公開日:2024-10-25
副業を行う場合は、収入がいくらまでであれば扶養から外れないのかなど疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。また、副業で得た収入分の確定申告は必要なのかなど扶養内で副業を行うにあたって知っておきたい情報をご紹介します。
【目次】
扶養内で副業を行いたい場合の目安の収入
扶養内で副業を行いたい場合の目安の収入は、合計130万円未満です。合計収入が130万円を超えた場合、社会保険に加入する義務が発生し、扶養から外れてしまいます。
副業を行わない場合の収入目安は、106万円です。扶養内で副業を行いたいという方は、本業の年収を106万円未満に抑え、副業も含めた収入の合計を130万円未満に抑えるのが良いでしょう。
社会保険加入対象の条件
・扶養内で副業を行う場合は、合計収入が130万円未満
・被保険者数が51人以上の企業に勤務
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2ヵ月を超える雇用見込みがある
・学生ではない
副業をしている場合に確定申告が必要になる基準
副業で得た収入分の確定申告は必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。扶養内で副業をしている場合でも、所得に応じて確定申告が必要です。
副業の所得が20万円以上
本業以外の副業所得が20万円以上の場合は、確定申告が必要です。所得20万円以上というのは、1月1日から12月31日までの1年間の所得金額の総計です。
また、ここでいう所得とは、副業収入から必要な経費を差し引いた額のことを指しています。例えば、バーチャルオフィスの利用料金・パソコン・電気代・光熱費などが経費に該当するため、これらの経費を収入から差し引いて算出します。
収入と所得は異なります。収入が20万円以上でも所得が20万円以下であれば、確定申告の必要はありません。
副業の所得が20万円以上で、確定申告を行っていない場合は、脱税とみなされ税額が加算される可能性があるため注意しましょう。
20万円以下でも確定申告をした方がケース
原則、副業所得が20万円以下の場合は確定申告の必要はありません。ただし、扶養内で副業の所得が20万円以下でも確定申告をすべきケースもあるため注意が必要です。
〈確定申告が必要なケース〉
・本業との合計収入が103万円以上かつ年末調整ができなかった場合
年末調整の前に離職した場合、該当する場合があります。
・年末調整で対応できない控除を受けたい場合
年末調整で対応できない控除とは、例えば、医療控除・初年度の住宅ローン控除が該当します。申告がない場合は、還付が受けられません。
副業の所得が20万円以下の場合、住民税の申告は必要?
副業の所得が20万円以下の場合でも、住民税の申告は必要です。住民税とは、前年の所得に対して課税される地方税です。通常、年末調整や確定申告から算出した所得をもとに住民税の納付額が決まります。
副業の所得が20万円以下の場合は、確定申告の必要はありませんが、副業の所得分を計算できないため、別途住民税の申告を行います。住民税の申告期間は、2月16日~3月15日までです。
副業で扶養から外れた場合、支払う必要がある税金
副業で扶養から外れた場合、支払う必要のある税金があります。支払わなければならない税金の種類、支払いの必要な金額について紹介します。
支払いが必要な税金 社会保険
扶養から外れる対象の、副業所得が130万円以上の場合、社会保険への加入が求められます。社会保険とは、健康保険・厚生年金保険を指します。それぞれ年収に対して支払うべき割合が決まっています。
健康保険:年収の11%前後の約半分 ※各地方で異なります。
厚生年金保険:年収の18.3%の半分
例
副業所得130万円の場合
健康保険・厚生年金保険の合計費用である約19万円が差し引かれます。
その場合は、手取りは約111万円となります。
支払いが必要な税金 国民年金と国民健康保険
扶養から外れ、会社の社会保険に加入しない場合、国民年金と国民健康保険への加入が必要です。
国民年金保険料:月額16,520円、年間198,240円(令和5年度)
国民健康保険料:年収130万円の場合は概ね月額7,500円、年間90,000円ほど
※地方や年齢、給与以外の収入や世帯主の所得等で異なります。
例
年収130万円の場合
国民年金と国民健康保険あわせて約30万円近くが差し引かれます。
その場合は、手取りは約100万円となります。
支払いが必要な税金 住民税や所得税
住民税は、年収が100万円を超えると発生します。また、所得税は、年収が103万円を超えると発生します。住民税も所得税も扶養内であったとしても発生する税金ではありますが、配偶者特別控除などがあるため、そこまで税金の負担は大きなものではありません。
ただし、収入150万円を超えると配偶者特別控除額が徐々に減額されます。
副業を行う場合は、扶養内に収める、もしくは、大きく稼いで税額負担をカバーできるようにするのが良いでしょう。
副業している場合、扶養控除申告書の提出が必要?
本業がある場合は、副業先の企業に扶養控除申告書の提出は必要ありませんが、働いている方は全員、扶養控除申告書を提出する必要があります。
扶養控除申告書とは何か?
扶養控除申告書とは、所得税の控除が可能になる、年末調整の書類として配布される申告書のことです。提出をしない場合は、所得税が高くなってしまいます。また、住民税・所得税の算出ができなくなるため、自分で確定申告を行う必要が出てきます。扶養対象者がいない場合も、扶養控除等申告書は提出します。
扶養控除申告書の提出先
扶養控除申告書を含む年末調整ができるのは、1社のみです。
正社員として勤務しつつアルバイト・パートなどを副業で行っている場合は、正社員として勤務している企業に提出をします。2社ともパート・アルバイトである場合は、収入が多い勤務先に提出を行い、もう一方は自身で確定申告を行いましょう。
マイナンバーを会社に伝えておくと、副業がばれる?
マイナンバーを副業先に伝えることで副業がばれるということは、ほとんどないと考えられます。会社がマイナンバーを目的外の利用のために使うことはできません。副業が発覚する多くのケースは、副業の収入が増加することで住民税が会社の想定を超えてしまうためです。
よくある質問
副業を扶養内で行いたいと考えている方からよくある質問をいくつかご紹介します。
よくある質問 学生が副業をしていると扶養から外れますか?
学生の場合でも、副業の収入が130万円を超えると扶養から外れます。扶養から外れると、親の支払う税金の控除が少なくなるため注意が必要です。
また、学生が副業を行う場合は、勤労学生控除という制度がありますのでこちらを受けるのがおすすめです。給与が130万円を超えるまで被扶養者として認定されます。
よくある質問 学生の場合は確定申告はしなくても問題ないですか?
学生の場合でも、収入によっては、確定申告が必要です。確定申告が必要な収入を得ているにも関わらず申告や納税を行っていない場合は、本来納付するべき税額に対して15~20%の金額が加算され、無申告課税といわれるペナルティが発生するため注意しましょう。
よくある質問 専業主婦が扶養内で副業するにはいくらまでが目安ですか?
専業主婦が扶養内で副業を行う場合、扶養内に収まる130万円未満がおすすめです。
また、確定申告をおこないたくないという場合は、所得を20万円未満に抑えましょう。
よくある質問 扶養内で副業をしていることは周りにばれますか?
扶養内で副業をしていることを周りに隠しておくのは難しいと考えられます。
副業の所得が20万円を超えているにもかかわらず、確定申告をしていない場合は追徴課税によってばれることが想定されます。また、所得が20万円未満の場合でも住民税の金額でばれてしまうことが考えられます。
よくある質問 副業していることをばれにくくすることは可能ですか?
住民税を普通徴収に切り替えることで、比較的ばれずにくいことが考えられます。特別徴収のままですと、本業の給与と副業の給与の合算で計算されるためそこから発覚することが想定されます。
扶養内で副業を目指すならデジタルハリウッド専門スクール
デジタルハリウッド専門スクールは、社会人向けのWebデザインやグラフィックデザイン、CGなどが学べる専門スクールです。中には大学や専門学校とのWスクールで受講される方もいます。手に職をつけて扶養内で副業を始めたいという方もいらっしゃいます。
様々なコースや講座を用意していますが、扶養内でWebデザインの副業をしている卒業生もいるWebデザイナー専攻 主婦ママクラスをご紹介します。
Webデザイナー専攻 主婦ママクラス
Webデザイナー専攻 主婦ママクラスは、主婦やママの方が家事や育児と並行しながら、無理なく学習を進めることができる専用クラスです。お子さま連れでの学習も可能で、クラス授業ではシッターサービスが導入されています。卒業後は、副業、フリーランス、パート、アルバイト、業務委託、正社員、復職など、個々のライフスタイルに合わせて希望の就業スタイルを実現されています。
卒業生のご紹介
まとめ
今回は、扶養内で副業をする場合の目安の収入やよくある質問などを紹介しました。
複雑な内容ではありますが、扶養内で副業を始めるためには欠かせない知識です。ご家族とも知識を共有しながら、税負担のせいで収入が減ってしまうということのないよう注意しながら進めましょう。