Arnold Rendererとは

公開日:2023-07-01

ArnoldとはSolid Angle社より提供されている、
パストレーシングベースのレンダリングエンジンです。

 ●Arnoldの特徴

  ・安定性
 
   非常に大きなジオメトリや、膨大な数のテクスチャを安心して扱える。

   またログの内容が充実しており、
   エラー発生持にアセットの問題やシェーダーの矛盾など
   理由を明確にしてくれる為、原因特定や修正がしやすい。

   ※Render SettingsのDiagnostics項目で
    LOGの取得方法をWarning + Infoにしておくと、
    より多くの情報を提供してくれます。

   (他レンダラーだと理由を明確にしてくれない事が多い)

  ・簡易的

   他のレンダラと比較して設定が非常にシンプルである為、
   設定の試行錯誤に時間をとられる事が少ない。

   (クオリティもきちんと確保される)

  ・拡張性/信頼性

   256スレッドまで拡張可能で、
   ほぼCPUコア数に比例した処理速度を約束される為、
   非常に信頼性が高い。

   (他レンダラーだと中々比例しない)

  ・効率的

   モンテカルロ法(確率論)で解析を行う、
   パストレーシング方式を使用するレンダラーである為、
   レイトレーシング方式よりも効率的で演算結果が早い。

   ※但しこの方式のデメリットとして、
    画面が暗くなったり、ノイズが発生する事があり、
    これはサンプリングを増やすなどして対処する他無い。

   またArnoldの機能として、
   レンダリング処理の何にどのくらいの時間が掛ったかを教えてくれる為、
   効率化を計画しやすい。


 ●Arnoldの歴史

  Solid Angle社のMarcos Fajardo氏により1997年から開発が開始され、
  当初はRenderAPIと呼ばれていた。

  Solid Angle社は2016年にAutodeskに買収され、
  Mayaや3ds Maxの標準レンダラーとして搭載される事になった。

  Mayaについてはこれまで標準レンダラーとして採用されていた、
  Mental rayからArnoldに置き換わるかたちとなった。

  他にもCinema 4Dや、Houdini、Katanaなどのプラグインとしても
  提供されています。

  余談として後にArnoldと呼ばれる事になった由来としては、
  製作者Marcos Fajardo氏の友人が、アーノルドシュワルツネッガーの映画に
  感化された事より命名した様です(諸説あり)。

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著者:デジタルハリウッド スクール 編集部