ライブ授業『UXデザインを学ぶ』開催しました!
今回のライブ授業『UXデザインを学ぶ』、講師はSTUDIO山口、平山トレーナーです。UXデザインとは何を示すのか、UXについての基礎からUXデザインの手法など、詳しく解説していただきました!
UXとは!?
今回のライブ授業のテーマである、「U X」とは何でしょうか?
「U X=ユーザーエクスピリエンス」とは、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験や経験のこと。製品やサービスといった「モノ」ではなく、それを取り巻く環境という「コト」のデザインです。デザイン関係を勉強していると、最近よく「UI/UX」という文字を見かけるかもしれません。Webサイトやアプリなどの見た目の印象や、使い勝手の良さをデザインすることは「UI(ユーザー・インターフェイス)」と呼ばれます。そしてそのデザインされたものが使いやすいかどうか?というのは「ユーザビリティー」です。
そして、「UX」には、これら全てが含まれるわけですが、Webサイトで言うと、プロモーションやS N Sなどでサービスを知り、検索などをしてサイトにたどり着くところから既にU Xデザインが始まります。そしてサイトから商品購入、またはサービスの利用後に至るまでの体験も「U X」です。
つまり…
この「U Xをデザインする」と言うことは、「価値ある体験を提供する」ということになります。そしてこれはWebサイトに限らず全てのサービスに当てはまります。
UXデザインが注目されるようになった背景には?
「U Xデザイン」が注目される背景には、さまざまな変化があります。市場に出ている様々な商品は、今や機能での差別化は難しくなり、メーカーごとの違いも大差がありません。さらにはスマートフォンの普及により、気になった商品やサービスはどこでも調べることができ、そして、S N Sに投稿すれば誰でも発信することができます。つまり、その商品やサービスとの接点を持つまでの経路やシチュエーションが多様化しました。
UXに必要な要素、U Xハニカム!?
では、U Xデザインで重要な「価値ある体験」に必要なこととはなんでしょうか?U Xを構成する要素を示した「U Xハニカム」を知っていると理解しやすいかもしれません。以下の図は、情報アーキテクチャ論の先駆者、ピーター・モービル氏が2004年に提唱した、U Xを構成する7つの要素を表しています。
この7つの要素が揃ってこそ、「価値」が生まれます。
どうやってU Xをデザインする?
実際にUXをデザインする上で重要なことは、「作り手の勝手な想像でデザインするのではなく、実際に使う人の意見も踏まえて作る」ということです。これを実践するには、「H C Dサイクル(人間中心設計)」というプロセスを理解する必要があるかもしれません。そしてきちんと目的を定め計画することが大切だと言われています。
下記がH C Dサイクルの図になりますが、このサイクルを活用することが良いU Xデザインを設計することにつながります。
そして、このサイクルを活用する具体的な手法として、下記のように4つのステップがあります。
STEP1. 調査について
調査にはアンケート・インタビュー・フィールドワークなど、様々な手法がありますが、Web業界でよく使われるのは、2パターン用意してどちらが成約率が高いか調査する「A ・Bテスト」がよく知られています。
STEP2. 分析の手法について
このステップでは調査で集めたデータをもとに分析し、「ユーザーが求めていること=ニーズ」を洗い出します。そのためのツールとして、ペルソナ、ジャーニーマップ、シナリオなどがあります。
STEP3. 設計について
分析で見えてきたユーザーのニーズをもとに、サイトやアプリの想定される形をつくり、ユーザーやプロジェクトの関係者と検証をします。これを「プロトタイピング」と言いますが、Web制作ではワイヤーフレームに当たります。最近よく聞くAdobe Xdはデザインツールというよりは、こういったワイヤーフレームを作るためのプロトタイピングツールです。
STEP4. 評価について
STEP3で作ったプロトタイプをユーザーに見せて、評価を集めます。評価の手法には、専門家がサービスを利用し改善点を示す「ヒューリスティック評価」と、実際に対象とするユーザーに使ってもらいフィードバックをもらう「ユーザビリティー評価」の2種類があります。
と、U Xデザインについて難しい説明が色々とありましたが、全ては「U Xハニカム」の7つの要素を導き出すために行われています。そしてそれを導き出すにはこの4つのステップをまわしていきます。
山口などの地方では?
しかし、これをきちんとしたカタチで実践するには、莫大な費用がかかることも事実です。山口など地方の企業ではここまで費用がかけられないところも多いです。そんな企業さんをクライアントに持つ地方で活躍するWebデザイナーには何ができるでしょうか?
調査のステップでは、無料のマーケティングツールがたくさんあります。UcersuggestやGoogleトレンド、アナリティクスなどのツールを駆使しデータを集めることができます。
分析のステップでは、実際にそのお店やサービスを使っている常連さんやお得意さんを「ペルソナ」として設定できます。そしてそのお得意さんからよく聞かれる質問などをもとにニーズを抽出します。
設計は、デジハリの受講生さんならXdをお持ちかと思いますが、なければ紙とペンさえあればできてしまいます。
評価のステップでは、まず家族や知人にテスターになってもらうことができるでしょう。さらに小規模サイトであれば、予算によってはGoogleアナリティクスなどを用い、リリース後に改修していく場合もあるそうです。
このようにお金をかけなくとも、「価値ある体験」を提供することはできますので、「U Xハニカム」やH C Dサイクルをちょっと意識して、ぜひ実践して見てくださいね。