こんにちは。デジタルハリウッドSTUDIO講師の久保田です。
私は今、卒業生を訪ねてトルコのイスタンブールに来ています。
デジタルハリウッドSTUDIOのWebデザイナー専攻を検討されている方の中には、「子育てと仕事を両立したい」「海外にいても働けるスキルを身につけたい」「自分のペースで仕事がしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回は、日本とトルコを拠点に「チームランス」として企業や個人のWebサイト制作を行っている「LINKPEER(リンクピア)」の飯田綾子さんと牛木紗也佳さんにお話を伺いました。
【目次】
卒業生プロフィール|日本とトルコ、2人のWebデザイナー
今回お話を伺ったのは、デジタルハリウッドSTUDIO自由が丘「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」卒業生の 飯田綾子さん(日本在住・写真左)と牛木紗也佳さん(トルコ・イスタンブール在住・写真右)です。
飯田さんは、9歳と6歳のお子さんを育てながら、ディレクション・デザイン・コーディングを担当。
牛木さんは、旦那さんの転勤で2025年からトルコ在住。5歳と1歳の子育てをしながらディレクション・デザインを担当しています。
Q. デジタルハリウッドSTUDIOに入学する前は、どんなお仕事をされていましたか?
飯田:新卒で銀行に入行し、その後転職して、外資系金融機関や大手メーカーで事務や総務の仕事をしていました。
牛木:IT業界の営業職を経て、航空会社で客室乗務員として国内・国際両方の乗務をしていました。
Q. Webデザインを学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
飯田:仕事の落ち着いた時期でも職場に通い、ただ席に座っているだけの日があることに、少しもどかしさを感じていました。せっかくなら、自分のペースで働ける道もあるのでは?と考えたとき、フリーランスという働き方に興味を持ち、Webデザインへと進むきっかけになりました。
牛木:第二子妊娠期に配属された部署の中でHTMLの構文に触れる機会があり、PCに触れる楽しさを感じていました。それと同時に夫の転勤が決まり、どこでもできるスキルが欲しいと思い学習を開始しました。
トルコで再会!飯田さんが牛木さんを訪ねた時のオフショット
チームランスを組んだきっかけ
2人は、フリーランスとして活動するなかで、お互いの強みを生かしながら
「個人ではなく、チームで価値を届ける」という働き方を選びました。
Q. お二人がチームランスを組んだきっかけを教えてください。
飯田:卒業後、講師の久保田先生が主催するOJTに応募して、同じ案件に携わったことがきっかけです。仕事に対する温度感や、将来こうなりたいという目標が似ていて、2人いればどんな案件でも対応できると思いました。
牛木:制作に対する価値観や温度感が似ていたこと、1人ではできない規模の案件や得意分野の違いを補い合うことで、より良い制作ができると思ったからです。
Q. チームで仕事をするメリットは何ですか?
飯田:お互いの得意を生かせること。スケジュール管理やクオリティチェックなど、安心して任せ合えるのが大きいです。
牛木:孤独を感じないことですね。悩みを共有できる信頼できる仲間がいるだけで、WEB制作者として手を止めずに進むことが出来ています。
Q. お二人の役割分担を教えてください。
飯田:基本的には、どのフェーズでも2人で行なっていますが、日本にいるので顧客とのやり取りをすることが多いですね。
牛木:デザイン作成、構成ブラッシュアップなどをメインで行うことが多いですが、案件によってお互いに柔軟に対応しています。
海外×日本の仕事の進め方|時差・コミュニケーションの工夫
トルコと日本の時差は約6時間(夏時間を除く)。
直線距離にするとおよそ8,500〜9,000km。
この時間と距離の壁を、どのように乗り越えているのでしょうか。
Q. 時差や距離の問題はどう解決していますか?
飯田:時差を逆に活かしています。私が夜のうちに作業したものを、朝になった牛木さんが確認する、という“リレー方式”で、LINKPEERとして24時間稼働しています。
牛木:時差をうまく利用しながら業務を行っています。管理シートなどを作成し、案件ごとにファイリングをしたり、引き継ぎをパターン化して漏れがないように工夫しています。
Q. 打ち合わせはどのようにしていますか?
飯田:ZoomやLINEを使って、頻繁に連絡を取り合っています。figmaのコメントで意見を共有し合うことも多いです。
牛木:直接会える時間が少ない分、オンラインで顔を見て話す時間を確保しています。表情を見ながら話せると安心しますね。
仕事の受注方法と制作のリアル
チームで活動するうえで欠かせないのが、営業と制作のバランスです。
どのように仕事を獲得し、案件を進めているのでしょう?
Q. 初めての仕事はどう獲得しましたか?
牛木:卒業後のOJTで飯田さんを始め、仲間たちとともに「吉祥寺音楽祭2025の公式サイト」を制作したのが最初のお仕事でした。
参考:「吉祥寺音楽祭2025 公式サイトを、STUDIO卒業生5名が制作!- デジタルハリウッドSTUDIO吉祥寺 ブログ」
どんな案件でも、オーディションやコンペに参加し、実績と経験を積むことを意識しています。
Q. 現在はどのように仕事を獲得していますか?
飯田:日本にいる私が基本的な窓口となり、SNS上から繋がった制作会社や、今まで仕事上でやり取りをした方からの案件依頼、そして、有料の営業マッチングサイトを使って、新規のお客様を獲得しています。
オフィシャルサイト経由の問い合わせもあります。まとめ記事から私たちを知り、サイトからお問い合わせいただくこともあります。
Q. 制作費などはどのように分担していますか?
牛木:2分割して均等に分けています。
各案件の進捗をお互いに共有し、負担が偏っていないかを確認するようにしています。チームとしてのお互いに気持ち良い働き方ができるよう意識しています。
子育て・家庭・仕事の両立について
お二人とも小さなお子さんを育てながらの在宅ワーク。
時間の使い方や家庭との両立の工夫を伺いました。
Q. 1日の制作スケジュールを教えてください。
飯田:9時〜14時までが日中の作業時間です。常に家事をしながら仕事をしていて、ルンバや洗濯機を回しながら、ミーティングや制作をしています。トイレに行くタイミングで、お風呂掃除をしたり、昼食を食べる時に、キッチンで夕食の仕込みをすることもあります。
夕方は習い事の送り迎えの間に作業。夜は子どもが寝たあとに2時間ほど作業することもあります。
牛木:トルコでは家族との時間を大切にしています。
日中はなるべく家庭を優先し、子供の昼寝の時間や、夜に作業することが多いですね。特に下の子がまだ1歳なこともあり、自宅保育をしながらなので制限も多く、夫に協力してもらうことも多いです。
Q. 家事・育児と仕事を両立する上で大切にしていることは?
飯田:ミーティングや仕事で外出が多い日は、夕食を外食で済ます時もあります。洗濯物が溜まる時も。ただ、ずっと忙しさが続くわけではないので、家事や育児は、1週間単位で考えるようにしています。
牛木:トルコではほとんど日本にあるようなお惣菜などが手に入らないので、自炊が必須です。料理や掃除のタイミングを決めて、一気に集中して家事をすることが多いですね。
家族との時間を大切にしながら、隙間時間で参考サイトをみたり、日常の中で出来ることを間に探しています。
これからWebデザインを学びたい方へのメッセージ
在学中、実案件へのオーディション応募や講師から相談された案件に積極的に参加してきた2人。
これからWebデザインを学びたい方へのメッセージを最後に伺いたいと思います
Q. Webデザインを学ぶ上でのアドバイスを教えて下さい。
飯田:とにかくどんなことでもやってみること。制作して、手を動かすこと。他の人のいいところを自分の糧にすることだと思います。
フリーランスは、人との繋がりでお仕事をいただくことも多いです。デジハリでも多くの勉強会・交流会が開催されていますので、活用するといいと思います!
牛木:怖がらず実案件に挑戦すること、そしてなにより、進み続けることです。諦めないで欲しいと思います。
海外で仕事をされる場合は、ビザや駐在先、旦那様の会社によって制限があるのでそこはしっかり確認をしてくださいね。Web制作は年齢や環境に関係なく挑戦出来ます。迷っているなら、まずは一歩踏み出してみてください。
Q. 今後どんな案件に携わっていきたいですか?
飯田:何かを成し遂げるために頑張っている人の魅力が伝わるようなサイト制作をやっていきたいです。Webデザイナーの仕事は、どんな業界にも対応できるので、色んな方の応援ができて、本当に有意義な仕事だと思います。
牛木:今後は海外の案件を増やしたいと思っています。それに向け、海外にいる強みを活かして、文化の違いを越えて”伝わるデザイン”を習得したいです。
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