公開日:2025-07-11
「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」とは、「Epic Games(エピックゲームズ)」によって開発された3Dゲームエンジンです。略してUEと表記されます。
様々なプラットフォームに向けてハイクオリティなゲームを制作するために使用できるプロ仕様のツールであり、「Unity(ユニティ)」同様にゲーム開発のための2大ゲームエンジンの1つです。動作環境はクロスプラットフォームとなっています。「最も成功したビデオゲームエンジン」としてギネス記録にもなっています。現在ではポータルサイトも日本語対応されており、公式のフォーラムなどもあります。
Unreal Engineの特徴
Unityがスマートフォンを中心としたゲーム開発として使用される事が多いのに対し、コンシューマゲームと言われる「PlayStation 4(プレイステーション フォー)」「Xbox One(エックスボックス ワン)」「Nintendo Switch(ニンテンドー スイッチ)」などでの利用が多いのが特徴です。
コア言語はC++で記述されており、多くのプラットフォームをカバーしています。「Windows(ウィンドウズ)」「Mac(マック)」「iPhone(アイフォーン)」「Android(アンドロイド)」向けのゲーム開発も可能です。
Unreal Engineの歴史と価格設定
Unreal Engineは、ゲームを効率よく開発することのできるゲームエンジンです。1998年に「Unreal Engine 1」が 発表され、現在は2014年に発表された「Unreal Engine 4」が最新となっています。略してUE4です。
Unreal Engine 4の発表初期は$19/月のサブスクリプションライセンスで利用可能でしたが、2015年以降、無償で使用することができます。ただし、四半期の売り上げが$3,000(およそ35万円)以上の場合は5%のロイヤリティをEpic Gamesに支払う必要があります。
もともと学生は無料でしたが、これにより現在は誰でも無料で導入することができるようになっています。
Unreal Engineで作られたゲーム
もともとは「FPS(First-Person Shooter:ファーストパーソン・シューター)」というジャンルのシューティングゲーム『Unreal』というゲームを開発するために作られたゲームエンジンのため、現在でもFPS専用というイメージは残っていますが、実際にはアクション、RPG、アドベンチャー、ホラー、格闘など、ほぼ全てのジャンルを作ることができます。
初期の頃は主に海外のゲームソフトに採用されていましたが、Unreal Engine 4以降は日本国内でも採用事例が急増しました。特に近年は、Unreal Engine 5の登場によって表現力がさらに向上し、AAAタイトルからインディーゲームまで幅広く使われています。
近年では、2023年発売のPlayStation 5/Xbox Series X|S/PC『ストリートファイター6』や、2020年から展開された『FINAL FANTASY VII REMAKE』シリーズ、2023年発売のソウルライクRPG『Lies of P』などがUnreal Engineを採用しています。
さらに、2025年には『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』や『Eternal Strands』『FragPunk』『Dune: Awakening』といった話題作がUnreal Engine 5を使って開発・発売されており、最新のゲーム開発における代表的なエンジンの一つとして広く利用されています。
ゲーム以外でのUnreal Engineの活用
近年、Unreal Engineはゲーム開発以外の分野でもその高いリアリティ表現力や開発効率の良さが評価され、活用の幅が広がっています。たとえば、映画・映像制作の分野では、バーチャルプロダクションという新しい撮影手法においてUEが利用されるようになっています。実際に、ディズニーの実写ドラマ『マンダロリアン』では、背景をCGで合成するためのリアルタイムレンダリングにUnreal Engineが使用され、大きな注目を集めました。
また、建築・自動車・製造業などのビジュアライゼーション用途でもUEは利用されており、リアルタイムでの設計確認やプレゼンテーションに活用されています。たとえば、自動車メーカーが新モデルのプロトタイプを仮想空間上で走らせたり、建築設計事務所が完成前の建物の内外観をクライアントに体験してもらうといったことが、Unreal Engineを通じて実現されています。
さらに、メタバースやVR/AR開発といった次世代技術との親和性も高く、教育・医療・エンタメなど多様な分野での導入が進んでいます。このように、Unreal Engineはもはや「ゲームエンジン」の枠を超えた総合リアルタイム3D開発ツールとして進化し続けているのです。