2022年9月28日(水)にオンラインにて開催された、 「サイバーコネクトツー代表 松山氏による ゲーム業界セミナー」 の内容を一部、皆様にお届けいたします。 有名なゲーム作品を数多く手掛けてこられたサイバーコネクトツー代表の松山氏をお呼びし、ゲーム業界を目指すにはどうすればいいのか、具体的な方法や手段をお話してくださいました。
ゲーム業界への就職を希望される方は必見の内容となっており、これを知っているかどうかで、皆さんの生活や勉強方法が大きく変わる貴重なお話でしたので、ご興味のある方は是非ご覧ください!
1.登壇者の紹介
登壇者 株式会社サイバーコネクトツー代表をご紹介!
代表取締役
松山 洋
博多にある元気なゲーム制作会社サイバーコネクトツーの代表兼ディレクター。
開発の傍らで毎月、60冊の漫画誌を読んでいる大の漫画好き。アニメや映画、もちろんゲームも漫画も幅広く、こよなく愛している。
非常に"濃く""熱い"人間である。
http://www.cc2.co.jp/
2.イベントの様子
イベント内で語られた内容をご紹介!
■ 会社の紹介
サイバーコネクトツーは今から26年前、1996年に福岡で誕生したゲーム会社です。 現在は、 福岡/東京/モントリオールを拠点とし合計300名のスタッフが働いています。 日本にも多くのゲーム会社がありますがサイバーコネクトツーはどこが違うかというと 【家庭用のゲームソフト に特化している会社】 になります。
弊社の本業は、ゲーム制作会社ですが面白ければゲーム以外にも何でもやる会社です。逆に面白くなければやらない会社です。実は 【チェイサーゲーム】 というゲーム業界を舞台とした 漫画も弊社で手掛けており、今はちょうどドラマなども放送しておりますが、両方とも非常に反響の大きい作品となってますので、是非ゲーム業界を志望されている方は見て頂ければと思います。
■ サイバーコネクトツーの新卒採用状況について
早速ですが、いきなり弊社の新卒採用の数値からお話しておきますと。。。
サイバーコネクトツーの最終内定率は。。。5%です!
まずは、この現状を受け止めて頂きたいです。一見この数値で見ると、とてもハードルが高いように感じるかと思います。ですが実は弊社だけが特別珍しいわけではなく、大体のゲーム会社が5~10%ぐらいです。
我々としては特別ハードルが高いわけではなく、実態として最低限の能力を身に着けずに応募される方がおられるので採用まで至らず、この数値になっています。この状況を踏まえた上で、どのようにしたらゲーム業界に就職することが出来るのか具体的にお話していこうかと思います。
■ ゲーム業界攻略法
1.自分の目標を明確にしよう。
よく学生さんであるのが、「なんとなくゲームが好き」「なんとなくゲーム業界に行きたい」とふわっとされている方が多いです。ただそれだけではダメで、実際にゲームで遊ぶのと同じように攻略しないといけないんですね。なのでまずは、
自分がどの仕事を選ぶのかを決めなければならない! というのが大事です。
ゲーム会社にもたくさんの仕事があり、その中から専門的に勉強しないといけないわけです。ですが、ほとんどの学生さんが安易に「なんとなく企画かな。。。」「とりあえずキャラクターモデラーかな。。。」と決めてしまっており、自分の適性を見極めずに勉強を始めてしまうので、身につくものも身につかないという状況の方がいらっしゃいます。 では自分の合った能力を見極めるためには何をしないといけないか、それは、一通り経験する、そしてどんなお仕事があるのか情報収集することが大事なわけです。
2.業界のことをしろう
今、国内だけでも多くのゲーム系ニュースサイトや雑誌があるかと思います。こういうのを活用することは大事なのですが、学生さんでよくあるのが、自分の興味のある作品の情報だけをかき集めてしまう事です。
自分の好きな情報ばかりを追いかけている方は、 【ファン】 や 【オタク】 の方になるんですよね。その状態ではプロにはなれないです。 本気でゲーム業界を目指す人は自分の好き嫌い問わず情報収集をしています。つまり業界の中で何が起こっているのかを知る必要があるわけです。
・どういうお仕事が需要があるのか
・どういう勉強をすればゲーム業界に入りやすいのか 等
幅広く情報を収集することで、自ずと見えてくるわけです。もちろん好き嫌いはあるかと思いますが、自分の好きな作品だけだと情報が偏ってしまい、盲目になってしまうので、好き嫌い問わず情報収集してほしいです。ゲーム業界を目指す以上、プロの視点でゲーム業界全体を見渡す必要がありますし、やっぱりそういう準備が出来ている方を、我々は採用しますね。
3.分析する癖を身につける
現在ゲームを制作するにあたって数百人単位でゲームを作っています。その中には、毎日CGやプログラムを作ったりしているだけではなく、皆と話し合いながら作っていきます。そういう場面で情報収集が出来ていない方は、ミーティングや打ち合わせには参加出来ないという事になります。ですので常日頃から、情報収集をする事をクセづけておくことがとても大切です。
4.とにかくゲームをつくろう!
ちなみに弊社の新入社員にアンケートで学生時代に作ったゲームの数は 平均7.6作品 です。ほとんどの人間が8~9本ぐらいのゲームを作ってます。 よく質問されるのは「小さな作品をたくさん作るよりも、クオリティが高い作品を1本作った方が良いですか?」と質問されます。 ですが、我々プロからすると学生の段階でクオリティを語るのは10年早いと思っています(笑)。
上達するためにも、まずはテトリスのような簡単なものでも良いので、たくさんゲームを作ることが大事ですね。たくさん作っていけば一定の経験値と能力の向上が見受けられるので、我々としても信用出来ます。そして最終的にはアクションゲームまでたどり着けば、100%内定が出ると思ってもらっていいと思います。
■ おわりに
本日、色々とお話させて頂きましたが覚えて頂きたいことは「ふたつだけ」です。
「たくさん遊ぼう!」&「たくさんゲームを作ろう!」 です!
好きでこの業界に入るかと思いますので、遊ぶことが好きでないとダメです。もう一つはとにかくゲームを作ってください。これに尽きると思います。是非、覚えて帰っていただきたいなと思います。
3. 質疑応答コーナー
よくある質問 FAQ
Q 「現在のゲーム開発の制作期間・人数について教えてください。」
こちらは目安ですが、大体の企画が1年、開発が3年ぐらいになってます。人数は企画の段階では30~50名でスタートして、本開発で200名ほどに増やし、仕上げの段階では80名ほどで行っていきます。なので、開発をスタートした時点では人数は少なく、途中から人数がグッと増え、最後は人数を絞って仕上げていく流れになります。作品によっては4~5年ぐらいかかる物もありますし、場合によっては2年で仕上げてしまうプロジェクトもありますが、弊社は大体この期間で開発していきます。
Q 「専門学校と大学とどちらが採用されやすいですか?」
どっちもあまり関係ないですね。能力がある人を採用しますので、学歴がどれだけ素晴らしくても能力が低ければ採用まで至らないので、ゲーム作れるか、そしてちゃんと評価できる作品になっているかが大事です。学歴/国籍/年齢/性別は何も関係ないです。能力が一番大事です!
Q 「ポートフォリオで重視している点を教えてください」
今は、ほとんどオンラインエントリーになりますので、弊社のWebサイトにエントリーフォームがありますので、そちらから応募して頂きます。基本的には作品のURL(YouTube等の動画)を見せて頂き評価していきます。ゲーム作品に関してはデータ頂いて、それを実際にプレイしてチェックします。プログラマであればソースコードまで全部チェックしますね。重視しているのは作品の 「質」 そして 「物量」 ですね。そして作品はゲーム作品を、CGアーティストであればCG作品を見せて頂き、プログラマ-であればゲーム作品と技術的なアピールポイントを見せてほしいですね。先ほどもお話している通り、実践がとても大事ですので、それをポートフォリオでアピールしてください。
Q 「新入社員に求める技術力はどの程度ですか?」
まずはゲームを8~9本作れるぐらいの能力がある方ですね。それだけあれば最低限は良いかなと思います。弊社では同じ時期の社員でも、1年目から査定を行いますので、実はお給料も違っています。どこまでやればいいのか、詳しく知りたい方は、サイバーコネクトツーのYouTubeチャンネルなどに作品をアップしておりますので、ご確認いただければと思います。
Q 「ゲーム業界で活躍できる人材、または必要とされる人材とはどんな人ですか?」
技術としては先ほどお話しましたがゲームを作れる人ですね。小さいものでも良いので、たくさん作って「作る能力がありますよ」と技術をアピールしていただければと思います。性格的な意味では漫画やゲーム、アニメや映画などの、ありとあらゆるエンタメが好きな人、そういう方が一緒に仕事したいと思われる人材だと思いますね。もちろん人それぞれですので、広く浅く知っている方もいれば、特定の分野に突出して詳しい方も、それはそれでアピールになると思います。やっぱり何かしら好きで夢中になれるものを持っている方が信頼されると思いますし、人材として求められるのかなと思います。
Q 「ゲーム業界で働くやりがいを教えてください」
これは私の言い方になってしまうのですが、 やりがいしかないです (笑)。もちろん社長という立場もありますが、私はとにかくエンタメ業界が大好きなんですよ。漫画が好き、アニメが好き、映画が好き、そして ゲームが好きなんです。ちなみに弊社では週刊少年ジャンプを読んでいないと怒られる会社なんですよ。普通の企業ではジャンプ読んでないと怒られるってありえないと思うのですが、好きな人にはたまらないと思うんですよ。当たり前のように読んで、毎日自分達が好きなことをやって、ゲームが発売されればお客様に喜んでもらえて、そしてお金を頂けるって、「こんな幸せなことがあって良いの??」と思いますよね。もちろん誰もが出来るわけではないかと思いますが、少なくとも弊社では、そんな人間達ばかり集まってますのでやりがいしかないと思いますね。
あと昔は、不眠不休で頑張って家にも帰れずという業界のイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思うのですが、今はそんな働き方は出来ないです。ちゃんと管理されてますので、勝手に残業したり休日出勤も出来ないので、きっちりと限られた時間の中で、しっかり結果を出すというのが求められます。 あと、これはデータで出ていますので、はっきり言いますが、正直他の業種と比べて平均年収が高いです。ゲーム業界だけで出すと、他の異業種と比べても【20%】ほど高いですね。これも一つのやりがいにはなるんじゃないかなと思いますね。
4.最後に
本日は、 皆さんにゲーム業界をどのように攻略していけばいいのか、必要な情報をお話させて頂きました。はっきりとやることは決まっていますので、やることをやっていれば採用しますし、やっていなければ不採用になります。なので正しい努力をして、真っ直ぐゲーム業界に入ってもらえればと思います。もちろん弊社に入社して頂きたいですが、それが難しければ、他のゲーム会社に入っていただいて、ゲーム業界全体を楽しくできればと思いますので、是非一緒にやっていきましょう!
そして、ゲーム業界を学ぶのであれば【チェイサーゲーム】を読んで頂き、ドラマも観て頂いて、学んでいただければと思います。そのために作りましたので(笑)。よろしくお願いいたします。
それでは本日はお話を聞いて頂き、そしてたくさんご質問してくださりありがとうございました。皆さんからのたくさんのご応募、お待ちしております。
今回はサイバーコネクトツー代表の松山氏をお呼びして、ゲーム業界セミナーという形で【ゲーム業界攻略法】についてお話して頂きましたが、皆さんいかがだったでしょうか?
CGを勉強されている皆さんも、普段の授業ではなかなか聞けない貴重な業界のお話を聞けたのではないでしょうか?またゲーム業界を目指す以上はゲームが好き、そして何よりエンタメが好きでないといけないという、松山氏の熱い思いが、とても伝わってきたセミナーだったのではないでしょうか。今回、ご参加いただいた方々をはじめ、こちらの記事を読んでくださった皆さんも、是非今からの生活や勉強に活かしていきましょう!
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あらゆる映像作品に用いられるようになった3Dコンピューター・グラフィックス(3DCG)。その制作に必要な技術をオリジナル作品を通じて基礎から業務レベルまで学びます。プロ使用の3DCGソフトウェアによる映像制作スキルの習得を軸に、観察力・表現力を向上させるテクスチャ演習、CG概論等、幅広く学習します。
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