ZBrush(ズィーブラシ)とは|特徴・料金・できること

zbrushとは

公開日:2026-08-31

キャラクターやクリーチャーの造形に使われる「ZBrush」。何ができるソフトなのか、いくらかかるのかを知りたいと思っていませんか。ZBrush(ズィーブラシ)とは、Maxonが提供するデジタルスカルプティングソフトウェアです。粘土をこねるように立体を彫り込んでいける点が特徴で、映画・ゲーム・フィギュア制作などで使われています。この記事では、主な機能と使われる分野、2026年8月時点の料金プラン、無料で試す方法を解説します。あわせて、iPad版の内容、他ソフトとの連携、学習の進め方までまとめました。なお、かつて無料版として案内されていたZBrushCoreMiniは提供終了しています。無料で試すための入口についても正確に整理します。

ZBrush(ズィーブラシ)とは|読み方と概要

ZBrush(ズィーブラシ)とは、Maxonが提供するデジタルスカルプティングソフトウェアです。日本語では「ズィーブラシ」とカタカナ表記されます。デジタルスカルプティングとは、粘土をこねるように立体を造形していく手法のことを指します。技法そのものについてはスカルプティングの手法で詳しく解説しています。

最大の特徴は、ブラシの豊富さです。200以上のカスタマイズ可能なブラシを備えており、彫る・盛る・引っ張る・整えるといった操作を用途に応じて使い分けられます。

対応プラットフォームは、Windows(Windows on Armを含む)、macOS(Apple SiliconのMシリーズチップに対応)、iPadOSです。日本語を含む8言語で利用できます。

2026年8月時点の最新バージョンは、デスクトップ版が ZBrush 2026.2.1 です(出典: Maxon公式)。

なお、ZBrushはもともとPixologicが開発していたソフトで、現在はMaxonが提供しています。ZBrushアカウントは2022年9月にMyMaxonへ移行しました。古い解説記事ではPixologic時代の情報のまま止まっている場合があるため、料金やライセンスを調べるときは情報の新しさに注意してください。

ZBrushでできること|主な機能

ZBrushの機能は多岐にわたります。公式サイトが挙げている機能には、DynaMesh、PolyPaint、UV Master、SpotLight projection、MorphUV、ZModeler、Live Boolean、GoZ(Cinema 4Dとの連携)などがあります。iPad版のプラン比較では、ZRemesher、Sculptris Pro、ファイバーメッシュ、サブツールなども挙げられています。

初めて触れる方向けに、代表的なものを整理します。

  • DynaMesh: 造形中にポリゴンの分布を自動で組み直す機能です。形を大きく変えても表面が破綻しにくくなるため、大まかな形を探る段階で使われます。
  • ZRemesher: 高密度になったモデルを、扱いやすいポリゴン構成に自動で作り直す機能です。造形後の整理工程で使います。
  • Sculptris Pro: ストロークに応じて必要な部分だけを細分化する機能です。あらかじめ密度を上げなくても、彫り込んだ場所だけ細かくなります。
  • PolyPaint: UV展開をしなくても、モデルに直接色を塗れる機能です。色の検討を早い段階で行えます。
  • ZModeler: 機械や建物といった硬い形状(ハードサーフェス)を作るためのポリゴンモデリング機能です。
  • Live Boolean: 形状の足し引きを、結果を見ながら行える機能です。
  • SubTool: 1つのモデルを複数のパーツに分けて管理する仕組みです。頭・体・装備などを分けて扱えます。
  • FiberMesh: 毛髪や草などの繊維状の形状を生成する機能です。

ZBrush 2026系でも機能追加が続いています。デスクトップ版では、Windows on Arm へのネイティブ対応と、ワンクリックでテクスチャ制作へ移行できる新しいSubstanceブリッジが加わりました。iPad版では、リトポロジーブラシとリトポロジー用スムージングブラシ、ZModelerベベルの新しいモードが追加されています。専門用語はクリエイティブ用語辞典でも確認できます。

ZBrushが使われる分野

Maxonが挙げている活用分野は、映画、ゲーム、コレクティブル、トイデザイン、ジュエリー、イラストレーション、3Dデザインなどです。公式サイトでも、映画・VFX、ゲーム、おもちゃ・コレクターズアイテム、ジュエリー・プロダクトデザインといった領域が紹介されています。

得意とするのは、有機的な形状の造形です。キャラクター、クリーチャー、生物のように曲面が複雑で、数値で指定しにくい形を作る場面で力を発揮します。皮膚のシワや布の垂れ方といった細かなディテールも、ブラシで直接彫り込めます。

フィギュア制作では、原型を作って3Dプリンターで出力する用途に使われます。造形物として成立させるための厚みや分割を考えながら進める点が、映像用のモデルとは異なります。

ゲーム制作での使われ方には、決まった流れがあります。まずZBrushで高密度のモデルを作り込み、次にリトポロジーでゲームに載せられる軽い構成に作り直し、ディテールをノーマルマップに焼き込むという手順です。この流れについては後の章で詳しく触れます。職種ごとの仕事内容はクリエイターのお仕事図鑑で職種を見るで確認できます。

ZBrushの料金とプラン|無料で使う方法はある?

料金体系は、2026年8月時点で3つの系統に整理されています。公式サイトでは「ZBrush for iPad(無料プラン)」「ZBrush for iPad(サブスクリプション)」「ZBrush Desktop」として提示されています。

プラン 内容 料金(2026年8月時点)
ZBrush for iPad(無料プラン) 28ブラシ、DynaMesh、ZSphere、Sculptris Proなど 無料
ZBrush for iPad(サブスクリプション) 200種類以上のブラシ、ZModeler、UV Masterなど 月額 ¥1,500 / 年額 ¥13,000
ZBrush Desktop デスクトップ版のフル機能 公式サイトで要確認
教育ライセンス 学生用・教員用・教室用の3種類 公式サイトで要確認

※ iPad版の料金は2026年8月31日時点の日本App Storeの表示です。アプリ本体は無料で、App内課金として提供されています。デスクトップ版の価格は変動するため、購入前に公式サイトで最新の情報を確認してください。

Maxon One および ZBrush のサブスクリプションには、ZBrush for iPad とデスクトップ版の両方が含まれます。またすべてのZBrushサブスクリプションには、Redshiftによるレンダリング、ZBrush Classroom、Cineversityのトレーニングが含まれると案内されています。

無料で試す方法は2つあります。ZBrush for iPad の無料プランと、14日間の無料トライアルです。Maxon Oneの14日間無料トライアルの対象にZBrushが含まれています。

教育ライセンスは、学生用・教員用・教室(クラスルーム)用の3種類が用意されています。Maxon One 教育ライセンスには、Cinema 4D、Red Giant、Redshift、ZBrush、ZBrush for iPad が含まれます。ただし商業・業務その他の営利目的での使用はできず、学習目的に限定されます。在籍・在職確認はSheerIDによる認証が必要です。

なお、2026年8月時点で公式サイトが案内しているプランはサブスクリプション形式です。Pixologic時代に購入された永久ライセンスについては有効期限がなく、引き続き利用できるとされています。

ZBrushCore・ZBrushCoreMiniは提供終了している

ここは特に注意が必要な点です。かつて廉価版・無料版として案内されていたZBrushCoreとZBrushCoreMiniは、すでに提供が終了しています。

Maxonの公式アナウンスによると、2025年5月30日をもってZBrushCoreは購入不可、ZBrushCoreMiniはダウンロード不可となりました。両製品はLimited Maintenance Modeに移行しています。既存ユーザーは継続して利用できますが、以後のアップデート・バグ修正・変更は行われないとされています。ZBrushCoreの月額サブスクリプションは2025年9月30日まで更新され、テクニカルサポートも同日までとされました。

すでに作成したデータについては心配ありません。ZBrushCore/CoreMiniで作成したZTool(ZTL)・ZProject(ZPR)等のファイルは、現行のフルバージョンZBrushで読み込めるとされています。

古い解説記事には今も「無料版=ZBrushCoreMini」と書かれている場合があります。2026年8月時点の無料の入口は、ZBrush for iPad の無料プランと14日間の無料トライアルの2つです。

ZBrush for iPad|PCがなくても始められる

ZBrush for iPad は、2024年9月10日にMaxonが発表・リリースしました。パソコンやペンタブレットを持っていなくても始められる選択肢です。

無料プランで使えるものは、28種類のブラシ、ZRemesher(一部制限)、DynaMesh、ZSphere、Sculptris Proです。基本的なスカルプト操作はひととおり試せます。

無料プランの制限は、ブラシの読み込み・保存ができないこと、プラグイン機能がないことです。

有料版では、200種類以上のブラシに加えて、ZModeler、UV Master、Retopoブラシ、ブラシの読み込み・保存などが利用できます。

デスクトップ版との連携も可能です。ZTool(ZTL)/ZProject(ZPR)ファイルをiPad版とデスクトップ版の間で相互に受け渡しでき、GoZを使えばワンクリックで移動できます。外出先ではiPadで造形し、自宅のPCで仕上げるといった使い方が想定されています。

性能面では、1TB以上のストレージを備えたM4 iPadの場合、サブツール(SubTool)当たり最大9,200万ポリゴンに対応可能とされています。またApple Pencilのダブルタップ、Apple Pencil Proのスクイーズをカスタマイズできます。

動作要件は、iPadOS 17.0以降と、A12 Bionicチップ以降を搭載したiPadです。アプリのバージョンは2026.2.2で、最終更新は2026年8月17日となっています。

他ソフトとの連携とワークフロー

実務では、ZBrush単体で制作が完結するとは限りません。他のソフトと組み合わせて使うのが一般的です。

典型的な流れは次のとおりです。まずZBrushで高密度のモデルを造形し、ZRemesherでポリゴン構成を整理します。次にUV展開(3Dモデルの表面を平面に開き、テクスチャを貼れるようにする工程)を行います。そのうえでテクスチャを制作し、最終的にゲームエンジンや3DCGソフトへ渡します。

ここで出てくるリトポロジーとは、高密度のモデルをゲームで扱える軽い構成に作り直す工程のことです。またノーマルマップとは、高密度モデルの凹凸情報を画像として焼き込み、軽いモデルに見た目だけを反映させる仕組みを指します。この2つを押さえておくと、ZBrushがワークフローのどこに位置するのかが理解しやすくなります。

連携機能としては、GoZによるCinema 4D等との受け渡しが用意されています。またZBrush 2026.2.1では新しいSubstanceブリッジが加わり、ワンクリックでスカルプトからテクスチャ制作へ移行できるとされています。テクスチャ制作を別ソフトで行う場合の手間が減ります。

3DCG制作全体の流れから学びたい場合は、3DCGデザイナー専攻で学べる内容も参考になります。

ZBrushの動作環境

ZBrushは、Windows(Windows on Armを含む)、macOS(Apple Silicon対応)、iPadOSに対応しています。

デスクトップ版の詳細なシステム要件(OSのバージョンやメモリ量など)については、本記事では具体的な数値を示していません。導入前にMaxon公式のシステム要件ページで最新の情報を確認してください。

iPad版の動作要件は明確で、iPadOS 17.0以降、A12 Bionicチップ以降を搭載したiPadとされています。

公式サイトでは、ZBrushはプロセッサベースのエンジンを採用しており、グラフィックカードの仕様にかかわらず、ほとんどの最新のコンピュータで動作すると案内されています。とはいえ、スカルプティングは扱うポリゴン数が増えるほど負荷が上がる作業です。パソコン選びの考え方は3DCG向けパソコンの選び方で解説しています。

操作面については、公式サイトもペンタブレットの使用を強く推奨しています。iPad版であれば、Apple Pencilがその役割を担います。

ZBrushの学習方法と難易度

ZBrushで最初のハードルになりやすいのが、独特のUIです。一般的な3DCGソフトとは操作体系が異なるため、他ソフトの経験者ほど戸惑うことがあります。

学習の入口としては、2つの方法があります。ZBrush for iPad の無料プランで基本のスカルプト操作に慣れる方法、または14日間の無料トライアルでデスクトップ版を試す方法です。まず手を動かして、感覚が合うかを確かめるとよいでしょう。

教材については、ZBrushのサブスクリプションにZBrush ClassroomとCineversityのトレーニングが含まれると案内されています。

進め方の一例としては、次のステップが考えられます。

  1. 球体から形を作る練習をする
  2. DynaMeshで大きな形を決める
  3. ディテールを彫り込む
  4. ZRemesherでポリゴン構成を整理する
  5. PolyPaintで着色する
  6. 書き出して他ソフトへ渡す

なお、ソフトの操作と並行して、スカルプティングという技法そのものの理解も必要になります。加えて、人体や生物の構造といった造形の基礎知識が、仕上がりを大きく左右します。

独学でつまずきやすいのは、自分の造形の善し悪しを客観的に判断しにくいことです。個人差はありますが、作品への講評をどう得るかは考えておきたい点です。体系的に学ぶ選択肢として、デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻ではZBrushを扱っています。カリキュラムは本科CG/VFX専攻のカリキュラム、修了後の進路は卒業生インタビューで確認できます。

ZBrushに関するよくある質問

Q読み方は何ですか。

「ズィーブラシ」と読みます。

Q無料で使えますか。

ZBrush for iPad の無料プランがあり、28ブラシやDynaMesh、Sculptris Proなどを利用できます。デスクトップ版については14日間の無料トライアルが用意されています。

QZBrushCoreMiniは今も使えますか。

2025年5月30日にダウンロード不可となり、Limited Maintenance Modeに移行しました。既存ユーザーは継続利用できますが、アップデートやバグ修正は行われないとされています。

Q買い切りで購入できますか。

2026年8月時点で公式サイトが案内しているプランはサブスクリプション形式です。Pixologic時代に購入された永久ライセンスは有効期限がなく、引き続き利用できるとされています。

QiPad版とデスクトップ版でデータは共有できますか。

ZTL/ZPRファイルを相互に受け渡しでき、GoZを使えばワンクリックで移動できます。

Q学生向けの割引はありますか。

教育ライセンスがあり、学生用・教員用・教室用の3種類が用意されています。SheerIDによる在籍確認が必要で、商業目的での使用はできません。

まとめ

  • ZBrush(ズィーブラシ)とは、Maxonが提供するデジタルスカルプティングソフトウェアです
  • DynaMesh、ZRemesher、PolyPaint、ZModelerなど、造形から着色までを担う機能を備えています
  • 無料で試す方法は、ZBrush for iPad の無料プランと14日間トライアルの2つです
  • ZBrushCoreとZBrushCoreMiniは2025年5月30日に提供終了しており、古い記事の「無料版」情報には注意が必要です
  • iPad版は無料プランから始められ、デスクトップ版とデータを相互に受け渡せます

まずは無料で使える範囲で実際に彫ってみて、操作感が自分に合うかを確かめてみてください。

ZBrushを使った制作を学びたい方へ

ZBrushは無料プランや無料トライアルで試せますが、作品として仕上げるにはリトポロジーやテクスチャ、書き出しまでの流れを通して学ぶ必要があります。デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻では、ZBrushに加えてMayaやUnreal Engineなども扱いながら作品制作まで進みます。どのコースが合うかは目的によって変わるため、まずは無料のスクール説明会で相談してみてください。

説明会無料・オンライン参加可・個別相談OK

デジタルハリウッド スクール 編集部

デジタルハリウッドの専門スクール編集部です。CG・VFX・Webデザインなどクリエイティブ領域の情報を、公式の一次情報にもとづいて発信しています。

6. 参考動画

以前開催したセミナーがわかりやすいため、動画でご紹介します。

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著者:デジタルハリウッド スクール 編集部