公開日:2023-07-01
ペルソナ(Persona)は、マーケティングやデザインの領域で使われる概念で、架空のキャラクターまたは顧客像を指します。ペルソナは、特定の製品やサービスを使用するターゲットユーザーを具体的にし、理解するために作成されます。
ペルソナは、一般的なデモグラフィック情報(年齢、性別、職業など)だけでなく、その人物の生い立ちや好み、行動パターン、ニーズ、目標、課題、モチベーションなどの情報も含みます。ペルソナは、架空のキャラクターであるため、実際のユーザーの特性を代表するイメージとして作成されます。
ペルソナの作成の目的
ユーザー理解ペルソナは、特定のターゲットユーザーグループのニーズや行動を深く理解するためのツールです。それぞれのペルソナには、ユーザーのバックグラウンドや特性が具体的に描写されており、デザイナーやマーケターがその人物の視点や意識を考慮して製品やサービスを設計する際に参考にすることができます。
例:Slackはビジネス向けのチームコミュニケーションツールとしてフィードバックをもとにシンプルかつ使いやすいインターフェースを実現しています。
ターゲティング
ペルソナは、マーケティング活動や広告キャンペーンなどのターゲットユーザーを明確化するために使用されます。ペルソナを基にしたターゲット設定は、より効果的なメッセージやコミュニケーション戦略の開発につながります。
例:GoProカメラはスポーツやアウトドア好きをペルソナにたて、機能と耐久性を兼ね備えた設計となっています。
製品設計やサービス改善ペルソナは、製品やサービスの開発プロセスで利用され、ユーザー中心の設計を促進します。ペルソナを作成することで、デザイナーや開発者は、具体的なユーザー像を考慮しながら、機能やインターフェースの設計、ユーザーエクスペリエンスの改善に取り組むことができます。
例:ネイルをし、爪が長い女性をペルソナに想定した場合、アプリのボタンは指の腹でスライドする方が使用しやすいと判断し、ボタンの形状を変更する、などのサービス改善があります。
ペルソナの作り方
1.ターゲットの設定
既存のサービスであれば今までの顧客データを、新規サービスであれば競合の情報などから、ターゲットとなりうる人物像を設定していきます。
2.情報収集
【ターゲット層に接触ができる場合】
・インタビュー
・座談会
・アンケート調査
【ターゲット層に接触ができない場合】
・サイトのアクセス解析
・口コミサイト
・顧客と接点のあるセールスなどからのヒアリング
3.アウトラインの作成
ペルソナのアウトラインを決めていきます。なるべく具体的に作るようにしていきます。
できれば2名ほど作れると良いでしょう。
デモグラフィック属性 | サイコグラフィック属性 | ビヘイビアル属性 |
・名前 ・年齢 ・性別 ・職業 ・収入 ・学歴 ・家族構成 ・居住地 |
・暮らし方 ・趣味 ・余暇の過ごし方 ・習慣 ・価値観 |
・買い物をする場所 ・利用しているSNS ・情報源 ・好きなサイト ・所持している端末 ・悩み ・仕事内容 ・仕事上の悩み |
4.ストーリーの作成
アウトラインを作成した人が実際にそのサービスへの接点はどのように生まれるか、自身が接点がないような人であれば、身近でどういった人が接点があるかなどをストーリー立てて考えていきます。
5.確認
実際に作ったペルソナを、インタビューした人やターゲット層と接点のある人に確認してもらい、よりリアルな情報に近づけていきます。
6.運用
ペルソナの作成、修正が終わったら実際に運用していきましょう。
ペルソナに向けたマーケティングを実施し、定期的に見直しながらすすめていきましょう。
ペルソナ作成の注意点
理想を詰め込みすぎないようにしましょう
こんな人にサービスを使ってもらいたい、といった理想の人はペルソナとは違います。実際に使用してくれる人や、検討してくれるリアルな像を設定できるよう、理想とは切り離して考えましょう。
主観で作らないようにしましょう
作り方でもインタビューなどのヒアリングや、確認のフェーズを入れたように、実際の声に耳を傾け、思い込みだけで作らないようにしましょう。
作ったペルソナに固執しないようにしましょう
作ったものを確認した時に修正があればもちろん修正をかけるべきですし、実際に運用が始まってからであっても、世の中の状況の変化やペルソナのおかれる環境の変化などが起こり得ます。その時の状況に合わせて柔軟に変更していきましょう。
まとめ
ペルソナ設定は、サービスのの訴求対象を明確にし、マーケティングなどの動きの方向を決めるために効果的な手法です。ユーザー視点に立った施策を展開するためにも、理想化せず、調査をしっかり行い、客観的なデータに基づいて設定し、有効的にに活用しましょう。