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Web業界の就活
思わず採用したくなる「ポートフォリオ」とは?

2021-02-01

「Webデザインに興味はあるけど、文系の私には無理?」「ポートフォリオの作り方がわからない!」「美大卒じゃないと採用されないって本当?」と、Web業界での就活に悩んでいる人はいませんか?


そんな悩み多き学生の皆さんに、「スキルや学歴よりも大切なものがある」と話すのは、Web業界の人事部で採用を担当している、株式会社博報堂アイ・スタジオの八島さんと株式会社グッドパッチの井上さん。2021年2月にデジタルハリウッドSTUDIOで開催された「大学生の学びを応援!適職診断つき!タイプ別でみる Web 業界のお仕事」では、採用担当者が忖度なしで学生の質問に答えました。


この記事では、さまざまな質問が飛び交ったイベントの内容を、前後編でお届けします。Web業界の基本情報から、多くの学生が気になっているインターン事情就活で有利なポートフォリオの作り方まで、Web業界の就活情報が満載です!

まずは適職診断から!Web業界人に多い「10の傾向」

イベントの冒頭で行われたのは、簡単な適職診断。次に挙げる項目は、デジタルハリウッドSTUDIO講師を勤める久保田涼子さんが考案した「Web業界の人に多く見られる10項目」です。あなたはいくつ当てはまりますか?


1.毎日決まった場所や時間に現場に行くことが苦手だ(ルーティーンワークが苦手だ)。

2.フットワークが軽く、行動派だ。

3.アニメや漫画、映画、絵画、ゲームなど創作物が好きだ。

4.世の中の常識やルールに時々疑問を持つことがある。

5.好奇心が旺盛で新しい物・場所が好きだ。

6.自分の考えを人にだいたい上手く伝えられるほうだ。

7.人の気持ちを察したり気遣いができたりするほうだ。

8.初対面の人と会う機会は嫌いではない(コミュニケーション力があるほうだと思う)。

9.自分のやりたいことやアイデアを持っている。

10.メールや電話のレスポンスは早いほうだ。


すでにWeb業界で働いている参加者から届いたのは、「6つ〜8つ当てはまる」「特に5の『好奇心が旺盛で新しい物・場所が好き』という社員が多い」という声でした。


しかし久保田さんによると、少ないからといって悲観する必要は全くない、とのこと。分業性により多種多様な仕事が存在するWeb業界では、自分の性格に合ったポジションで働くことができるそうです。


とはいえ、普段の生活でWebサイトの制作工程を知る機会はほとんどありません。一体どのような職種の人がWeb業界で働いているのでしょうか?

裏側を大公開!一目でわかる「Web制作のワークフロー」

Web業界の仕事とは?と聞かれてよく挙げられるのは「Webデザイナー」や「プログラマー」「エンジニア」などの職種ですが、裏側を覗いてみると多数の仕事が存在します。Webサイトの制作を受注した場合、サイトの公開までには次の図のように10以上の工程があります。

プロデューサーやプランナー、ディレクターのように、顧客の意向を汲み取る仕事もあれば、HTMLやJavaScriptなどのプログラム言語を書く仕事もあります。

例えば、先ほどの10項目のなかで「6.自分の考えを人にだいたい上手く伝えられるほうだ」に当てはまる人は、ディレクターに向いているかもしれません。WebサイトのデザインやプログラミングだけがWeb業界の仕事ではないと知っておくだけでも、就職先の選択肢は大きく広がります。

デザイナーの仕事は大変?採用担当者に直接聞いてみた

引用:イベントスライド

次は、参加者から届いた質問に採用担当者が答えるコーナーです。参加者は、株式会社博報堂アイ・スタジオの八島彩美さんと、株式会社グッドパッチの井上亜優さん。実際に新卒採用を担当している人事のお二人に、本音で答えていただきました。

Q.1 デザイナー職ってどんな仕事? 簡単に教えてください。

井上 :デザインと聞くと表層を美しく整えることを想像する人が多いと思います。ただ、Goodpatchが考えるデザインはユーザーを起点とした体験を設計することです。Jesse James Garrett 氏が考案したUXの5段階モデルという概念がわかりやすいと思います。(下記図参照)。Goodpatchのデザイナーは、戦略から表層まで一貫して手がけます。


八島 :弊社のデザイナーも、社内のプロデューサーやエンジニアなどのスペシャリストとチームを組み、企画を立案しています。大規模な企業サイトや、プロモーションサイト、アプリはもちろん、最近はオンライン上のイベントを企画することもありますよ。

Q.2 「UIデザイナー」「UXデザイナー」というワードをよく聞きますが、どんな仕事ですか?

井上 : Webサイトを制作する際、画面に表示するボタンの大きさや位置、フォントなどを考え、ユーザーにとって使いやすくわかりやすい見た目をつくるのが「UI(ユーザーインターフェイス)デザイナー」です。

一方、ユーザー体験そのものをつくるのが「UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナー」です。

例えば、Webサイトで商品を買う際、「商品の情報に迷わずたどり着き、ストレスなく購入し、到着も早くて満足した」という体験を作るなどが変わりやすい例です。

Q.3 イラストや漫画を描くのが得意です。デザイナーになったら、その能力をいかせますか?

八島 :案件によっては、イラストが得意なデザイナーがサイト内の挿絵を描くこともあります。ただ、「イラストレーター」としてイラストのみを請け負う社員がいる、という話はあまり聞かないですね。

Q.4 Webデザイナーは飽和状態だという話を聞いたことがありますが、本当ですか? またデザイナーの将来性についても教えてください。

八島 :技術の発達によって、誰でも簡単にスマホやパソコンでデザインができるようになったので、見方によってはデザイナーが飽和状態だと言えるのかもしれません。

でも、課題を解決するために目的や手段を考えて、効果的なデザインに落とし込めるデザイナーは一部だと思います。そこを意識してもらえれば、将来性はあるのではないでしょうか。


井上 :短期的には、「UIデザイナー」と「UXデザイナー」のニーズがどんどん高まっていくと思います。今後は、そこからさらに職種が細分化するのではないかと予想しています。

テレワークOK、フリーランスも可!Web業界のリアルに迫る

ここからは、人事担当者に加えてデジタルハリウッドSTUDIO講師の久保田涼子さんもQ&Aに参加。実務経験があるからこそわかるWeb業界の現状について、詳しく聞きました。

Q.1 Web関連の会社には、個性的な社員が多いイメージがあります。社員に共通している趣味や好きなことがあれば、教えてください。

井上 :弊社は、新しいもの好きな人が多いですね。1月下旬から日本で一気に流行ったClubhouseは、一部の起業家の間で話題になり始めた当初から大勢の社員が使いこなしていました。それから、読書家も多い印象です。読書をしたり、新しいものに触れたりすると、提案力の幅が広がったり、クライアントの業界/事業理解のキャッチアップスピードが上がったりすることにつながっていますね。

Q.2 Web業界は、会社員からフリーランスになる人が多いイメージがあります。会社員として長く働く道はありますか?

久保田 :もちろんあります。大手企業でWeb担当者として働いている人もいれば、企業のインハウスデザイナーとして、ECサイトやWebサイトを制作している人もいます。

また、制作会社で働いている人や、副業でWeb関連の仕事をしている人もいます。会社員とフリーランス、どちらも自由に選べるのがWeb業界で働くメリットの一つです。

気になる「インターンシップ」 選考で重視されるのは?

続いてのQ&Aは、Web業界のインターンシップについて。2問目以降は、人事担当者に加えてデジタルハリウッドSTUDIO卒業生の奥村奈々さんと佐藤沙織さんも参加し、インターンシップ経験者に生の声を聞きました。

Q.1 人事担当の方に質問です。インターンシップに参加するためには、どんな能力が必要ですか?

八島 :総合職のインターンシップの場合は、特別なスキルは必要ありません。インターンの書類審査や面接では、志望動機や、弊社のインターンで叶えたいことを重点的に聞きました。

Q.2 インターンシップ経験者の方に質問です。インターンシップに参加した経緯や、大変だったことを教えてください。

奥村 :「Wantedly」というアプリで調べて応募しました。私が参加したインターンシップの内容は、エンジニアやマーケター志望の学生と3人1組になり、1週間でWebサービスをつくるというもの。エンジニアから技術的な要望を聞き、マーケターの意向を汲んでデザインを考えるなど困難の連続でしたが、社会人になる前にいい経験ができたと感じています。


佐藤 :私も「Wantedly」で調べました。インターンシップで特に鍛えられたのは、デザインを言語化する能力です。チームで一つの仕事に取り組む場合、デザインの意図をメンバーに伝え、共有する必要があります。

自分のデザインを言葉にして掘り下げていくことで、ブラッシュアップできるようになりました。

Q.3 インターンシップに参加する際、ポートフォリオは必要でしたか?

佐藤 :私が参加した企業では選考の際に必要だったので、「MATCHBOX(マッチボックス)」などの誰でも簡単にポートフォリオを作成できるサービスを活用しました。選考では、デザイナーになりたい理由や、自分が目指すデザインなど、ポテンシャルに関する質問が多く、そこで熱意を伝えられたから選ばれたのではないかと思っています。

※ポートフォリオについては、後編の記事で詳しく解説しています。

ダブルスクールに挑戦!学費はどうやって用意した?

引用:イベントスライド

最後は、スキルを身につけながら実績を積む近道としてダブルスクールを選んだ、3人の大学生への質問。デジタルハリウッドSTUDIO卒業生の奥村さんと佐藤さんに加え、在学中の櫻田治朗くんにも話を聞きました。

Q.1 ダブルスクールに挑戦しよう、と決めた理由を教えてください。

佐藤 :「自分が本当にやりたいこと」に気づいたからです。元々デザインに興味があったのですが、大学進学の時点では諦めていました。入学後に考え直してデザインを学べるスクールを探し、ダブルスクールをスタート。一歩踏み出したことで、人生が変わったと感じています。


櫻田 :僕の場合は、コロナの影響で大学の授業がオンラインになり、学校に行く機会がほとんどなくなってしまったので、「人とのつながりを増やしたい」という気持ちがありました。当初は大学卒業後に通おうと思っていましたが、授業がオンラインになったことで時間に余裕ができ、在学中に通おうと決心しました。

Q.2 ダブルスクールの学費は、どうやって工面しましたか?

奥村 :両親に半額払ってもらい、残りの学費とPC代はアルバイト代から捻出しました。最初は親に反対されていましたが、最終的に「そんなにやりたいなら、まずは自分でWebサイトを作ってみなさい」と言われ、ネットで検索しながら作り、ようやく納得してもらえました。


佐藤 :私は一旦両親に払ってもらい、いま返済しているところです。有給のインターンシップに参加しているので、その収入や、デジタルハリウッドSTUDIO講師から引き受けた仕事の収入を当てています。

先生は私のスキルに合わせて仕事を振り分けてくれるので、無理のない範囲で仕事ができ、とても助かっています。

Q.3 ダブルスクールをしている間、どうやって勉強していましたか? おすすめの勉強方があれば、教えてください。

櫻田 :僕は人と話すのが好きなので、2時間作業をして30分くらい誰かと話す、という流れを繰り返していました。そうすることで、集中力だけでなくモチベーションも上がりました。


佐藤 :インプットした情報を、積極的にアウトプットしていました。習得した知識を使って実際にWebサイトを制作すれば、ポートフォリオの作品も増えますよ。

この他にも、イベントでは参加者から多くの質問が寄せられました。後編では、採用に有利なポートフォリオの作り方について、詳しく解説します。



取材・文/華井由利奈 構成/鳥井美沙、山崎有紀(デジタルハリウッド株式会社)








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