コンセプトアーティスト

お仕事内容・主な業務

コンセプトとは「概念」という意味です。とある清涼飲料水のCMのコンセプトが「青春」であったり、とあるファンタジー映画のキャラクターのコンセプトが「魔法」であったりと、その商品や登場するキャラクターに対して、骨格となるような「考え」や「概念」がコンセプトです。よって、コンセプトアーティストとは文字で表されたこのような「概念」を「絵」として表現する仕事、または「絵」に変換する仕事になります。つまり、「青春」というコンセプトからスポーツで汗水を流す高校生を絵に描いたり、「魔法」というコンセプトから呪文を唱えるキャラクターが指から魔法を発射する絵を描いたりすることが仕事になります。もちろん、自分が考えたコンセプト(文字)を絵にする作業だけではなく、監督など自分以外の人が考えたコンセプトを絵にする仕事も行います。

描く内容とその目的は主に2種類あります。一つ目は、具体的に「キャラクター」「コスチューム」「SFの道具や機器、乗り物」「背景」などを描いて、他の制作スタッフに伝えることを目的とする場合です。もう一つは、企画段階の作品をプロデューサーや製作委員会などの出資者に作品の内容を伝えて承認してもらうために描く場合です。こちらの場合は、その物語や作品が伝わるような絵を描くこと、企画書(文字)では伝わらない「ニュアンス」や「世界観」や「雰囲気」を描くこと、が主な目的となります。

コンセプトアーティストが描いた絵は、監督の想像する頭の中のものを具現化する第一歩になるので、実写作品であればその他のスタッフ(衣装、メイク、大道具、小道具などの仕事)が制作物を用意するにあたりどのようなものを作成すればいいのかの指針となります。また、CGであればモデリング(物体やキャラクターや背景などを作成する作業)の元となるので、非常に重要な第一歩目の作業になります。もちろん、映画・映像作品だけではなく、ゲームの仕事でも重要な役割となっています。ゲーム開発の初期段階で、ゲーム監督が考えた世界観をコンセプトアーティストが絵に起こし、それを元に3DCGのキャラクターを制作したり、背景を制作したり、などゲーム開発には欠かせない初期作業になります。

表現手法としては「スケッチ的なもの」「漫画的なもの」「写真のようにリアリティーのあるもの」「絵画的なもの」など用途によって様々です。例えば、本当に最初の段階であるならば「スケッチ的」なラフデザインで監督からOKが出ますし、アニメや漫画が最終的なコンテンツであれば写実的な表現は不要です。実写作品やSF作品(実写)であれば、写真のような現実的な表現が無いと、何をどのように作るのかわからなくなります。

仕事の発注元や条件としては、作品のプロデューサーや監督から企画書1枚を元に絵を描く場合があります。一方で、脚本段階まで進んだ条件(キャラクターの役割や条件がある程度決まっていたり、荒廃した1000年後の未来のような世界観などという条件)で仕事の依頼がある場合や、ほぼ絵が完成しているが、最後の詰めの段階で辻褄が合わないから修正を依頼される場合もあります。

考えや概念を絵に起こす作業という意味で、コンセプトデザイン(Concept Design=概念をデザインする作業)、アートデベロップメント(Art Development=絵を用いて企画や開発を行うこと)、やビジュアルデベロップメント(Visual Development=視覚化して作品の企画や開発をすること)と呼ぶこともあります。

こんな人にむいている

絵を描くことが好きな人は勿論ですが、1つのコンセプトから様々なことを想像し多角的な視点から、具体的な「絵」にすることが必要になる為に、上手に描ける画力だけではなく「想像力」が人一倍、強い人に向いています。また、監督の考えを汲み取らなければならないので、コミュニケーション能力がある人も向いています。

必要なスキル

絵を上手に描く画力と、1つの言葉から様々な具体的なものを想像できる力、他者の考えを汲み取るコミュニケーション能力、などが求められます。また、描いたものを自分以外の人に伝えるためには、絵が上手だけではなく、1枚のキャンパスの中でどのように絵(キャラクターや具体的なもの)を配置するのかというレイアウトする能力、描いたキャラクターをどのようなポージングにするのか、どのような配色にするのかなどのデザイン力も必要なスキルと言えるでしょう。