東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある

2013年9月8日、IOC総会におけるオリンピック招致プレゼンとして、滝川クリステルさんがみせた「お・も・て・な・し」の衝撃から約6年。まだまだ先だと思っていた東京2020オリンピックも、あと1年と少しで開幕を迎えます。

(ちなみに「お・も・て・な・し」は、「じぇじぇじぇ」「倍返し」「今でしょ!」と共に同年の流行語大賞を受賞しました。もはや懐かしい……)


そこから現在に至るまで、本当にいろいろなことがありました。


まさか、オリンピックの前に平成が終わるとは。まさか、東京都知事が小池百合子さんになるとは。まさか、SMAPが解散し、安室奈美恵さんが引退し、そして嵐が(オリンピック後とはいえ)活動休止になるとは……。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある



私はもともと「深夜にマイナー競技をライブ中継で観るのが好き」というどうでもいい理由から、オリンピックやW杯はなるべく時差のある国で開催されるといいな、ぐらいに考えていた人間でした。


ただ、開催が決まったからには、何かにつけて意識してしまうのが、オリンピックという大イベントが持つ存在感。その影響力は、どうせ近所でやるなら行きたいな、という程度にとどまるものではありません。


将来的な憧れなのか、具体的な変化なのか。程度の差はあれど、日本人の多くが「2020年にオリンピックがあるなら、これをしよう!」的に、何かしらの決断をおこなう上での影響を受けたはずです。

(私自身「え、オリンピックを東京でやるとかいってるのに、こんなことしてて本当にいいの??」と当時の仕事に疑問を感じ、30歳超で未経験者だったにも関わらず、webメディア系企業に転職をしたという経緯があります……)

それほどまでにオリンピックという存在は、人を動かす不思議な何かを持っているように思います。



東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


オリンピックには「参加することに意義がある」という有名な言葉があります。とはいえオリンピックは、選手として「参加する」ことが、ほとんどの人にとって不可能な大会でもあります。


2016年発表の政府統計によれば、日本のスポーツ競技人口の総数は約7798万人。ウォーキングなどの軽い運動のみも含めた数字ではありますが、代表的な競技だけでみても野球(キャッチボール含)で約815万人、卓球で約766万人、テニスで約522万人。大半は個人の趣味でやっている範囲の競技者数とはいえ、凄い人数です。



では、その中からオリンピックに出場できる日本人選手の人数はというと、前回リオ大会では338人。競技人口総数からみれば、わずか0.0004%です。毎日練習するなど、それなりに競技に取り組んでいる人口は1000人に1人だと計算をしても、0.04%という狭き門。



「東京でオリンピックやるんだ! じゃあ今から頑張って代表になるぞ!」と、気軽に出場を目指せるような大会ではありません。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


子供の頃から何年も第一線で成績を残し続けながら、(さらにその多くは、競技だけで生活している「プロ」とは言えない環境の中)、常日頃の努力を怠らなかった選手の内のほんの数名だけが、代表選手としてあの舞台に立てるのです。


とはいえ、東京どころか日本開催のオリンピックに立ち会えるという機会は、一生に一度のことかもしれません。選手以外の立場であっても、単なる観客やボランティアとしてではなく、何かしら意味のある形で参加したいと考えるのはごく自然な願望です。


それならば、たとえ現時点で未経験であったとしても、ちゃんと仕事の対価として報酬を貰う「プロのクリエイター」として参加を目指す、というのはどうでしょうか。



東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


安倍首相の登場でも話題を呼んだリオの閉幕式の演出・クリエイティブは、ご存知のとおり世界中から高い評価を得ました。そのプランニングチームは、


・クリエイティブ スーパーバイザー:佐々木 宏さん

・クリエイティブ スーパーバイザー+音楽監督:椎名 林檎さん

・クリエイティブテクノロジスト:菅野 薫さん

・総合演出+演舞振付:MIKIKOさん



と、まさに日本を代表する豪華メンバーによる夢のチーム。さらに、AR演出などの技術面をライゾマティクスリサーチのチームが担当することで、あの圧倒的な世界観は完成されました。


東京2020オリンピックでは、チーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターとして狂言師の野村萬斎さん、五輪統括には映画監督の山崎貴さん(主な監督作品に『ALWAYS 3丁目の夕日』『永遠の0』など)、パラリンピック統括には佐々木宏さんが就任。さらに、椎名林檎さん、MIKIKOさん、菅野薫さん、映画プロデューサーの川村元気さん(主なプロデュース作品に『君の名は。』『怒り』など)クリエイティブ・プロデューサーの栗栖良依さんの5人も、開閉会式の演出企画に参加することになりました。



「さぁ、あなたも未経験からスタートし、このメンバーに並ぶクリエイターとして企画に参加しよう! 」

……というのは、誰がどう考えても無理な話です。

ただ、当然ながら開閉会式の演出だけがオリンピックのクリエイティブというわけではありません。



東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


あなたがもし「選手として」オリンピックを目指すのであれば、東京の次のパリ2024オリンピック出場に向けての難易度は、今とそう大きくは変わらないでしょう。他の選手より優れた成績を収めるべく、日々努力を積み重ねる、という流れは同じだからです。


しかし、もし「クリエイターとして」オリンピック参加を目指すのであれば、2024年大会参加への難易度は桁違いに跳ね上がります。なぜなら、優先起用されるのは開催国・フランスのクリエイターであり、その参加枠自体が大幅に制限される状況になるからです。



逆に、自国開催である来年のオリンピックは、あなたのクリエイターとしてのポートフォリオに「オリンピックの○○を担当」と書き込めるチャンスが、人生で一番広がっている状況と言えます。



東京2020オリンピックの日本代表選手が何人となるかはまだ未定ですが、クリエイターとして関わる人数は、当然ながらその何倍、何十倍にもなるでしょう。


しかも、VRやAR、CGやVFXなどデジタルの専門スキルを持ったアーティストやクリエイターの人数は、スポーツ人口に比べれば非常に限られています。


だからこそ、たとえ未経験であっても、今から一年間しっかりとその基礎を身に付けるだけで、オリンピックの年にその仕事(の一部)に関わるチャンスが得られるのです。


こんな幸運な機会は、もう二度と訪れることはないでしょう。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


テクノロジーの発展に伴い、映像表現は大きな進化を遂げました。それにより、スポーツも(その競技の本質が変わることはありませんが)コンテンツとして、これまで以上に多くの人々の関心を惹ける可能性が高まりました。


例えば2018年サッカーW杯中継で、NHKが提供したスマホアプリでのライブ配信機能。マルチアングルカメラの実装により、視聴者が自分の好きな構図で中継を選択することが可能になりました。テキスト実況と動画の連動により、様々な選手やチームのデータも、その場で活用できるようになりました。


そしてTwitter等との併用によるテレビとモバイルのマルチスクリーンによる視聴体験は、新しいスポーツ観戦スタイルの定着を予感させるものとなりました。

今後、さらに精度の高い三次元位置算出やCG合成などがリアルタイムでおこなわれることで、これまででは考えられなかったような視聴スタイルも生まれていくことでしょう。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある


式典を盛り上げるのは、パフォーマーによるパフォーマンス、クリエイターによるクリエイティブ、そして新しいテクノロジーによる新しい視聴体験。

そしてそれらは、2020年春と見込まれる「5G」の本格導入により、圧倒的に多くの人の手元で楽しめるようになるのです。

特別な技術を、特別な環境が無くとも体験できるようになること。それだけで、多くのクリエイターが活躍の機会を得られるようになる事実は、YouTubeやTwitterといったプラットフォームの成長事例を見ても明らかです。初心者でも、基礎やルールだけを最初にしっかりと身に付けておけば、いくらでも活躍の機会があるのです。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある



スポーツ選手が「オリンピックに出ました!」となれば、「凄い!」と思いますよね。

クリエイターも同様です。「オリンピックの案件やりました!」と言われれば、なんだか凄い人だなと思われることでしょう。

その関わり度合いで評価は当然大きく左右されますが、それでも実績が有るか無いかというのは大きな違いです。

もちろん、東京2020オリンピックまではあと1年ちょっとしか時間がないため、「あの時、もっと力があれば……もっとキャリアを積んでいれば……もっと凄いことができたのに……!」と、大会後には後悔に近い念を抱いているかもしれません。


それでも、2020年の秋以降にクリエイターになる人は、例えどれだけ才能があったとしても「オリンピックに参加した」という実績を得る可能性は、著しく低くなっているのです。

なにもライゾマに入って閉会式を担当することだけが、オリンピックのクリエイティブに関わる手段の全てではありません。


東京2020オリンピックには「クリエイターとして」参加することに意義がある

招来の国際PR映像をつくった空気株式会社(KOO-KI)、リオの閉会式で「ドラえもんと土管のマリオ」のCG/VFXを担当した株式会社白組をはじめ、数多くの制作会社・クリエイターがオリンピックでは重要な役割を担います。

さらにスポーツメーカーをはじめとした公式サプライヤーのプロモーションなど、直接・間接を問わず、実に多くのクリエイティブのニーズがあるのです。


もちろん、いきなり大きな仕事を任されることは難しいかもしれません。ただ、どれだけ技術を身に付け、どれだけいいアイデアや企画を提案したとしても、実践の機会がなければ何の意味もありません。その大切な実践の機会が、今目の前に広がっているのです。


オリンピックに参加したことがある、というのは、いつか大きな財産になります。たとえ来年の自身の仕事のレベルに満足できなかったとしても、そこから這い上がればいいのです。


もしあなたが「いつかクリエイターになりたい」と思っているのであれば、絶対に今すぐ取り組みを始めるべきです。

どんな形でもいいのです。一生に一度のこのタイミングだからこそ、まずは「クリエイターになる」ことを目指す1年としてみるのは、いかがでしょうか。


文・ヨシキ
プロフィール:Web企業で働く会社員です。
編集・企画・ライターなどやっています。
漫画と日本史が好きです。

1年後のあなたは、ものすごいスタートダッシュを切ることになる。



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