公開日:2023-07-01
RenderManとは、
Pixar Animation Studiosによって開発されたレンダリング専用のソフトウェアです。
RenderMan単体で使用する場合、GUIはなくコマンドラインでの操作となる。
●プラグイン版について
2005年にMaya用プラグインが発売され、ライティングツールである「KATANA」や、
Maya同様に総合3DCGツールである「Houdini」そして
フリーのモデリングツールである「Metasequoia」用にも
順次プラグインが発表される。
※プラグイン版にはGUIが用意されており、
ユーザーフレンドリーな仕様となっている。
●RenderManの有意性
無駄がなく速いレンダリングを行えること。
詳細については事項で説明します。
●Pixar独特のジオメトリ思考
映画やリアル系のゲームなどで使われるシーンは、
全体的にある程度の情報量で作られるが、
Pixarの考え方は基本的に低ポリゴンでオブジェクトを作り、
カメラに映る部分だけ都度情報量を追加するという事。
オブジェクトを構成するポリゴン数を例にすると、
映画やリアル系のゲームでは、シーンに配置されている
すべてのオブジェクトに対し、ある程度のポリゴン数を与えるが、
PixarのSubdivision Surface技術では、
基本的にローポリでシーン全体を作り、
カメラに映る際にサブディビジョン(テッセレーション)する。
カメラに映る部分については、
マイクロポリゴンという1ピクセル未満のポリゴンにまで
分解されることもあるそうです。
この様に不要なリソースをカットする事で、
必要な部分のクオリティを最大限に表現し、
更にPixar独自の複雑なキャラの動きに回す事が出来るのです。
またライティングの考え方も同様に、
通常のレンダラーではレイトレース方式を採用しており、
SSS、反射、ディスプレイスメント、モーションブラー、被写界深度
すべての要素に対して、ライトやカメラからレイを発射して、
そのバウンスで各数値を計算しています。
対してRenderManでは、カメラに映るものだけレンダリングするのです。
更にRenderManではレイトレース方式のレンダリング機能も備わっている為、
レイトレース方式特融の精密さが必要なシーンでは、
使い分けすることが出来るのも強みです。