公開日:2023-07-01
「LOD」とは、「Level of Detail」の略であり、直訳すると「細かさの度合い」を意味しています。カメラからの距離に応じモデルのポリゴン数を制御することで、シーンの計算負荷を軽減する方法です。
3Dで描画されるキャラクターなどは、基本的にポリゴン数やテクスチャーの数、サイズ等が豊富であればあるほど高い精度での実現ができますが、その反面、データが重くなります。このような負荷を軽減する目的としてLODを活用することで、画面上での見え方を調整しながら最適なデータ容量での表示を行い、見た目を大きく損なわずに処理を高速化することが可能となります。ゲームのリアルタイムレンダリングで使われることが多いです。
LODを使用するシーンの例
オブジェクトがカメラから近い時はハイポリゴンを使い、カメラから遠い場合にはローポリゴンとする手法がLODという考え方です。
キャラクターを例にとると、近くにキャラクターを配置する際には、ハイポリゴンでメッシュが細かく密度の高い描写を行うことで美しく見せます。しかし、遠くに配置するキャラクターは、近くに配置するキャラクターと同じようにハイポリゴンの状態で配置を行うとポリゴンの密度が細かすぎるという問題が起こります。同じようなキャラクターが遠くにたくさん存在していてはっきりと見えない場合などは、ポリゴン数を減らして簡略化した方が計算も早くなります。このような場合に遠くのキャラクターにLODを設定し、メッシュを荒くしてローポリゴンにすることで処理の計算量を軽くして描画の際の負荷を減らしていきます。
LODでのモデルの切り替え
LODを設定すると、勝手にモデルを切り替えてローポリゴンにしてくれるわけではありません。
LODモデルを自動的に生成する機能もありますが、適切なモデルが設定されていないとメッシュが潰れてしまうことや、制作者が意図しないメッシュの減らし方をされてしまう可能性もあります。そのため、ポリゴンの少ないローポリゴンのデータも用意してそれぞれ設定をします。ソフトウェアによりますが、基本的に3段階~4段階の設定が用意されており、「高」「中」「低」などがあります。
LOD用にポリゴンを減らす方法
Decimation モデファイアーなどを使ってポリゴン数を自動で削減することができます。これにより頂点の多いハイポリゴンのポリゴンを減らして軽量化することができます。また、もしもメッシュが崩れてしまった場合にもその場で修正をすることができ、このような機能を使うことで時間をかけずにLOD用の複数のモデルの制作を行うことが可能になります。