
公開日:2025-05-27
AI技術の発達に伴い、AIエンジニアは様々な分野で注目を集めている仕事です。AIエンジニアはどのような仕事内容なのか、年収はどのくらいなのか、目指すにはどのようなスキルが求められるのかなどを紹介します。
【目次】
AIエンジニアとは何か
AIエンジニアとは、AI(人工知能)を活用したITシステムやソフトウェアの設計、開発、分析、運用などを行うエンジニア(技術者)のことです。AIエンジニアは、データの分析やAIの組み込みなどを機械学習や深層学習といった技術を用いて行います。
広がるAI
様々な分野で急速にAIの利用が進んでいます。医療・金融・製造・教育・エンタメなどあらゆる分野でAI活用がされ始めています。ビジネスや私たちの生活を支える存在として急速に広がりを見せています。
AIエンジニアの主な仕事内容
AIエンジニアの基本業務は、共通していることも多いですが、企業やプロジェクトによって具体的な業務内容やAIエンジニアが請け負う範囲は異なります。今回は、AIエンジニアの主な仕事を3つに分けて紹介します。
仕事内容 AIモデルの設計・開発・実装
機械学習やディープラーニングを活用したAIモデルの設計・開発・実装は、AIエンジニアの主な業務の一つです。音声認識や画像認識、自然言語処理などのタスクに対応するアルゴリズムを構築したり、PythonやTensorFlow、PyTorchなどのツールを用いてモデルを開発したりします。開発されたモデルは、テストやチューニングを経て実際にユーザーに提供されます。
仕事内容 データの収集・前処理・分析
AIモデルの良し悪しは、学習に使用するデータの量や質に大きく影響されます。大量のデータを収集し、欠損やノイズを取り除き、使える形に整える前処理を行います。さらに、データの傾向・パターンを分析し、モデルに適した特徴量の抽出を行います。
※特徴量の抽出とは:未加工のデータを機械学習モデルで使用するための適切な情報に変換するプロセスのことです。
仕事内容 AIシステムの運用・保守・改善
AIモデルを実際に現場に導入して終わりではなく、導入後のAIシステムの運用・保守・改善までAIエンジニアは担当します。運用フェーズでは、実環境でどのように作動するのか、予期せぬ動作が発生しないかなどを定期的にモデルを更新・改善していく必要があります。
人工知能のビジネスにおける活用例
AIエンジニアの開発の結果、生み出された人工知能が実際のビジネスにおいてどのように活用されているのか事例を紹介します。
活用例 製造業:不良品の自動検出
製造ラインでの製品検査に人工知能を導入することで、キズや異物などの不良品を自動検出することができます。人の目でチェックするよりも検査効率が高まり、品質の向上にもつながります。
活用例 小売業:需要予測と在庫管理
人工知能を活用することで、過去の販売データや顧客データなどから商品の需要を予測することができます。季節要因などを分析し、予測することで適切な在庫管理が可能となります。
活用例 農業:ドローン×人工知能による農薬散布
AIを組み込んだドローンを使用することで、農作物の状態を解析し、必要な箇所にだけ農薬散布を行うことができます。全体への散布に比べコストの削減につながったり、環境への負担を減らしたりすることにつながります。
活用例 医療:画像診断のサポート
AIを活用し、レントゲンやMRI画像を解析し、病変だと思われる部位を自動で検出します。こういった画像診断のサポートは、医師の診断の精度向上と病気の早期発見につながりやすくなります。
活用例 金融:不正取引の検知
クレジットカードの利用パターンを分析し、いつもと異なる取引をリアルタイムで検知することで、不正取引をいち早く発見し、被害の防止につなげることができます。
AIエンジニアの年収はどれくらい?
AIエンジニアの年収は、専門性の高さと需要の高まりにより、他の職種と比較し、高水準です。
日本国内の場合は、平均年収が約558万円とされています。東京などの首都圏では平均年収が約800万円台に達するケースもあるようです。経験やスキル、勤務先の規模によって年収は大きく左右されるため、経験がある場合は1,000万円以上を目指すこともできる職種の一つといえます。
AIエンジニアになるにはどうしたらいい?
AIエンジニアには、プログラミングスキルが必要不可欠です。また、数学やアルゴリズムの基礎知識を身につけた上で、AIや機械学習の仕組みの理解が必要です。独学で目指すことも可能ですが、専門スクールや大学、オンラインスクールなどの活用も有効です。理系だけが目指せる職種ではなく、文系出身でも取得するスキル次第で目指し、AIエンジニアとして活躍することも可能です。
AIエンジニアに必要な知識
AIエンジニアは、高い専門性の求められる職業です。必要な知識をいくつか紹介します。
必要な知識 プログラミング
AIエンジニアは、プログラミングの知識は必須です。特にPythonを中心としたプログラミングスキルは必須です。機械学習ライブラリ(NumPy・TensorFlowなど)の習得も重要です。
必要な知識 数学
数学的な知識も求められます。機械学習では、確立・統計学や微分・積分、線形代数などを用いてデータ解析を行うため、数学の知識は欠かせません。
必要な知識 機械学習・アルゴリズム
AIの中核といえる機械学習やアルゴリズムの知識が必要です。分類・回帰・クラスタリングなどの様々な手法や、その選び方や仕組みの理解が大切です。
必要な知識 データベース運用
AI開発には、大量のデータが必要です。SQLなどを用いてデータベースの操作や管理をします。効率的にデータ抽出や前処理を行うためにデータベースの運用知識が必要になります。
AIエンジニアに向いている人の特徴
AIの発達に伴いAIエンジニアの需要が高まっています。AIエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
特徴 論理的思考
データ解析やアルゴリズムなどを取り扱うAIエンジニアは、論理的に考える力が求められます。主観や直感に頼るのではなく、データを根拠に、導き出されたデータを冷静に分析するスキルが必要です。また、ビッグデータを取り扱う際には、論理的な思考に加え、数学的な考え・知見や理論立てて説明したり、考えたりするスキルが必要です。
特徴 好奇心を持っている
AI領域は現在ものすごい速さで発展しています。最先端分野として注目を集めている一方で、開発途中の分野でもあるため、これから大きな発展を遂げる可能性を持っています。移り変わりが非常に激しいので、新しい知識やスキルを自分から取得しにいく姿勢が重要です。普段から好奇心を持って、アクティブに情報収集をしたり、主体的に学び続けたりする意欲を持っている人がAIエンジニアに向いているといえるでしょう。
AIエンジニアに必要な資格はある?
AIエンジニアに必ず必要な資格はありません。しかし、スキルを証明するための民間資格が多数あります。
例えば、以下のような資格や検定です。
G検定(ジェネラリスト)
E資格(エンジニア)
Pythonエンジニア認定試験
統計検定
こういった資格を持っていることで、スキルの証明の一つとなり就職・転職活動時のアピール材料の一つになります。未経験からAIエンジニアを目指す方にとっては、学習の指針にもなるでしょう。
まとめ
AIエンジニアは、今後ますます需要の高まりが期待される将来性のある職業です。AIはより発達が見込まれる分野です。AIエンジニアは、未来の技術を支える一員と言えます。高い専門性が求められる職種ではありますが、スキルさえ身につければ文系・理系問わず目指すことができます。