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CGWORLD 映像制作の仕事展とコラボレーション!
『映像制作を仕事にする理由』森田悠揮氏が登壇

2020-01-25

CGWORLD 映像制作の仕事展とコラボレーション!
『映像制作を仕事にする理由』森田悠揮氏が登壇

2016年から脈々と続くコンテンツ、CGWORLDの「映像制作の仕事展」は、その圧倒的なビジュアル力と作品力、そしてクリエイターの熱意を大いに感じ、憧れだけで終わらせない強い気持ちを奮起できる、とても人気のあるコンテンツです。

その「映像制作の仕事展」にご登壇されたトップクリエイターをデジタルハリウッドにお招きして、CG業界を目指すクリエイターの卵達へ、エールと勇気と、ほんの少しのヒントをご披露頂きたいと願い、『映像制作を仕事にする理由』をテーマにトークイベントを開催。


今回、手掛けられた作品に関する詳解だけではなく、クリエイターの内面に迫り、どんなマインドで制作に打ち込まれているのか、本イベントでじっくり披露頂きました。

デジタルアーティスト

森田 悠揮/Yuuki Morita

2013年よりフリーランスのモデラーとして活動を開始し、以降クリーチャーデザイナー・デジタルスカルプターとして国内外多くの作品でキャラクターのデザインと造形を手掛ける。
2019年よりアーティストとして、NYやAbu Dhabiなど主に海外の美術展などで自身の作品を発表している。
受賞歴として、学生時代にCG Student Award(現The Rookies)、Beautiful Bizarre Art Prize 2019など。
著書『The Art of Mystical Beasts』

今回のレポート記事は、本科CGビジュアルアーティスト専攻(2020年4月本科デジタルアーティスト専攻として開講)、2019年4月入学の小熊 知貴さんが書いてくださいました!在校生の生の声をぜひご覧ください!

受講生によるイベントレポート

「映像制作展」も3回目となり、今回は、世界を舞台に活躍されている、クリーチャーアーティストであり、造形作家である森田悠揮氏が登壇され、学生時代のことや現在の制作スタイル等についてお話しいただきました。
個人的で恐縮ですが、私にCGの世界へ飛び込むきっかけを与えてくれ、最も注目しているアーティストである森田氏が、どんなことをお話しされるのか非常に楽しみにしておりました。
本レポートでその内容を所感を交えながらお伝えできればと思います。

森田氏は大学在学中に、2011年からダブルスクールで本学に通っておられました。ハイクオリティなCGクリーチャーを世に送り続ける森田氏は、学生時代、意外にも背景モデリングをメインとして制作を行っていて、CGソフトを操作して、ものを作れたという達成感から、クリーチャーにこだわらず制作していたそうです。
最初の課題で、美大出身の同級生がとてもレベルが高いものを作っていたのを目の当たりにし、その方を目標として、オールナイト制度も活用しながら、努力を重ねていったとのことでした。
それでも大変だと思ったことはないそうで、それくらいのめりこめる環境だったと振り返る森田氏は、「CG Student Awards」(2016年より「The Rookies」に改称)という学生のCGコンテストで受賞されました。その内容もクリーチャーメインではなく、背景モデリングをフューチャーした卒業制作を中心にリールをまとめていたそうで、とても驚きました。


クリーチャー制作は卒業後、独学で学ばれていましたが、最初の1年くらいは作品のクオリティに満足できず、アナトミーも含めて造形の勉強を続け、ようやく説得力を持たせられるようになっていったとのことです。
森田氏が執筆される、「CGWORLD」における「OBSERVANT EYE」(クリーチャー制作Tipsの記事)が連載1年を迎えられた2016年には、ワークフローは固定しており、さほど時間をかけなくても一定のレベルを作れるようになったそうですが、デザインには悩まれていたとのことでした。
そこでいろんなデザインに挑戦し、模索していた時期が自身を成長させたと話され、自分の殻を破って、新しい領域へ踏み出すことの大切さを思い知らされました。


それまでは業界受けするよう無意識に心がけていたが、2018年からは吹っ切れて自身が理想とする作品を制作するスタンスになったという森田氏は、作風がさながらラウドロックからポップへと変化したと話されておりました。
私も最近の森田氏の作品を拝見して、アート系の美しい作品が増えてきたことを感じておりましたが、その振り幅の広さに驚きました。
森田氏は現在、海外からの案件も受注しつつ、造形作家としても活躍される中で、さまざまなCGソフトを使い分けられていることも印象的でした。
最近ではシミュレーションで注目されるHoudiniを積極的に学ばれ、作品表現に取り入れるなど、森田氏の現状に甘んじることなく、常に新しいことに挑戦し、進化を続けようとする姿勢には大変感銘を受けました。

参加者からは多くの質問が

 質問コーナーでは、学生からさまざまな質問が出されました。
「大学生のときにCGでいこうと思ったのはなぜか?」という質問に対し、CGの場合、ソフトを扱えることのスキルセットが仕事に直接繋がりやすいと考えたからだそうで、美術のアカデミックな勉強をしたことがない人にとって、イラストなどのアナログ表現は最初の一歩が大きいのに対し、CGはソフトの使い方を覚えればものは作れるし、次第に完成度の高い作品に仕上げていけたこと=成功体験を積み重ねていったことに達成感を感じられたとのことでした。
また本学在学中に、レベルが高い人がいたことをプラスに捉え、超えたいと思う指標が身近にいることは良いことだと話されていました。
体系的な美術の勉強をしてこなかったという点や、現在、ハイレベルなCG制作をするクラスメートに囲まれ刺激を受けている私にとって、とても共感できるものでした。


「クリーチャーに説得力を持たせるために、解剖学はどう勉強したか」という質問に対し、森田氏は造形家である片桐氏のセミナーに通われたりしたそうで、1年くらいは解剖学を勉強するべきで、そのあと作品に昇華していくものだが、解剖学にしばられてすぎても良くないので、自分のデザインに落とし込むのにどうしても時間はかかるとのことでした。


「学生時代はどのように勉強したか」という質問では、入学してからCGソフトであるMAYAの授業が開始されるまでの1ヶ月間に、動画教材を2周し、操作方法について頭に叩き込んだとのことでした。授業が始まったときには一通りの操作ができて、自身で制作を行える状態になっており、卒業制作までにいくつかある課題を区切りとして、必要なスキルを補っていく中で、自身の方向性を見つけていってたくさん制作を行なっていたそうです。
操作がおぼつかない中では、自分の理想を描き切るのは困難なので、そこは割り切ってとりあえず半年は大量にアウトプットし、好きな表現がわかったら、残り半年でその表現を昇華していって完成度の高い作品を目指すのが良いとのことでした。
森田氏自身もアニメーションやコンポジットなど、CG制作の工程を一通りやった中で特にモデリングが良いと感じられ、苦手なものを切り捨て、卒業制作は物量でみせたそうです。


「作品をつくる上で、特に意識されていることは何か」という質問では、直線や曲線など形のコントラストがわかりやすいものを好まれ、自身の作品では直線が突き抜けているものや、大きいカーブのなかに小さいカーブを入れたりといった表現をされているそうです。
自分の好みを見つけることはとても大切で、それを見つけてからもアウトプットまでにさらに時間かかるとのことで、日頃から心ひかれるのはその造形の特にどの部分なのかを探したり、自分の感情を観察する癖をつけることが大事と話されていました。色々な作品を客観視して得られたポイントを、自分の制作に活かすことが重要であると感じました。

今回のお話を通じて、着実に実績を積み重ねていった森田氏が、どの時点においても自発的に学ぶことを怠らず、ストイックに自己研鑽を続けていることに気づかされました。若くして国内外にて脚光を浴び、圧倒的クオリティの作品を生み出す孤高のアーティストである森田氏は、私にとっては雲の上の存在でしたが、CGに真摯に取り組む一面が見えたことで、より身近に感じられたと同時に、一人間としての尊敬の念がより一層高まりました。
私も努力を継続し、魅力的なCGの世界で精進していきたいと思います!大変貴重なお話をありがとうございました。

受講生によるレポートはいかがでしたでしょうか?


CGWORLD「映像制作の仕事展」とデジタルハリウッドのコラボレーションイベント『映像制作を仕事にする理由』
森田悠揮氏が登壇にご登壇いただきました。

デジタルハリウッドではWスクールをしながら学ばれる方も多く、そんな方々がどのように学べばいいのか参考にすることができましたといった感想や、卒業生から直接制作対する心構えなどをお聞きできてモテベーションが上がりましたといった感想も出ていました。


最後は質問の行列ができていました。そんな中、丁寧に回答くださった森田悠揮氏。今回はデジタルハリウッドのイベントにご登壇いただき、ありがとうございました。今後のご活躍も期待しております。


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