グラフィックデザイン用のソフトとは?
作成の際の注意点や選び方をご紹介

公開日:2023-07-01

人に何かを伝える際、図やイラストがあると、よりわかりやすくすることができるため、企業活動でもグラフィックデザイン用のソフトを使用する機会が増え続けています。
どんな表現も0から制作することができるため、プロフェッショナルな制作会社などでは有料のソフトが使用されますが、無料の各種ツール・ソフトでも手軽にトレンドを押さえた制作を行うことができます。
2022年現在よく使用されるソフトをご紹介します。

グラフィックソフトを使用したデザインの種類

チラシや冊子、ポスターなどの印刷物、商品パッケージ、WebサイトやアプリケーションのUI(ユーザーインターフェース)、プレゼンテーション用の画像など、グラフィックソフトで作成するデータの最終的なアウトプットは多種多様となり、応用範囲はどんどん増加しています。

どういった種類の画像やイメージを制作するかによって最適なグラフィックソフトは異なるため、事前にどのような種類を制作するのか、よく考えてからグラフィックソフトを選択するようにしましょう。

また、制作によって収益を得ようとするのか、個人で利用する制作を行うのか、という面も重要です。納入先の要件に従う必要性が生じることや、ソフトのメーカーによるサポート、セキュリティ対策の有無も重要となってくるためです。

制作による収入を目的としているのであれば、有料かつ制作会社などでも一般的なソフトを使用することをお勧めします。逆に個人的な利用であれば無料のソフトウェアから制作したい方向性に合わせて自由に選択や組み合わせを楽しんでください。

グラフィックソフトを選択する際に注意する点

グラフィックソフトを選択する際に考慮すべき主な種類には下記などがあります。
※この記事では基本的に2次元かつ静止画像を制作するソフトウェアを扱います。

・紙などへの印刷を行う入稿データか否か

・インフォグラフィック

・ベクター画像作成

・画像作成・加工・編集

以下で目的別おすすめデザインソフトを挙げていますので、参考にしてください。

無料グラフィックデザインソフトのメリット・デメリットとは?

「無料(フリー)グラフィックデザインソフト」は、うまく活用すれば、高価なソフトを契約しなくても、手軽に画像やイメージを制作することが可能です。

何がどこまで可能なのか、ソフト毎に異なりますので、使いながらご自身の目的に一番適したソフトを選択ください。

▼メリット

・無料であるため、入手しやすい。別のソフトへの乗り換えも気軽にできる

・インストールが不要で、ブラウザ上で動くWebサービスもある

・ユーザーが多いため、参考となるtipsと出会えることも少なくない

・使えるテンプレート、フォントなどが充実しているものもある

▼デメリット

・有料ソフトと同程度の難易度であることも少なくない

細かい調整が難しいことが多い

・オンラインサービスはネット環境がないと使えない

企業間の取引では使用しないソフトが多い

・機能制限を解除するには有料版が必要なものもある

・クラウドストレージなどの付加サービスが限定的なことが多い

グラフィックデザインを作成する際の注意点

グラフィックデザインを含むコンテンツ全判を制作する際、一般的に以下のポイントを考慮しておくべきと言われています。

・課題を把握、理解する

・見てもらいたい対象(ターゲット)はどのような人達なのか

・どのような環境、デバイスで見せる・見てもらうのか

・見た人に何を伝えたいのか

・見た結果、どの数字がどう動けば成功なのか、目標を設定する

・いつまでに必要なのか

これらを整理することによって、担当者の好みだけで判断するのでなく、対象に響くのかで判断できるようになりますし、期間的に余裕があるのであれば専門の制作会社への依頼や、クラウドソーシングサービスを活用することも選択肢となるでしょう。

目的別おすすめのデザインソフトの選び方

紙などへの印刷を行う「入稿データ」か否か

印刷会社へ印刷を依頼する際には入稿データの拡張子が「.ai」「.psd」「.indd」「.pdf」であることを求められることがほとんどであり、adobe社の以下有料ソフトを使用するのが標準的です。

Adobe Illustrator 標準の拡張子が「.ai」

Adobe Photoshop 標準の拡張子が「.psd」

Adobe Indesign 標準の拡張子が「.indd」

※詳しくは印刷をお願いする印刷会社等へお問い合わせください。


インフォグラフィック

インフォグラフィックは、数値やデータといった情報を視覚的にわかりやすく伝えるためのものです。近年ではバナー広告などでインフォグラフィックを使用したものも増えています。Illustratorやphotoshopでは自由に制作することが可能ですが、インフォグラフィックを使用した限定的な表現が得意な無料ソフトウェアもあります。(以下一例)

Canva インフォグラフィックステンプレートのあるオンラインツール

easel.ly インフォグラフィック専門のオンラインツール(日本語対応あり)

PIKTOCHART インフォグラフィックのオンラインツールとして世界で有名(日本語対応は限定的です)


ベクター画像作成

拡大しても劣化しないことが特徴のベクター画像作成ソフトでは、ロゴやイラスト、図などを制作することが多く、Adobe Illustratorが代表的ですが、以下のソフトでベクター画像を作成することも可能です。(以下一例)

Inkscape 無料のベクターアプリケーションとして有名 ツールが豊富

Gravit Designer PRO オンライン版もある無料アプリケーション

Affinity Designer 豊富な機能を有する有料ツール。


画像作成・編集

撮影した写真や画像を加工、編集するソフトです。Adobe Photoshopが有名ですが、無料で使えるソフトもあります。(以下一例)

Gimp 無料の本格的画像編集ソフトとして有名

Pixlr オンライン&デスクトップアプリで利用可能、画像編集ツール

Photopea 様々なファイルを開くことができるオンライン環境で利用可能な画像編集ツール

プロ用のグラフィックデザインに使われる代表的なソフト

制作会社や発注する事業会社のデザイン部門などでよく使用されているソフトをご紹介します。

「UX/UIデザイン領域のソフト」にて納品されるケースも増えており、合わせてご紹介します。


Adobe Illustrator

文字や写真をレイアウト、イラストなどを描画することで、さまざまな制作に使用されます。「Illustrator」で描画した線はどこまで拡大してもはっきりした線であることが特徴で、印刷物の制作には欠かせないソフトと言われています。


Adobe Photoshop

写真の色や形の修整やイラスト制作でよく使用されます。複数の写真を組み合わせた合成画像の作成、0から筆やエリアへの色塗り、様々なエフェクト加工、変形などが行え、イベントや記事のメイン画像や、アプリアイコンの制作などでも使用できるため、Web制作やアプリデザインの現場でも一般的に使用されます。


Adobe InDesign

雑誌やパンフレットなど、複数のページを同一の世界観の中で演出したい際によく使われ、出版・印刷現場では必須のソフトと言われています。長文となる記事や、複数の写真を組み合わせた制作物に適した機能が豊富にあります。


Adobe XD

Webサイトやアプリ画面を動きや操作感を含めて制作するUX/UIデザインのソフトです。ボタンなどのパーツを制作、クリックするとどのように動くのかをシミュレーションできるプロトタイプの作成でき、チームで共有・共同で作り上げてゆくこともできます。


Figma

オンラインで使用可能なUI/UXデザインツール。個人利用では無料なこともあり、近年利用者が増加傾向にあります。

まとめ

グラフィックデザインソフトを選択する際に考えておくべき注意点と、代金が無料なものを含めて代表的なソフトをご紹介してきました。

歴史的にもadobeの各種ソフトがスタンダードであり、adobeが使えるとその他のソフトも使い方がイメージしやすいという面があるため、商業利用を含め想定すると、習得するのであればadobeのソフトをおすすめしています。

時間的に余裕があり、個人的な利用を想定している際は、無料ソフトも機能が充実してきていますので、ぜひ活用ください。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部