連携がしやすい点もメリットの一つです。
PSDファイルのデメリット
PSDファイルは、ネイティブファイル形式であるため、基本的には、Adobe Creative Cloudメンバーでないと開くことのできない点がデメリットにあげられます。
また、PSDのファイルサイズは使用方法によって最大2ギガバイトとかなり大きなサイズとなるため保存や送信が難しくなる場合もある点もデメリットの1つです。
PSDを使用するツール
PSDファイルを開くにはPhotoshopが必要となり、同アプリケーションで作成と編集が可能となっています。Photoshop以外でのPSDの閲覧が可能なフリーソフトもありますが、あまり多くなく機能面で劣るなどのデメリットもあります。そのため、クライアントがPhotoshopを持っていないと閲覧ができないなどのケースも出てきてしまうので、データの受け渡しの際は事前に確認をするなど、注意が必要です。クライアントにデザインの確認を行う際は、1枚の画像データとして書き出しをする事が多いです。
PSDを使用するシーン
主にWebサイトのデザイン制作現場や、写真の補正現場で使われます。
前述の通りPhotoshop独自の情報を保持しているため、途中でテキストを変更したり、線の色を変更したり、調整レイヤーで写真に補正機能を追加したりと修正が可能となっており、制作の段階で使用されます。PSDファイルをそのままWeb上に掲載することは行いません。Web上に掲載する場合、画像は「JPG(.jpg)」や「PNG(.png)」など、目的にあった最適な形式やサイズ容量で書き出され、デザインされた文字や色・背景色などは、HTMLやCSSなどを使いWeb上で表示される形式のデータとなっていきます。
拡張子と保存形式
拡張子は末尾「.psd」であることが多いです。PSDはレイヤーの重なりで構成されているため、デザインをしていくにつれてファイルのサイズも大きくなります。サイズの大きなファイルは「.psb」と表記されることもあります。
保存形式はビットマップ形式(ラスター形式)となっており、「座標と色」で記憶するマス目の塗りつぶし形式です。ピクセル(点)の集合で構成されており、きめの細かい色表現をすることが可能です。しかし、拡大するにつれピクセルの細かさに限界がきてしまい、画像が荒くなってしまうというデメリットもあります。そのためWebデザインなどを行う際は、スマートオブジェクトに変換して拡大縮小による画像の劣化を防ぐなどの対応をします。
PSDの開き方は?
基本的に、PSDファイルを開くには、Photoshopが必要です。Photoshopでプレビューで開く場合は、以下のような手順になります。
①開くPSDを選択します。
②選択したファイルをダブルクリックします。
③プレビューでPSDを開きます。
PhotoshopなしでPSDファイルを開くには
PSDファイルは、Photoshop専用の形式のためPhotoshopであればスムーズに開きます。しかし、Photoshopを持っていない場合、どのように開いてデータを確認し、編集を行えばよいのか悩んでしまうケースもあるかと思います。PhotoshopなしでPSDファイルを開く方法をいくつかお伝えします。
ファイルの共有者にJPEGやPNGなどの別の拡張子に変更してもらう
開いたPSDファイルに対して修正や変更を行う必要がなく、確認だけを行いたい場合は、ファイルの共有者に別の拡張子に変換してもらったものを渡してもらうのが良いでしょう。例えば、JPEGやPNGなどの拡張子に変更してもらうことができれば、Photoshopなしで開くことが可能です。
Googleドライブを活用
PSDファイルの中身だけを確認したい場合は、Googleドライブへファイルをアップロードすることでドライブ内で開くことができます。ただし画像の編集はできないので注意が必要です。GoogleドライブはGoogleアカウントさえあれば無料で使用可能です。
PSDファイルを開くことのできるアプリやツールの活用
Photoshop以外にもPSDファイルを開くことのできるアプリやツールがあります。例えば、
Photoshop Web版(無料版は閲覧のみ可能)やPhotoshopの体験版であれば7日間全機能が利用可能です。
他にもどのようなアプリやツールがあるか詳しくは以下を参考にしてください。
PSDファイルを開くためのツール
PSDファイルを開くためのツールをいくつか紹介します。
GIMP
GIMPは、画像の作成、編集、閲覧、変換、フォトレタッチなどの機能を備えた無料の画像編集ソフトです。PSDファイルを開くことができます。編集情報のすべてを引き継いだ状態での引継ぎはできませんが、レイヤーなどの情報は残したままPSDファイルを編集することも可能です。また、CMYK形式のデータ引継ぎはできない点は注意が必要です。
Photopea
Photopea(フォトピー)は、無料の画像編集ツールです。会員登録も不要です。ブラウザで利用ができ、インストールの手間もありません。ブラウザ内で起動しているので編集内容をこまめに保存していかないと、ネット環境が悪かったり、誤ってタブを消してしまったりした際は、編集内容が保存されないためこまめな保存が必要です。WindowsとMacのどちらでも使用でき、OSの違いにも左右されません。
ファイルはJPG、PNG、PDF、GIFなどの形式に対応している他、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)、Adobe XD(アドビ エックスディ)、Sketch(スケッチ)にも対応しています。PSDファイルの確認や編集も可能です。
FireAlpaca
FireAlpacaは、無料のペイントツールです。Mac/Windows の両方で使用が可能です。JPEGやPNG、PSD形式のファイルに対応しています。タブレットの筆圧感知にも対応しているツールです。PSDファイルの場合、複数のレイヤーを1つのファイルに保存が可能ですが、FireAlpacaでは、PSDファイルをレイヤーごとに編集ができ、レイヤーを残した状態で保存できる点がポイントです。
PSDファイルの変換方法は?
PSDのファイルを別のデータ形式に変換したいという場面があるかと思います。別ファイルへの変換方法をいくつかご紹介します。
Photoshopを活用
体験版であれば7日間無料で全機能の利用が可能です。まずはPSDファイルを開きます。ファイル > 書き出し > PNGの順で操作を行い、クイック書き出しを選択します。クイック書き出しの機能では、デフォルトでPNG形式での書き出しとなっていますが、設定変更を行うとJPGへの変更も可能です。
無料のWebサービスの活用
例えば以下のような無料のWebサービスでオンライン上でファイルの変換が可能です。
こちらのサイト上でファイルをアップロードすることでJPGやPNGファイルへ変換を行うことができます。
Convertio:https://convertio.co/ja/psd-jpg/
PSDに関するよくある質問
PSDに関するよくある質問と回答を4つ紹介します。
PSDをiPhoneやAndroidで開くには?
まずは、iPhoneやAndroidのスマートフォンにAdobe Photoshop Expressアプリをダウンロードしましょう。Adobe Photoshop Expressアプリにアクセスできる場合は、PSDファイルを開くことができます。
Adobe AcrobatでPSDは開ける?
Adobe Acrobatで開く前に、PSDファイルをPDFに変換する必要があります。PDF変換後は、Adobe Acrobatで開くことが可能です。
PSBとは?PSDですか?
PSBとは、Photoshop Bigの略語です。名前の通り、PSBファイルはPSDよりも大きい形式のPSDファイルです。PSBファイルは、Photoshop互換のファイルです。
PSDファイルを印刷するには?
PSDファイルを印刷するには、ファイルをPDFに変換する必要があります。
変換手順は、まずは、Photoshopでファイルを開きます。そして、Photoshopでファイル/印刷を選択し、PSDをPDFとして保存します。
PSDについて学ぶなら"デジタルハリウッド専門スクール”
デジタルハリウッド専門スクールでは、未経験からPhotoshopについて学べるデザインのコースを複数、ご案内が可能です。ソフトの使い方といった知識面から、手を動かしてデータを編集したり作品を作ったりなど応用的、実践的なことまで幅広く学ぶことができます。
例えば、このようなコースでPhotoshopやPSDについて学ぶことが可能です。
上記のコース以外でもPhotoshopを学ぶこともできますので、まずは個別説明会にてどのようなスキルを身につけたいのか、どのような作品を作れるようになりたいのかなどご要望やご希望を聞かせていただければ最適なコース・講座のご案内が可能です。
ぜひお気軽にまずは、資料請求や個別説明会へ参加してみてください。
まとめ
今回は、PSDとはどのようなファイルかといった内容から、ファイルの特徴や開き方、jpegやpngへの変換方法などPSDについて紹介をさせていただきました。PSDファイルを受け取った際に、Photoshopを持っていない場合は、Photoshopで開く以外にも方法もいくつか紹介させていただきました。
修正を行うときも、レイヤーごとに修正ができるため、とても便利なのがPSDファイルです。クリエイティブに関わる方であれば、PSDファイルの使用頻度はかなり高いといえるでしょう。
デジタルハリウッド専門スクールでは、未経験からPhotoshopなどのクリエイティブソフトを学び、クリエイティブ業界へ就職・転職を叶えた卒業生が約9万人以上います。今後、PSDやPhotoshopについてもっと詳しくなりたい!Photoshopを学んでみたい!と少しでも思った方はぜひ、デジタルハリウッド専門スクールでの受講をご検討ください。