JPEGとは?JPGやPDF,PNG,GIFとの違いやメリットを徹底解説

公開日:2023-07-01

「JPEG(ジェイペグ・ Joint Photographic Experts Group)」とは、静止画像データの圧縮方式の1つです。拡張子には「.jpg」や「.jpeg」などが付与され、インターネット上ではPNGやGIFと並んでよく使われています。JPEGの名前は規格を制定した「Joint Photographic Experts Group」というISOの中の国際的な組織から由来しており、1992年に規格として定められました。

JPEGの特徴は?主な用途とは

24ビット(16,777色)をフルサポート

24ビット(16,77万色)のフルカラーをサポートしています。

繊細なグラデーションや自然な色を再現できるので多くの色を必要とする写真などの表現に向いており、高画質の状態での保存も可能です。

圧縮率が高い

JPEGは、最高画質で書き出してもPNGと比べて圧縮率が高く、圧縮することで低用量で保存が可能です。高画質のままで保存すると大きな容量のままですが、圧縮することで大量の画像を保存したい場面で便利です。JPEG形式は、写真の記録やインターネット上で大きな画像を表示したい時に多く使用されます。

グラデーション表現に向いている

写真など輪郭がはっきりとしていない色の変化が多いグラデーション表現などがキレイに再現され、色の変化を滑らかに再現できます。反面、シンプルでくっきりした表現はぼやけ、サイズも大きくなる傾向があります。

JPEGが誕生した背景

写真の様な画像を電子データにして他者と共有をする上で、受け取った人も再生ができる様にするために共通の圧縮方式が必要となり誕生しました。しかし、当時のコンピューターなどのメモリは現在よりも非常に少ないものでした。その上で高い圧縮率を再現してサイズを削減するには「可逆圧縮」では足りず、「非可逆圧縮」という方式がとられました。

JPGとJPEGとの違いは?

機能面で見れば同じもの

「.jpg」「.jpeg」のようなファイル名の末尾についているドット以降の文字列を拡張子と呼び、ファイルの保存形式を表しています。

実は、この2つは、拡張子が異なるのみで機能の面で違いはありません。どちらも「Joint Photographic Experts Group」が正式名称であり、「.jpg」「.jpeg」は頭文字をとった略語になります。

なぜJPGとJPEGの表記が生まれたのか

では、なぜ「.jpg」「.jpeg」の2種類の表記が混在しているのでしょうか。

それは、1980年代に普及していたOSであるMS-DOSが関係しています。

当時このOSの仕様では、ファイルの拡張子は3文字までという制約がありました。

しかし、現在普及しているOSでは、拡張子3文字の制約がなくなったため、「.jpeg」の拡張子も使われている状態になっています。今では、「.jpeg」だけではなく「.docx」や「.xlsx」のような4文字の拡張子も使われています。

どちらが主流?

それでは、「.jpg」とどちらが主流で使われているのでしょうか。

ご紹介した通り拡張子の文字数の違いのみになるので、ファイルの形式上、違いはありません。しかし、現在は、「.jpg」の方が主流で使用されていることが多いです。

例えば、ファイル変換を行うことなどができるAcrobat/Adobe Readerでは、JPEGファイルの取り扱いとして、ファイルの直接変換(Acrobatにてファイルから直接PDF変換を行える形式)は .jpg対応となっています。

PDF,PNG,GIFとの違いについて

PDF画像との違い

PDFとは「Portable Document Format」の略称です。

PDFは、PDFを読み取れる専用ファイルを用意すれば、あらゆる使用環境で画像や文章を忠実に再現することができるのがメリットです。JPEGなどの画像データは、まれに、ソフトウェアやOSによっては、閲覧ができない場合があります。

一方、PDFの編集や加工には有料の専用ソフトが必要になるというデメリットもあります。また、一部のフォントではPDFに情報を読み込めずレイアウトが崩れる場合もあるため注意が必要です。


JPEGは、本記事でお伝えしている通り高画質のまま保存ができるので写真や画像の印刷に向いています。一方でPDFはテキストの再現性が高いため文章の印刷をするのに適していると言えるでしょう。
それぞれ性質が異なるので、印刷する目的やデータの内容に合わせて使い分けるのがおすすめです。

PNG画像との違い

PNGとは、「Portable Network Graphics」の略称です。PNGは、「ピン」もしくは「ピング」と呼ばれます。

JPEGは、圧縮前のデータに復元はできませんがPNGでは可能な点がメリットの一つです。加えて、透過処理もできる点も便利です。

ただし、JPEGと比較してPNGは容量が大きくなることもあります。容量が大きくなることでページの表示速度に影響が出る可能性もあるため注意が必要です。

また、PNGは、比較的新しいファイル形式ですので、旧式のPCや古いバージョンのブラウザではPNGが開けない場合があるのが難点です。
加工を繰り返す画像に関しては、JPEGですとノイズが目立ってしまうこともあるのでPNGを使用するなどJPEGとPNGをうまく使い分けましょう。

関連リンク:PNGとは

GIF画像との違い

GIFとは、「Graphics Interchange Format」の略称です。GIFは、「ジフ」と呼ばれます。

GIFは、JPEGと違い圧縮した画像を元の画質に戻すことが可能です。

今では、GIFといえばアニメーションのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

GIFならではのメリットとしては、データ容量が小さく、透過処理が可能、そしてアニメーションを作ることができるという点が上げられます。

JPEGと違いですが、JPEGに比べGIFは色の数に制限があります。

そのため、単色や色数の少ないイラストではノイズのないものが作りやすいですが、写真などの複数の色を使用する際は再現性に欠けてしまうことが多いでしょう。

関連リンク:GIFとは

JPEGのメリット

JPEGはファイルサイズを大幅に小さくすることが可能で、高い圧縮率を誇ります。「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」などの画像加工ソフトでは圧縮率を選択することがきるため、目的によって圧縮率や画質を設定して希望のサイズにすることができます。

JPEGのデメリット

JPEGは非可逆圧縮のため、圧縮後は元の品質には戻すことができなくなります。一度サイズを小さくしたり、元の画像をそのまま上書き保存を繰り返すと徐々に劣化していきます。数回の上書き保存ではそこまで目立ちませんが、画像加工を仕事にしている人は注意が必要です。また、JPEGは圧縮率を高くするほどモスキートノイズやブロックノイズが現れ、劣化しているのが目立ちます。

背景透過に対応していないところも注意点であり、PNGなどとは異なり背景の透過ができないため目的に応じて使い分けが必要です。

他の画像形式への変換について

JPEGから、例えばPNGやGIF、PDFなどの他のファイル形式に変換することは可能です。拡張子は、Windowsmのデフォルトの機能で簡単に変換することができます。検索を行うと無料の外部ツールも出てきますので気になる方は調べて使用してみてください。

まとめ

本記事では、JPEGの特徴や主な用途をメインに紹介いたしました。

扱う素材(データ)によってJPEGが合う・合わないがありますので、JPEG、PNG、GIF、PDFそれぞれに特徴を理解し使いこなせるようにしていきましょう。

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著者:デジタルハリウッド スクール 編集部