公開日:2023-07-01
物理演算エンジンとは物理現象をシミュレーションする事で、
アニメーションを作成するソフトやツールの事を指します。
古典力学的な法則(質量・速度・摩擦・風)などから得られる
ものの動きや、衝突、流体などのシミュレーションを行う事ができます。
●物理演算で何が出来るか
◇衝突判定(コリジョン)
モデル同士が衝突した際の挙動をシミュレーションしたり、
衝突時の反発の度合い(弾性)や、摩擦の度合いを自動計算し、
アニメーションを生成する事が出来る。
・剛体演算(リジットボディシミュレーション)
硬いもの同士の衝突。
例としてはボウリングでボールがピンに衝突して、
ピンが倒れる様子などに使用できる。
・軟体演算(ソフトボディシミュレーション)
弾力のあるものの衝突、
お皿に落としたプリンが揺れる様子など、
本体の動きに対する揺れを表現できる。
◇ダイナミクス(動的シミュレーション)
現実と同様に動く物体の動き全体のシミュレーション。
・クロスシミュレーション
風になびく旗や、シーツやクッションの形作りにも利用できる。
・ヘア(髪)/ファー(毛)
本体の動きに合わせて揺れたり、風になびく様子を表現できる。
◇流体シミュレーション
海洋や川、水の流れ、空気の流れなど。
この技術の応用で大気(雲/蒸気/煙)、発火(火災/爆発)や、
粘性のある流体(溶岩/泥)などを作り出すことが出来る。
◇破壊シミュレーション
床に落としたグラスや花瓶が割れる様子などに使われる。
破壊のタイミングで、予め分割していたパーツが飛び散る方式と、
加えられた力に応じて切れ目を生成する方式がある。
◇モーションコントロール
スクリプト言語によって物体の動作をコントロールする機能。
◇エフェクト/アセットツール
予め素材として用意されているもので、
シーンにすばやく読み込んで殆ど調整なしに再生、
レンダリングが可能です。
mayaのエフェクトアセット(Effects Assets)には、
3D流体エフェクト、nParticle、nParticleエミッタ、Mayaフィールドが含まれ、
爆発、火、煙、雨、花火などさまざまなエフェクトを表現できます。
●物理演算ソフト
現在では物理演算を搭載した3DCGソフトウェアは
フリーソフトも数多く存在し、コンシューマーでも
3DCGアニメーションを製作することが可能な時代となっており、
代表的なものとしてはBlenderなどが挙げられます。
またエフェクトやパーティクルにおいては、
管理し易いノードや、プロシージャル設計に定評のある
Houdiniなどが挙げられます。