Webディレクター

公開日:2018-10-01

Webディレクターとは

「Webディレクター」は、制作進行役となりデザイナーやエンジニア、プログラマーなど、プロジェクトに関わる人々をまとめ、監督、指揮、管理をするお仕事です。クライアントの要望を聞きだし、最適なコンテンツを完成に導くWebコンテンツ制作において間に立つ責任者です。高い企画力や提案力、品質管理能力、スケジュール管理能力、コミュニケーション能力などが必要になります。
業界を問わずWebサイトは商品のプロモーションや販売促進などに必要不可欠ですので、社会全体から必要とされる職業として人気です。

どんな仕事・業務?

Webディレクターの主な仕事内容は、クライアントの抱える課題に合わせて最適なアプローチの企画提案、要件の定義、デザイナーやエンジニアなどメンバーのアサイン、公開までの全ての進行を行います。Web制作会社にて直接クライアントと取引をする場合は、見積書作成やお金の管理も行います。また様々な案件が同時に進行する事が多いため、メンバーのスケジュール管理も行います。
自分でデザインの修正をしたりコードの修正を行うことも稀にありますが、基本的には自分は手を動かさずメンバーに依頼し任せます。つい自分でやってしまいたくなる場面もありますが、デザインはデザイナーに、プログラミングはエンジニアに任せ、自分はメンバーが作業しやすい環境整備をしていきます。

どんなソフトウェアを使うのか

Webディレクターの業務の中で、企画書や提案書、要件定義書作成や、スケジュール作成や数字の集計をする事が多くあります。そのため、「Word(ワード)」「Excel(エクセル)」「PowerPoint(パワーポイント)」などのoffice系ソフトを使用する事が多いです。
その他にも「Adobe XD(Adobe Experience Design)」などを用いてワイヤーフレームの作成をしたり、スケジュール作成や管理、タスク管理のためのツールや、場合によっては「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」などの「Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)」といったデザインソフト、HTML5、CSS3、JavaScriptなどの言語を使用することもあるので基礎知識を持っておく事が必要です。

どのような職場がある?

主に制作会社や広告代理店でWebディレクターとして勤務する事が多いです。その他にもECサイトやニュース配信、映像配信などのWeb事業を行う企業や会社のWeb担当者として働く、クライアントの職場や制作会社で常駐して働く、経験を積んでいきフリーランスのWebディレクターとしてプロジェクト毎に参画しながら働くケースなどがあります。
近年、Webサイトは業界を問わず商品のプロモーションや販売促進などに必要不可欠となっているため、自社でデザイン室やクリエイティブ室、広報室などでWebプロモーション用のWebディレクターを採用し、制作会社とのコミュニケーションを図りながら自社商品のPR施策を考えていくというケースも当たり前になってきています。

業務例

出社したらまずはスケジュールやタスクチェックを行い、クライアントに進捗報告やデザインの確認を出したり、デザイナーやエンジニアの確認依頼に対してチェックをし、問題が起きた場合は話し合い解決をします。
ディレクターは打ち合わせが多く日中は外に出てクライアント訪問をしてプレゼンテーションなどをしていることも多いです。
プロジェクトにおいてトラブルや修正が発生した際は臨機応変に対応し、常に客観的な対応でデザイナーやエンジニアにとっても無理のないベストな指示を出します。
その他にも「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」などWeb解析ツールを使い、サイトを分析して改善点などを洗い出し改善策を策定したり、A/Bテストなども行います。

働き方は?

正社員として制作会社や広告代理店、自社でWeb事業を行う企業に勤務し、スキルを積んでいく事が多いです。しかし専任のWebディレクターの採用が難しい企業の場合は、自社サイトのコンサルティングや更新をフリーランスのWebディレクターに外注するケースもあります。フリーランスのWebディレクターはそこからフリーランスや企業のデザイナーやエンジニアに仕事を回していき、ディレクションを行います。パソコンとWebの知識があれば自宅で仕事ができることもあり、人気の職種の1つです。

収入(年収・月収)は?

平均年収は400~600万円前後が相場といわれています。
他の職種ではスキルが重視される事が多いですが、Webディレクターは上流の工程から関わる事が多いため、比較的年収が高くなっています。マネージメントスキルやアナリティクスに関するスキル、問題を解決する能力、企画提案力、コミュニケーション能力など、実力次第ではより高い年収も狙う事が可能です。またフリーランスや副業として成功すると一気に年収が上がる可能性もあります。

将来性は?

AIの発達なども著しいですが、Webディレクターという仕事はなくならないと予想されます。理由としてはWebディレクターの仕事にはクライアントとデザイナー、エンジニアの間に立ち、双方とコミュニケーションを行いプロジェクトを円滑に進めていくという特徴があるためです。コミュニケーション能力が必要で、経営者目線で仕事を回していくWebディレクターの仕事は、まだまだAIなどの人口知能に行うことはできません。常に成長を続けるWeb業界において、Webディレクターという職種の将来性は充分にあると言えます。

どんなキャリアが歩めるか

企業で務めることの多いWebディレクターですが、Webディレクターという仕事の内容柄、フリーランスにも向いています。Webディレクターの需要が高い今、色々なジャンルに携わり活躍したい方はフリーランスにチャレンジしてみるのもおすすめです。また、WebプロデューサーやWebプランナーにステップアップする道もあります。
そのほかにも、ディレクターと名前がつく職種では技術系ディレクターのテクニカルディレクターや、デザイン系ディレクターのアートディレクターなどがあります。エンジニアやプログラマー、デザイナー出身のWebディレクターの場合はキャリアを積んでいきこういった道に進むこともあります。

求人動向

最近では制作会社だけではなく、事業会社のWebディレクターの需要も急速に伸びていきます。
企業がWebサイトを使いPRしたいというニーズは高まっている傾向がある反面、IT業界の人材不足は進んでいます。そのため、幅広い知識を持つWebディレクターの需要は伸びており、求人も増えている傾向があります。今後もIT分野は拡大を進める見込みのため、Webディレクターの価値は高まると言えます。

なるには

一般的にどのようななり方があるのか

Webデザインなどの制作経験を積みWebディレクターへステップアップする場合が多いですが、その背景としては、制作に携わる幅広い職種のクリエイターに指示を出し、顧客のニーズに応じて企画・提案するため、Webに関する全般知識やコミュニケーション能力、問題解決能力が求められます。また制作物の品質のチェックも行うなど、Webサイト制作フロー全体に深く携わるため、デザイン経験がある方が現場で重宝されるという理由があります。

未経験からなるには

最近では異業種での経験を生かして、未経験からWeb業界に関するスキルを身につけることでWebディレクターになるケースもあります。例えば、車業界で営業をしていた人がその業界での知識を活かし車や機器などのクライアントを多く持つWeb制作会社へ転職する、アパレル業界で働いていた人が前職で経験したカラーに関する知識、トレンドと消費者の動向に関する知識などを活かしてアパレル系のECサイトを運営する会社でWebディレクターとして勤務する、などもあります。業界を問わずWebサイトは商品のプロモーションや販売促進などに必要不可欠ですので、未経験からの転職も大いにあり得ます。

必要なスキル

Webディレクターになるために必要なスキルは、上でも述べたように企画書や資料作成のためのWord、Excel、PowerPointを扱えるスキルが必要になります。
また、クライアントの本質をしっかりと聞き出すヒアリングスキル、人と人をつなげるコミュニケーションスキル、提案・説明する能力が不可欠です。企業の課題を解決するソリューション力、案件を通すプレゼンテーション力も仕事では大切なので、積極的に自主練習をするといいでしょう。
デザイナーやエンジニアとコミュニケーションを円満にするために最新の技術やトレンドの知識、デザインの知識、プログラミングなどの知識もある事が望ましいです。
WebディレクターはWeb制作に直接かかわるプレイヤーではなく、全体の制作全体の指揮をとる指揮者のような役割ですので、実制作スキルよりSEO、著作権、ワークフローなどの知識がしっかりとある方が重宝されるでしょう。

必要な機材

必須な機材はパソコンです。デザインやコーディングなどを行い勉強をするのであればそれ相応のスペックが必要となりますが、そこまで重要ではありません。
最近ではiPadなどのタブレットを持ち歩きプレゼンテーションや打ち合わせを行うケースも増えています。また訪問先でネット環境に繋がらないことも考え、持ち歩きできるWi-Fiもあることが望ましいです。
そのほかにはクライアントやメンバーといつでも連絡が取れるスマートフォン、写真素材なども撮影するのであれば一眼レフやミラーレスなどのカメラも必要になります。

勉強法

未経験で入社できるところがあれば先輩ディレクターの元について経験を積むという方法もありますが、スクールに通いデザインソフトやプログラミング言語の基礎知識、マーケティングの知識をつけるという方法もあります。なぜならばデザインやプログラミングに使用するPhotoshop、Illustrator、Dreamweaverなどのデザインソフトの基本知識、コーディング(HTML5、CSS3、JavaScriptなど)のプログラミングの基本知識もWebディレクターには必要な場合が多く、知っておいた方が確実にスムーズです。
これらのスキルは、デジタルハリウッドの専科webデザイナー専攻、本科UI/UXD専攻で学ぶことができます。ソフトウェアのスキル習得は、Illustrator・Photoshop・Dreamweaverを使い、HTML5・CSS3・JavaScript・jQueryの言語を学習します。 Webデザイン基礎スキルはUIデザイン・クライアントワークで、マーケティングの知識はSEO・Google Analyticsのライブ授業、 必要な知識を学ぶ概論授業は、Web概論・著作権・ワークフロー・フォント概論・色の基本などがあります。

なるための適性は?

Webディレクターに向いている人は、制作スキルの面で必要なこととして、デザインソフトとプログラミングに関する基本的な知識があるということです。さらにビジネスの現場では売れるためのデザインやプロモーション施策を考えなければならないので、マーケティングやSEOなどの知識があったほうが良い場合もあります。
そして、ディレクターの役割として重要なミッションの1つである、クライアントの課題解決のための施策を実行するためのチームをまとめるという役割を担うことから、クライアントやチームメンバーと円滑なコミュニケーションがとれる人が理想です。
まとめると、デザインに興味がある人、社交的でコミュニケーション能力がある人、新しい情報に敏感な人、問題を解決することが好きな人、進行管理をするのが得意な人、モノづくりが好きな人がWebディレテクターに向いているでしょう。

なるための難易度は?

なるための難易度自体は高くありませんが、しっかりプロジェクトを回せるようになるにはたくさんの経験が必要になります。コミュニケーション力、デザインやプログラミングに関する知識、マーケティングに関わる知識など、身につけることは多岐に渡りますが、いろいろな経験を積むことで上手くプロジェクトを回せるようになり、努力次第で成長していけます。

なるにはどれくらいお金がかかる?

専門のスクールに通ってWeb制作に関わるスキルを身につける場合、30万円~120万円前後が多いです。内容や期間によっても価格は変わってくるため、自分の目的やライフスタイルに合うスクールを選びましょう。書籍などを参考にする場合、1冊2,000~3,000円が相場です。
また、PhotoshopなどのAdobe関連のソフトフェア使用料(全て使えるコンプリートプランで5,680円/月(税別)※学割あり)、インターネット費用(3,000~4,000円/月)、また自分でサイトを公開する場合にはレンタルサーバー代(300円前後~/月)などがあります。
すでに使えるパソコンがあれば必要ありませんが、パソコン購入費も必要になります。