Nukeとは|読み方・特徴・料金をわかりやすく解説

nukeとは

公開日:2026-08-31

映画やドラマのVFX制作について調べていると「Nuke」というソフト名に行き当たります。読み方が分からず、検索しても辞書や別の意味の情報ばかり出てきて困っていませんか。Nuke(ヌーク)とは、英国のFoundry社が開発・販売するノードベースのコンポジット(合成)ソフトです。この記事では、読み方と語源の整理から、ノードベースという独特の仕組み、After Effectsとの違い、製品ラインナップまでを解説します。あわせて、2026年8月時点の料金と無償版の条件、動作環境、学習の始め方まで整理します。無料で試せるのか、個人でも買えるのかまで、Foundry公式の情報をもとに確認していきましょう。

Nuke(ヌーク)とは|読み方と意味

Nuke(ヌーク)とは、英国のFoundry社が開発・販売するノードベースのコンポジット(合成)ソフトです。読み方は「ヌーク」が一般的ですが、英語圏の発音に近い「ニューク」という表記も併存しています。

検索したときに映像制作と関係のない情報が出てくるのには理由があります。英語の一般語としての nuke は nuclear(核)の短縮に由来する口語で、核兵器や「完全に破壊する」といった意味で使われるためです。辞書サイトが検索結果の上位に並ぶのはこのためです。この記事で扱うのは、映像制作ソフトとしてのNukeです。

コンポジットとは、実写素材とCGなど複数の映像素材を重ね合わせて、1つの画として成立させる工程を指します。撮影した映像にCGの背景や爆発を合成し、違和感なく1カットにまとめる作業だと考えると分かりやすいでしょう。

2026年8月時点での最新バージョンはNuke 17.1です。バージョンによって使える機能が異なるため、学習教材を選ぶときはどのバージョンを前提にしているかを確認しておくと混乱を避けられます。

Nukeの特徴|ノードベース合成の考え方

Nukeを理解するうえで中心になるのが、ノードという考え方です。Foundryの公式ドキュメントでは「ノードは、コンポジットの基本的な構成要素です」と説明されており、ノードを挿入・接続してネットワークを形成することで合成スクリプトを作ります。

Nukeには200以上のコンポジットノードが搭載されています。よく使うノードの組み合わせは、再利用可能なツールセットとして保存できます。同じ処理を何度も組み直す必要がなくなるため、ショット数が多い制作ほど効果が出ます。

技術面では、統合3D環境を備え、OpenEXR、Hydra、USD、OpenColorIO、ACESといったフォーマットや色管理の仕組みに対応しています。このうちUSDは、3Dシーンの情報をソフト間で受け渡すためのオープンなデータ形式です。Python APIとC++ SDKによる拡張ができ、LiveGroupsやGizmosを使った協業機能も用意されています。

Nukeを特徴づける機能の一つが、ディープコンポジットです。これは1ピクセルあたり複数のサンプルを異なる深度で持ち、各サンプルが色・不透明度・カメラからの深度情報を保持する合成手法です。通常のフラットな合成とはデータの持ち方が異なります。

この仕組みの利点は大きく、背景を一度レンダリングしておけば、後からオブジェクトの位置や奥行きを変えても背景を再レンダリングせずに済みます。半透明のピクセルやモーションブラーがかかった部分も、エッジを破綻させずに合成できます。

最近のバージョンでも進化が続いています。2026年2月26日にリリースされたNuke 17.0では、USDベースの新しい3Dシステムが本番運用可能になり、3D Gaussian Splatsのインポート・表示・編集・レンダリング・書き出しにネイティブ対応しました。記事に出てくる用語はクリエイティブ用語辞典でも確認できます。

After Effectsとの違い|レイヤーベースとノードベース

映像の合成ソフトとしてよく比較されるのがAfter Effectsです。両者の大きな違いは、素材の組み立て方にあります。

After Effectsに代表されるレイヤーベースは、素材を上下に積み重ねて合成する方式です。一方でNukeのノードベースは、処理をノードとして接続し、データの流れを図として組み立てる方式です。

ノードベースの利点は、処理の流れが可視化され、どこで何をしたのかを追いやすいことです。途中で分岐させたり、同じ処理を複数箇所で再利用したりする操作もしやすくなります。

レイヤーベースの利点は、直感的で学習の入口が易しいことです。短尺で単純な合成であれば、手数が少なく済みます。

どちらが優れているという話ではなく、扱うショット数や工程の複雑さによって向き不向きが変わります。実際の現場では、用途に応じて両方が使われることもあります。

コンポジットの工程とNukeが担う範囲

コンポジットの作業は、素材を重ねるだけではありません。Foundryが公開している制作事例からは、実際の作業内容が見えてきます。

ブルガリアのVFXスタジオ Worldwide FX は、映画『The Outpost』(2020)でNuke・Katana・Mariを使用しました。この制作では、2Dスーパーバイザーが Nuke で作業全体を統括したと紹介されています。担当した範囲は、ロト、クリーンアップ、キーイング、CG統合、マットペイントのプロジェクション、ライブラリ素材の追加に及びます。

ここに登場する作業を整理すると、次のようになります。ロトは映像から必要な部分を切り抜く作業、クリーンアップは映り込んだ不要物を消す作業、キーイングはグリーンバックなどの背景を抜いて別の背景に差し替える作業です。マットペイントのプロジェクションは、描いた背景画を3D空間に投影して奥行きを持たせる手法を指します。

色の管理も重要な工程です。NukeはOpenColorIOやACESに対応しており、撮影素材とCGの色を統一した基準で扱えます。

より高度な機能はNukeXに搭載されています。3Dカメラトラッキング、クリーンアップやリファインの機能に加え、機械学習ノードのCopyCatとInferenceが含まれます。3DCG側でエフェクトを制作する工程についてはHoudiniの特徴と使いどころもあわせて参考になります。

コンポジットは制作の最終段に近い工程で、他部門の成果物を受け取って画を完成させる役割を担います。工程そのものの基礎はコンポジットの基礎で解説しています。

Nukeファミリーの製品構成

Nukeは単一の製品ではなく、用途に応じた複数の製品で構成されています。2026年8月時点のFoundry公式サイトによると、ラインナップは Nuke / NukeX / Nuke Studio / Nuke Indie / Hiero / HieroPlayer / Nuke Stage / SmartRoto です。

  • Nuke: 200以上のノードを備えたノードベース合成の中核です。ディープコンポジットと統合3D環境を備えます。
  • NukeX: Nukeの機能に加えて、3Dカメラトラッキング、クリーンアップ/リファイン機能、機械学習ノードのCopyCatとInferenceを搭載します。
  • Nuke Studio: NukeXにHieroの機能を統合した製品です。合成・編集・レビュー・マルチショット管理・プロシージャル書き出しを1つのアプリで実行できます。
  • Hiero: マルチショット管理、コンフォーム、編集、レビュー、配信のワークフローを担います。HieroPlayerはNuke/NukeXのライセンスに年間サブスクリプションが無償で付帯します。
  • Nuke Stage: Nukeなどで制作した映像を、LEDウォールへリアルタイム再生するバーチャルプロダクション向けの製品です。
  • SmartRoto: フレームやシーケンスをまたぐ反復的なロト作業を、スプラインの伝播で支援するプラグインです。

学習の段階では、まず中核であるNukeの操作を覚えるのが基本になります。3DCG側の制作工程とあわせて学びたい場合は3DCGデザイナー専攻で学べる内容も確認してみてください。

Nukeの料金とライセンス|無料で使える版はある?

料金体系は製品とライセンス種別によって分かれています。2026年8月時点のFoundry公式表示(USD・税別)で整理します。

製品・ライセンス 料金(2026年8月時点) 用途・利用条件
Nuke $3,839/年 制作用途の有償サブスクリプション(条件は公式サイトで確認)
NukeX $5,219/年 制作用途の有償サブスクリプション(条件は公式サイトで確認)
Nuke Studio $6,379/年 制作用途の有償サブスクリプション(条件は公式サイトで確認)
Nuke Render $462/年 レンダリング用途
Nuke Indie $499/年 年間総収入などの条件あり
Nuke Non-commercial 無料 個人・教育・その他の非営利的な使用が対象
教育ライセンス(学生) 無料または $99/年 教室および個人での使用向け

※ Foundry公式サイトの記載に基づく2026年8月時点の情報です。四半期レンタルも用意されており、Nuke $2,089からNuke Studio $3,509までの設定があります。価格や条件は変更される場合があるため、購入前に必ず公式サイトで最新の条件を確認してください。日本円での負担額は為替相場によって変わります。

Nuke Indie は個人クリエイター向けのエディションです。購入には、年間総収入が USD $100,000(または現地通貨換算の同等額)未満であることが条件になります。1ユーザーまたは1組織につき1ライセンスのみ使用でき、他のNuke商用ライセンスやIndieライセンスとのパイプライン併用はできません。

Indieには機能制限もあります。書き出しは4Kまで、Primatte・Ultimatteは利用不可、Pythonは10コマンドに制限され、GenerateLUTは無効、MatchGradeのLUT書き出しとWriteGeoの書き出しも無効です。SDIモニタ出力とVRヘッドセットには非対応ですが、OFXプラグインとBlinkScriptは利用できます。

教育ライセンス については、Foundry製品を教えている学校の在籍者は無料、それ以外の教育機関では $99(年額)で提供されています。卒業生ライセンスは $304 で1年間(更新不可)、フルタイム課程の修了から6か月以内が対象です。いずれも公式サイトでは「教室および個人での使用」向けのライセンスと案内されています。制作物を仕事として扱う場合の可否は、公式サイトで条件を確認してください。なお教育ライセンスの失効後6か月以内であれば、商用サブスクリプションが50%割引になります。

まず試すならNuke Non-commercial

学習目的で試すなら、無償版の Nuke Non-commercial が入り口になります。学習・個人プロジェクト向けに無料で提供されており、ウォーターマークなしで Nuke / NukeX / Nuke Studio を使えます

ただし制限は把握しておく必要があります。出力解像度はHD(1920×1080)までに制限され、WriteGeo・Primatte・Ultimatte・GenerateLUT・BlinkScriptの各ノードが無効です。MPEG4とh264の2Dフォーマットサポートも無効で、サードパーティ製プラグインには対応していません。Pythonスクリプティングにも制限があります。

データの扱いにも注意が必要です。Non-commercial版のデータは暗号化され、そのファイルを商用版のNukeで開くことはできません。コマンドラインレンダリングは暗号化された .nknc スクリプトに限定されます。

公式ドキュメントでは、対象用途は「個人、教育、およびその他の非営利的な使用」と記載されています。仕事として制作物を納品する段階になったら、Indie以上のライセンスを検討することになります。

Nukeが使われている制作現場

Foundry公式が紹介している事例を見ると、使われ方の幅が分かります。

前述の映画『The Outpost』(2020)では、ブルガリアのVFXスタジオ Worldwide FX がNuke・Katana・Mariを使用しました。

実写作品だけではありません。TAT Productions は長編アニメーション『Epic Tails』でNukeXとHieroPlayerを併用し、ショットを文脈の中でレビューするワークフローを構築したと紹介されています。

広告分野での事例もあります。Foundry公式のNuke Studio製品ページでは、MPC が映画部門と広告部門をまたいでコンフォーム・編集・レビューの工程を効率化した事例が紹介されています。

このように、実写映画・長編アニメーション・広告と、幅広いジャンルの制作で使われています。

Nukeの動作環境(公式システム要件)

導入前に確認しておきたいのが動作環境です。2026年8月時点のFoundry公式のシステム要件は次のとおりです。

  • 対応OS: Windows 11(64bit)/macOS Sequoia(15.x)・macOS Tahoe(26.x)/Rocky Linux 9(64bit)
  • テスト済みのベースライン構成: メモリ16GB、Intel Core i7相当のCPU
  • GPU: NVIDIAはCUDA 12.8以上に対応したGPU、AMDはRadeon PRO Wシリーズまたは RX 6800 XT、Apple Silicon(M1/M2/M3)の内蔵GPUに対応

公式に示されているのはテスト済みの構成であり、快適な動作を保証する推奨構成として提示されているわけではありません。実制作では素材の解像度やショット数によって必要なメモリやストレージが増えるため、この要件は最低ラインとして捉えておくのが現実的です。

Macを使う場合の注意点として、Nuke 17.1がIntel Mac向けビルドを提供する最終バージョンとされています。今後を見据えるならApple Silicon搭載機を検討することになります。

Nukeの学習方法|日本語で学べる公式資料

「Nukeは日本語の情報が少ない」と言われることがありますが、Foundryは日本語の公式ドキュメントを提供しています。ノードの基本操作を解説した日本語ページに加えて、シンプルなコンポジット作成やUI操作を学べる日本語のライティングチュートリアルも公開されています。Non-commercial版についての日本語解説も用意されています。

学習の進め方としては、次のようなステップが考えられます。

  1. Nuke Non-commercialを導入して実際に触ってみる
  2. 公式チュートリアルでノードの接続とUIの操作を覚える
  3. キーイングとロトの基本を身につける
  4. CG素材との統合を試す
  5. カラーマネジメントを含めた仕上げまで通す

After Effectsの経験がある方がつまずきやすいのは、レイヤーを積む発想からノードの流れを組む発想への切り替えです。個人差はありますが、最初は同じ結果を出すのに手数が増えたように感じることもあります。

独学での課題もあります。練習に使える実素材が手に入りにくいこと、作品への講評を受けにくいこと、実務のパイプラインを一人で再現しにくいことです。計画的に進めれば独学でも学べますが、これらをどう補うかは考えておく必要があります。

体系的に学ぶ選択肢として、デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻では、取得可能ソフトのひとつにNUKEが挙げられています。同専攻には、CGラーニング空間「CGGYM」でトレーナーの個別指導を受けられる仕組みも用意されています。カリキュラムは本科CG/VFX専攻のカリキュラム、修了後の進路は卒業生インタビューで確認できます。職種の実像はクリエイターのお仕事図鑑で職種を見るも参考になります。

Nukeに関するよくある質問

QNukeの読み方は何ですか。

「ヌーク」と読むのが一般的です。英語圏の発音に近い「ニューク」という表記も併存しています。

Q無料で使えますか。

Nuke Non-commercialが無料で提供されています。ただし出力解像度がHD(1920×1080)までに制限され、一部のノードやフォーマットが使えません。

QAfter Effectsとどちらを学ぶべきですか。

目的によります。ショット数が多く工程が複雑なVFX制作では、処理の流れを可視化できるノードベースの利点が出やすくなります。

Q個人でも購入できますか。

Nuke Indieが $499/年(USD税別)で提供されています。年間総収入が USD $100,000 未満であることが購入条件です。

Q学生向けのライセンスはありますか。

Foundry製品を教えている学校の在籍者は無料、それ以外の教育機関では $99(年額)で提供されています。公式サイトでは「教室および個人での使用」向けと案内されているため、利用条件は公式サイトで確認してください。

QMacでも使えますか。

macOS Sequoia(15.x)とmacOS Tahoe(26.x)に対応しています。ただしNuke 17.1がIntel Mac向けビルドの最終バージョンとされています。

まとめ

  • Nuke(ヌーク)とは、Foundry社が開発するノードベースのコンポジットソフトです
  • 処理をノードとして接続する方式で、200以上のノードとディープコンポジットに対応しています
  • 製品はNuke / NukeX / Nuke Studio / Nuke Indie / Hiero / Nuke Stage などで構成されています
  • 学習目的なら無償版のNuke Non-commercialから始められます(HD上限などの制限あり)
  • Foundryは日本語の公式ドキュメントとチュートリアルを提供しています

まずは無償版で実際にノードをつないでみて、レイヤーベースとの違いを体感してみてください。

コンポジットを本格的に学びたい方へ

Nukeは無償版で試せる一方、実務で通用する合成技術を身につけるには、素材の扱いからカラーマネジメントまでを通した学習が必要になります。デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻ではNukeを扱う授業があり、卒業制作で作品を仕上げます。どのコースが合うかは目的や現在のスキルによって異なるため、まずは無料のスクール説明会で個別に相談してみてください。

説明会無料・オンライン参加可・個別相談OK

デジタルハリウッド スクール 編集部

デジタルハリウッドの専門スクール編集部です。CG・VFX・Webデザインなどクリエイティブ領域の情報を、公式の一次情報にもとづいて発信しています。

関連ワード

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部