公開日:2023-07-01
「パントーン・システム(PANTONE)」とは、アメリカのニュージャージー州に本社がある『PANTONE』が提供している世界で使用されている色見本帳のひとつです。日本では通称「パントン」または「パントーン」とも呼ばれ、日本の「DIC」と同様にグラフィックデザイン、印刷、マルチメディア、Web、工業製品、プロダクトデザインにおいての色指定に使用されています。1962年に化粧品メーカー向けに色見本帳を印刷する会社を母体として創業しました。
色見本帳
各業界向けにそれぞれ色見本帳があり、グラフィック・印刷向け、ファッション・ホーム・インテリア向け、プラスチック・プロダクト向け、ソフトウェア向けなどに複数用意されています。またスキントーン・ガイドが登場し、100色にも及ぶ肌色のカラー見本が用意されています。美容やファッション関連以外にも、レタッチや医療現場などでも使用ができるラインナップとなっています。そのほかにも、トレンドブックやマガジンなども発行されています。
日本で一般化したパントーン
日本ではDIC株式会社が提供しているDICカラーガイドが使われていましたが、グローバル化によりパントンが使われることが増えています。また、「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」や「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」などのデザイン系のソフトウェアでもパントンの色見本を使うことができます。
東京の表参道には「パントンカラーリソースP.J」という日本総代理店である株式会社ユナイテッド・カラー・システムズが運営するショップ&ショールームがあります。
自社ブランド製品やコラボレーション製品
「PANTONE UNIVERSE」というパントンがプロデュースを行った生活雑貨のブランドがあり、パントンの色見本帳をテーマに、文具やバッグなどのライフスタイルグッズ、医療用白衣などが展開されています。その他にも「The Pantone Hotel Brussels(ザ・パントン・ホテル・ブリュッセル)」というホテルが2010年にベルギーのブリュッセルにオープンしており、内装・外装・アメニティなどでパントーンの世界観を演出しています。
また、日本で広く認知されたきっかけの1つに、2007年に発売したソフトバンクとのコラボレーション製品「PANTONE®ケータイ」というフィーチャーフォンがあります。カラーバリエーションは25色となっており、その後も名前を変えて後続機が発売され、スマートフォンも販売されています。