デザイン関連|海外就職|働き方図鑑

公開日:2023-07-01

海外就職したデザイナーはどんな仕事をするのか・海外就職のトレンド(国・スキル)

デザインは音楽、絵画、スポーツなどと同じく、作品でのコミュニケーションがとれるという意味で、舞台を海外に移しても活躍できる可能性があります。ニューヨーク、ブルックリン、パリなど古くからクリエイティブが盛んな街から、最近だとベルリン、上海、シンガポール、アムステルダムなどもクリエイティブが熱いようです。
必要なスキルとしては、日本と変わらず、Adobe社のツールが上位を占めており、Illustrator(イラストレーター)、Photoshop(フォトショップ)、InDesign(インデザイン)が上げられます。しかし、今まで以上にデザインにスピードと柔軟性が求められているため、日本でもUIデザインに多く使われているSketchなどが出てきたように、時代や働く環境に合わせて柔軟にツールを選ぶのも、デザイナーに必要とされる能力となります。
作業工程には文化の違いがあり、日本ではクライアントからの案件で納期に間に合わないと判断した場合チーム内で円滑に回す傾向がありますが一方海外では役割分担が明確化されており、個人での裁量で仕事は進められていきます。ですので、分析スキル・コミュニケーションスキル・タイムマネジメント能力などに優れている人が求められます。
海外のトレンドを知るためには、海外で実施されるカンファレンスなどに参加するとよいでしょう。海外カンファレンスの入門としてはツールで上位を占めているAdobe社のAdobe MAXが日本語の同時通訳を入れたセッションなどもあるため、参加しやすいです。また、世界最大級の広告賞「カンヌライオンズ」なども世界中から集まった質の高い作品に触れることができるのでオススメです。

海外就職ってどんな人が向いているの?

デザインは問題解決や一緒にブランディングをしていくという意味では、クライアントに寄り添うことが必要です。そのため、コミュニケーションが必須となりますが、海外の場合、それがその国の言語となるため、土台として語学力に長けている人は有利でしょう。
すでに日本でデザイナーとして活躍をされていた、もしくはしている人はその経験を持って海外でも活躍を目指せます。海外の文化に興味があることも、大切です。そういった意味では海外留学経験のある人は語学や文化への知見があるため、その経験を活かしていくことができるでしょう。

海外では日本とは違い、企業が人を育てるという文化ではないため、企業に育ててもらおうという受け身ではいけません。自分ができることをアピールするとともに、相手には育ててもらうという意識ではなく、自分からきちんと要望を伝えたり提案できたりする姿勢の人が向いています。就職する前も、した後であっても、他国で生き残っていくためには、自分をしっかりアピールできる力がある人が向いているでしょう。そういう意味では目立ちたがり屋の人は向いていますし、どうやったら自分が目立つことができるかを戦略的に考えらえる人である必要があります。

海外でデザイナーになるには

海外で活動するうえで必要となってくるのがビザ(査証)です。働く場合は就労ビザとなり、就労ビザを申請するには将来の雇用主が申請する必要があるため、雇用してもらう先を見つけるのが先となります。
海外で働く上で企業選びは大きく分けて2つあります。1つは海外に支社がある日本の企業に入り、そこから海外への転勤を目指す方法です。外資系の企業はもちろんのこと、クリエイティブ系で海外に支社を持つ企業もありますので、そういった企業に勤め、自身の海外勤務希望を伝えていくのは1つの手段でしょう。

もう1つは現地企業の採用を目指す方法です。海外で学校に入り、そこを卒業した後に現地就職を目指す方法もありますし、日本で経験を積み、海外への就職を目指す方法もありますが、コネクションもない中、採用してもらうためには圧倒的なスキルや、現地の人を採用するよりも、この人を採用したいと思ってもらう必要があるという点で、自分のスキルを磨き上げる必要があるでしょう。

コミュニケーションをとる上で語学は必須となります。ものすごく得意ではなくとも採用してもらえたという事例もありますが、実際に仕事が始まるとコミュニケーションは現地の言葉であり、様々な国から集まっていても、その国で働きたいと思って来る人たちが集まっているわけですから、働く国の言語を話せる人がほとんどとなります。自分が働きたい国でコミュニケーションがスムーズにいくように語学は身に着けましょう。

海外の採用事情はもちろん国にはよりますが、新卒での一括採用などはなく、基本は日本と同じくポートフォリオの送付です。日本との違いとしては、1週間、1ヵ月以内での返答ではなく、長期スパンでの判断を下されるパターンがあり、最長で1年ほどかかる場合もあるということです。また実際に働く試用期間については、欧州で6ヵ月間ほど、その後正式な採用となります。または採用の見送りとなります。インターンやフリーランスとして活躍の場を設けながらポートフォリオを更新しエントリーを続ける方もいます。

デベロッパーやエンジニアならGithub、デザイナーならDribbbleやBehance等から外部の評価を受け、スカウトされる例などもあるため、ポートフォリオも自分の手元だけではなく、外部の人の目につく場所に自分の作品をアップしていくのは大切です。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部