タイプフェイスとは|フォントとの違い・種類・選び方を解説

公開日:2026-09-25

タイプフェイスとは|フォントとの違い・種類・選び方を解説

タイプフェイスとは|フォントとの違い・種類・選び方を解説

公開日:2023-07-01(更新日:2026-09-25)

「タイプフェイス」と「フォント」、似ているようで実は意味が異なる言葉だということをご存じでしょうか。デザインを学び始めると多くの場面で出会うこの2つの用語ですが、正確に説明できる人は意外と少ないものです。本記事では、タイプフェイス(書体)の基本的な意味からフォントとの違い、書体の種類、良いタイプフェイスの選び方までやさしく解説します。

タイプフェイス(書体)とは

「タイプフェイス・書体」とは、統一的なコンセプトで作られた文字・記号などの一式のデザインを指します。元々は金属活字の字面(じづら)を指していましたが、次第に現在の意味を指すようになりました。現在は活字の代わりに、コンピューターにデジタルフォントとして搭載されています。「タイプ(type)」は活字から、「フェイス(face)」は顔/面(つら)からきており、日本語では書体と言います。

1つの書体における太さ(ウェイト)や傾き(斜体:Italic、Oblique)、字幅等のバリエーションの集まりを「フォントファミリー」と呼びます。ファミリーの多い書体はデザインに変化をもたらしたり、強調なども行いやすくデザインする際に使いやすいです。たとえば同じ書体でも、「レギュラー(標準の太さ)」「ボールド(太字)」「ライト(細字)」といったウェイトのバリエーションを持つファミリーであれば、見出しには太いウェイト、本文には標準のウェイトを使うといった使い分けができます。1つの書体の中で統一感を保ちながら強弱をつけられるため、デザイン全体にまとまりを持たせやすくなります。

さらに、書体の中には「コンデンス(幅の狭いバリエーション)」や「エクステンデッド(幅の広いバリエーション)」といった字幅のバリエーションを持つものもあります。スペースの限られた見出しや、逆にゆったりと見せたいキャッチコピーなど、レイアウトの都合に合わせて字幅を選べる点も、フォントファミリーが充実している書体を使うメリットのひとつです。1つの書体ファミリーの中で完結できれば、複数の書体を組み合わせたときに起こりがちな、雰囲気のちぐはぐさを避けやすくなります。

タイプフェイスとフォントの違い

「タイプフェイス」と「フォント」は日常的にほぼ同じ意味で使われることも多い言葉ですが、厳密には区別されています。「書体」とは、共通した表情をもつ文字の集まりと定義されます。一方「フォント」は、現在ではデジタル化した書体のことであり、組版に利用できる共通デザインのひと揃いの文字の集まりを指すと定義されています。

つまり、タイプフェイス(書体)は文字デザインそのものの概念であり、フォントはそのデザインをコンピュータでの組版に使うための実装(データ)であると整理できます。たとえば「明朝体」というタイプフェイス(書体)を、実際にパソコンで使えるデータの形にしたものが「明朝体のフォント」というイメージです。日常会話では「フォントを選ぶ」「書体を選ぶ」のどちらの言い方をしても大きな支障はありませんが、デザインの現場やソフトウェアの仕様について正確に話す場面では、この2つの言葉の違いを意識しておくと、コミュニケーションの齟齬を防ぎやすくなります。

関連して、「字体」「字形」という言葉もあります。字体とは、図形文字の図形表現としての形状についての抽象的な概念(文字の骨組み)を指します。字形とは、その字体を手書きや印字、画面表示などによって実際に図形として表現したものです。そして書体とは、一貫したデザインで形成された字形の集合体を指し、広義には明朝体・ゴシック体などの「種類」を、狭義にはリュウミン・ヒラギノ明朝などの「個別デザイン」を指すとされています。

タイプフェイスの種類

欧文書体はアルファベットの欧文に使われます。ベースラインという水平のラインに揃えてデザインされています。欧文書体には大きく分けて「セリフ(serif)体」と「サンセリフ(sans-serif)体」があり、その他にもスラブセリフ体やブラックレター体などがあります。

セリフ体は、文字の先端に「セリフ」という小さな装飾がある書体です。セリフは元々、筆記具で文字を書いた際にできる痕跡に由来するという説があり、その後は意図的な装飾要素として書体に取り入れられるようになったとされています。権威的・専門的な印象を与えるとされ、小さいサイズでの可読性に優れるとされていることから、書籍など長文の印刷物に向いています。セリフ体は「古典的なスタイルと伝統」を印象づける書体ともされています。

サンセリフ体はフランス語で「sans(サン)=ない」という意味をもつ、セリフのない書体です。1928年に発表された「Futura」が初期の代表的なサンセリフ体とされ、その後「Helvetica」などが広く普及しました。現在ではWebサイトやアプリなどで広く使われる書体分類の1つです。現代的・モダンな印象を与えるとされ、画面上での可読性が高いとされていることから、アプリやWebサイト、標識など小さなスペースでの表示に向いています。サンセリフ体は「モダニティとシンプルさ」を印象づける書体ともされています。

和文書体は日本語に使われます。仮想ボディという文字の全角にあたる正方形の枠に収まるようにデザインされています。代表的な分類として明朝体とゴシック体があり、その他にも丸みを帯びた「丸ゴシック体」、楷書や隷書などの伝統的な書にならって作られた「筆書体」、さまざまなイメージ・用途を想定して作られた「デザイン書体」などがあります。

明朝体には「うろこ」という小さな山があり、横線が細く縦線が太いものが多いです。和風なイメージや高級感のあるイメージ、優しく華やかなイメージを表現したいときに多く使われます。可読性が高く長文にも向いており、小説などでも使われています。ゴシック体は明朝体と異なりうろこが無く、角張った形をしており線の太さが均一なものが多いです。ゴシック体はシンプルなイメージやカジュアル、ポップなイメージを表現したい時に多く使われ、Web上での長文に用いられることも多いです。太くはっきりとしているものもあり、見出しなどテキストを強調したい時にも使われます。

書体の分類は、セリフ・サンセリフや明朝・ゴシックといった見た目の違いだけでなく、使う場面に着目した分け方もあります。たとえば「本文用書体」と「ディスプレイ書体」という用途による分類や、「かな書体」のように使用する文字セットに着目した分類もあります。書体を選ぶ際は、見た目の印象だけでなく、こうした分類の観点も踏まえて用途に合ったものを選ぶことが大切です。

良いタイプフェイスの選び方

良いタイプフェイスは、書体のコンセプトがしっかりとしており、高い完成度を持っています。コンセプトに従って設計され、文字が1つ1つしっかりと出来上がっていることが重要です。

良いタイポグラフィは目立たず、読者が書体を意識せずに読み進められる状態であるとされています。逆に悪いタイポグラフィは、読者の注意をデザインそのものに引きつけてしまい、内容を読み進める妨げになってしまいます。古典的なアプローチとして、見出しにはサンセリフ体、本文には読みやすいセリフ体を組み合わせるという手法も紹介されています。

また、本文用なのか、見出し用なのか、印刷用なのか、Web上で表示するためなのか等、使用媒体やどういった目的に合わせて設計されているのかということも、良いタイプフェイスを選ぶ時の大切なポイントです。加えて、行間や文字間(トラッキング)の調整も可読性に影響する要素とされており、書体そのものの選定だけでなく、こうした間隔の調整もあわせて意識すると、より読みやすいデザインに仕上げやすくなります。

デザイン初心者のうちは、1つの制作物の中で使う書体の種類を絞ることも意識するとよいでしょう。書体を欲張ってたくさん使ってしまうと、統一感が失われて読みにくいデザインになりがちです。まずは見出し用・本文用の2種類程度に絞り、フォントファミリーのウェイト違いで強弱をつけるところから慣れていくと、バランスの取れたデザインを作りやすくなります。

また、Webサイトや資料の画面表示と、チラシや冊子のような印刷物とでは、同じ書体でも見え方や読みやすさの印象が変わることがあります。実際に使用する媒体・サイズで文字を表示・出力してみて、想定する読者にとって読みやすいかどうかを確認しながら書体を選ぶことも大切です。ロゴやキービジュアルなど、既にデザインが決まっているものがある場合は、そのトーンとの一貫性も踏まえて書体を検討すると、全体としてまとまりのある印象に仕上げやすくなります。

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タイプフェイスとフォントの違いや書体の選び方を理解することは、伝わるデザインを作るための土台になります。デジタルハリウッドでは、未経験からでもグラフィックデザインの実務スキルを体系的に学べる環境が整っています。

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まとめ

タイプフェイス(書体)とは、統一的なコンセプトで作られた文字一式のデザインのことであり、それをコンピュータでの組版に使えるデータにしたものがフォントです。欧文書体にはセリフ体・サンセリフ体、和文書体には明朝体・ゴシック体といった種類があり、それぞれ与える印象や向いている用途が異なります。良いタイプフェイスを選ぶには、書体そのものの完成度に加え、可読性や使用媒体・目的への適合を意識することが大切です。

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この記事のポイント

  • タイプフェイス(書体)とは、統一的なコンセプトで作られた文字一式のデザインのこと
  • フォントは、その書体をコンピュータでの組版に使えるデータにしたもの
  • 欧文書体はセリフ体・サンセリフ体、和文書体は明朝体・ゴシック体などに分類され、それぞれ与える印象や向いている用途が異なる
  • 良いタイプフェイスを選ぶには、書体の完成度に加え、可読性・使用媒体や目的への適合を意識することが大切
  • 見出し用・本文用など書体の種類を絞ることも、まとまりのあるデザインに仕上げるポイントの一つ

タイプフェイスとフォントの違いを理解することは、伝わるデザインを作る第一歩です。気になった方は、ぜひスクール説明会にもお気軽にご参加ください。

デジタルハリウッド 編集部

デザインを学ぶうえで欠かせないタイポグラフィの基礎知識をわかりやすく発信。タイプフェイスとフォントの違いや書体の種類・選び方など、専門スクール運営で培った知見をもとに解説しています。