公開日:2023-10-23
CGアニメーターはキャラクターの動きや魔法などのエフェクト、世界観を作る専門家です。 現在は3DCGを使用しているアニメは増加傾向にあります。そのためCGアニメーターの需要は高まっています。アニメに影響を受け、見るだけでなく制作する側に行きたいと思う方も多いのではないでしょうか? 現在需要が高まっているCGアニメーターの仕事内容やどのようにしてCGアニメーターになるのかについてご紹介いたします。
モデリングとは?
モデリングは模型を組み立てることを言います。 3Dモデリングは三次元グラフィックスで立体物を形成、計算する技術や機能を意味しています。専用ソフトを使い、作りたいものを形作っていきます。
制作現場で使われる専用ソフトでは複数の種類が存在し、ソフトごとに特徴があります。
モデリングしたいキャラクターや背景の特徴にあわせて使う ソフトを使い分けることによって表現の幅が大きく広がる為、よりリアルなモデリングをすることが可能になります。
3Dと2Dのモデリングの違い
3Dは2Dとは異なり、2Dが縦・横のXとYの座標で表す一方で 3Dは縦・横に加え“奥行き”が加えられる為、X,Y,Z,の3つの座標で表します。
この3Dモデリングは仮想の3D空間で制作されます。
まずここでは3Dの空間を1つの箱の中のようにあらわして説明していきます。
ボックスの中心が”0”として縦・横・奥行きに動かす方向によって+と-に動かすという風に表現しされます。
ここで注意するべきなのは、アプリケーションによってX,Y,Zの場所が異なる場合があります。
表記の変更が可能なソフトもありますので自分の使いやすい方法を探してみてください。
【座標について】
上記ではボックスの中心点が”0”と表記して説明してきましたが、3Dを制作する際に使われるX,Y,Zはほかに 「グローバル座標」「ローカル座標」の2種類存在します。
・グローバル座標
グローバル座標は空間に1つだけある座標です。別名ワールド座標と世界座標といわれています。地球上の経度・緯度と同様で空間内のある一点を指し示しています。
・ローカル座標
グローバル座標をもつ3D空間ボックス内に作成されたオブジェクトは自分専用の座標を持っています。
このオブジェクトが個別に持っている座標がローカル座標です。
ローカル座標の特徴はオブジェクトの数だけ存在するということです。
3Dデータ形式は主に3つ
3Dデータ形式とは
3Dデータ形式には3つの方法があります。 それぞれ表現方法が異なり、表現方法が異なっていることによって用途が変わってきます。 自分の作りたい物によって3Dデータ形式を変えて制作を行いましょう。
・サーフェスモデル
用途は「ゲーム・映像」「工業設計・デザイン」に使われます。
サーフェイスモデルとはオブジェクトの表面のみの形状を表すモデルのことです。 作成する“面”は厚みが0で内部情報がありません つまり質量がないということです。
表面のみの形状を表現する為のものであるため、図のような閉じた状態である必要がありません。その為体積は存在しません。面ではあるため、 表面積の計算は可能だということです。
サーフェースモデルの中には様々なモデリング種類が存在しておりその1つ1つに特徴が存在しています。
例えばポイント(頂点)とそれらを組み合わせて作る直線によって定義される連続している辺からなるシェイプを使うポリゴンモデリングなどがあります。
スプラインと呼ばれる曲線でモデリングをし、曲線と制御点をつけながらモデリングしていく方法もあります。このスプラインモデリングにはスプライン曲線とベジェ曲線の二種類が存在します。
その他にもサブディビジョンサーフェスという方法もあり、 ポリゴンメッシュを規則的に分割することで、よりスムーズに作業ができる手法です。
より複雑で精細なメッシュを作成したい場合には新しい頂点が追加され理想の曲線を描いていきます。
・ソリッドモデル
「CSG表現」「境界表現」の表現に使われ「工業製品設計」「エンジニアリング」「体積・質量計算」の用途に使われます。
ソリッドモデルにはいくつかの表現が存在します。
① CSG表現
プリミティブといわれるいわゆる立方体、直方体、円柱、球、円錐、角錐などの基本的立体を組み合わせて複雑な形状を表現します。
これらの 基本的な形状を組み合わせることによって目的の形状を作り上げていきます。
② 境界表現
この表現は独立した部苦数の『平面』や『曲線』で形状を表現します。
独立した面の状態ではサーフェスモデルになっており、これらの サーフェスを縫い合わせるように合成することで空間から切り出されソリッドモデルとなっていくのです。
データが軽いため複雑なモデリングをする際にスムーズにモデリングすることができます。
③ ワイヤーフレームモデル
ワイヤーフレームモデルは、立体形状「頂点」と「線(辺)」のみで表現されたモデルです。
ワイヤーフレームデータ量がとても少なく。表示速度が速いことに長けています。
そのため、ソリッドモデルでワイヤーフレーム表示にして作業を進めることもできます。
・その他
・ポリゴンボクセル(ボリューム)表現
2次元画像の最小単位ピクセル(voxel)です。
小さな正方形の縦横に並べて2DCGを生成するのと同様に、小さな立方体を縦横に並べて2DCGを生成するのと同様に、小さな立方体を縦横前後に積み上げて立体を表現します。
・メタボール(ブロブ)
複数の球体に、隣接する球体との濃度情報(別名:吸引)を不可して滑らかな形状を生成する表現方法です。曲面を描くときなどに用いられます。
3DCGモデリングの作成の手順とは?
最初に行う作業はモデリング作業です。
上記でも紹介いたしましたが、モデリングは物体の形状を作る作業です。
Blenderでは『メッシュ』と呼ばれる形状データを加工することでモデリングを行います。
1:質感の表現をマテリアルで行う
物体の形状をモデリングで作成します。しかし物体は形状だけで表現できるものではありません。色、透明度、光の反射などのように形状以外にも外見のクオリティをグンと引き上げる要素があります。
3DCG制作においてマテリアルは質感を設定し、その質感の設定情報によってモデリングしたメッシュに質感を表現していきます。
設定項目や方法にも様々な項目があり、それらの設定を適切に行うことで金属、木材、プラスチック、ガラス、肌、泥など様々な質感を多様に表現することができます。
2:テクスチャで柄を付けていく
テクスチャは制作されたモデリングに張り付ける画像のことで主に表面の模様を表現とするために使用します。2次元のテクスチャとしてメッシュに張り付けることによって模様や質感を表現することができ、凹凸があるように見せることができるのもテクスチャの特徴です。
簡単な形のモデリングだった物体がテクスチャを付けることによって複雑でよりリアリティを表現することができるようになるのも特徴の一つです。
ここで注意するべき点として、テクスチャはメッシュに対して設定するものではなく、マテシアルに対して設定します。 マテリアルはテクスチャに関連付けていくというのが基本的な手順です。
3:ポーズを付けていく
アニメーション設定は物体に動きやポーズを付けていく工程になります。
制作したモデリングがアニメーション用のものであればもちろんですが。静止画の場合でもポーズを付けるために必要な工程になるのでモデラ―を目指している方も学んでおくべき工程です。
ソフトによっては様々なアニメーション機能が用意されていることもあり、エンジンの動物のような特定のパーツ以外に変形しないアニメーションの場合であっても関節が動くと同時に筋肉の盛り上がりなども表現することも可能です。
4:レンダリング
いよいよレンダリングという、いわば書き出しの作業に入っていきます。
レンダリングとは位置や質感を与えられた物体を計算によって画像化するということです。
上記の工程の計算を行い、マテリアルやテクスチャで物体の表面や質感や模様を表現します。
レンダリングはコンピューターに非常に負荷がかかり、なおかつ時間がかかる作業です。
静止画の場合は1度のレンダリングを行うだけです。ですが、 アニメーションの場合は1コマで1回のレンダリングを行う必要があり、この工程が時間がかかる要因になります。
3DCGソフトの選び方は?
まず、どんな3DCGをどんな用途で使用するか、 制作したいものに合わせてその用途に合ったソフトを使う必要があります。
今回はそれぞれの使用用途に合った3DCGのソフトとどのようにして自分の欲しい機能をもったソフトを選べばよいのかをご紹介いたします。
基礎的な部分から学びたい場合
3DCGの基礎から覚えたい場合は“統合型ソフト”がオススメ
「幅広い知識や3DCGを学びたい」「3DCGソフトで何ができるのか知りたい」という方には統合型3DCGソフトから学んでいきましょう。
モデリング・レンダリング・3DCGアニメーションの作成など“統合型”はできることが多く様々な知識を身に着けることができます。
全体的に知識を基礎から身に着けていきたい人はまず“統合型”から始めてみるのがオススメです。
特定の分野を学びたい場合
「3DCGで作りたいものが決まっている」という方は特定の3DCG分野を学びたい方には”特化型ソフト”をオススメでします。
“特化型ソフト”はCG作成の上で 特定の必要な機能のみを搭載しているのが特徴 です。
統合型では難しい細かい再現も簡単にできる場合が多いことが魅力です。特定の機能に特化していることから操作方法がわかりやすいのも大きな魅力の一つです。実際に企業や制作現場では“特化型”も統合型と合わせて使用されることが当たり前になってきています。
統合型だけでは制作ができない作品を制作したい方はぜひ“特化型”も学ぶことをお勧めします。
キャラクターを造形したい場合
キャラクターを作りたいという方は多いのではないでしょうか。
そういった場合、モデリング、スカルプト機能に強いソフトを使用しましょう。
モデリング・スカルプト機能に強いソフトは造形物の形を作り出す上での3DCGの基礎ともいえる部分です。
スカルプソフトはより直感的な操作で造形物を作ることができます。
これらのソフトは自分でモデリングしたキャラクター3Dプリンターなどで立体にする際にも役立ってきます。
ソフトは日本語情報が豊富なものを使おう
3DCG初心者なら必要な情報を手に入れるために、書籍やインターネットで検索することが多いのではないでしょうか。使い始めの時は操作方法も基礎から学ぶ必要があるため、 必要な情報を手に入れるためには日本語で数多くの情報を入手する必要があります。
日本語に対応している3DCGソフトを見付け、検索してすぐ情報を得ることができる環境を作ることによって、学習のしやすさがグンと上がるのではないかと思います。
日本語に対応しているソフトの例として「MAYA」や「3DSMAX」などから始めてみるのをオススメします。
初めて3DCGに挑戦するならライセンス選びも重要
初めて3DCGに挑戦するとなると「自分が本当に続けていけるか迷う」「自分の好みに合ったソフトを使用したい」という方も多いと思われます。そんな時に役立ってくるのは 無料体験版がついてくるタイプのソフト になります。
無料体験版では本製品版のすべてのツールを使うことができない場合も多く存在しますが、ある程度の操作方法を知ることができます。
ソフトによって操作方法が異なってくるため、1度試してみてから自分に合ったソフトを探していくことが重要になってきますね。
もちろん学生版やお得に始められる教育版があるソフトも存在する為、使用したいソフトが自分の中で決まっている方は最初からライセンス契約をしてみるのも1つの方法です。
3DCGを学びたい方はぜひデジタルハリウッドへ
デジタルハリウッド社会人スクールでは基礎から3DCGを学ぶことができます。
そして上記で紹介いたしましたアニメーションやエフェクトなどの専門ソフトも基礎から学べるコースもご用意しております。
もちろん「エフェクトだけ学びたい」などの「特定のソフトだけを習得したい」という方向けのコースもご用意しておりますので是非一度説明会に参加してみてはいかがでしょうか。
「やりたいことは決まっているけれど自分に合ったコースがわからない」 「自分のやりたい分野がわからない」「どんな勉強をするのか興味がある」 といった方が多いと思います。デジタルハリウッドでは担当者とマンツーマンでコース内容、学習内容を説明することはもちろん “貴方にあったコース”を一緒に探していきます。 説明会は無料 ですので下記のリンクからぜひ予約して説明会に参加してみてください。
・3DCG未経験!基礎から応用までしっかり学びたい方にオススメのはこちら
・3DCG未経験!基礎をしっかり固めて勉強したい方にオススメのコースはこちら
・専門ソフトを勉強したいという方にオススメのコースはこちら
まとめ
いかがだったでしょうか、今回はモデリングに挑戦してみたいという方向けに3Dモデリングの作成手順と3DCGの制作ソフトの選び方をご紹介いたしました。
「これから3DCGを始めてみたい」「CGのソフトの選び方がわからない」「初めて見たはいいけれど行き詰まってしまった」そんな方の参考になれば嬉しいです。
なかなか手が付けられていなかったが興味があるという方も1度触ってみるきっかけになればと思います。