Substance 3D Designerとは|使い方と料金

Substance 3D Designerとは

公開日:2023-07-01

モデリングは一通りできるようになったものの、ポートフォリオを並べてみると質感で差がついてしまう。Substance 3D Designerという名前は見かけるけれど、Painterとどう違うのかが分からず手を出せていない。そんな段階で止まっている方も多いのではないでしょうか。Adobe Substance 3D Designer(サブスタンス スリーディー デザイナー)は、ノードをつないでテクスチャやマテリアルを作る、プロシージャル生成に重点を置いたアプリケーションです。3Dモデルに直接塗るSubstance 3D Painterとは工程上の役割が異なり、Designerは素材そのものを組み立てる側にあたります。この記事では、何を作るツールなのか、特徴、Painterとの違い、制作の流れとSBSAR、料金と無料で試す方法、動作環境、そして学習の進め方までを、公式の一次情報(2026年9月2日時点)をもとに整理します。

Substance 3D Designerとは|ノードで質感を作るソフト

Adobe Substance 3D Designerは、2Dのテクスチャ・マテリアル・フィルターを、ノードベースのインターフェイスで作るためのアプリケーションです。公式ドキュメントには「Substance 3D Designer is an application intended for creating 2D textures, materials and filters in a node-based interface, with a heavy focus on procedural generation, parametrisation and non-destructive workflows.」(ノードベースのインターフェイスで2Dのテクスチャ・マテリアル・フィルターを作ることを目的としたアプリケーションであり、プロシージャル生成、パラメータ化、非破壊ワークフローに強く重点を置いている)と記載されています。

テクスチャとは、3Dモデルの表面に貼り付ける画像のことです。マテリアルは、色・粗さ・凹凸といった質感の設定をひとまとめにしたものを指します。用語の基礎から確認したい方はテクスチャの基礎を解説した記事、3DCG全体の工程を整理したい方は3DCGとは何かを解説した記事もあわせてご覧ください。

読み方は「サブスタンス スリーディー デザイナー」で、旧称はSubstance Designer(サブスタンスデザイナー)です。現在はAdobeがSubstance 3Dシリーズの一つとして提供しています。

ノードとは|処理のかたまりをつないで作る仕組み

ノードとは、入力を受け取って処理し、次へ渡す部品のことです。Designerでは、この部品をつないでいくことでテクスチャができあがります。

公式ドキュメントでは「image data travels from left to right through the building blocks, connected by Links that determine the path of the information」(画像データは、情報の経路を決めるリンクでつながれたビルディングブロックの中を、左から右へと流れていく)と説明されています。画面上に並んだノードは、データが通っていく処理の順路そのものだと考えると分かりやすくなります。

そのためユーザーは、1回ごとの手作業を積み上げるのではなく、画像を生成するための論理的な手順を組み立てることになります。ペイントソフトでレタッチを重ねていく作り方とは、考え方が異なる部分です。

現行はバージョン16.0|MDLグラフとIrayは削除された

2026年9月2日時点の現行バージョンは16.0で、リリース日は2026年4月14日です(Adobe公式リリースノート)。16.0では、Shape Splatter v2ノード、3D SDF(Signed Distance Field)ノード群、3D Viewerノード、OpenPBR Surfaceシェーディングモデルへのネイティブ対応、Constant Valueノードなどが追加されました。

学習を始める前に押さえておきたいのは、このバージョンで削除された機能があることです。公式ドキュメントには「MDL graphs and the Iray renderer were both removed in version 16.0.0」(MDLグラフとIrayレンダラーは、いずれもバージョン16.0.0で削除された)、および「Version 15.1.3 is the last version of Designer with support for MDL graphs and the Iray renderer.」(15.1.3が、MDLグラフとIrayレンダラーをサポートするDesignerの最後のバージョンである)と記載されています。背景としては、交換可能で広くサポートされたマテリアル定義のためのシェーディング言語としてMaterialXへ移行することが示されています。Irayの代替としては、自社開発のGPU Pathtracerレンダラーを順次展開していくと説明されています。

チュートリアル動画や解説記事にMDLグラフやIrayが登場する場合、15.1.3以前を前提にした内容である可能性があります。学習素材を選ぶときに対象バージョンを確認しておくと、画面と手順が合わずに迷う場面を減らせます。レンダラーそのものの種類や選び方はレンダラーの種類と選び方で整理しています。

Substance 3D Designerの特徴|プロシージャルと非破壊

Designerの強みは、一度組んだ手順を使い回せることと、後からいくらでも作り直せることにあります。公式ドキュメントは、利点として次の4点を挙げています。

  • 非線形なワークフロー: 「you can author a multitude of texture outputs at once」(多数のテクスチャ出力を一度に作成できる)
  • 非破壊編集: 「you can reverse any action without losing any of your work」(作業内容を失うことなく、任意の操作を取り消せる)
  • ベイクの統合: ソフトウェア内から高度で高速なメッシュベイクツールを利用できる
  • パラメトリックな制御: 「you can set-up to control nearly any aspect of a texture through a single slider or dropdown」(1つのスライダーやドロップダウンで、テクスチャのほぼあらゆる要素を制御できるように設定できる)

プロシージャルとは、1枚ずつ手で描くのではなく、手順とパラメータからコンピュータに生成させる考え方のことです。考え方そのものはプロシージャルの意味と活用で詳しく解説しています。

Designerで扱うグラフには種類があります。Substanceグラフは2Dの画像データを生成・処理し、1つ以上のテクスチャ出力へ渡すものです。一方、Substance関数グラフは画像データ(ピクセル値の集合)ではなく、整数・浮動小数点・ベクトルといった単一の値を処理します。値の計算を担う仕組みが別に用意されている、という構成です。

組み上げたグラフは、新しいノードのビルディングブロックとしてパッケージ化し、再利用や共有ができます。さらにカスタムパラメータを設定すると、自分のファイル専用のコントロールパネルを用意でき、そのグラフを使う人が値を調整できる状態になります。同じ質感を色違い・粗さ違いで何種類も用意したい場面で効いてくる仕組みです。

Substance 3D Painterとの違いと使い分け

Substance 3D DesignerとSubstance 3D Painterは、どちらもマテリアルを扱いますが、工程上の役割が異なります。Designerは素材そのものをノードで作る側、Painterは3Dモデルに直接塗る側です。

Adobeは公式ドキュメントで、自社のSubstance 3Dアプリケーション3本を次のように比較しています。

項目 Substance 3D Sampler Substance 3D Painter Substance 3D Designer
学習曲線(Learning curve) Low Medium High
マテリアルの作成 Yes Yes Yes
フィルター・パターン・エフェクトの作成 No Limited Yes
パラメトリックなコンテンツの書き出し No No Yes

※Adobeが自社の3アプリケーションを比較した公式ドキュメントの表(2026年9月2日時点)にもとづく整理です。

この表から読み取れる要点は2つあります。1つは、パラメータを保ったまま書き出せるのは3本のうちDesignerだけだという点です。もう1つは、公式の表記でDesignerの学習曲線がHighとされている点です。

併用の形もあります。Designerからパブリッシュしたマテリアル(SBSAR形式)を利用できるアプリケーションとして、公式ドキュメントはSubstance 3D Painterを挙げています。Designerで素材を作り、Painterでモデルに適用していくという進め方が取れることになります。

どちらを先に学ぶかは、個人差はありますが、作りたいものによって変わります。特定のモデルを仕上げたいならPainter側から、質感そのものを設計したいならDesigner側から、という整理が現実的です。Painterの機能や使い方はSubstance 3D Painterの機能と使い方で解説しています。

Substance 3D Designerでできること・制作の流れ

制作の基本は、グラフでマテリアルを組み立て、SBSAR形式で書き出して他のアプリケーションで使う、という流れです。大まかには次の3ステップになります。

1

グラフを組む

Substanceグラフでノードをつなぎ、テクスチャ出力を作ります。

2

パラメータを露出させる

カスタムパラメータを露出させ、後から調整できる状態にします。

3

SBSARとしてパブリッシュする

対応するアプリケーションへ渡して、実際のモデルに適用します。

またDesignerには、メッシュベイクのツールがソフトウェア内に統合されています。モデルから法線などの情報を焼き込む作業を、別のツールを立ち上げずに進められる構成です。形を作る工程そのものの手法は3DCGモデリングの種類と手法で整理しています。

向いているのは、岩・金属・布・タイルのように規則性のある質感を、パラメータ違いで何種類も用意したい用途です。1つ組んでおけば、色や粗さ、模様の密度を変えるだけでバリエーションを増やせるため、量が必要になるゲームや映像の背景素材と相性がよいと考えられます。

SBSARで書き出すと何が変わるのか

SBSARは、Substanceのエコシステム内および対応するアプリケーションで使われる、拡張子.sbsarの専用ファイル形式です。

パブリッシュすると、必要なリソースがすべてファイル内に埋め込まれます(原文「all resources required are embedded into the file」)。そのため、SBSファイルより共有しやすい(「much easier to share than SBS files」)と説明されています。単体で完結するファイルなので、共有した相手側でリンク切れが起きにくいのも利点です。

SBSARで押さえておきたいのは、書き出した後も内容を変えられる点です。公式ドキュメントには「the output from Substance 3D assets can be completely dynamic. Resolution is not set; exposed parameters can be modified.」(Substance 3Dアセットからの出力は完全に動的なものになりうる。解像度は固定されず、露出させたパラメータは変更できる)と記載されています。使う側のアプリケーションで解像度やパラメータを調整できるということです。

利用できるアプリケーションとして公式が挙げているのは、Substance 3D Painter、Substance 3D Sampler、Substance 3D Player、Adobe Dimension、およびSubstance連携を備えたその他のアプリケーションです。

料金と無料で試す方法(2026年9月2日時点)

Substance 3D Designerには、有償プランのほかに、無料体験と学生・教職員向けの無償ライセンスという入口が用意されています。

公式ドキュメントには「30 day trial for each Substance 3D application」(各Substance 3Dアプリケーションにつき30日間のトライアル)と記載されており、購入前に試せる仕組みがあります。

起動と認証の方法は3系統です。Creative Cloudデスクトップアプリから起動する方法、Steam版としてSteamライブラリから直接起動する方法、そしてスタンドアロン版でライセンスファイルを使う方法が案内されています。

具体的な月額料金を記載していない理由

価格やプラン構成は改定されることがあり、金額を固定して書くと実際の条件と食い違うおそれがあるためです。最新の価格とプラン内容は、Adobe公式サイトの価格ページで確認してください。

学生・教職員向け無償ライセンスの条件

学生と教員には、無償で利用できるライセンスが用意されています。ただし条件があるため、順に確認しておきましょう。

対象について、公式ページには「To be eligible for this license you need to be officially enrolled student or a teacher at an accredited higher education institution.」(このライセンスの対象となるには、認定された高等教育機関に正式に在籍する学生、または教員である必要がある)と記載されています。高校生は対象に含まれません。確認は学校が発行したメールアドレスで行われ、学生証などの追加提出を求められる場合があります。

有効期間は12か月です(「The free Substance 3D for Students and Teachers license is valid for 12 months.」)。資格が続いていれば、同じ手続きで更新できるとされています。含まれるアプリケーションは、Designer、Modeler、Painter、Sampler、Stagerの5本です。Substance 3D Assetsの月次ダウンロードは含まれませんが、Community assetsは無料で利用できると案内されています。

注意したいのが商用利用の扱いです。公式ページには「Assets and content created with a free Substance 3D for Students and Teachers license cannot be sold or used for commercial work.」(学生・教職員向けの無償ライセンスで作成したアセットとコンテンツは、販売したり商用の仕事に使用したりすることはできない)と明記されています。一方で、ポートフォリオへの掲載は可能とされています。またこのライセンスは「This license is intended for personal learning purposes only.」(個人の学習目的のみを意図したライセンス)とされ、教育機関の授業やラボでの指導用途には別のライセンスが必要と案内されています。

動作環境|推奨スペックと必要なVRAM

公式のシステム要件では、Windowsの最小構成でもVRAM 8GB・メモリ16GBが求められます。3DCG向けのソフトウェアとしても要求は高めなので、導入前に手元のPCと照らし合わせておくと安心です。

項目 最小(Windows) 推奨(Windows)
OS Windows 11 64-bit Version 23H2 Windows 11 64-bit Version 24H1
CPU Intel Core i5 または AMD Ryzen 5 Intel Core i7 または AMD Ryzen 7
GPU NVIDIA GeForce RTX 2060 Super/NVIDIA Quadro RTX 4000/AMD Radeon RX 5700 XT/AMD Radeon Pro W5700 NVIDIA GeForce RTX 3080/NVIDIA Quadro RTX A4000/AMD Radeon RX 6800 XT/AMD Radeon Pro W7700
VRAM 8GB 16GB
メモリ 16GB 32GB
ストレージ 空き30GBのSSD 空き50GBのSSD

macOSについては、最小がmacOS 14 Sonoma・Apple M1・メモリ16GB・空き30GBのSSD、推奨がmacOS 26 Tahoe・Apple M2 Pro・メモリ32GB・空き50GBのSSDとされています。Linuxは、RHEL 8/9およびUbuntu 22.04に対応と記載されています。

上記は2026年9月2日時点の公式システム要件であり、バージョンの更新にともなって変わる場合があります。また、制作するテクスチャの解像度によって実際に必要な水準は変わるため、高解像度で作り込む予定があるならメモリとVRAMには余裕を見ておくとよいでしょう。

学習の難易度と、独学でつまずきやすいところ

Adobe公式の自社アプリ比較表では、Designerの学習曲線はHighと表記されています。他のSubstance 3Dアプリより習得に時間がかかる前提で、計画を立てておくのが現実的です。

難しさの中身を分けて考えると、進め方が見えやすくなります。1つ目は、ノードの種類と役割を覚える必要があること。2つ目は、「こういう見た目にしたい」というイメージを、生成の手順に翻訳する思考が要ることです。3つ目は、どのパラメータを露出させるかという設計の判断です。手を動かす量だけでは埋まらない部分があるため、時間の見積もりは長めに取っておくと安心です。

向き不向きもあります。岩や金属、布、タイルのように規則性のある質感は、手順として組み立てやすい対象です。反対に、規則性の乏しい対象を狙った形で作る場合は、手順に落とし込む難度が上がる傾向があります。この場合は3Dモデルに直接塗るアプローチと組み合わせるなど、工程の分担を考える場面になります。

学習の進め方としては、次の3段階が取り組みやすいと考えられます。まず既存のグラフや作例を分解して、どのノードが何をしているかを読む。次に、小さな質感を1つ、パラメータ付きで作りきる。そしてSBSARで書き出し、他のソフトウェアで実際に使ってみることです。なお前述のとおり、MDLグラフやIrayが登場する教材は15.1.3以前を前提にしたものである可能性があるため、対象バージョンの確認は忘れないようにしましょう。

質感づくりは3DCG制作の一工程であり、どの職種がどこまで担当するかは現場によって異なります。職種としての全体像は3DCGデザイナーの仕事内容で解説しています。

独学で伸ばしやすい部分と、教わったほうが早い部分

独学で伸ばしやすいのは、ノードの操作への習熟と、作例を手順どおりに再現する力です。公式ドキュメントやチュートリアルが充実している領域なので、時間をかければ積み上がっていきます。

一方で教わったほうが早いのは、自分の作った質感が実物とどう違うのかを言葉にする部分と、制作全体の設計です。「なんとなく本物っぽくない」で止まってしまうとき、原因が凹凸なのか、粗さの分布なのか、色の階調なのかを切り分けられるかどうかで、次の一手が変わります。答え合わせの相手がいないと、この切り分けには気づきにくいものです。

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Substance 3D Designerに関するよくある質問

QSubstance 3D Painterとどちらを使えばよいですか?

Designerは素材そのものをノードで作るツール、Painterは3Dモデルに直接塗るツールで、工程上の役割が異なります。Adobe公式の自社アプリ比較では、パラメトリックなコンテンツを書き出せるのはDesignerのみとされ、学習曲線はDesignerがHigh、PainterがMediumと表記されています。

QSubstance 3D Designerは無料で使えますか?

各Substance 3Dアプリケーションには30日間のトライアルライセンスが用意されています。また、認定された高等教育機関の学生・教員は12か月間の無償ライセンスを申請できますが、作成したアセットやコンテンツの販売・商用利用はできず、ポートフォリオへの掲載は可能とされています。

QSubstance 3D Designerにはどのくらいのパソコンのスペックが必要ですか?

公式のシステム要件では、Windowsの最小構成がVRAM 8GB・メモリ16GB、推奨構成がVRAM 16GB・メモリ32GBとされています。macOSは最小がApple M1・メモリ16GB、推奨がApple M2 Pro・メモリ32GBです(2026年9月2日時点)。

Q古いチュートリアルに出てくるMDLグラフやIrayが見当たりません

MDLグラフとIrayレンダラーは、バージョン16.0.0で削除されています。公式ドキュメントでは、15.1.3がこれらをサポートする最後のバージョンと案内されています。16.0以降を使う場合は、対象バージョンの新しい教材を選ぶことになります。

まとめ

  • Substance 3D Designerは、ノードベースのインターフェイスでテクスチャ・マテリアル・フィルターを作る、プロシージャル生成に重点を置いたアプリケーション
  • 公式が挙げる利点は、多数のテクスチャ出力を一度に作れること、作業を失わずに操作を取り消せること、メッシュベイクが統合されていること、スライダー1つで要素を制御できることの4点
  • Painterは3Dモデルに直接塗るツールで役割が異なる。Adobe公式の自社アプリ比較では、パラメトリックなコンテンツを書き出せるのは3本のうちDesignerだけ
  • SBSARで書き出すと解像度は固定されず、露出させたパラメータを後から変更できる
  • 30日間のトライアルと、学生・教職員向けの無償ライセンス(商用利用は不可、ポートフォリオ掲載は可)という入口がある

質感は、作品の説得力を大きく左右する要素です。手描きの積み重ねではなく手順として組み立てられるようになると、同じ時間で試せるバリエーションが増え、表現の幅も広がっていきます。仕様・バージョン・システム要件は2026年9月2日時点のAdobe公式ドキュメントにもとづく整理のため、導入前には公式ページで最新の情報を確認してください。

デジタルハリウッド スクール 編集部

1994年の開校以来、Web・映像・3DCG・AIなどデジタルクリエイティブの教育に取り組んできたデジタルハリウッドの編集部です。本記事の仕様・機能名・システム要件・ライセンス条件は、Adobe公式ドキュメント(2026年9月2日時点)の記載にもとづいて整理しています。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部