公開日:2023-07-01
今回の記事では、「テクスチャ(テクスチャー)」がどのような意味を持つかについて紹介します。また、同じようで異なる意味合いを持つマチエールとの違いについても解説します。
テクスチャ(テクスチャー)とは?
テクスチャ(テクスチャー)とは、英語では「texture」と表記されます。
テクスチャ(テクスチャー)の元々の意味は、物の表面の手触りや質感を意味します。
テクスチャという言葉は、業界によって異なるニュアンスで使用されることもあるため注意が必要です。
CG業界におけるテクスチャ(テクスチャー)の意味
CG業界におけるテクスチャとは、3DCGのオブジェクトに貼り付ける画像のことです。
テクスチャで、3Dグラフィックソフトで作成した物の表面の手触りや質感を表現します。
PhotoshopやIllustratorなどで作成したり、3DCGソフト上で描いたり加工したりして作成します。この画像を貼る作業を「マッピング」と言います。
テクスチャでは、模様の表現、金属の錆の具合、凹凸やザラザラ感の表現などを表すことができます。テクスチャは、素材を意味する場合もあれば、3DCGソフトでは工程自体を指すこともあります。また、こういった画像の生成方法として3Dペイントソフト(Substance Painterなど)もあるため、昔に比べると容易に生成できるようになっています。
その他の業界におけるテクスチャ(テクスチャー)の意味は?
テクスチャ(テクスチャ―)は、業界によって様々な意味を持つことがあります。
いくつかご紹介します。
1:建築業界
建築業界において、テクスチャとは素材の持つ手触りや質感、感触のことです。どのような素材を用いて空間を仕上げるかを表す際に使うことが多いです。ここでいう素材とは、コンクリートや金属、木材、敷材、壁紙、フロアタイルなど様々です。テクスチャを工夫することで空間を装飾することができます。
2:化粧品業界
化粧品業界においてのテクスチャとは、化粧品自体の質感など触り心地や肌につけた際の付け心地を表します。例えば、しっとりしている、べたべたしている、ねっとりしている、さらさらしているなどのように表現されます。
このテクスチャをどのように感じるかは「使用感」として表現され、テクスチャとは意味が異なって使われることが多いです。
3:ファッション業界
ファッション業界においては、テクスチャは生地の表面の状態や織り方のことです。
生地のさわり心地が凸凹している、さらさらしている、薄い/厚い、かたい/柔らかいなどのように表現されます。生地そのものをテクスチャと呼ぶ場合もあります。
また、ファッション業界では、テクスチャード加工と呼ばれる加工方法もあります。テクスチャード加工とは、化学繊維の性質を利用した加工方法です。熱を加えると変形し、冷えると固まります。テクスチャード加工をすることで、ふっくらとした糸になり、その糸を用いて織った生地は伸縮性に優れています。
4:食品業界
食品業界においてのテクスチャとは、口当たりや歯ごたえなど口腔内で感じられる素材の性質のことです。例えば、かたい、柔らかい、クリーミー、なめらか、こしがある、もちもちしているなどのような表現で表されます。日本には、こういった食品のテクスチャを表す言葉が数多く存在します。
食品の場合は、のど越しが良い、新鮮でシャキシャキしているなど、テクスチャで商品PRがされることも多いです。
5:音楽業界
音楽業界におけるテクスチャとは、メロディを聞いたときに感じる印象のことです。
音楽業界で用いる場合は、テクスチャ―ではなく「テクスチュア」と表現されることの方が多い傾向にあります。音の響きや重なり、空気感といったようなある旋律を聞いた時の印象のことを指します。
テクスチャーの類語「マチエール」とは?
マチエールとは、材料・材質・素材を意味する言葉です。テクスチャの類語と言えます。
マチエールは一般的には絵画や彫刻といった美術の分野で用いられる言葉です。
絵肌の調子を表すこともあり、手で触れた感触ではなく目で見た質感を指します。
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まとめ
今回は、テクスチャ(テクスチャー)の概要や同じような意味を持つマチエールとの違いについて紹介させていただきました。テクスチャは元々の意味はありますが業界によって少しづつ異なる意味を持つことをご理解いただけましたでしょうか。正しく理解することがその業界での専門用語の理解につながりますので少しづつ覚えていきましょう。