公開日:2024-10-08
2023年12月にGoogleが発表したことで大きな注目を集めている「Gemini」ですが、Geminiとは何かご存知でしょうか。今回は、Geminiをご紹介するとともに、ChatGPTの違いもあわせてご紹介します。
【目次】
そもそも生成AIとは?
生成AIとは、多数のコンテンツを生み出す人工知能のことです。従来のAIは決められたことを自動化していたのに対し、生成AIは、データから学習したことを基にコンテンツを新たに生み出すことができます。生み出すことのできるコンテンツは多岐に渡り、テキストだけではなく、画像・動画・音声など様々です。
生成AIは、比較的、特別なスキルを必要とせず使用ができることから一般ユーザーの利用率も高まっています。生成AIが進化することであらゆる場面において生産性・効率性が増すと考えられています。
Google Geminiとは?
Google Gemini(ジェミニ)とは、Googleが開発した生成AIモデルの名前です。
2024年2月8日に、名称がGoogle BirdからGoogle Geminiに変更されました。
マルチモーダル型と呼ばれる生成AIに分類されます。マルチモーダル型とは、テキストだけではなく、画像・音声・コード・動画といった複数のコンテンツを処理できる型のことを指します。
Google Bardとの違いについて
Google Bard(バード)とGoogle Gemini(ジェミニ)は、名称が違うという点だけではなく、Geminiになったことで搭載されているAIも次世代型のものにアップデートされました。
元々Google Bardは、Googleが開発した大規模言語モデル「PaLM 2」を搭載していたのですが、Geminiでは、搭載されているAIモデルが「Gemini」というマルチモーダル型と呼ばれる次世代型のAIモデルに進化を遂げています。テキスト・コードだけではなく、画像・音声・動画にも対応しています。
GeminiとGemini Advancedの違いとは?
Google Bardのサービスの際は、試験版ということもあり全ユーザーが全機能を利用できました。
Geminiになってからは、無料で利用ができるバージョンと有料でないと利用のできない「Gemini Advanced」がリリースされました。違いについて見ていきましょう。
料金について
Geminiは、Googleアカウントさえ持っていれば誰でも無料で利用できます。
Gemini Advancedは、月額2,900円の有料プランです。Google OneのAI プレミアムを契約することで利用ができます。Google OneのAI プレミアムは、Gemini Advancedの利用の他、2TBのストレージ利用を含んだサービスです。また、最初の1ヵ月無料サービスなども展開しているようです。(※2024年9月時点)
データ量について
無料版Geminiは、有料版Gemini Advancedに比べデータ量は少ないものとなっています。搭載されている大規模言語モデルも異なり、Geminiの場合はGemini 1.5 Flash、Gemini Advancedの場合は、Gemini 1.5 Proが使われています。
利用方法について
Geminiは、Googleアカウントがあれば誰でも利用可能です。
〈Gemini利用方法〉
①Googleアカウントを作成
②Google検索ページで「Gemini」と検索
③Geminiトップ画面でGoogleアカウントにログイン
④ログイン後は、利用規約を確認
⑤同意を選択することで利用開始
Gemini Advancedも、Googleアカウントが必要です。もしくは、Geminiウェブアプリへのアクセスが許可されたGoogle Workspaceアカウントが必要とされます。
〈Gemini Advanced利用方法〉
①Google One AI プレミアムプランへアップグレード
②Gemini Advancedの公式サイトへアクセス
③Google OneのGemini Advancedで「トライアルを開始」を選択
④支払い方法を選択
処理速度について
無料版Geminiの場合の処理可能なトークン数は32,000、有料版Gemini Advancedの場合は1,000,000とかなり差があります。
Geminiは、標準的な処理に対応しているのに対し、Gemini Advancedでは、より複雑な処理に対応が可能です。Gemini Advancedを利用することで、入力したデータの処理が高速になり、扱えるデータ量も増えるので正しい結果・回答を得られやすくなります。
Google Geminiのおすすめポイント5選
Geminiのおすすめポイントを5つにまとめて紹介します。
おすすめポイント 最新情報に対応
GeminiはGoogleが開発したものであり、Google検索と連動しているためリアルタイムな情報も調べることが可能です。他の生成AIモデルの場合は、最新情報ではないこともありますが、Google検索と連動していることで最新情報を踏まえた回答が得られるという利点があります。
おすすめポイント Webブラウジング機能
Webブラウジングとは、インターネットにアクセスしデータを取得する機能のことです。
GeminiはGoogle検索と連動しているため、あらゆるリサーチができます。例えば、WebサイトURLをコピペし指示を出すだけで、簡単に情報収集も出来ます。世界最大規模の検索エンジンを持つGoogleだからこそできることと言えるでしょう。
おすすめポイント 画像認識
Geminiに画像をアップロードすると、画像データを読み取ってくれます。画像内の文字情報はもちろんですが、イラストや写真自体の認識も可能です。
おすすめポイント 3種類の提案をしてくれる
Geminiは、基本的に指示に対し、3種類の回答を提案してくれます。回答が1度生成された後に、他の回答案を表示の項目を選択すると回答案1、回答案2、回答案3と3種類の回答が出てきます。
おすすめポイント Googleの様々なツールと連携可能
Googleの提供している様々なツールを普段から利用している方も多いと思います。
Googleドライブ、Gmail、Googleマップ、YouTubeなどの各種GoogleツールとGeminiは連携が可能です。Geminiの拡張機能をオンにすることで使えるようになります。
■Gmail連携での活用例
「未読のメールがあったら教えて」と指示すると、Google Workspaceと接続が開始され、差出人・件名・何時に受信したのかなど詳細含め、未読メールを教えてくれます。下部にあるGmailリンクをクリックするとGmailが立ち上がり該当のメールも確認ができます。
Google GeminiとChatGPTの違いとは?
多くの生成AIが存在しますが、「ChatGPT」を聞いたことがある/使ったことがある方は非常に多いのではないでしょうか。
ChatGPT
ChatGPTは、2022年11月にOpenAI社がリリースしたチャット形式で対話ができる生成AIです。アクティブユーザー数はリリース後わずか2ヶ月で1億人を超えました。
プランは無料と有料の2種類あります。有料版は、月額20$で利用が可能です。
Google GeminiとChatGPTは、細かい点で違いがあります。
GeminiがChatGPTよりも優れている機能は以下のようなものがあります。
・最新情報の取得
Geminiは、リアルタイムな情報に基づいた回答が可能です。
一方、ChatGPTの場合は、基本的に、ある時点まで存在していた情報に基づいて回答が行われます。ただし、いつまでのデータを反映しているかは無料版と有料版で異なります。
・Google検索
Geminiは、Google検索を行い情報提供をしてくれます。その情報のソースも提示してくれます。
一方、ChatGPTはまれに存在しない情報を回答することもあります。
・音声検索
Geminiでは、音声入力で検索ができます。PCでもスマホでも、プロンプト入力フォームにマイクボタンがあるので、クリックし音声入力を簡単に行えます。
ChatGPTでは、PCでは音声入力は出来ず、モバイルアプリであれば音声検索が可能です。
・プラグイン連携
Geminiは、Googleが開発した生成AIモデルということもありGoogleが提供する様々なGoogleのアプリ・ツールと連携が可能です。また、その他にも多数のプラグインと連携ができます。例えば、Spotify、Indeed、Adobe Fireflyといったツールです。
一方で、ChatGPTは、APIを通じて多数の外部サービスと連携しています。例えば、DALL-E 3を用いた画像生成が可能です。
・回答のエクスポート
Geminiは、たったの2クリックで出力エクスポートが可能です。また、エクスポート先をGmailやGoogleドキュメントに設定し送信ができます。
ChatGPTの場合は、エクスポートが難しい場合があります。
ChatGPTのメリット
ChatGPT活用のメリットを紹介します。
・自然で滑らかな文章が作れる
自分の書いた文章を校正してくれたり、含めたい要素を伝え0から文章を作成してくれたりします。
・多くのアイディアを得られる
ほぼ待ち時間なく何十個も回答を提案してくれます。
・プログラミングができる
自分自身がプログラミング言語を知らなくてもプログラミングができます。
・アイディアの壁打ちができる
テキストベースでまるで友人に相談しているかのように悩みなどに対して回答をしてくれます。何か思いついたアイディアの壁打ちも可能です。
・作業を効率化できる
今までは時間をかけて考えながら行っていた作業時間の短縮につながります。
例えば、SNS運用での発信コンテンツの作成や、ブログのコンテンツ作成などに利用できます。
Google Geminiの活用方法について
Google Geminiは、多くの活用方法がありますが、今回は、活用方法を3つご紹介します。
活用方法 Webページの要約
Geminiは、入力フォームに、WebページURLを記載し、プロンプトでこのWebページを要約してなどと指示を出すだけで、要約をしてくれます。
海外のWebサイトにおいて日本語以外で書かれた文献やWebページを解読したいときもGeminiを活用することで効率的に情報を収集することもできます。
活用方法 手書きメモの要約
Geminiに送信できるデータは、画像や動画も可能です。そのため、手書きで紙に書いたメモを画像データとしてアップし、プロンプトで要約してなどと指示を出すと要約をしてくれます。
また、スライド資料や画像の内容を解析し要約をしてくれるのに加え、追加で関連情報を付け足して回答をもらうことも可能です。元々の資料をブラッシュアップしたい時に活用するのも便利です。
活用方法 YouTube動画の検索
Geminiに、○○について解説しているYouTube動画を見たいと指示を出すと、最適なYouTube動画をいくつか選定し提案をしてくれます。URLもあわせて動画を教えてくれるため、YouTubeで適切な動画を検索するよりも効率的に検索を行うことができます。
Google Geminiアプリについて
Gemini モバイルアプリで使いたい方もいるかと思います。アプリは、AndroidとiOSに対応しています。
IOS版
①App Storeから「Google アプリ」をインストール
アプリ名は、Geminiではなく「Googleアプリ」です。
②インストール後、アイコンをクリックしてアプリを起動する
③初期設定で検索画面が表示されるため、上部の検索の部分でダイヤアイコンをクリックし、Geminiタブに切り替え
④Geminiに切り替え後、入力フォームにプロンプトを入力する
Android版
①Google PlayストアからGoogle Geminiをインストール
②インストール後、アイコンをクリックし起動する
③起動時に、モバイルアシスタント機能を「Googleアシスタント」から切り替える画面が表示されるので、Geminiを使用をクリック
④Geminiのモバイルアプリ画面が表示されるため、入力フォームからプロンプトを入力
生成AIについて詳しく学ぶならデジタルハリウッド専門スクール
デジタルハリウッド専門スクールでは、プロンプトエンジニアリングがクリエイターにとって標準的なスキルになると考え、2023年9月から本講座と前身となる「クリエイターのためのプロンプトエンジニアリング講座」の提供を開始しました。毎月1日に開講しています。
ビジネスシーン、クリエイティブ制作シーンでのAI活用を想定し、陳腐化しない原理原則と豊富なケーススタディを体系的にカリキュラム化、「 軸となる6つのAI活用スキル 」と「 65のTips 」の習得を目指すことができます。
生成AIに馴染みのない方でも、優れたプロンプトを操る能力を身に付けることを目標としているカリキュラムとなっています。何か質問のある方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、Google Geminiについて紹介をしてきました。Geminiは、無料でどなたでも活用可能です。今後もさらに多くの機能を提供してくれるでしょう。生成AIを使ってみたいという方は、まずは「Gemini」と検索し活用し始めてみてください。
さらに、クリエイティブ作成において、生成AIを上手く活用してみたいという方は、デジタルハリウッド専門スクールの『プロンプトエンジニアリングマスター講座』がおすすめです。