こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフです。
東京本校で 『卒業生に話を聞こう!座談会』 を開催いたしました!
『卒業生に話を聞こう!座談会』は、各分野で活躍する卒業生たちを迎え、在学中のエピソードや卒業後のキャリア、現在のリアルな日常まで幅広くお話しするイベントで、今回は第2回目の開催です。
今回は30代での転職を実現し、アニメ会社 『株式会社武右ェ門』 でデジタルアーティストとして働く冨樫 侑太さんと人事をご担当されている垰田浩一さんをお招きしてお話を伺いました!
本ブログでは当日の様子や、当日のトーク内容をご紹介いたします!
アニメ業界を目指したい方や30代未経験からの転職をしたいと考える方は必見です。
目次
登壇者のご紹介
冨樫 侑太さん
株式会社武右ェ門
デジタルアーティスト
1987年生まれ。秋田県出身。国際基督教大学教養学部卒業。
大学卒業後、都内の企業で営業職などに従事。
2019年9月、デジタルハリウッド専科3DCGデザイナー専攻に入学。
コロナの休止期間を挟んだ2020年11月、同コース修了。
2021年2月より、武右ェ門にてアニメーターとしての活動を開始。
卒業制作ではHoudiniを使用したセルルック調エフェクトの作成に挑戦。 現在は主にMayaとAfter Effectsを使用し、メカのアニメーションなどを担当。
主な参加作品
星の子どもとはじまりの樹(2025年/エフェクト)
機動戦士Gundam GQuuuuuuX(2025年/CGIアニメーター)
ポケモンアニメ「ラッキーなサファリでおにごっこ!?」(2024年/CGアニメーション)
コードギアス 奪還のロゼ(2024年/CGアニメーション)
バクテン!!(2021年/CGアニメーション)
株式会社武右ェ門Showreel2025
株式会社 武右ェ門では卒業生が多く活躍しています。冨樫さんをはじめ、3名のインタビューもございますので、ぜひチェックしてみてください。
座談会の内容をダイジェストでお届け!
転職を意識したきっかけから、学び、そして働き方までーー
冨樫さんには卒業生としてのリアルな経験を、垰田さんには人事としての視点から、それぞれの立場で語っていただきました。
■ 転職を意識したきっかけと、実際に行動に移すまでのプロセス
身の回りで人が亡くなることが多かった。取引先の方とか昔の上司とか、結構尊敬してた方がいたんですけど、その方も50歳ぐらいで亡くなってしまって。結構その人が自分のやりたいことをやっている感じを見て、それでもう結構こう言うと語弊かもしれないんですけど、幸せそうに亡くなった感じだったんです。
当時、僕自身キャリアに悩んでいて、「このままやりたいことをやらずに70、80になるのは怖いな」と思って、それが転職を考えたきっかけでした。
その時、インターネットで「やらない人と行動する人と継続する人」という記事を読んで、「行動する人にならなきゃ」と決意してすぐ資料請求をして、そこから1週間くらいで入学を決めました。
■ 30代でのキャリアチェンジにおける不安や乗り越えた方法
かなり一大決心ではありました。当時の会社を辞めてしまいましたし、33歳という年齢的にも「今しかない」と思っていました。不安はありましたが、根拠のない自信もあって、「頑張ればなんとかなるだろう」と思っていました。
ただ、間違った努力をしないように、すぐ行動して、失敗して、やり直してを繰り返していました。社会人経験のある人なら、失敗が成功の元だという感覚があると思うので、そこを信じて挑戦しました。
不安を感じる暇がないくらい、自習室にこもってとにかく手を動かしました。
■ デジタルハリウッドでの学びが、転職や現職にどう活きたか
一番良かったのは、同じ目標を持った仲間と学べたことです。
クラスに20人ほどいて、周りの人がすごい作品を作ると自分も負けていられないと思えて、モチベーションにつながりました。
学校で学んだ内容が直接仕事に活きたのはもちろんですが、それ以上に「自分一人じゃできない環境で成長できたこと」が大きかったと思います。
今の仕事でも、当時同じクラスだった人や講師の方と再会することがあり、学びがつながっていると感じます。
■ ポートフォリオや実績の見せ方で工夫したこと、評価されたポイント
ポートフォリオは、採用担当者の視点で「この人を採用したらこんな良いことがある」と伝わるよう意識しました。
自分のやりたいことをアピールするよりも、企業にとってのメリットを重視して構成しました。
実際に卒業生のポートフォリオを見て参考にしながら、自分なりに特徴を出す工夫もしました。
作品数は3〜5点と少なめでしたが、やりきった作品を厳選して見せるようにしました。
冨樫さんの卒業制作はこちら▼
■ 就職・転職活動で苦労したこと、今思えばやっておいて良かったこと
転職活動自体は、クリエイターズオーディションで今の会社と出会って比較的スムーズに決まりました。
一方で、ポートフォリオ制作にはかなり苦労しました。
「何を作るか」「何を見せたいか」を明確にするのが難しく、時間がかかりました。
今思えば、「どんな業界に行きたいのか」を明確にしたことが良かったと思います。
自分は「アニメを作りたい」という目的がはっきりしていたので、CGをどう使うかという方向性を持って取り組めました。
■ 現在の業務内容と、求められるスキル・マインドセット
現在はアニメーションとエフェクトの制作を担当しています。
求められるスキルはもちろんCGの技術ですが、それ以上に「作画の知識」や「アニメの作り方を理解していること」が重要です。
CGは単にツールを使うだけでなく、アニメ的な演出や構図を理解していないと成り立ちません。
マインドセットとしては、「トライアンドエラーを恐れないこと」と「折れない心・体力」。
失敗してもすぐ切り替えて次に進む姿勢が何より求められます。
■ 働き始めてから感じた「理想」と「現実」のギャップと、その対処法
アニメ業界に入る前は「神様みたいな人たちが作っている世界」だと思っていましたが、実際に入ってみると、想像より地道で実践的な仕事でした。
「アニメを見てきたからできる」と思い込んでいた自分に気づいた時、ギャップを強く感じました。
そのギャップを埋めるために、5年かけて自分の理想と現実をすり合わせてきました。
労働環境については昔よりずっと改善されており、今は働きやすく、学び続けられる環境だと思います。
■ 社会人経験がある人ならではの強みや、それをどう活かせるか
社会人経験のある人は、「安心感」があります。
仕事に対する責任感や、上司・後輩など幅広い世代とのコミュニケーション能力があるため、チーム制作では大きなアドバンテージになります。
学生上がりの方は質問や報連相に不慣れな場合もありますが、社会人経験者は自然にできる。
それが現場では非常に信頼されますし、採用面接でも伝わります。
■ 継続的なスキルアップのために意識していること
一番大切なのは「学習習慣」です。
仕事をしていると疲れて時間が取れないこともありますが、少しでも勉強を続ける習慣を持つようにしています。
新しいスキルや技術に抵抗感を持たず、まず触れてみることも意識しています。
AIなど新しい技術を否定せず、一度受け入れてから判断する。
それが結果的に自分の可能性を広げると思っています。
そして何より、体力が大事。働く体力、学び続ける体力が、すべての基礎になると感じています。
座談会を終えて
今回の座談会の中で、冨樫さんの言葉でもっとも印象的だったのは、
「30代からでも、キャリアチェンジは遅くない。むしろ社会人経験があるからこそ、強みになる」
という一言でした。
挑戦には不安がつきものですが、社会人として積み上げてきた経験こそが、新しいフィールドでの土台になる。そう気づかせてくれる言葉でした。
受講を迷っている方へ向けて、冨樫さんは「悩む時間を行動に変えてみてほしい」と力強いエールを送ってくれました。
今回の貴重なお話をしてくださった冨樫さん、垰田さん本当にありがとうございました!
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